2015年07月24日

モバP「美穂の演技練習に付き合う」

モバP(以下P)「そう、あれは二週間前の事だった...」



〜二週間前〜



P『美穂、この前はありがとう。おかげで仁奈が大変なことにならずに済んだよ』





P『伸ばし伸ばしになっていたけど、美穂にお礼がしたいんだ。何かやりたいこととかあるかな?』



美穂『そ、そんなお礼なんて....私は当然のことをしただけですよ?』



P『遠慮しないで、俺ができることなら何でもいいから』



美穂『何でも...ですか?じゃあ...一つお願いがあります!そ、そのお願いは、ですねっ』



P『美穂、大丈夫だから落ち着いて、ね?』



美穂『は、はいっ!その...私今度ドラマに出演するじゃないですか?』



P『そうだね。学園ドラマの準ヒロインの役だよね?』



美穂『それで役柄が、主人公に恋をする女生徒役なんですよ...振られちゃう役ですけど...』



P『うっ...まあドラマだし、あくまで役だから...そこは勘弁してくれないかな?』

美穂『あっ...あの...役に不満があるわけじゃないんです。ただ...主人公に積極的に関わるシーンがたくさんあるんです』



美穂『それで...わ、わたし男の人にそんなに積極的に話かけたことがないので...Pさんに役の練習相手になってほしいんです!』



P『練習相手...それはつまり台詞の練習に付き合ったりして、主人公の変わりを務めるってことでいいのかな?』



美穂『そうです!こんなことをお願いできる男の人はPさんしかいなくて...いいですか?』



P『もちろんいいさ!』



美穂『あ、ありがとうございます!宜しくお願いしますっ!』



P『立派に役を演じられるように頑張ろうな!』



美穂『はいっ!』

-------



---



P「そんなやりとりをしたんだ...それで今日が練習をする約束をした日なんだが...」



美穂「ど、どうですかPさん?この帽子似合ってますか?」



P「なんで俺は美穂とデパートで買い物をしているんだ?」



美穂「あ、あれ?似合ってませんか...?」



P「えっ!?そんなことないよ!良く似合っているよ」

美穂「そうですか?えへへ!Pさんがそう言ってくれたから...買っちゃおうかな♪」



P「あ、あの美穂?ちょっといいかな?」



美穂「なんですか?」



P「これって...演技の練習なんだよな?ちょっと...だいぶ俺のイメージしていた練習とは違うんだけど」



美穂「実はドラマで主人公とデートするシーンがあるんですけど...そ、その私はで、デートをしたことがないので...」



美穂「だから今日は撮影の時に緊張しないように、デートを経験しておきたいんですっ」

P「な、なるほど」



P(えっ?ということはこれって...美穂にとっての初デートってことか?)



美穂「今日は撮影シーンになぞって行動しようと思っているんですけど...たくさんデートの経験をさせてくださいね、Pさん?」



P「お、おう...まかせ...て?」



美穂「ふふふっ♪次はお洋服を見に行きませんか?それで、その...もしよかったらPさんに選んで欲しいんですけど...いいですか?」

P「う〜ん、服選びにはあまり自信がないけど...それでもいいかな?」



美穂「そ、そんな!わ、私はPさんに選んでもらえるだけで...嬉しいですから」



P「そう?じゃあ頑張って選んでみるよ」



美穂「あ、ありがとうございますっ。じゃあ早速行きましょう?お洋服売り場は...あっちですね」



P(これもシーンにあるのかな?まっ、美穂に任せるか)

-Pと美穂からおよそ20m離れた場所-



夕美「美穂ちゃん楽しそうだなぁ...」



智絵里「Pさんとデート...いいなぁ...美穂ちゃん」



飛鳥「ボクが言うのもなんだけど...二人とも今相当痛いヤツだよ...」



夕美「だって気になっちゃうよ!それに飛鳥ちゃんだって気になるのは同じでしょ?」



智絵里「飛鳥ちゃんも、一週間前の夕美さんのお話が気になったから...一緒に来てくれたんですよ...ね?」



〜一週間前〜



夕美『...という話をPさんと美穂ちゃんが話してたんだよ!』



智絵里『...えっと...』



飛鳥『話が見えないね...つまり何が言いたいんだい?』



夕美『二人は気にならない?演技の練習なのに待ち合わせ場所がデパートの近くなんだよ?それも変装をして』



智絵里『確かに気になりますけど...でも、二人の邪魔はいけないと思いますよ?』



飛鳥『美穂さんは真面目な性格だろう?そんなに心配する必要はないとボクは思うよ?』

飛鳥『そもそも二人の様子を見に行くなんて...アイドルがすることじゃないよ』



夕美『そうだけど気になっちゃうから...私は一人でも様子を見に行くよっ!』



飛鳥『...何もボクは着いて行かないとは、一言も言ってないよ?そもそも夕美さんは仲間が欲しいから...その日がオフのボクたちに声を掛けたんだろ?』



夕美『えっ、だって...』



智絵里『いけないことですけど...Pさんと美穂ちゃんがどんな練習をするのか気になって...今後の参考のためにも...』



夕美「...結局二人とも気になるんだよね?」



-------



---



飛鳥「そうだね...けどボクは最初から痛いヤツだからね?正統派の君たちが堕ちていくのは見るに堪えないよ」



夕美「うぅ...でも...」



智絵里「...私は...うさぎですから...」



夕美「えっ?」



飛鳥「....つまり、どういうことかな?」

智絵里「うさぎは...寂しがりやなんです...Pさんは、寂しがり屋の子は大切にするって...言ってくれましたから...」



夕美(えっ?つまりどういうことなの?)



飛鳥「なるほど...確かにそれは今の行動の根拠としては...十分だね」



夕美(えぇ〜?そうなの?)



飛鳥「夕美さんはどうかな?今の行動に対して、正とする理由はあるかい?」



夕美「わ、私は...」

夕美(飛鳥ちゃん好みの言い方だと...)



夕美「は、花は愛でられないと枯れちゃうんだからっ!...ね?」



飛鳥「...夕美さんの言葉の意図は理解できなかったけど、熱意は伝わったよ。その熱意があれば...何も言わないさ」



夕美「なんでー!?」



智絵里「あ、あの...Pさんと美穂ちゃんが行っちゃいますよ?」

-洋服売り場-



美穂「どうですか...似合ってますか?」



P「ああ、とっても似合っているよ。美穂は気に入ってくれたかな?」



美穂「はいっ、私もこのお洋服は大好きです♪えへへ...Pさんありがとうございます」



P「良かった。美穂は可愛いからこういった女の子って感じの服がよく似合うな〜」



美穂「そ、そうですか?そんなに褒められると...恥ずかしいですよ」

P「そうやって恥らっている姿も可愛いな〜♪」



美穂「も、もぉ〜!そんなことを言って...でも嬉しいですっ♪Pさんはこういったお洋服が、好きなんですか?」



P「服が好きって言うよりも...美穂にはこんな服を着てみて欲しいって感じかな」



美穂「わたしには...ですか?」



P「うん。美穂は顔つきだけじゃなくて、普段の何気ない仕草が可愛らしいからね。こんな子が可愛い服を着なかったら誰が着るんだって思えるくらい」



美穂「P、Pさん...ほ、褒めすぎですよ?出来れば二人きりの時に言ってほしいです。じゃ、じゃないと私...」



美穂「周りの人が気になって...P、Pさんに素直に感謝の気持ちを...伝えられませんから...」



P「あっ、悪かった。ごめんな?美穂のことを考えないで」



美穂「えっ!?いえ、そんなつもり...じゃあ、今度二人きりになれたら...もう一度言ってもらっていいですか?」



P「...うん、じゃあまたその時が来たらね?」



美穂「約束ですよ?あと、今はこれしか言えませんけど...Pさんに可愛いって言ってもらえて、とっても嬉しいです♪ありがとうございます」



P「そ、そうか?美穂が喜んでくれたなら、良かったよ」

-Pと美穂からおよそ20m離れた場所-



夕美「美穂ちゃん可愛いな♪あのお洋服だったら、智絵里ちゃんもよく似合うよねっ」



智絵里「そうですか?...Pさんが選んだお洋服が、私にも似合う...えへへ...」



飛鳥「ボクには合わなそうだね...そうか、Pはああいった服が好みなのか...」



夕美「ふふっ、飛鳥ちゃんにも似合うと思うよ?たまにはあんなお洋服も着てみたらいいんじゃないかな?」



飛鳥「...考えておくよ」

夕美「それにしても...大体の様子はわかるけど、Pさんと美穂ちゃんが何を話してるかは分からないね。気になるなぁ...」



飛鳥「夕美さんはPと美穂さんの会話を聞きたいかい?」



夕美「えっ?それは...聞きたいけどどうやって?」



飛鳥「実はPのジャケットに盗聴器を仕掛けておいたのさ...変装はしてもジャケットは変えないと思ってたけど、思った通りだったね」



夕美「え...え!?」

智絵里「飛鳥ちゃん、その盗聴器はどうしたの?」



飛鳥「晶葉に頼んで用意してもらったのさ...何だい?夕美さんの痛いヤツを見る目は?ボクは自分が痛いヤツだって自覚しているさ」



夕美「いや、痛いヤツっていうより...怖い人を見る目をしているつもりだけどね」



飛鳥「怖い人?確かにそうかもしれないね。盗聴だし...でも夕美さん、少し考えてみてくれないかい?」



飛鳥「どんな場所でも感謝すべき大切な恩人の声が聞こえる...そんな世界は素敵だと思わないかい?」



夕美「ポエム風に言っても盗聴の事実は変えられないよ!?」

智絵里「ああ...確かに素敵です...Pさんの声がいつでも聞こえる世界...♪」



夕美「智絵里ちゃん、そっち側に行っちゃダメぇ!?」



?「おやー?あそこにいるのは...」



飛鳥「全く...夕美さんは何が不満なのか、ボクには解らないよ。ただ今日のための備えをしていただけさ」



夕美「不満じゃなくてね...」



?「御三方は何をしているのでございますですかー?」



智絵里「...!?」ドキッ!



