2015年07月29日

響「動物の気持ち?」千早「ええ」

千早「我那覇さんになら、わかるんじゃないかと思って」



響「たしかに自分はだいたいわかるけど…それがどうかしたのか?」



千早「実は、私も動物を飼ってみようと思うの」





響「ホントか!?へぇ〜千早がかぁ」



千早「…やっぱり似合わないかしら」



響「そんなことはないぞ!ただちょっと意外だったんだ。千早って、あんまり動物とか興味ないと思ってたから」



千早「そうね……みんなのおかげかもしれないわ」



響「みんなの?どういうこと?」



千早「みんなの励ましがあって、私はもう一度、家族と向き合うことができたわ」



千早「ほら、我那覇さんにとって、いぬ美やハム蔵たちは家族でしょう?」



響「うん!もちろんだぞ!」



千早「だから、いつも動物と家族と楽しそうに触れ合ってる我那覇さんを見てたら」



千早「暖かい気持ちになれて、いいなって、思うようになったの」



響「そっかぁ…」



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千早「なんて…変、かしら」



響「えへへ……」



千早「な、なに?」



響「あっ、ごめん……全然変じゃないさー、千早がそんな風に見ててくれたなんて、自分、すごくうれしいぞ!」



千早「よかった…でも私に我那覇さんのように、動物と仲良くなれるのかしら…」



響「大丈夫!そういうことなら、自分も協力するから!」



千早「ふふっ、ありがとう我那覇さん」



響「自分にまかせておけば、なんくるないさー」



千早「きっと私の部屋も賑やかになると思うわ」



響「うんうん!家族は大勢の方が賑やかでいいもんね!」



千早「……あの、それじゃあ…さっそくお願いしてもいいかしら…」



響「なになに?」



千早「…えっと……その…」



響「ん?水くさいぞ千早、遠慮せずになんでも言ってよ!」



千早「……そうね」



千早「これは、動物の気持ちが分かる我那覇さんにだからできることなのよ!」



千早「そう、きっと我那覇さんにしかできない……」



響「な、なんだかちょっと怖いぞ…」



千早「とにかく、これを頭につけてみてくれないかしら」



響「これって……犬耳?自分がつけるの?」



千早「今から、我那覇さんには犬になりきってもらいます」



響「へっ…?」



千早「動物を飼うということは、決して簡単に決めていい事じゃないでしょう?」



響「そ、そうだな……世話も大変だし…なにより飼い主である責任を負わなきゃならないからね」



千早「だから飼う前に試してみたいのよ、我那覇さんを犬だと思って……だめかしら?」



響「べ、べつにいいけど……」



千早「じゃあお願い!!!」ズイ



響「うぎゃっ!?さっきから怖いぞ千早ぁ」



千早「あっ…ご、ごめんなさい…」



響「とにかくつければいいんだな……」



千早「ええ、お願い」



響「……スチャ……これでいいの?」ピクピク



千早「(い、犬耳がピクピク動いてる)」



千早「我那覇さんかわいい…」



響「え?今なんて…」



千早「はっ!な、なんでもないわ」



響「そ、そっか」



千早「ふふっ、すごく似合ってるわよ我那覇さん」



響「そう?ありがと!」ピクピク



千早「(くぅっ…こんなに可愛い犬がいたら迷わず飼うのに…!)」



響「それでこの後どうすればいいんだ?」



千早「えっ、ああ…そうね、私のペットになったつもりで犬の真似を、犬になりきるのよ」



響「ほ、ほんとにやるのか?いざやるとなると…ちょっと恥ずかしいかも……」



千早「……」ジー



響「……うぅ、もー!わかったぞ!やればいいんでしょー!」



千早「ふふっ」

千早「……」ワクワク



響「あうぅぅ…………わ、わん…」ピクピク



千早「」



響「……な、なにか言ってほしいぞ……うぅ…」



千早「」



響「あれ?ち、千早…?」



千早「……んあっ!?(あまりのかわいさに一瞬意識が飛んでいたわ)」



響「大丈夫なのか?」



千早「大丈夫じゃないわ、でも大丈夫よ……ふう…」



響「そ、そっか…」

千早「犬とスキンシップをとるときって、どうしたらいいのかしら…」



響「そうだなー、喉とかお腹とかを撫でてあげると喜ぶぞ」



