2015年07月28日

モバP「文香がドッキリを仕掛けてきやがったッ!!」


P「ふぅ……やっと事務所に帰って来れたな。お疲れ文香。今日もいい仕事をしてくれてありがとうな」



文香「いえ、そんなことは………」





P「謙遜することはないよ。ディレクターさん達もベタ褒めしていたんだからな。担当プロデューサーとして鼻が高いよ」



文香「そんな……私なんて………全然……」



文香「全部…Pさんが私のことをサポートしてくれたからです……。もし、私が一人だったら…何もできなかったでしょうし……」



P「俺の力なんて微々たるものさ。文香がここまで成功したのはお前が頑張ったからだよ。謙虚なのもいいけど、もっと自分を誇ってもいいんだぞ?」



文香「Pさん………///」



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文香「Pさんは……本当に…優しい人ですね……」



文香「いつも自分の事よりも、私の方を優先してくれて……」



文香「私が総選挙で10位以内に入れたのも、ここまで有名なアイドルになれたのも、Pさんがいつも傍で支えてくれたから……」





文香「私……そんな優しいPさんのことが………」









文香「好き………です……///」











P「…………」









P「へ?」







P「ふ、文香………い、今……お、俺に対し………こ、こくはr」



文香「………///」カァァァァ



P「なん……だと……!?」









P(あ、ありのまま起こったことを話すぜ……)





P(仕事を終えて文香と一緒に事務所へと帰ってきたと思ったら、いつの間にか告白されてしまった)





P(と、突然の事で俺の頭は真っ白で……い、一体何が何やら―――)





P(お、おおおお落ち着くのだ俺よ! 落ち着けェ!!)





P(これはえらい事だぞ。担当アイドルに告白されるなんて………)





P(でも…………嬉しなぁ♪ ぐへへへへ……♪)





P(―――って喜んでいる場合じゃない!! 俺とあいつはプロデューサーとアイドルという関係なんだかし。恋愛などタブー!)



P(しかし、だからといって頭ごなしにそう言って否定するのもいけないだろうし……)



P(俺はどうすれば………?)

P(ん? 待てよ………おかしいぞ………)



P(何か不自然だ。こんな出オチみたく告白してくるなんて………)



P(だいたい文香は消極的な性格だ。最近アイドル活動をやってるおかげでそういう所は改善されつつあるとはいえ、自分から告白なんてことは……)



P(何よりおかしいのは。こんな俺みたいな冴えない男に、文香みたいな美少女が好意を持つということだ)



P(仕事上のパートナーとして慕ってくれるのならまだしも、男女として好きになるのは…………あり得ない!)









P(!! まさか―――!!)













P(…………)





P(ふっふっ♪)







P(なるほど、そういうことか……ふふふ、はーっははははははははははッッッwww)





P(やっと、能天気な俺でも飲み込めたよ)







P(これは……つまり―――)











P(ドッキリというわけだ!!!!)







P(これで全て説明が付く。文香のような可愛い女の子が、こんな冴えない俺に告白なんてするはずがない)



P(告白され、パニくってる俺の姿を見て大笑いしてやろうって魂胆か!)



P(おのれ文香め………許さんぞ!! 早速ネタ晴らしをさせてやる!!)



P(いや、待てよ)ピタリ







P(よくよく考えたら、俺の可愛い文香がこんなドッキリを仕掛けようとするはずがない)



P(裏に発案者がいるはずだ……)









P(…………………奴だな。緑の悪魔……ちひろさんだな!! そうだ、ちひろさんしか考えられない!)



P(どこかのTV局から仕事の依頼が来て、それで文香に協力させたに違いない!!)



P(あの悪魔め……人の純情を弄ぼうとするなんて! そこまで性根が腐っていたとは……ッ!)



P(恐らくちひろさんは、どこか別室で俺達を監視しているに違いない!)



P(早速探し出してちひろさんを成敗に―――――――――いや、それはダメだな)



P(今ちひろさんにネタ晴らしをさせに行ったところで、すっとぼけるに決まってる)



P(確かな証拠を持って追及しなければ意味はない。でも、証拠なんてどうやって……)





P(いや、待てよ。そういえば今ちひろさん達は、俺がドッキリに気付いていることに気付いていない!)



P(とういうことはつまり――――)









P(逆ドッキリを仕掛けるチャンスというわけかッッ!!!!)