夕美「ひゃっ!?...あ...」



飛鳥「....やあ、こんなところで奇遇だね」



ライラ「御三方は何を驚いているのですかー?ライラさんでございますですよー」



夕美「ご、ごめんライラちゃん!急に声を掛けられたから驚いて...」



ライラ「?ライラさん普通に声を掛けただけですよー?」

夕美「いや...その...」



夕美(盗聴だとか不穏な言葉を誰かに聞かれたかと思って、動揺したけど...ライラちゃんになんて言えば)



智絵里「ら、ライラちゃんはどうしてここに?何か用事があったの?」



ライラ「ライラさんはこのデパートにあるアイス屋さんがセールをしていると聞いて、食べに来たのですよー」



ライラ「さっき食べ終わったところです。とっても美味しかったでございますですよー♪」



智絵里「そうなんだ。私たちは三人でデパートにお買いものをしに来たんだよ」

飛鳥「偶然オフが重なっていてね。一緒に過ごさないかって...夕美さんから誘いがあったのさ」



夕美「そ、そうなんだ」



ライラ「そうでございましたかー。よければライラさんもご一緒させてもらっていいですかー?」



夕美「勿論いいよ。人数が多いほうが楽しいしねっ」



智絵里「そうですね...あっ!?」



飛鳥「智絵里さんどうしたんだい?...ボクとしたことが、油断していたね。Pと美穂さんは既に行ってしまったようだね」



ライラ「P殿と美穂さんもいらっしゃるのですかー?」



夕美「二人ともどこにいったんだろ...?」



飛鳥「ちょっと待ってくれないかい?今Pの声を聴くから...」



P『次はどこに行くんだい?』



美穂『次はですね、ゲームセンターに行きましょう。そこでPさんとやりた...演技の練習がしたいんですっ』

P『そうか。確かにゲームセンターでデートをするシーンがあったね。どこのゲームセンターに行こうか?』



美穂『練習をするゲームセンターはもう決めてあるんです。私が道案内しますから、着いてきてくれますか?』



P『分かった。道案内宜しくね』



美穂『任せてください!えっと...こっちですっ』



飛鳥「...参ったね。今の会話だけだと目的地が分からないね」



夕美「...どうしよう。Pさんと美穂ちゃんを見失っちゃった」



智絵里「...大丈夫です」



夕美「智絵里ちゃん?」



智絵里「Pさんのスマートフォンに発信機アプリが入ってますから、それで追いかけましょう」



夕美「智絵里ちゃーん!?」

智絵里ちゃん「大丈夫です。Pさんには許可を貰ってますから」



夕美「えっ?Pさんから許可を貰ってるって、どういうこと?」



智絵里「京都でのお仕事の時に、私の携帯からPさんの居場所が分かるようにしてもらったんです。もし私が迷子になっても、大丈夫なように...」



智絵里「お仕事が終わっても、また使う機会があるかもしれないからって...そのままにしてもらってるんです」



夕美「なるほど...でも、それを悪用していいのかな?」



智絵里「今回は迷子と同じ緊急事態ですから、問題無し...ですっ♪」



夕美「そう...かな?」



飛鳥「なるほど...ボクもこんな周りくどい事をしなくても、Pに正面から伝えれば...」



夕美「多分それは許可を貰えないと思うよ?...これが終わったらちゃんと外そうね」



智絵里「発信機によると...あっちです」

-ゲームセンター-



美穂「たくさん撮っちゃいましたね、プリクラ。一度にこんなに撮ったのは初めてですっ」



美穂「ドラマでも主役と一緒にプリクラを撮るシーンがあるんですけど、男の人と一緒に撮ったことが無くて」



美穂「だから本番で緊張しない様に、Pさんと一緒に撮って経験をしておきたかったんですっ」



美穂「有難うございました。これで撮影の時は緊張せずに演技ができると思いますっ!」



P「美穂の役に立てたんだったらよかったよ。でも俺で予行練習したといっても、本番は俳優さんと撮るんだろ?」



P「俺が練習相手で大丈夫かな?」

美穂「そ、そんなことないですよっ!?むしろPさんとだからドキド...あぁっ、なんでもないです!?」



美穂「さ、さっきも言いましたけどっ、男の人と撮るのが初めてですからっ!その、すごくいい経験になりましたからっ!?」



P「お、落ち着いて美穂?そうか、美穂がそう感じているんなら...問題ないな!」



美穂「あっ...はいっ!最初はドキドキして緊張してましたけど、後半は自然な笑顔で撮れていたと思いませんか?」



P「うん、確かに。こうして撮った順番に並べて見ると最初は少し表情が硬いけど、だんだん綻んできて良い笑顔になっているね」

美穂「何だか私とPさんのこれまでの関係みたいじゃないですか?最初は私が恥ずかしがって、Pさんに積極的になれなくてうまくコミュニケーションができませんでしたよね」



P「うまくコミュニケーションが取れなかったのは美穂だけのせいじゃないさ。俺だってどこまで踏み込んでいいか分からなくてね。今思うと凄くぎこちなかったと思うよ」



美穂「そうだったんですか?全然気づきませんでした...でも一緒にいろんなお仕事をして、お互いの事を少しづつ分かってきて、お互いを信頼できる...素敵な関係になれましたよね」



P「お互いを信頼できる関係...自分でもそうなったかなって思ってたけど、実際に美穂に言葉で伝えてもらえると嬉しいな」



美穂「じゃあもっと言っちゃいますね?Pさん、信じてます。Pさんとこんなに強い信頼関係を築けて、私とっても嬉しいですっ♪」

P「はははっ、改めて言われると照れるな。本当に...美穂は成長したな。前は中々自分の気持ちを口にしなかったのにね」



美穂「でもまだまだです。プリクラを撮るとき、最初は緊張してましたから」



美穂「本当は最初から自然な笑顔で写りたかったんですけど、Pさんと初めて撮る二人きりでの写真だと思うと緊張しちゃって」



P「あっ、言われてみるとそうだね。美穂と一緒に写っている写真はたくさんあるけど、二人きりなのは初めてだね」



美穂「ふふっ♪だからついたくさん撮っちゃいました。Pさんと二人きりでの写真を撮る機会なんて、滅多にありませんから」



P「そうだね。折角初めて二人きりの写真を撮ったんだから、記念にどれか手帳に貼ろうかな。美穂はどれがいいと思う?」



美穂「うーん...これなんかどうですか?私もPさんもいい笑顔で撮れていて、フレームも派手じゃないから手帳に貼ってもあまり目立たないと思います」



P「じゃあこれを貼ろうかな。美穂はどうするんだい?」



美穂「私はたくさんあって目移りしちゃってますから、今夜今日撮ったプリクラを整理して、どのプリクラをどれに貼るのか決めようと思います」



P「たくさん撮ったからね。ゆっくりと決めるといいよ」



美穂「でも一枚だけ、Pさんが手帳に貼ったプリクラを私も手帳に貼るのは決めてますっ♪...おそろいですねっ♪」

P「美穂とおそろいか。ははっ、ちょっとこそばゆいかな?次はどうするんだい?」



美穂「ゲームセンターでやっておきたいことは終わりましたっ。次はですね...あっ」



P「ん、どうしたんだ美穂?...あっ」



P(UFOキャッチャーの景品に、大きなクマのぬいぐるみがある。あれが気になるんだな)



P「あのぬいぐるみが気になるんだろ?」



美穂「えっ!?わ、わかっちゃいますか!?」



P「うん。すっごく分かりやすかった。よしっ、気になったんなら取っていこうか」

美穂「えっ!?でもドラマでそんなシーンはないですし...それに荷物になっちゃいますから...」



P「なーに、取れたら俺が持つさ。確かに撮影するシーンを前もって経験することは大切だけど」



P「シーンに無くたって、デートでするようなことを色々経験してた方が演技の幅が広がるんだと思うんだ」



美穂「色々なことを経験をした方がいいとは思います。でも撮影シーン以外の事だと、演技のためだってことを疎かにしちゃいそうで...」



P「うーん、疎かにしていいわけじゃないけどさ、デートは楽しいのものだろ?だから単純に楽しんで、どんな気持ちになるのかを経験できれば演技に役立てられるんじゃないかな?」



美穂「単純に楽しむ...そうかもしれませんね。えへへ、それじゃあ自分の気持ちに正直なりますっ♪Pさん、私あのくまさんのぬいぐるみが欲しいですっ!」



P「はははっ、よしっ!任せろ」

-Pと美穂からおよそ10m離れた場所-



飛鳥「...傍から見るとカップルにしか見えないね、あの二人は...」



ライラ「美穂さん楽しそうです。ライラさんはアイスクリームのぬいぐるみがいいですね」



智絵里「アイスクリームのぬいぐるみってあるのかな?私はうさぎさんのぬいぐるみがいいなぁ...夕美さんと飛鳥ちゃんは何のぬいぐるみがいいですか?」



夕美「うーん、私はぬいぐるみよりお花がいいかな?Pさんと部屋に飾るお花を一緒に選びたいな」



飛鳥「ちなみに夕美さんの言っている部屋というのは、どの部屋の事を指しているのかな?」

夕美「へっ!?もちろん事務所のことだよ!?」



ライラ「?事務所は事務所で、お部屋とは違うと思いますですよー?」



夕美「うっ...それは...飛鳥ちゃんはどんなことがいいのかな?」



智絵里(ごまかしました...)