千早「やってみましょう」



響「で、でも自分は犬じゃないし…別に喜ばないし…」



千早「やってみましょう」



響「……うぅぅ………」ゴロン



千早「いい子ね……ご褒美にたくさん撫でてあげないと」



千早「まずは喉を…ゴロゴロ……」



響「ひゃぅ……や、やっぱりやめようよぉ……」



千早「まだだめよ」

千早「次はお腹……服が邪魔ね」ペラ



響「うぎゃっ!?」



千早「じっとしてなきゃだめよ」ナデナデサワサワ



響「ひゃぃっ!く、くすぐったいぞっ…!」バタバタ



千早「ふふっ、うれしいのね?」コショコショ



響「うれしくなんか…っ!ぷふふふっ!あははははは!も、もうだめぇっ!」



千早「やめてほしいなら語尾にわんをつけなさい」



響「へっ…や、やめてほしいわん!うわーん!」



千早「ふふふ」

響「はぁ……はぁ…………」



千早「とっても参考になったわ」



響「や、やっと終わったぞ………」グテー



千早「他にはどんな風に触れ合うのかしら?」



響「うぇっ!?ま、まだやるのか!?」



千早「ええ、もちろん」ニッコリ



響「(だめだ……きっと満足するまで終わらないんだな……)」



響「おすわり…とか、しつけるときにやったりするよね」



千早「なるほど、さっそくやってみましょう」



響「(おすわりならすぐに終わるよね……)」

千早「んんっ……よし、それじゃあさっそく…」



千早「響、おすわり」



響「うう……」ストン



千早「よくできました。偉いわね」ナデナデ



響「あっ……」



千早「ご、ごめんなさい!撫でられるのは嫌だったわよね…」



響「うああ、違うんだ!頭ならむしろうれしい……って、うぎゃーっ!自分、何言ってるんだ!?」



千早「ふふっ……どうしてほしいの?正直に言って見なさい」



響「うっ…………も、もっと撫でてほしい……かも」



千早「……その台詞、語尾にわんってつけて、もう一度言ってもらえる?」



響「えっ?」



千早「あっ、座ったまま、そのままの体勢で下から見上げるようにね」



響「なんでそんなにこだわるんだ…」



千早「これが最後のお願いよ」



響「わ、わかったぞ…!」

響「も、もっと撫でてほしいわん……」ピクピク



千早「」



響「……うぁぁ、やっぱり恥ずかしいぞー!」



千早「」



響「あれ?千早がまた動かなくなっちゃった!千早ぁー!」ユサユサ



千早「……決めたわ」



響「へっ…?」



千早「飼います!」ダキッ



響「うぎゃっ!?ち、千早!?」



千早「この子は私が責任を持って育てます!」スリスリスリスリ



響「うぎゃぁぁっ!顔すりすりしないでよぉー!」ジタバタ



千早「暴れたらだめよ響!」



響「うがーっ!」

千早「ありがとう我那覇さん、なんとなくイメージが掴めた気がするわ」



響「お、終わった…終わったぞ………」グッタリ



千早「ほんとは我那覇さんを飼えたら、それが一番いいのだけれど」



響「んもー!冗談は止めてよ!千早が言うと冗談に聞こえないぞ!」



千早「ふふっ…」



響「まあ、千早が満足してくれたならよかったさー!」



千早「ほんとにありがとう我那覇さん」



響「どういたしまして!また何かあったら言ってよね!今回みたいな恥ずかしいのは勘弁してほしいけど…」



千早「ええ、分かったわ。無理を言ってごめんなさい」



千早「(今度は猫ね……ふふっ…)」



響「ん、あれっ?そういえば…」



千早「どうしたの?」



響「うん…うんうん……確かに言ってたぞ!」



千早「??」



響「さっき、千早……自分のこと、響って呼ばなかったか?」



千早「えっ!?そ、そうだったかしら!?」



響「絶対言ってたぞ!ねえ、もっかい呼んでみてよ!」



千早「ふぇっ!?……ひ、ひび……」



響「むふふっ」ニヤニヤ



千早「くっ…!」



響「ほらほらぁ〜」



千早「……我那覇、さん…」



響「違うでしょー!ひ、び、き!もっかい!」



千早「……あっ、そろそろレッスンの時間だわ」



響「時間ならまだあるぞ!」



千早「あー忙しい忙しい…」



響「こらぁ〜!逃げるなー!」









おわり



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