P(俺がちひろさん達が想定したものとは違うリアクションをとって、ドッキリのシナリオを崩壊させてやる!



P(クククク、恨まぬなよちひろさん………先に仕掛けたのはあんたの方なんだからな)



P(よし、それでじゃあまずは―――)





文香「……ごめんなさい…Pさん。急にこんなことを言ってしまって…」



文香「こ、困りますよね。私とPさんは……アイドルとプロデューサーの関係ですし」



文香「今言ったことは…どうか、忘れてくださr」







P「俺も文香の事が好きだ! 付き合おう!!」









文香「…………」







文香「え?」





文香「P、Pさん……今なんて……?」



P「お前への告白の返事さ。俺もお前のことが好きだ。だから付き合おうじゃないか!」



文香「えっ、えええぇぇぇぇぇぇぇっっ!?」



文香「ほ、本当なんですか……!?」



P「当たり前だ! 俺もずっと前からお前の事が好きだったんだ!!」



文香「はう……///」





文香「で、でも………私達、アイドルとプロデューサーという関係ですよ……?」



P「そんなの知るか!! 俺は文香が好きだ! それ以外に何の問題があるってんだ!!



文香「あ……う…///」



P「好きだよ文香………今日からお前の物語に恋人として俺の事も加えてはくれないか……?」





文香「〜〜〜〜!!!////」カァァァァァッ!





タッタタタタッ





P「……顔を赤くして逃げちゃったな」



P「ってことは、見事俺の逆ドッキリは成功したという訳だな」ニヤリ



P「今頃文香はちひろさんに助言を求めてるに違いない」



P「本来用意されていたであろう、ドッキリ用のシナリオがいきなり崩れてしまったのだ。これは裏で相当混乱しているに違いない」



P「クククっ、慌てふためいている二人の姿が思い浮かぶってもんだ」



P「俺がまさか文香の告白にOKを出すとは思わなかっただろう。どうせヘタレて混乱したに違いないとタカをくくっていたに違いない」



P「だが、これでシナリオは崩壊した。もうドッキリを続けることもできまい」



P「ちひろさん……俺の勝利だ。は―っははははははwwwww」







文香「P、Pさん……」タッタタタ



P「おっ、戻って来たな」



文香「す、すいません……突然逃げ出してしまって……つい、動揺してしまいまして……」



P「なーに、全然気にしてないさ」



文香「そ、それで……Pさん……さ、さっきのことですけど……」



P「うん?」



文香「ほ、本当に…私のことが……好き…なんですか?///」



P「ああ、もちろんだよ。この世界で誰よりも好きだ!」



文香「はう……ッ///」

P(ククククッ、わかりやすぐらいに困ってやがるな。そりゃドッキリ相手にマジ惚れされてると思ったら困るだろうよ)



P(文香は本来、こんなドッキリの仕掛け人に向いていない性格だ。アドリブができず、もう色々と限界なはず)



P(ネタ晴らしをするなら今だぜェ〜、ちひろさんよぉ〜〜。ククククッ)





文香「で、では……///」ギュ





抱きっ





P「ん?」





文香「そ、その……よ、よろしくお願いします……///」





文香「これから…私のことを……担当アイドルしてでなく……恋人として……お願いします///」ポッ





P「…………」







P「えっ!?」

文香「まさか…両思いだったなんて……知りませんでした…」



文香「私……とても幸せな気持ちです…。アイドルとして成功した時よりもずっと……」



文香「人はこんなにも……嬉しいと思えるんですね……///」



P「えっいやちょおめえっその」







P(な、なんだ!? どうなってやがる!? ネタ晴らしは!? なぜネタ晴らしをしない!?)



P(なぜ現れないちひろさん!? このままだと本当に恋人同士になってしまうんだぞ!?)



P(なぜだ!? なぜOKをした!?)



P(一体なぜ――――――ハッ! ま、まさか!?)





P(そうか………そういうことか……)









P(これもちひろさんの策略か!!)











P(俺が文香の告白にアッサリとOK出したことにより、あらかじめ用意していたであろうプランBに移行したわけか!)



P(つまり―――まだドッキリを続ける気満々ということか!!)



P(ってことは、ちひろさんは―――)



P(俺がドッキリに気付いていることに気付いているッッ!!??)