飛鳥「アクセサリ選びなんかいいかな...Pがボクにどんなものを選んでくれるのか、興味があるね」



?「おっ?あれは...」

夕美「アクセサリ...それもいいねっ♪」



?「おーい、みんなで何をしてるんだ?」



飛鳥・智絵里・夕美「「「...!!?」」」ビクッ!!



ライラ「奈緒さんこんにちはですよー」



奈緒「こんにちはライラ。三人はなんで驚いているんだ?」

智絵里「な、奈緒ちゃんはどうしてここに?」



奈緒「いや、仕事が終わって帰りに寄り道をしていたら、珍しい組み合わせがゲームセンターにいるのを見つけてさ」



奈緒「何をしてるんだろう思って、声を掛けたんだけど...それよりなんで三人はそんなに驚いているんだよ?」



夕美「べ、別に驚いてないよ?私たちは...オフが偶々重なっていたから一緒に出掛ける約束をしててね...」



ライラ「ライラさんも途中一緒になって、今はP殿と美穂さんのお二人の様子を見ていたのです」



智絵里・夕美「「「...!?」」」



奈緒「Pさんと美穂もいるのか。あっ、あそこか。おーい、P...」



飛鳥「それ以上はいけないよ」ガッ!!



奈緒「フグッ!?」

-------



---



P「あれ?いま奈緒の声が聞こえなかったか?」



美穂「私も聞こえました。あっちの方から奈緒ちゃんの声が...でもいませんね?」



P「気のせいだったのかな?奈緒だったら声を掛けてそのまま立ち去るなんてしないだろうし」



美穂「別の人の声を奈緒ちゃんの声と勘違いしたのかもしれませんね?...あっ、Pさん!今度はきれいに持ち上がりましたよっ!」



P「おっ!いけるんじゃないか!?こいっ、こい...やった!!取れたぞ美穂!」

美穂「わぁ...ありがとうございます!えへへ、かわいいなぁ...プロデューサーくんのお友達ができました♪」



P「どういたしまして。いやー、クレーンゲームなんて久しぶりにやったから、思わず熱が入っちゃったよ」



美穂「私もくまさんが取れますようにって、お願いしてました。この子の名前、何にしようかな♪」



P「それも今晩ゆっくり考えるといいよ」



美穂「そうですねっ!ちょっと喉が渇いたんで、喫茶店で一休みしませんか?」



P「いいね。丁度俺も喉が渇いてたんだ。行こうか」

-プリクラ機の中-



飛鳥「...二人は行ったようだね」



奈緒「ふぐー!!」



夕美「あ、飛鳥ちゃん?奈緒ちゃん苦しそうだよ?」



飛鳥「おっと...」



奈緒「はぁ、はぁ...いきなり何するんだよ!?後ろから羽交い絞めにして口をふさぐなんて!」

智絵里「ご、ごめんなさい...奈緒ちゃん....」



飛鳥「本当にすまなかったよ。二人に見つかってしまうと思って、咄嗟にあんなことをしてしまったんだ」



奈緒「...は?なんで二人に見つかったらいけないんだ?」



夕美「それは...」



P『お店に目星はつけているのかい?』



美穂『はいっ!前からPさんと行きたいと思ってたお店があるんですっ』

奈緒「...おい、何で飛鳥の持っている携帯からPさんと美穂の声が聞こえるんだ?」



飛鳥「Pのジャケットに盗聴器を仕掛けているからさ。ふむ...この会話だけだとまた目的地が分からないね」



奈緒「盗聴器って、そりゃまずいだろ!?...智絵里?まさかとは思うけど、京都での仕事の時に設定したアプリを悪用してるんじゃあないよな?」



智絵里「あ、悪用はしてないよっ?ただ...その...」



奈緒「ひょっとして三人が一緒なのって...はぁ、そう言う事なのか?」



夕美「う...その、Pさんと美穂ちゃんが今日出かけることを約束しているのを聞いて...気になって...」

奈緒「しかも夕美さんが提案したのかよ...まあ気になるのは分からないでもないけどさ、二人の邪魔をするのは良くないだろ?」



奈緒「折角オフにデートしてるんだからさ」



ライラ「デートじゃなくて、デートの練習だそうなのです」



奈緒「デートの練習?」



智絵里「美穂ちゃん今度出演するドラマでデートシーンがあるけど、デートをしたことがないからPさんと練習をしてて...」

奈緒「つまりドラマの撮影のためってことか。なら尚更二人の邪魔をしちゃいけないだろ?」



飛鳥・智絵里・夕美「「「うぅ...」」」



奈緒「さあさあ、解散解...」



美穂『これから行くお店は喫茶店じゃなくて、ケーキ屋さんなんですけど、実はカップル専用のメニューがあるんです』



P『カップル専用のメニュー?ひょっとして二人で一つの飲み物を飲むやつとかか?』



美穂『...はい、そうです』

飛鳥「....」



夕美「えっ...まさか...」



智絵里「美穂ちゃん、Pさんとそれを飲むつもりなんじゃあ...?」



奈緒「ちょ、ちょっと待てよ!?それって...それって...!?」



ライラ「間接キス、でございますです」



奈緒「な、なななな...ダメだろそんなの!か、仮にもアイドルとプロデューサーなんだぞ!?」

ライラ「P殿と美穂さんは仲良しですから、間接キスをしてもおかしくないと思うですよ?」



夕美「いやいや!そう言う事じゃなくて、立場的にね?...まあ確かにそれくらいならって気もするけど」



飛鳥「夕美さん...?」



夕美「でもそれ以上は駄目だよね?場の雰囲気でそれ以上のことが起こらないように、二人を見守る必要があると思うんだ」



智絵里「それは言葉を言い換えただけで、することは同じなんじゃあ...」



奈緒「いや、夕美さんの言うとおりかも...」



飛鳥・智絵里「「えっ?」」



奈緒「これは二人が気になるんじゃなくて...うん!心配だから見守るわけであってだな!」



飛鳥「素直になりなよ、奈緒さん」



奈緒「....はい...二人の事が気になります...」

-------



---



美穂「それを経験していれば、デートシーンの撮影でも恥ずかしくなることは無いと思うんですっ!」



P「まあ、確かにそうかもしれないが...ふーむ...」



P(美穂が言うことも一理あるとは思うけど、間接キスになるよな...アイドルとプロデューサーの立場でそれは...)



P(けど美穂が自信を持てることに繋がるんであれば...ここは俺が大人として余裕を見せて、美穂を気遣うところか...)



P「分かった。でも無理は駄目だぞ?恥ずかしくてできないと思ったらちゃんと言うんだよ?」

美穂「大丈夫です。もし無理だったらちゃんと言います」



P「ならよし。さあ行こうか」



P(他言はできないけど、同じことを泉とやっちゃってるんだよな...もう一度経験しているんだから)



P(平常心を持って、大人の余裕を...大人の...)



P(あれっ?この道...通った覚えがあるな?...はっ!?)



P「なあ、美穂?ひょっとしてそのお店は...月一ぐらいにカップル限定のケーキを販売していたり...しないか?」



美穂「そうなんですよ。最近雑誌にも載ったお店なんですっ。Pさんも知っていたんですね」



P「ま、まあ仕事柄そう言う情報もまめに調べているから...ね」



美穂「Pさんどうかしましたか?なんだかすごく汗をかいてますけど、大丈夫ですか?」



P「大丈夫だよ!?今日は寒いって聞いたから厚着をしてきたんだけど、厚着しすぎてね」



P(落ち着けおれ!まだ泉と行った店とは確定していないんだぞ!)



美穂「そうなんですか?それで、実は今日がそのカップル限定のケーキを販売している日なんです」



P「....」



美穂「カップル限定ケーキを買う時は、店長さんのチェックが入るそうなんですけど...私たちカップルに見えますかね?」



P「だ、大丈夫じゃないかな」



美穂「だと嬉しいですっ♪無事に限定ケーキを買えると良いですね」



美穂「あっ、見えました!あのお店ですっ!」



P「お、おう...あれか」



P(アカン...泉と一緒に来たケーキ屋だ...多分俺...店長に顔を覚えられてる....どうしよう)

P(今美穂と行ったら、間違いなく泉の事を聞かれるよな...それがきっかけで芋づる式に泉とのことが美穂に知られて)



P(最悪事務所の皆にも知られたら...いろいろマズイことになる予感が...予想ができる...!!)



美穂「あれっ?お店の看板に貼り紙が貼ってありますね?なんでしょうか?」



P「何だろうな?どれどれ?...あっ」



-店内-



P「残念だったね、美穂。まさか限定ケーキを作る店長さんが、奥さんの出産立会いで店を休んでるなんて」



美穂「残念ですけど、仕方ありませんよね」



P「そうだね」

P(セーフ!!助かったー!見たところ泉と来た時にいた店員の人もいないみたいだし...美穂に泉と来たことがばれる可能性は低い)



P(このまま何事も無く、目的を果たせますように...!)



美穂「今回は買えませんでしたけど、Pさんが良かったらまた一緒にこのお店に来てくれませんか?」



美穂「その...Pさんと二人で、食べてみたいんですっ!どうですか?」



P「えっ、それは...」



P(またここに来るのは避けたい...でもなんて断れば...)

美穂「...やっぱり、駄目...ですか?」



P「駄目というか...」



P(凄い残念そうな目をしてる...何か、何か美穂を傷付けないような言い方は...)



P「これは俺のワガママなんだけどさ、美穂とは...堂々とした、人目を気にすることのないように付き合っていきたいんだ」



P「だからカップルのフリをして、お店に嘘をつくことに抵抗があってね...」



美穂「わ、私もPさんとは、堂々とした関係でいたいです。...考えてみたら、このお店のカップル限定ケーキはカップルのためにあるんですよね」



美穂「もし私たちが買って、それで本当のカップルが買えなかったら...お店にもカップルにも悪いですしねっ」

P「ゴメンな?俺のこだわりで、美穂がしたい事をさせてあげられなくて」



美穂「そんな...Pさんが謝ることはありませんよ。私もPさんと同じ気持ちですからっ」



美穂「そ、それに私は今、すごく心が満たされてます...Pさんが、私とどういう関係でいたいか...聞けましたからっ」



美穂「えへへっ♪ゲームセンターでPさんが言ったことが、私もよく分かりましたっ。言葉で伝えてもらえると、こんなに嬉しいんですねっ♪」



P「う、うん、そうだろ?」



P(可愛い...じゃなくて!純真無垢な笑顔が心に刺さる...ここをまた訪れたくないがために言った言葉だからな...)



P(”人目を気にすることのないように”、本心ではあるんだけど...元からあった罪悪感があの笑顔でさらに大きく...)



P(自己満足でしかないかもしれないけど...せめて)



P「なあ、美穂」



美穂「なんです...ど、どうしたんですか?そんなに真剣な顔になって...?な、なにかあったんですかっ!?」



P「いや、何かあったわけじゃないよ。ただ美穂との約束を破ったことを謝らさせてほしいんだ」

P「俺にできることなら何でもするって言ったのに...約束を守れなくごめん!」



美穂「Pさんは約束を破っていませんよ?こうして私と一緒に居て...撮影のための練習に付き合ってくれているじゃないですか」



美穂「さっき私がお願いしたことは、今日の約束とは関係ない...単なる私のワガママですから」



P「でも今日は運が悪くて機会に恵まれなかっただけで、本来ならできてたことだろ?だから...」



美穂「う〜ん...じゃあ別の事をお願いしても、いいですか?」



P「ああ、勿論いいよ。なんだい?」



美穂「今度私がケーキを作ってきますから...それを一緒に食べてほしいんですっ!今日買えなかったケーキの代わりとしては、お粗末なんですけど」



P「そんなことないさ。むしろ美穂が作ってくれたケーキを食べれるなんて、俺にとってはご褒美だよ」



美穂「ご褒美だなんて...じゃあ美味しいケーキが作れるようにがんばりますねっ」



P「楽しみだよ。でもいいのかい?さっきも言ったとおり俺にとってはご褒美で、ケーキを作ってくれる美穂が大変な気がするんだけど」



美穂「いいんです。ケーキを買って二人で食べることも、役を理解するための参考になると思ったんですけど」



美穂「大好きな人に食べてもらいたい、喜んでほしいって想いながらケーキを作ることも...同じように参考になると思って」



美穂「むしろこっちの方が、私が演じる役の心情を理解できると思うんですっ!好きな男の人に...振り向いてもらいたいって想っている女の子の心情を」



P「なるほど...じゃあ喜んで協力させてもらうよ」



美穂「はいっ!宜しくお願いしますっ」



美穂(本当に...振り向いてもらえたらなぁ....)



-Pと美穂がいるケーキ店の向かい側にあるM○Sバーガー二階-



夕美「いいな、いいなー!私もあんなこと言われたいなー」



奈緒「夕美さんは似たようなことを言われたことがあるんじゃないか?バレンタインでの仕事の時とかに」



夕美「確かにその時にチョコを渡して、嬉しいって言ってもらったけど...ご褒美だなんて言ってもらえなかったよ」

智絵里「私も...です。私も美穂ちゃんと同じことをしたら...言ってくれるかなぁ...」



ライラ「ライラさんはライラさんの手料理が食べれて嬉しいとP殿に言ってもらえて、とっても嬉しかったですけど...お二人は違うのですか?」



夕美「Pさんに嬉しいって言ってもらえることは、すっごく嬉しいよ?でも、もっと喜んでもらいたいというか...ちょっと待って?」



飛鳥「へぇ...ライラさんはPに手料理を振る舞ったことがあるのか」



ライラ「P殿と楓さんに食べてもらったですよ。二人に美味しいって言ってもらえて、ライラさんとっても嬉しかったでございますです」



奈緒「そんな機会いつあったんだ?」



ライラ「それはですねー」

夕美「ちょっと待って、Pさんと美穂ちゃんに進展がありそうだよ」



P『さて...いよいよ来たが、本当に大丈夫か美穂?もう既に顔が真っ赤なんだけど...?』



美穂『だ、だだだ、大丈夫ですっ!か、覚悟はできてますっ。こ、これでも熊本の女!...ですから...』



飛鳥「いよいよだね。声だけで美穂さんがどれだけ緊張しているのかよく分かるね。心の声まで聞こえてきそうだよ」



奈緒「なんだか呼吸も荒くなってるみたいだし...本当に大丈夫か?」



智絵里「美穂ちゃんが緊張で体調を悪くしないか、心配になってきちゃった...無理しないでね、美穂ちゃん...」



夕美「うん...」

-Pと美穂サイド-



P「じゃあ、やり方はどうする?やっぱり二人同時に飲むのか?」



美穂「は、はいっ。それで...お願いしますっ!」



P「飲むタイミングは美穂に合わせるから、心の準備ができたら合図を出してくれないか?」



美穂「わ、分かりましたっ!じゃあ3、2、1って言いますから、0の時のタイミングで」



P「0の時に飲めばいいんだね?分かったよ。俺はいつでも大丈夫だから」



美穂「じゃあ後は私が心の準備を済ませれば...ちょっと待ってくださいね」



美穂(大丈夫...大丈夫だよ...もう昔の私じゃないから...アイドルになって...変わって、少しは度胸がついたんだから...)



美穂(深呼吸をして、心を落ち着かせて...)



美穂「すぅー、はぁー...いきますよ〜、Pさん?3...2...」



P「....」



美穂「い....」



美穂(あわわ...だんだんPさんの顔がち、近づいてきて...)カァー

美穂「い、い....いっ!一旦っ、一旦待って下さいっ!はぁ...はぁ...」



P「わ、分かった。大丈夫か美穂?無理は駄目だからね?」



美穂「だ、大丈夫ですっ!思ったより顔が近かったから、動揺しちゃって...今度こそ大丈夫ですっ!」



P「そうか?じゃあまた心の準備ができたら言ってくれ」



美穂「はい...すぅー、はぁー...」



美穂(今度こそ、今度こそちゃんとやらないと...せっかく、せっかくPさんが協力してくれているんだからっ!)

美穂「Pさん、またお願いしますっ!3...2...」



P「....」



美穂「い...」



美穂(Pさんが...Pさんが私の事をじっと見つめてる...そ、そんなに見つめられると)カァー



美穂「い、い....いっ!いきなり一緒に飲むのはハードルが高いですからっ!その...最初にPさんが飲んで、あとから私が飲むのはどうでしょうか!?」



P「う、うん。そうだな。いきなり同時はハードルが高かったかもね。よしっ、それじゃあ先に一口俺が飲むね」



P「....一口飲んだよ。後は美穂ができると思ったら」



美穂「は、はい...」

-尾行組サイド-



智絵里「美穂ちゃん...本当に大丈夫かな...?」



飛鳥「まさか美穂さんを心配してハラハラすることになるとは...思いもしなかったよ」



奈緒「だな...あれっ?ライラはどこに行ったんだ?」



夕美「本当だ!?いつの間にかいなくなってる。どこに行ったのかな?」



ライラ「ただいま戻りましたですー。ライラさん小腹がすいたので甘いものを買ってきましたです」

ライラ「みなさんの分も買ってきましたよー。一緒に食べますです」



智絵里「あ、ありがとうライラちゃん。頂きます...」



奈緒「ありがとうライラ。じゃあお言葉に甘えて...それにしても美穂、本当に倒れたりしないよな?」



ライラ「確かに心配ですけど、ライラさんは大丈夫だと思いますですよー。P殿が一緒ですから」



ライラ「きっと美穂さんが大事になることは無いですよー」

飛鳥「...そうだね。美穂さんのことばかり考えていたけど...傍にPがいるからね。それほど深刻に考えることは無いのかもしれない」



夕美「ふふふっ、そう言われると安心できるのはどうしてだろうね?安心したら、美穂ちゃんのことを応援したくなったよ」



奈緒「アタシも同じ気持ちになったよ。美穂がここまで頑張ってるもんな」



智絵里「羨ましい気持ちはあるけど...ちゃんと成功してほしいな...頑張って、美穂ちゃん」



ライラ「ライラさんも応援するです。美穂さんファイトですよー」



-Pと美穂サイド-



美穂「じ、じゃあ行きますねっ!......」



美穂「.....あのすみません...ちょっとだけ、私が飲む間だけ...外を見ていてもらえせんか?」



美穂「その...Pさんの視線があると、やっぱり恥ずかしくて...ワガママばかり言ってごめんなさいっ!」



P「いや、そんな...こっちこそ気が利かなくてごめん。じゃあ終わったら声を掛けてね」



美穂「は、はいっ。終わったら言いますね」



P「じゃあ外の景色を眺めているから」

美穂(Pさんが外を見てくれている間にジュースを....これなら....)



美穂(でもこれって...まるでPさんが見ていない間に、間接キスを狙っているような...)



美穂(ああぅ...そう考えたら、見られているより恥ずかしい気がして....うぅ...)



美穂「あのっ!やっぱり見ていてもらえますか!?」



P「えっ?いいけど...どうして?」



美穂「そ、それは...できれば理由は聞かないで欲しいんですけど...」



P「分かったよ。美穂がやり易いようにしていいから。また気が変わったら言ってね?」



美穂「有難うございます。うぅ...本当にごめんなさい」

-尾行組サイド-



夕美(何だろう...応援したい気持ちは変わらないけど、なんというか...それと同時に)



奈緒(こう...じれったいというか...もやもやした気持ちが...)



飛鳥(本当に今日は、場面場面で想定外の感情を抱く日だね...)