P(くっ……なんて奴だ。気づいていたからこそ、これほどまでに早く対抗策を行ったわけか!)



P(何たる知性! この隙のなさ! まさに悪魔!)







P(だが、まだあの悪魔に対抗する手はある)



P(なぜならちひろさんは、俺がドッキリに気付いているということをちひろさん達が気づいていることを俺が気づいていることに気づいていない!)



P(ならば、次に俺が打つべき手は―――ッ!!)







P「文香……俺も同じ気持ちだよ。これからもよろしくな」



文香「は、はい……///」



P「それじゃあ、こうして恋人同士になったわけだし」





抱きっ







文香「えっ…///」



P「キス………しようか?」





文香「えっ、ええええええぇぇぇぇぇぇッッッッ!!!????」









文香「P、Pさん……そ、そんな……急に……///」



P「すまないな。だけど、文香のことが好き過ぎて、気持ちが抑えられないんだ……」



文香「はぅ……///」キュン



P「………ダメかな?」



文香「あ……あぅ………////」









P(どうだちひろさん。こう来るとは思わなかったろう?)



P(流石に本当にキスをさせるわけにもいくまい。これでネタ晴らしをせざるを得ないよなぁ〜?)



P(この勝負、俺の勝ちだ!!)





文香「Pさん………///」スッ





P「ん? どうした文香? 急に眼をつぶって?」



文香「ど、どうぞ……///」



P「え?」







文香「キス……わ、私も……したいとおもってましたから……///」ポッ





P「!?」



P(な、何を考えてる気だあの悪魔!?)



P(いくらドッキリとはいえ、現役アイドルにここまでやらせるなんて正気の沙汰じゃない!!)



P(いくらちひろさんが血も涙もない悪魔とはいえ、アイドルに対し、ここまで無理をさせるようなことは―――)







P(いや、待てよ………?)





P(そうか、そういうことか……ッ!!)







P(あの女………俺がキスなんてできるわけがないと思ってやがるんだ!!)







P(普段から俺の事を、鈍感だのヘタレだの、ラノベ主人公だのと散々バカにしていたからな)



P(どうせ、キスをせがんだところでヘタレな俺が応じるはずがない。俺の方が観念してネタ晴らしするだろうって考えてるわけか!)



P(クソが! どこまでも俺の事をバカにしやがってからに!!)





P(……………いいだろう、見せてやる!! 俺がただのヘタレじゃないってところをなぁ!!)







P「それじゃあ、文香………するぞ?」



文香「は、はい……/// ど、どうぞ……///」





P「……」スッ



P(もちろん、本当にキスをする気はない。ただ直前まで近づける寸止めまでだ)



P(そうすれば流石のちひろさんとて、止めなければならない)



文香「………///」ドキドキドキ



P(それにしても、文香は本当にアイドルとして成長したものだ。こんな不細工な俺が今にもキスをしようとしてるというのに、嫌な顔一つしないなんて)



P(それどころか、顔を赤くして、なおかつ微かに体を震わらせている……まるで本当に恋する乙女のようだ)



P(そしてどんどん自然な感じで、俺の顔へと近づいてくる)





P(顔が………近くに―――)







文香「……チュ♪」





P「!?」





文香「んちゅ……んっ……ちゅちゅ………はぁ……///」



P(な、何だと………き、キスしてきただと!?)





P(しかも、この舌と舌を絡ませる……ディープキスだと!?)



文香「ぷはぁ! ………はぁ……///」



P「ふ、ふふふ文香!? な、ななななんで―――」



文香「すいません……なんだか……興奮して……私……///」





文香「Pさん……!」ドンッ!



P「うおッ!?(ソファーに押し倒された!?)」





文香「///」



P「えっ、ちょ……ふ、文香?」



文香「Pさん……私……」





文香「Pさんのことがずっと好きで、それでPさんも私のことが好きだと言ってくれたのが…本当に嬉しくて…///」





文香「それであのキスをして……何か変なスイッチが……入ってしまったみたいです…///」





P「えっ、それって……どういう意味―――」





文香「Pさん…私………貴方と……」















文香「し、したい……です……///」





P「」









P(な、なぜだ!? なぜこうなってるのだ!?)



P(これはドッキリなはず! なのになんで文香とマジモンのディープキスした挙句、一線を越えようとしてるのだ!?)