智絵里(あとちょっと...あとちょっとだから...頑張って)



ライラ(美穂さんは恥ずかしがり屋さんなのですよー)

-Pと美穂サイド-



P(うーむ、あれから少し経ったけど...美穂がジュースを飲める気配が全くない)



P(やろうとしている事が事だからね。美穂が躊躇してできないってのも分からないわけじゃない)



P(無理に止めさせて、自信を無くしちゃったら元も子もない...さて、どうしたものか)



美穂(うぅ...Pさんが心配そうな目で私を見てる...それとも私にがっかりしてるのかな...)



美穂(せっかく今日付き合ってもらってるのに...これじゃあ...)

P「美穂、ちょっといいかな?」



美穂「ひゃっ!?な、なんですかPさん」



P「少し休憩しないか?そんなに気を張ってたら疲れるよ。一旦目的はおいて、ゆったりと過ごさないかい?」



P「せっかく素敵なお店に来ているのに、もったいないよ。ほらっ、ケーキでも食べて!ここのケーキは美味しいよ」



美穂「は、はい....あっ、美味しい...」



P「そうだろ?はははっ、やっと笑顔になってくれたね。少し思い出話をしないかい?ハロウィンの時の事、覚えてるかな?」



美穂「もちろん覚えていますよ。あの時はPさんをびっくりさせようとして、物陰に隠れてましたけど」



美穂「逆にPさんに驚かされて、びっくりして腰が抜けちゃって...うぅ...今思い出しても恥ずかしいですよぉ」



P「はははっ、あのときは美穂がハロウィンの衣装を着て眠ってたから、ついついイタズラをしたくなってね」



美穂「あの時は大変だったんですからっ!腰が抜けて立てなくなって...Pさんにソファーまで運んでもらって」



美穂「...えへへ、でもこうして思い出してみると、自然と笑顔になっちゃいます♪恥ずかしい出来事だったはずなのに、今はいい思い出になりましたっ♪」

P「そうだな、いい思い出だよ。あの時の美穂は...可愛かったなぁ〜。完全に不意を突かれて、あたふたした表情をしてて」



美穂「も〜!恥ずかしい思い出でもあるんですからぁ〜!イジワルは...メッ!」



P「はっはっは、ごめんごめん。もうイジワルはしないから、機嫌を直してくれよ?この通り!」



美穂「もぉ...今回だけですよ?...なんてっ!ふふっ♪」チュー...



P「ありがとうな美穂。それと...できたな」



美穂「できた?何のことですか?」



P「いまジュースを飲めたじゃないか?頑張ったね」

美穂「えっ?ジュース?...わ、私いつの間にっ!?Pさんとおしゃべりしてて、恥ずかしい思い出を思い出して...喉が渇いて...」



美穂「ひょっとして、イジワルなことを言ったのも...わざとだったんですか?」



P「そんなことは考えてなかったさ。ただ美穂と思い出話をしたくなっただけだよ」



P「無意識のうちにやったことかもしれないけど、これで少しは美穂がつけたかった自信をつけることができたかな?」



美穂「できたと思います...今とってもすっきりした気持ちになってますから。だから...欲しかった、私に足りなかった自信をつけられたと思いますっ!」



P「そうか...それなら良かったよ」

美穂「ふふふっ♪やっぱり私は、Pさんに助けてもらってばっかりですよね。私が踏みとどまっている時は、いつもPさんが背中を押してくれますっ」



P「はははっ、だからそんなつもりはなかったって。それより一緒に飲むのはどうするんだい?」



美穂「それは...今回は無しでお願いします...せっかくつけれた自信をまたなくしちゃうかもしれませんから」



P「じゃあ後はゆっくりしようか。さてと、俺もケーキを食べようかな」



美穂「とっても美味しいですよっ♪Pさんが言ってたとお...あれっ?Pさんまだケーキに手を付けていませんよね?」



P「うん。これから食べ始めるところだよ」



美穂「じゃあ、どうしてこのお店のケーキは美味しいって知って...」

P「あっ!?しまった!?」



美穂「え...?」



P「あっ!?いや雑誌で評価が高かったからね?たぶん絶品なんだろうとっ」



美穂「今女の勘がピーンと来ましたっ!Pさんは事務所の他の子と来たことがあるんですねっ!?」



P「...うん、実は...ね?」



美穂「だ、誰とですか?」



P「え〜と、泉と...限定ケーキを食べてみたいからって、頼まれてね。カップルのフリをして」

美穂「い、泉ちゃんとですか〜!?まさか...二人でこのジュースを飲んだりしたんじゃあ...?」



P「いや!?ケーキを買っただけでそれは...」



美穂「Pさん?正直に話してくれますよね?」ニコッ



P「はい、しました。周りに怪しまれない様に、一緒に飲んだり、食べさせ合いをしました」



美穂「ど、同時に...?しかも食べさせ合いっこまでしたんですかっ!?」



美穂(そんなぁ〜!?中学生の泉ちゃんがそんな大胆なことを〜!?...それなのに私...)



美穂「Pさんっ!やっぱり一緒に飲みましょう!」



P「わ、わかったよ。また美穂がタイミングをとるのかい?」



美穂「今度は私が先にストローを咥えて待ってますから、Pさんは後からストローを咥えてくれませんか?」



P「いいけど...それって同時にストローを咥えて飲むのよりも難しくないか?美穂は俺が飲もうとするのを待ってるんだよね」



美穂「そうです。なんというか...Pさんが来てくれるのを待っている方が上手くできる気がするんです」



P「そうか。じゃあ美穂、心の準備が...」



美穂「はいっ!」



P(心の準備早っ!もうストローに口を着けちゃったよ!)



美穂「....」ジー



P「よ、よしっ。じゃあいくよ?」



美穂「....(コクッ)」ドキドキッ



P「こ、これは...」



P(美穂がまっすぐ俺を見つめながら、俺が飲もうとするのを待っている。ほんのりと頬が赤みがかって)



P(凄く...愛らしい。なんだかドキドキしてきた...って!?俺がそんなんでどうする!?)



P(美穂が頑張ってるんだから、俺はそれに応えないと!)



美穂(...!?P、Pさんがストローを咥えて...で、できたっ!でも、まだっ...ちゃんと...ちゃんと飲まないとっ!)



P(飲まないとダメなんだよな!?どうして俺もこんなに動悸が激しくなっているんだ!?大人の余裕どこいった!?くそっ!)



P・美穂((せーの...!!))