P(これも演出だとでも言うつもりか!? 本当にキスをするなんてやり過ぎている!! 今時映画やドラマでもたいてい寸止めなのに!!)



P(それにこの文香の表情……とても演技とは―――)



P(ああっ! もう何がなんだかわからねぇ!! 頭が混乱してきて思考が働かない!)



P(ん? 混乱……?)









P(そうか……そういうことか………)







P(ちひろさんは、俺がドッキリに気付いているということをちひろさん達が気づいていることを俺が気づいていることに気づいている!!)





P(だからちひろさんは、俺を混乱させるために、熱烈なキスをしろと文香に指示をしたのだな!!)



P(ドッキリに気付いている俺に対し、こんな過激な演出をすることによって俺の思考を鈍らせるのが狙いなのか!!)



P(なるほど、確かに有効な手だ。一瞬、これがドッキリだというのを忘れていたぜ)



P(しかし、俺とのドッキリに勝つためとはいえ、文香のファーストキスを俺なんかに捧げさせるとは………許せんッ!!)



P(良心というものがないのか!! あの女は……本物の悪魔だ!!)



P(ここまでされた以上、ますます負けてなんかいられない!!)



P(ちひろさんに言いなりにされている文香のためにも、俺は負けられないんだっ!!)





P(まだ勝機はある! なぜなら―――)



P(ちひろさんは、俺がドッキリに気付いているということをちひろさん達が気づいていることを俺が気づいていることをちひろさんが気づいていることを俺が気づいていることに気づいていない!!)





P(もう、こんなイタチごっこにはうんざりだ!)



P(次でネタ晴らしをさせる! そして文香をちひろさんの魔の手から解放するんだ!)



P(されば、どうする……? このドッキリを終わらせるには強烈な一手が必要だ)





P(もう、ちひろさんが反撃できないぐらいなまでの、強烈な一手が………!!)





P(強烈な………一手―――――)





P(そうだ!!)



P「ふ、文香! よしなさい! いきなりこんなことを―――しかもこんな人が来そうな事務所でだなんて」



文香「えっ……で、でも……Pさん……」



P「それにこういうことをするとしたら、せめて結婚でもしてからでないとダメだろう?」



文香「そ、そんなの……今時は…………」



P「文香、わかってくれ。俺を信じてお前の身を預からせてもらってる、ご両親の信頼を裏切らないためにも。俺はそんなことしてはいけないんだよ」





P「わかってくれるか?」



文香「…………」







文香「はい……わかりました……」





P「わかってくれて嬉しいよ」























P「という訳で、結婚しよう!」







文香「は?」



文香「えっ……P、Pさん………い、今何て……?」



文香「じょ、冗談ですよね……。い、いきなり…ぷ、プロポーズ……だなんて……」





P「俺は本気だ!! その証拠に!!」





カキカキカキカキカキ







P「この通り婚姻届に記入しておいたぞ!!」つ婚姻届



文香「!?」





P「後は文香の欄を書けば完成する。記入してはくれないか?」





文香「えっ……………ええええええぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!!???」





P(ククク、流石にこれは予想外だったようだな)



P(さしものちひろさんも、これはもうどうしようもあるまい?)



P(ネタ晴らしをしないでシナリオを進めるのはもう不可能。あとはこのまま俺がプロポーズし続ければ、向こうも観念してネタ晴らしをせざるえない)



P(もう、ここからの逆転は不可能。ちひろさん、あんたの負けだ……クククククッ)







文香「Pさん……ほ、本気……なんですか……?」



P「ああ、本気だよ」



文香「わ……私なんかと……本当に…け、結婚……したいんですか…?」



P「ああ、そうだよ」



文香「ほ、本当の本当に!?」





P(しつこいまでに念を押してくるな。まぁ、最後のあがきというやつだろう。無駄なことを)





文香「だ、だいたい…私たちはまだ恋人になったばっかりで…………」



P「無茶苦茶なことを言ってるのはわかってる。それにお前は売れっ子アイドル。結婚なんてしたら大変なことになるのもわかってる」





P「でも……それでも、俺は文香の事が……好きだから……」



P「この先、どんなことがあったとしても、俺がお前の事を守ってみせる!!」



P「だから………」





P「俺とずっと一緒にいて欲しい……」





文香「〜〜〜〜ッ!//////」カァァァァッ!