P・美穂「「...!!」」チュー



美穂「...っ、はぁ!で、できましたっ!Pさんできましたよっ!熊本の女の名誉挽回ですっ!」



P「ああ、やったね!」



美穂「はいっ♪じゃあ次は食べさせ合いっこですねっ♪」



P「えっ?それもやるの?」



美穂「もちろんですよっ♪泉ちゃんとは食べさせ合いっこをしたんですよね?ふふっ、熊本の女は負けず嫌いなんですからっ♪」



P「はははっ、なんか本当に、美穂は急に成長しちゃったね」

-尾行組サイド-



飛鳥「どうやらことは丸く収まったね。それにしても....そうか、泉とPが...ね?」



夕美「へ、へぇ〜...泉ちゃんとそんなことを...へぇ...これは後で詳しく話を聞かないとね?」



奈緒「い、意外な人物がでてきたな?まあでも、よかったよな。最後までできて」



智絵里「そうだね...羨ましいけど、美穂ちゃんが自信を着けられてよかったぁ...」



ライラ「美穂さん頑張りましたですよー。これでアイドルとしても女性としても一皮むけましたですね」



卯月「うんうん♪これでドラマの撮影もバッチリだよねっ♪」



飛鳥「でも逆に自信がつき過ぎて、演技に悪影響が出ないといいんだけどね。少し心配かな?」



智絵里「演技に悪影響?どうしてそんな心配があるの、飛鳥ちゃん?」



奈緒「あー、なんとなく飛鳥の言いたいことが分かるかな。その...初々しさとかが無くなるかもしれないとか、そんな心配だろ?」



夕美「経験したことで、慣れた感じが出ちゃうかもしれないってことだね?うーん、たしかに心配かも...?」



卯月「大丈夫だよ!美穂ちゃんなら」



ライラ「どうしてでございますかー?」

卯月「うーん、美穂ちゃんだから...かな?」



奈緒「いやいや、理由になってないだろ、それ?」



智絵里「でも私たちがすることは、美穂ちゃんのことを心配するんじゃなくて、信じることじゃないかな?」



夕美「信じること...か。美穂ちゃん頑張り屋さんで、いつも頑張ってるよね」



智絵里「今までだって、頑張ってどんなお仕事も乗り越えてきたから...今回も大丈夫だって、私は思うな」



飛鳥「...そうだね。心配することじゃなくて、信じることが僕たちのすることだね。...ネガティブに考えすぎたよ」

飛鳥「こんな気持ちを最初に抱いたなんて、美穂さんに申し訳なかったよ」



奈緒「まあ飛鳥の心配も分からないでもないし、そんなに気にすることは無いさ...おっ?」



P『そろそろ出ようか?次はどうしようか?』



夕美「二人が移動するみたいだね。私たちもいつでも出れるように準備しよう」



卯月「じゃあ私がトレイを片付けるね?みんなまとめちゃうよ?」



奈緒「悪いな卯月....て、えぇぇぇー!?」



卯月「きゃあ!?どうしたの奈緒ちゃん、そんなに驚いて?」



夕美「う、卯月ちゃん?いつからいたの?」



ライラ「ライラさんが甘いものを買いに行った時に、偶然出会ったので誘ったのでございますです」



飛鳥「そう言うことは初めに言ってくれないかい?」



智絵里「卯月ちゃん自然に会話に入ってたから...全然気づかなかったよ」



卯月「えへへ、脅かせちゃってごめんなさい。ところでみんなは何をしているの?」



奈緒「な、何をって...その」



飛鳥「ゆっくり説明をしている時間は無いようだね。二人が店からでたよ」



夕美「卯月ちゃん、もしよかったら私たちと一緒に行かない?説明は後でするから」



卯月「いくいく♪えへへ、なんだか未央ちゃんの時みたいで楽しそう♪」



----------



------



---



美穂「綺麗な夕日ですね...今日はいつもより時間が早く流れている気がします」



P「俺もだよ。楽しいと時間はあっという間に過ぎていくよね」



美穂「私も本当に楽しかったです。Pさんのおかげで演じる役がどんな気持ちなのか...もっと深く理解できたと思います」



美穂「ドラマ、楽しみにしててくださいね?Pさんがびっくりするくらい、立派に役を演じきってみせますからっ♪」



P「楽しみにしてるよ。もう今日はやり残したことはないのかい?」



美穂「後一つだけ、Pさんに付き合って欲しい事があるんですけど...もうすぐ夜ですし今日は...」



P「遠慮することは無いよ?今日は最後まで美穂に付き合うつもりだったんだから」



P「やり残した事が無いようにしようよ?」



美穂「で、でもPさんは明日も朝早くからお仕事がありますし...」



P「それくらい平気さ。それに...たまには美穂が俺を振り回してもいいんじゃないかな?」



美穂「Pさん...えへへ、ありがとうございますっ♪今日、最後に...その」

-尾行組サイド-



ライラ「美穂さん本日最後の特訓ですねー。どんな特訓をするんでしょうかー?」



卯月「うーん...なんだろうね?まだ二人がやってないことってあったかな?思いつかないなぁ」



飛鳥「そうだね。本当に...いろいろしていたよね」



夕美「買い物にゲームセンター、街中を散策して今は公園のベンチで一休み...この時間だと遊園地とかはないよね?」



奈緒「もう夕暮れだしなー。他に高校生がデートでしそうなのって」

智絵里「カラオケかな?あっ、ひょっとしてPさんのお部屋におじゃまする...とかかな?」



奈緒「あーなるほど、ってさすがにそれはないだろ?確かに部屋で過ごすってのはありそうだけど」



奈緒「美穂の役でそんなシーンはなかったぞ。まあ...今日やったことの大半も無いけどな」



卯月「そうだよね。ますます分からないよね」



夕美「二人とも美穂ちゃんがでるドラマに詳しいね?」



卯月「美穂ちゃんに台本を見せてもらったんだよ♪美穂ちゃんがどんな役をするのか気になって」



智絵里「そうなんだ...あっ、美穂ちゃんがPさんにお願いするみたいだよ」



美穂『今日最後にしたい事は...できればPさんのお家で練習をしたいんですっ!』



飛鳥・智絵里・奈緒・夕美「「「「え...?」」」」



ライラ「智絵里さん大正解なのですよー♪」

卯月「プロデューサーさんのお家かぁ〜、なにを練習するのかな?Pさんのお家でする練習...うーん、思いつかないなぁ...?」



ライラ「ライラさんも分からないですよー。なぞは深まるばかりなのですよー」



奈緒「二人とも気にするところが違うだろ!?」



智絵里「そ、そうだよぉ...美穂ちゃんがPさんのお家に行きたがってることに注目しないと...」



飛鳥「まあPも断るだろうけ...」



P『分かった。俺の家まで案内するよ』



飛鳥「...本当に今日は、ボクの予想が簡単に裏切られるね...まさかPが了承するとは...」

夕美「P、PさんなんでOK出しちゃったの!?」



美穂『ほ、本当にいいんですかっ!?』



P『ああ。なんで美穂がそんなに驚いてるんだい?』



美穂『Pさんがこのお願いを聞いてくれるとは、正直思っていませんでしたから』



P『まあ確かにプロデューサーが担当アイドルを自分の家に招くってのは、あまり褒められた事じゃないけど』



P『俺の家でやるのにはちゃんと理由があるんだろ、美穂?』

美穂『理由は...あります。その、Pさんのお家で...告白シーンの練習がしたいんですっ!』



美穂『誰もいない教室で告白するシーンですから、Pさんと二人きりになれる場所で練習がしたくて...』



美穂『女子寮の私の部屋は智香ちゃんと同室ですし、告白シーンの練習をするからPさんと二人きりにして欲しいって頼むのも恥ずかしくて』



P『なるほどね...事務所のレッスン場とかは駄目なのか?』



美穂『事務所だと他の誰かに知られちゃって、見に来る子がいると思うんです』



美穂『シーンの臨場感を感じるためにも、この練習は本当にPさんと二人きりでしたいんですっ!』



P『それだけちゃんとした理由があれば何も言わないさ。それじゃあ行こうか?』



美穂『よ、よろしくお願いしますっ』



奈緒「真面目な理由だったな...まっ、そりゃそうか。そもそも美穂は真面目な性格なんだしな」



智絵里「それに事務所でできない理由も納得できる...かな?もし私が知ったら、見学させてもらうと思う...」



夕美「他に場所を借りてやろうとすると、変な噂がたっちゃうかもしれないしね」



ライラ「なるほどー」



卯月「でも美穂ちゃん振られちゃう役なんだよね。演技の練習って分かってても、告白を断られるのはつらいよね」



奈緒「そうだよな。しかも練習相手がPさんだもんな」



飛鳥「頼める人がP以外に居ないからって...自分から傷つきに行くようなものだね」

智絵里「でも...あくまで演技の練習だし、美穂ちゃんも...きっと割り切ってると思うよ?」



夕美「他に頼める人はいないしね。誰かいるかな...?」



ライラ「あいさんと真奈美さんはどうですかー?」



夕美「ライラちゃん、それはさすがに...いやでも...」



奈緒「意外と...いけるんじゃないか?二人ともなんていうか、男勝りなかっこよさがあるよな」



卯月「あいさんと真奈美さんかっこいいもんねっ♪二人は女の人からのファンレターも多いですし」



飛鳥「...美穂さんが告白シーンの練習相手になることを、二人に頼めると思うかい?」

卯月・奈緒・夕美「「「あっ...」」」



智絵里「それにあいさんと真奈美さん、二人とも引き受けてくれると思うけど...嬉しくはないんじゃないかな?」



ライラ「ライラさんも飛鳥さんと智絵里さんに賛成なのでございますです」



夕美「そ、そうだよね。肝心なことを忘れてた...」



奈緒「な、ならやっぱりPさんが一番適任だよ...な?」



卯月「そ、そうだね。プロデューサーさんが一番...あれっ、二人は?」

奈緒「えっ?しまった、見失った!智絵里、発信機は?」



智絵里「それが...携帯の電池が切れちゃって...奈緒ちゃんの携帯はどう?」



奈緒「実は今日家に携帯忘れて、持ってないんだ」



飛鳥「二人とも無言だね。盗聴器からも何も聞こえないよ。距離が100m離れると盗聴できなくなる...参ったね」



夕美「ど、どうしようか?」



ライラ「お二人はP殿のお家にむかっているのですよね?」



夕美「そうだけど...私たちPさんの住所知らないから、どこへ行けばいいか...」

ライラ「ライラさんP殿のお家にお泊りしたことがありますから、住所を知ってるでございますです」



奈緒「そっか!じゃあライラ、道案内を宜しく...ってどういうことだよっ!?」



ライラ「?ライラさん何かおかしなことを言いましたか?」



夕美「おかしくは...いや、十分おかしいよね!?ライラちゃんPさんのお家に泊まったの?」



ライラ「楓さんも一緒に、P殿のお家にお泊りしましたですよー♪とっても楽しかったです♪」



智絵里「ひょっとして、Pさんと楓さんにライラちゃんのお料理を食べてもらったのって...そのときなの?」



ライラ「そうでございますよー」



飛鳥「Pに突き詰めなければいけないことがまた増えたね...それに叩けばまだまだ埃が出そうだね」



夕美「そうだね。とりあえずライラちゃん、Pさんのお家へ道案内をお願いね」



ライラ「了解でございますです。まずはこの道をまっすぐですよ」



-Pのマンション-



P「さっ、あがって美穂。片付けてないからちょっと見苦しいかもしれないけど」



美穂「おじゃまします。ここがPさんのお家...ですか。うぅ、なんだかもう緊張してきたような...」



P「ははは、今から緊張してどうするんだい?ほらっ、リラックス、リラックス。少し落ち着いてから練習をしようか?」



美穂「あ、ありがとうございます。でも大丈夫ですっ!すぐに始めましょう!告白するときは緊張するものですから、少し緊張してた方がいいと思うんですっ」



P「分かったよ。それじゃあ早速...でも俺美穂の告白相手の台詞を知らないぞ」

美穂「そ、そうでしたぁ〜!?台本は持ってきたんですけど、Pさんに見てもらうのを忘れてましたぁ〜!?」



P「あっ、台本はあるんだね?なら大丈夫だよ」



美穂「だ、大丈夫ですか?あ、そっか見ながら...」



P「見ていなくても大丈夫だよ。最近速読の練習をしててね、ワンシーンぐらいならすぐ覚えられると思うよ」



P「台本持った相手だと臨場感がでないだろ?じゃあ台本を見せてもらえるかい?」



美穂「はいっ!台本はこれですっ。二枚の栞で挟んだところが告白シーンの箇所です」

P「分かったよ。少しだけ待ってね?」パラッ、パラッ、パラッ!



P(ん?なんだか文庫本みたいな台本だな?こんなんだっけ?まっ、いっか。それよりちゃんと覚えないと)



美穂(これからPさんに告白して、振られるんだなぁ...私...)



美穂(Pさんに振られること...ドラマだけじゃなくて、現実での練習にもなるよね...初恋は実らないって言うし...)