P(我ながら歯の浮くようなセリフだな……。しかし、流石にこれでネタ晴らしを―――)





文香「うっ……ううっ……」ポロポロポロ





P「!? ど、どうしたんだ文香!? 泣いちゃって―――」



文香「違う…んです…………。私……嬉しくて……」



文香「Pさんが……私のことを……ここまで想ってくれてたなんて…………」ポロポロ





P「えっ…いや……」



文香「プロポーズ……お受けいたします」



P「へ?」





文香「私は……Pさん………貴方と………」









文香「結婚します///」





P「………」







P「はいッッ!??」





P「ちょ、おま……えええええぇぇぇぇぇッッッ!!???」





P「ふ、文香……お、お前それ……マジ……?」



文香「はい……/// その証拠に……」





カキカキカキカキカキカキ





文香「婚姻届の私の欄……書きました…///」



P「!?」





文香「それじゃ……早速市役所に―――」タッタタタッ





P「ちょ、ふ、文香!? ま、待って!!」





○市役所





文香「………着きましたね///」



P「あわわわわわ」



文香「それじゃあ、Pさん……一緒に…提出しましょう……///」



P「えっ、いやちょ! ま、まままま待って!!」





職員「市役所職員でございます。何かご利用で?」





文香「あの……この婚姻届を提出したいのですが……///」



P「ちょ、待って文香!! 待ってって!!」



文香「どうしましたか…?」



P「い、いや……だ、だっておま……」





P「だ、出しちゃうの……? ほ、本当に……?」



文香「………はい///」



P「い、いやだって! 出しちゃったら色々と…取り返しがつかないんだけど!?」



文香「はい………/// 私も……覚悟は…決めましたから……///」



P「」

P(ど、どうなってるというのだ!?」





P(ちひろさん、なぜだ!? なぜ出てこない!?)



P(なぜネタ晴らしをしない!? それどころか婚姻届持って市役所に来ちまったぞ!!)



P(しかも、この婚姻届には俺の実印を押しちまってる………これを提出してしまったら冗談じゃなく俺と文香は結婚してしまうんだぞ!?)







P(なぜなんだ……なぜっ……なぜだ!?)





P(―――ハッ!! ま、まさか………)





P(俺がドッキリだと思ってたこの事は全て―――)





P(いや、そんな! そんなバカなことがあるはずが! しかしこの現状―――)







P(…………)







P(そうか、そうだったのか………)





P(俺は……なんてバカだったんだ………!)





P(お笑いだよ。あんな傍から見たら暴走行為としか見えないことをして………まるでピエロだ……アハハハハハハハハ…………)







P(やっと、理解したよ)







P(これまでのことは全て―――――)





























P(ちひろさんの策略だったのだ!!)



























P(あの悪魔は全てを予想していたんだ)





P(俺がドッキリに気付き、ネタ晴らしを強要するために演技して、最終的に偽プロポーズすることまでお見通しだったんだ)





P(この市役所全体もグル! すなわち、目の前にいるこの市役所の職員もエキストラ! 雇った役者に違いない!!)





P(盲点だった……まさか、役所がドッキリに協力するはずがないという先入観を突くとは………)





P(つくづく恐ろしい女だ。俺のやってきたことは全て、ちひろさんの手のひらの上だったんだ)





P(なんて奴だ……狡猾で、ずる賢い。普通そこまで考えなんてしないだろう!! 俺は今まであんな化け物と一緒に働いていたというのか!)



P(フッ……ならばもう抵抗は無意味。ここまでされてしまっては、もう俺に勝つ要素は微塵もない)



P(今の俺に出来る抵抗と言えば、せいぜいこの婚姻届を慌てた様子もなく、普通に提出することぐらいだろう)



P(提出してしばらくしたら、恐らくどこかに隠れているであろうちひろさんが、ドヤ顔でネタ晴らしに来るだろうよ)



P(フッ、必死になってドッキリにもがいていた俺の姿は、さぞお笑いだったに違いない。ドッキリ的においしいことこの上なかったろうさ)



P(負けたよちひろさん…………お前がナンバー1だ!!)





P「では……婚姻届の提出をお願いします」



職員「かしこまりました。少々お待ちください……」





文香「いよいよですね………Pさん///」



P「ああ、そうだな」





P(そう、いよいよちひろさんとの戦いも終わる)



P(俺の敗北という形でな………)



職員「お待たせしました。書類に何も問題はありませんでした」





職員「ご結婚、おめでとうございます」





文香「ありがとうございます! Pさん、これで私達………夫婦になったんですね……!!///」





文香「私……こんなにも嬉しいの…初めて………///」





文香「これから、私達で………新しい物語を紡いでいきましょうね…///」





P「…………」







P「あり?」







P「あ、あれ……? ち、ちひろさんは?」



文香「? ちひろさんが…どうかしたのですか?」



P「えっ……いや、だって………」





P「こ、これで終わりなわけ……あるはずが………」



文香「?」





P「おい、そこのあんた!!」ガシッ



職員「ひっ!? な、なんですか!?」



P「雇い主をを出せっ! 早くしろ!!」



職員「は、はぁ!?」



文香「P、Pさん!? な、なにを……?」



P「わかっているんだよ、あんたが役者だってことはもう! それにドッキリはもう終わっているんだ! いい加減職員の演技はやめろ!!」



職員「あ、あんた何を言って―――」















ちひろ「あれ? プロデューサーさんに文香ちゃん? どうして市役所に?」



P「!!」







文香「あっ……ちひろさん」



ちひろ「二人してどうしてこんな所に? こんな所で何か用でも?」



文香「じ、実は……///」





P「ふわぁはははははははwwww! とうとう現れやがったなちひろさん!!」



ちひろ「はい?」



P「ネタ晴らしに来たのでしょう? 待っていましたよ!」





ちひろ「な、何言ってるんですか………?」



P「しらばっくれやがって! それとも焦らしているのですか? 流石は悪魔だ。どこまでも俺をバカにしやがる!」



ちひろ「………何か悪いものでも食べたんですか?」



P「もうわかっているってことですよ。これが全部……………ドッキリだってことをね!!」





ちひろ「ドッキリ? 仕事の話ですか? だったら今日は勘弁して下さいよ」















ちひろ「今日は私、オフの日なんですから」





P「え」



ちひろ「プロデューサーさんも知ってたでしょう? 昨日の連絡事項に言っておきましたし。社内掲示板にも書いておきましたしね」





P「……………」







P「あっ」



ちひろ「だからこうして、市役所に税金関係のことを処理しに来たんですよ。住民税やらなんやらね。我ながら味気のない休日の過ごし方だとは思いますけど」



P「」





ちひろ「プロデューサーさん達は、どうして市役所に?」



文香「実は……私達…さっき結婚をしたんです……///」



ちひろ「へぇ、それはよかったですねってえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇッッッッ!!!!?????」