美穂(この恋は叶えたいって思ってるし、こんな後ろ向きな気持ちじゃいけないって分かっているけど...でも)



P「お待たせ美穂。俺はいつでもいいよ」



美穂「...はい、早速お願いしますね」

-Pのマンションから50m離れた場所にあるカラオケ店-



飛鳥「うん、二人の声がちゃんと聞こえる。問題ないよ」



智絵里「もう練習を始めちゃうんだ...うう、私もなんだか緊張してきちゃった」



ライラ「ライラさんもです...ワンドリンクオーダー制なので何か飲み物を注文しないとです。みなさんは何にするですか?」



飛鳥「ライラさん、本当に緊張しているのかい?でもルールだからね。じゃあ、ボクはアイスコーヒーを」



卯月「私はミルクティー♪」



夕美「あっ、私もミルクティーで」



智絵里「私はストレートティーをお願いします」



奈緒「アタシはジンジャエールをよろしく」

ライラ「わかりましたです。あっ、すみません。注文をお願いしますです」



ライラ「え〜と、ミルクティー二つに、ストレートティー一つ、ジンジャエールを一つに、アイスコーヒーを一つとコーラフロートを一つ...」



ライラ「それとポテトのLサイズとジャンボパフェを一つ」



奈緒(今日はもう突っ込むのは疲れたから、スルーしよう...)



卯月「あっ、ライラちゃん。ミルクレープの注文もお願いねっ」



ライラ「あとミルクレープを一つ。以上でお願いしますです、はいです」



奈緒「普通に注文をするのかよっ!」



飛鳥「奈緒さん静かに。始まったようだよ」

-Pと美穂サイド-



美穂「来てくれてありがとう。ごめんねっ?放課後に呼び出しちゃって」



P「いや、かまわないよ。今日は部活も休みだし。何の用?」



美穂「何の用かは薄々分かってる...よね?」



P「うん...まあね。そこまで鈍感じゃないよ」



美穂「そっか...そうだよね。じゃあ始めるよ?私じゅっと....あぁ〜!?すみませんっ!噛んじゃいましたぁ〜」



P「練習なんだからそんなに落ち込まないで。まだ一回目なんだから。また最初からやろう?」

美穂「はい...お願いします」



P「じゃあ、タイミングは美穂が...ところで俺の方は問題は無いかな?」



美穂「大丈夫ですっ!問題ありませんから、Pさんはそのままでお願いしますっ」



美穂(ちょっと台詞が違うけど...問題ないよね)



P(あれっ、美穂の台詞ってあんなんだっけ?少し違う気がする。俺が覚え間違いしてるのかな?)



P(でも美穂がそのままでいいって言ってくれてるし、俺が覚えた通りで行こう)



-尾行組サイド-



奈緒(さっきのPさんの台詞...アタシが読んでる恋愛小説の内容だったような...)



夕美「難しい顔をしてるけど、奈緒ちゃんどうかしたの?」



奈緒「ううん、なんでもない。ああ、美穂また台詞を噛んじゃったな」



智絵里「やっぱり緊張しちゃうよね...それに美穂ちゃん、Pさんとお話するときはいつも敬語だから」



卯月「お友達とお喋りするみたいにプロデューサーさんとお話をする...う〜、私も上手くお話できないかも」



夕美「智恵理ちゃんと卯月ちゃんもPさんには敬語を使ってるからね。急に話し方を変えるのは難しいよね」



飛鳥「夕美さんと奈緒さんは普段から友人のようにPと接してるからね。二人だったらそれほど苦ではないんじゃないかな?」

飛鳥「美穂さんが今していることをやるとしたら」



夕美「さすがに告白シーンの練習だから...簡単にはできないかな?」



奈緒「そ、そうだよ!告白が簡単な訳がないだろっ!簡単だったらとっく...な、なんでもない!」



智絵里「な、奈緒ちゃん...シーンのお話で、本物告白のことじゃないですよ?」



奈緒「へっ?本物?」



飛鳥「奈緒さん、今”告白が簡単な訳がない”って言ったんだよ?それにとっくにって...意中の相手がいるのかい?」



奈緒「ば、ばば馬鹿言うなよ!?ただ言い間違えただけで...」



卯月「ねぇねぇ奈緒ちゃんが告白したい人って誰なの?やっぱり奈緒ちゃんもプロデューサーさんに...」



奈緒「う、卯月、だから単なる言い間違いで...」



<コンッ!コンッ!



ライラ「はーい。どうもありがとうございますです。みなさんご注文の品が来ましたですよー」



奈緒「お?おぉ、丁度良かった。話してて喉が渇いてきたところだったんだ!」



奈緒「みんなも喉渇いただろ?飲んで飲んで!おっ?美穂がずっと噛んでたところをクリアしたぞ。こっちに集中しよう!」



夕美(すごい強引に話題をそらした...あれ?卯月ちゃん、”も”って言ったような?)



卯月「いよいよ美穂ちゃんが相手に想いを伝えるシーンだね」



-Pと美穂サイド-



美穂「一緒に過ごしているうちに...貴方の事が好きになりました!」



美穂「だから、これからは友達じゃなくて...恋人としてっ、付き合って下さいっ!」



美穂(い、言えたっ!それで...次はPさんに断られて...)



P「...実は俺も同じ気持ちだったんだ」



美穂「え?」

P「俺も君とは恋人として付き合っていきたいんだ」



美穂「え?え?」



P「本当なら俺の方から告白するべきだったと思う。だから俺からも言わせてくれないか?」



P「俺の...恋人になって下さい」



美穂「は、はい...よ、宜しくお願いします....」



美穂(えっ!?えっ!?なんで!?)

-尾行組サイド-



夕美「ちょ、ちょっと待って!?美穂ちゃんは振られる役、なんだよね?どうしてPさん告白受け入れて、なんで告白し返してるの!?」



卯月「そのはずなんだけど...もしかしてプロデューサーさん、本当に美穂ちゃんに告白をしたのかも...?」



智絵里「........」



ライラ「智絵里さーん?智絵里さん気絶してますねー」



奈緒「.....」



奈緒(やっぱりPさんの台詞...)



ライラ「奈緒さんはどうかしましたですかー?ずっと難しい顔をしてますけど?」



奈緒「いやっ!?アタシもPさんの発言に驚いててな?」

飛鳥「みんな落ち着かないかい?美穂さんのPに対する気持ちは、ボクたちも薄々分かってたことじゃないか?」



飛鳥「仲間が自分の想いを無事に遂げられたのだから、ここは祝福してあげようよ」



ライラ「飛鳥さん、今コーヒーに入れているのはガムシロップじゃなくて、ポテトにつけるケチャップですよ?」



夕美「飛鳥ちゃんも動揺してるよね?コップを持ってる手、凄く震えてるよ?」



ライラ「コーヒーがこぼれてますよー?」



飛鳥「何を言ってるんだい?ボクは冷静さ、決して動揺なんて...動揺、なんて...なんて....」

-Pと美穂サイド-



P「なあ、俺たち恋人に...なったんだよな?だから、いいよね?」



美穂「い、いい?一体何を...えっ!?」



ギュッ!



P「とっても温かいよ...」



美穂「あ、あぅ....」



美穂(P、Pさんに抱きしめられちゃった!?台本と全然違います...も、もしかして演技じゃなくて、ほ、本当の告白をして!?)



P「このまま、次にいってもいいかな?」



美穂(次!?次ってまさか...)



美穂「は、はい...」



-尾行組サイド-



夕美「ねぇ!?二人は何をしてるの!?ほぼ無言なのに、なんだかとっても甘い雰囲気が伝わってくるんだけど!?」



奈緒「お、おい?これ、このまま聞いてても、大丈夫なのか!?」



ライラ「これからどうなるのですかー?ライラさん、ドキドキしてますですよ」



卯月「少女漫画だと、これからキスをする展開かな?私もドキドキしてきちゃった」



飛鳥「さてと...じゃあ行こうか?」



奈緒「行くって、どこへ?」



飛鳥「もちろんPの部屋にだよ。キスまでなら問題ないけど、この雰囲気だとその次まで行ってしまいそうだろう?」



飛鳥「さすがにそれはいけないからね。美穂さんは未成年だし、Pを犯罪者にするわけにはいかないよ」



智絵里「...そうですよね。Pさんを犯罪者にするわけにはいけません...ライラちゃん?Pさんのお部屋の番号は何番なのかな?」



奈緒「番号だけ分かってもしょうがないだろ!?二人とも落ち着けって!」

-Pと美穂サイド-



美穂(Pさんの手が、私の頬に添えられて...や、やっぱりキス、だよね?)



美穂(イケナイことかもしれないけど...このままで流されてしまいたい...)



美穂「....ん」



P(美穂が目をつぶって、俺を待って...て)



P「.......で、できるかぁ〜!!」



美穂「ふぇっ!?」



P「このあと軽いキスじゃない、ディープなキスをする展開だけど...できないし、美穂にそんなことさせられるか!」

美穂「えっ!?なんですか?そのシナリオ!?私の役は振られる役ですよっ!?」



P「そのはずだよね?でも台本にはそう書いてあるんだけど」



美穂「そんなはずは...ちょっと台本を見せて下さいっ。...あぁ〜!?これ、私が出演するドラマの台本じゃないです〜!?」



美穂「ブックカバーが私が台本につけてたものと同じで、それで間違えちゃったんだと思います」



P「そうだったのか。どうも台本ぽくないとは思ってたけど、これは恋愛小説だよね?美穂の?」



美穂「いえ、これは私の持ち物じゃないです...誰のものを持ってきちゃったんだろ?」

-尾行組サイド-



奈緒(やっぱりアタシの恋愛小説...じゃあ今鞄にあるのは...う、ドラマの台本...)