ちひろ「ちょ、プロデューサーさん!? どういうことですか結婚って!?」



P「」



ちひろ「何か答えてくださいよ!!!」



P「」

文香「あの…、どうかしたのですか……?」



P「―――ハッ!! そ、そうだ……こうしてはいられない!!」





P「文香! この結婚を無効にしてくれ!!」



文香「…………は?」





文香「な、何を言って………」



P「これまでのことは全部、バカな俺の勘違いだったんだ!! 実は―――」



―――――――――――――



―――――――



―――





文香「つ、つまりこれは……Pさんの……勘違い……?」



P「そうなんだ!! す、すまない!!」



文香「それじゃあ、結婚は………」



P「もちろんナシにしないと! 今人気絶頂の文香結婚なんてシャレにならん! だから婚姻届無効手続を一緒に―――」





文香「………………」







文香「うっ……ううっ……」ポロポロ



P「うぐっ」ズキッ









文香「ごめんなさい……、そう……ですよね……」



文香「私はアイドルですから……結婚なんて…してはいけない……のに」



文香「それなのに、勝手に………盛り上がっちゃって………」



文香「私………バカみたい……うううっ……」ポロポロポロポロポロ







P「…………」







P「な、な〜んちゃって! ウッソぴょ〜ん!」



文香「え?」



ちひろ「ちょ!?」



P「ひ、引っかかったな文香!! さ、さっき言ったは、ぜ、ぜぜ全部ドッキリだよ〜ん! あ、あはははは……」



文香「えっ……、そ、それじゃあ……私達の結婚は―――」



P「も、ももももちろん無効になんかしないさ!! だ、だいたい勘違いとかで…け、結婚するようなバカなんているわけ……ないし……」



P「ふ、文香の…驚く顔が見たかったので、ど、ドドッキリを言っただけなのさ! あ、アハハハハ……」



文香「も、もう………///」





文香「そんな性質の悪い冗談は……やめてください…///」



P「ご、ごめんよ? つ、ついね……」



文香「本当に………もう///」







文香「……Pさん///」



抱きっ



P「うほっ!?」













文香「これから……Pさんの言った通り…色々と大変なことが起こると思います……スキャンダルとか…パパラッチとか……」



文香「ですけど…二人で乗り越えていましょうね……、わ、私たちは……夫婦なんですから…///」



P「そ、そうだね……あ、あはははははははは……」







P「はははははははははは………」





P「あひゃははははははははははは」





P「わひゃはははははははははははははははwwwwwwwwww(泣)」















ちひろ「バカの世界チャンピオンね………」







おしまい













   

   おまけ







P「さてと、今日の仕事も終わりだな。それじゃあ事務所に帰るぞ、晴」



晴「なぁ……P。ちょっといいか……?」



P「ん、どうした?」



晴「実は、事務所に帰る前に寄りたいとこがあんだけどよぉ」



P「どこに寄りたいんだ?」



晴「あそこにある……」







晴「お城みたいな建物……///」





P「!?」

P「は、晴!? お、お前何言って……!?」



晴「///」ポッ



P「あ、あの建物は、ディ○ニーランドにあるお城とは違うんだぞ!? わかってるのか!?」



晴「う、うん……だから―――」







晴「Pと行きたい……///」



P「なん……だと……!?」







P(こ、これは一体どういうことだ!? 何が起きているのだ!?)





P(俺の耳が正常ならば、たった今……晴に誘われてというのか!?)



P(ば、バカな!? 俺が体よく騙してラブホに連れて行くことはあっても、晴の方から誘われることなんてあろうはずが―――)



P(都合が良すぎる! あまりにも都合が良すぎるぞ!!)



P(―――ってことはまさかこれは―――ドッキリか!?)



P(ちひろさんか早苗さん辺りが仕掛けたドッキリ………ではないのか!?)





P(……………)





P(ないないないないwwww ドッキリなわけがないwwwww)









P(あまりにも疑い深くなってもいいことなんてないってのwww)



P(晴の方が誘ってきたっておも、別の世界戦で散々調教された記憶がフィードバックしたとかそんな理由で、俺好みの淫乱ロリっ娘になったってだけだろ)



P(ここで病的なまでに深読みをして、チャンスを不意にするようなことはしない!)



P(当然、断る理由なんてないし。喜んで誘いに乗る一択だなwwww)







P「よしわかった!! 早速あのラブホrゲフンゲフンじゃなくて、お城みたいな建物に行くぞ!!」



晴「う、うん……///」





 ☆ラブ●テル☆





P「すいません、部屋を貸してください!」



店員「はい、どうぞ鍵です」



P「よし、では早速部屋に入るぞ晴」



晴「あ、ああ……///」



P「ぐへへへへへwwww」











店員「―――ってなると思っていたのか?」



P「え」





P「そ、その声は……まさか!?」



店員?「ふっふっふっ……私がただのラブホ店員だと思った?」





ビリッ!





早苗「残念、早苗ちゃんでした♪」





P「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!???」



P「な、なぜ早苗さんがここに!?」



P「まさか……これはやはりドッキリ!?」



ちひろ「やっと能天気なプロデューサーさんでも飲み込めたようだな〜」



P「ち、ちひろさん!?」



ちひろ「こんな誘いにホイホイ乗ってくるような最低なプロデューサーなど必要ない!!」



ちひろ「早苗さんにシメられてしまえ―――ッ!!!」



P「お、おのれぇぇ!!! 図ったなッ!?」







早苗「さぁ、Pくん……スーパーお約束タイムよ」ゴゴゴゴゴゴ



P「くっ、まさか晴と事が及ぶ前にシメられるとは……………無念」



P「いいだろう、今回は俺の負けだ! 殺すなら殺せ!」





P「だがしかし、いくら俺をシメた所で晴をラブホに連れてくのを止めることはできぬってグホォァ!」





ドガバキッガルルパッシャー!



ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!??







晴「…………」











晴「別に本当にシテもよかったんだけどな……///」ボソッ





ちひろ「!?」







おしまい









20:30│鷺沢文香 
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