智絵里「...美穂ちゃんがPさんに渡した本が台本じゃあなかったんですね。だからPさんが....」



夕美「ふぅー、Pさんも途中で気づいて欲しかったな、すっごい汗かいちゃった」



飛鳥「ボクも取り乱してしまったよ。コーヒーを飲んで落ち着...うっ!?」



ライラ「飛鳥さんケチャップを入れたコーヒーは美味しくないと思うですよ?」



卯月「あはは...もう一杯注文する?」



飛鳥「...お願いしようかな」

奈緒(誰も本の持ち主については気にしてないなっ、このまま...)



P『あっ、これ奈緒の持ち物だ。この栞、奈緒が使ってたのを見たことがある』



美穂『奈緒ちゃんの...あっ、あの時に間違えたのかも。それにしても奈緒ちゃんこの小説の告白シーンが大好きなんですねっ』



P『二枚の栞で挟んで、すぐに見れるようにしているしね。まあ、キャラの名前が俺と一緒なのはちょっと吃驚したけど』



美穂『主人公の女の子の名前も、字は違うけど奈緒ちゃんと同じ読みですねっ』



奈緒「......」

夕美「え〜と、その、凄い偶然だねっ?」



飛鳥「本当に奇跡だよね。美穂さんが奈緒さんの小説を間違えて渡して、同じように目印をつけて、同じような台詞回しになっていて」



飛鳥「二人が気づかず告白シーンまで行ってしまったのだから」



ライラ「小説の登場人物がP殿と奈緒さんと名前が一緒なのも凄い偶然なのですよー」



卯月「本当にそうだよねっ♪それに何度も読みかえしてるみたいだし、とっても面白いんだよね?今度私にも読ませてもらっていいかな?」



智絵里「その...奈緒ちゃん...その...ごめんなさい...」



奈緒「....あ、あ」



夕美「な、奈緒ちゃん落ち着いて...え、何で急に曲をいれて...?」

<その時空から...



夕美「これって...」



奈緒「ウサミンパワーで、メルヘンチェーンジッ!!」



智絵里「な、奈緒ちゃん?」



飛鳥「うん、どうやら現実を忘れようとして、自分を見失ったようだね」



ライラ「菜々さんの歌ですねー。奈緒さん、ライラさんもご一緒してもいいですかー?」

奈緒「いいぞ!ライラも一緒に歌おう!」



卯月「じゃあ次は私が歌うねっ♪何を歌おうかな〜」



夕美「...あとは普通にカラオケを楽しんで帰ろうか?」



智絵里「そう...ですね、そうしましょう」



飛鳥「じゃあ、盗聴はもうやめにしようか」



奈緒・ライラ「「ミミミンッ、ミミミンッ、ウーサミン!」」

-Pと美穂サイド-



P「はぁ...ごめんね美穂、俺がもっと早く気付けば良かったのに」



美穂「元は言えば、私がPさんに渡す本を間違えたのが原因ですから...あ、あのお願いがっ」



P「何だい?」



美穂「こ、腰が抜けちゃって...その...」



P「ああ、分かった。ソファーまで運ぶよ」



美穂「あ、ありがとうございますっ...Pさん、一つ聞いてもいいですか?今日は何でもしてくれるって約束、まだ有効ですか?」



P「もちろん。今日はまだ終わってないからね」



美穂「じゃあもう一つ...お願いをしたいことがありますっ♪」

------



---



美穂「えへへっ♪」



P「なあ美穂?確かになんでもするって言ったし、他のアイドルにもしてあげたことがあることだけど、これは...」



美穂「前から薫ちゃんやありすちゃんたちがやってもらっているのを見て、いいなって思ってたんですっ♪」



P「まあ、小さい子達にはね。頼まれたらしていたけど」



美穂「とっても温かくて、ついつい眠たくなっちゃうくらい心地いいですよっ?Pさんの膝上に座るのは♪」



美穂「ふふふっ♪普段からやってもらってる子が羨ましいですっ」

P「そ、そうかい?美穂が喜んでくれているならいいけど」



美穂「それにPさんの胸に頭を預けると、Pさんの心音ががよく聞こえますよ?」



美穂「...ドックンドックン音がして、なんだか緊張をしてるみたいな...なんてっ♪」



P「そりゃ、まあ今膝に座ってるのが美穂だから、普段座ってる薫やありすたちとは勝手が違うさ」



美穂「そうですか...そう言ってもらえると、嬉しいですっ♪」



美穂「今日は色んな事をしましたね...お買い物をしたり、二人でケーキを食べたり、公園をお散歩したり」



美穂「こうして、Pさんと部屋で二人きりで過ごしたり...どれもとっても素敵なことでした」

美穂「おかげ私の役の気持ちを深く理解できた気がします。この役がどうしてこんなに一生懸命になって、好きな人に振り向いてもらおうとするのか」



美穂「その気持ちが改めて分かったんです...今日は本当に、ありがとうございましたっ!」



P「本来の目的も果たせたか、それならよかったよ。それに俺も今日は楽しく休日を過ごせたしね」



美穂(本当に、改めて分かりました...どうして振り向いてもらいたいのか...)



美穂(こんな風に、二人でいることが幸せに感じられるから...)



美穂「私も今日はとっても楽しかったですっ♪魔法をかけられたみたいに...ふふっ、Pさんは私にたくさん魔法をかけてくれますよねっ?」



美穂「魔法をかけてくれたから、私はアイドルとして輝くことができています」

P「魔法をかけた...か。でも美穂がそうなることを望んでいたから、実現できているんだよ。俺はほんの少し手を貸しているだけさ」



美穂「でも私一人じゃあ...Pさんと出会ってなかったら、今の私はいなかったと思います」



P「そうかな?俺が美穂と出会ってなかったらどうなっていたのか、それは分からないけど...」



P「こうして美穂と出会えることができたんだから、この出会いは大切にしたいと思っている」



美穂「私もPさんと同じ気持ちです...これからもPさんと一緒にいて、一緒に夢を追いかけていきたいですっ」



美穂「だからこれからもプロデュースをお願いしますっ。まだ至らないところが多い私ですけど」



美穂「Pさんと一緒なら、どんな壁にも負けませんっ!乗り越えていきますからっ!」



美穂「Pさんの魔法をかけられた私がどんな成長をしていくのか、傍で見てて下さいねっ?約束...ですよっ♪」

(三日後)



-事務所-



ちひろ「そういえばPさん、昨日美穂ちゃんの撮影に付き添ったんですよね?どうでしたか?」



P「それが監督が美穂のことを絶賛してくれまして、”今度機会があれば主役を演じてほしい”と仰っていただくほど」



ちひろ「凄いじゃないですか!?いやー、Pさんとの一緒に演技練習をした成果ですかね?...休日を返上して」



P「いやいや、美穂が頑張ったからで...なんでそのことを知ってるんですか!?」



ちひろ「あ、やっぱりなにかあったんですね?」



P「し、しまった...かまを掛けられた」



ちひろ「大丈夫ですよ。事務所の皆さんには秘密にしますからっ♪いったい何をして....」

愛梨・かな子「「Pさんっ!」」



P「おはよう二人とも...どうしたんだ?なんだか二人とも、少し怒ってるような気がするんだけど?」



愛梨「怒ってますっ!」



かな子「それも少しじゃなくてとっても!」



ちひろ「Pさん...今度は何をやらかしたんですか?」



P「トラブルメーカーみたいに言わないでください!すまないけど、二人がなんで怒ってるのか分からないんだ。怒ってる理由を教えてもらえるかな?」

かな子「昨日美穂ちゃんに相談されたんです。ケーキの作り方を教えてほしいって」



愛梨「その時美穂ちゃんがこういったんですっ!”私のケーキはご褒美だって、Pさんが言ってくれたから美味しいケーキを作りたい”って」



ちひろ「あー...」



P「えっと...ごめん、それでなんで二人が怒るんだ?」



愛梨・かな子「「私たち、そんな風に褒めてもらったことは一度もありませんっ!!」」

P「いやでも言葉にしてないだけで、俺にとっては二人が作ってくれるケーキやお菓子もご褒美だと思ってるよ?」



愛梨「そうだとしてもっ、私たちはそう言ってもらった事はないですよねっ?」



かな子「そうです、不公平ですよ!」



P「ええ〜?」



ちひろ「これはPさんが悪いですね」



P「そ、そうですか?」



ちひろ「そうですよ...いい加減学習してくださいね?」



P「うっ、そうなのか...すまなかった二人とも」



愛梨「じゃあ今度...」



P「分かった。今度二人がオフのに日に埋め合わせをするから、それで許してくれないかい?」



かな子「オ、オフの日、ですか?ちょっと待ってください」



かな子「どうしよう愛梨ちゃん?今度ケーキを持ってきたときに、私たちも同じように褒めてくださいってお願いしようとしただけなのに...」コソコソ



愛梨「うん...オフの日に付き合ってもらうって、大事になっちゃった...Pさんもお仕事がたくさんあるし...」コソコソ



ちひろ「二人とも遠慮することは無いですよ?Pさんから言ってくれてることですし、ここは甘えちゃってください♪」



愛梨「で、でも」



ちひろ「事務所としてもPさんには休んでもらわないとまずいんです。労基的な問題で」



ちひろ「分かってますよね、Pさん?」



P「はい...ちひろさんから再三いわれてますから...」



ちひろ「ですからお二人が遠慮することは無いですよ?むしろPさんが休みをとるいい機会です」

ちひろ「思いきりPさんを付き合わせちゃってくださいね♪あ、でもスケジュールの調整はお願いしますよ?」



P「大丈夫です。そのへんはちゃんとしますから。じゃあ今度二人がオフの日に俺の休みを合わせるから」



P「何をするかは二人に決めてもらってもいいかな?」



かな子「わかりました♪私と愛梨ちゃんで予定を決めておきますね♪」



愛梨「楽しみにしていてくださいねっ、Pさん♪」



おわり



09:30│小日向美穂 
相互RSS
Twitter
更新情報をつぶやきます。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: