2015年07月29日

モバP「白菊!」


白菊ほたる「ひっ」



P「お前、今回の仕事、また失敗したらしいなぁ?」





ほたる「す、すみません……」



P「謝るだけなら、俺が頭下げれば済むんだよ。けどな、相手さんが納得してないから、俺はこうして、聞いてるわけだ」



ほたる「はい……すみません」



P「謝るな。謝る前に、失敗した理由を話せ」



ほたる「撮影現場で、機材にトラブルがあってらしくて……それが、私のせいだと」









SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394701419





P「そうか。お前がなにかしたのか」



ほたる「私の、不幸のせいで」



P「お前が、なにかを、したのか聞いてる」



ほたる「……近くにいただけです」



P「ならいい。……嫌なことを、言われたりしなかったか」



ほたる「それは、特に」



P「本当だな?」



ほたる「は、はい」



P「行っていいぞ。今日は帰れ」



ほたる「すみません……お疲れ様でした」



P「ああ、お疲れ」









P「もしもし、今日の機材トラブルの件なんですが」



P「ええ、うちの白菊は、近くにいただけです」



P「はい、確かに、あいつがいるとトラブルが起こりますが」



P「いや、決してそんな奴では……はい、お願いします。それでは」



P「――くそ、一回り二回りも違う子供を、根拠もなく疑いやがって!」









P「白菊、今日はレッスンだ。きっちりやれよ」



ほたる「はい。……その、前のお仕事のことは」



P「あれなら、問題ない。誤解も解けた」



ほたる「すみません。私の不幸のせいで、プロデューサーさんに、余計な手間を……」



P「白菊!」



ほたる「は、はい!」



P「そんなことを、お前が気にする必要はない。さっさとレッスンいけ」



ほたる「はい……すいません」



P「……怪我を、しないようにな」



ほたる「え、あ、はい。気を付けますね」









P「俺が、しっかりしないと……」



P「疫病神なんて、自称するような子供が、いていいはずがないんだ」



P「周りのことは、俺が見ていればいいんだ」



P「あいつは、自分のことを、一生懸命にすればいい」









ほたる「あの、大丈夫ですか。事務所の経営が、悪化してたり」



P「なんでそんなことを、お前が気にするんだ?」



ほたる「私が、失敗ばかりするから……もしかしたら、影響があるかも、と思いまして」



P「白菊!」



ほたる「な、なんですか!」



P「自意識過剰だ。お前の失敗ぐらいで、事務所の経営は傾かない」



ほたる「けど、最近はお仕事も減ってますし……」



P「俺の仕事ぶりに、文句を言ってるのか」



ほたる「す、すみません、そうわけじゃ!」









P「ほら、これで文句ないだろ」



ほたる「え、これって……」



P「お前の、単独ライブの資料だ。開催は1ヶ月後……レッスンを怠るなよ」



ほたる「は、はい。頑張ります。私、頑張りますから!」



P「頑張るのは当たり前だ。さっさとレッスンに行け」



ほたる「行ってきます……プロデューサーさん!」



P「……ああ、行ってこい」









「――すまないね。君の移籍先は、しっかり見つけておくから」



P「俺のことより、白菊は」



「ほたるちゃんか……その、私の知り合いには、引き取ってくれそうな人が、ね」



P「そんな! あいつはあんなに頑張って」



「結果が出ていなければ、トラブルの多い子なんて、どこも引き取りたくないんだ」



P「……結果を出せば、いいんですか」



「最後のライブで、か。どうだろうね」



P「やってみせます。必ず……あいつを、これで終わりになんてさせません」









P「白菊、そこはもっと素早く動け! そんなんじゃ、曲に合わせれないぞ」



ほたる「すみません!」



P「謝る前に、体を動かせ!」



ほたる「は、はい……」



P「――そうじゃない。雑にするな!」



ほたる「はい!」









ほたる「ご指導、ありがとうございました」



P「ああ、明日はもっと厳しいからな」



ほたる「はい……その、気合が入ってますね」



P「当たり前だろ。初めての単独ライブだぞ」



ほたる「そう、ですね。私も楽しみです」



P「なんだ、言いたいことがあるなら、はっきり言え」



ほたる「え、いや、そんなことは……」









P「白菊! 俺はそういう、うじうじした態度が、大嫌いだ」



ほたる「すみません……その、ライブが心配なんです」



P「また不幸か」



ほたる「そうです」



P「何度も言うが、お前はそんな心配をしなくていい。トラブルが起きても、俺がなんとかする」



ほたる「……すみません。プロデューサーさんには、ご迷惑ばかり」



P「そういうのが、必要ないって言ってるんだ!」



ほたる「ひっ、すみません!」



P「謝るな!」



ほたる「はい……!」









P「絶対に、成功する。白菊は、それに値する、努力をしたんだ」



P「不幸がなんだ。そんなものは、全部偶然だ」



P「あいつの将来を、運なんかで、曇らせてたまるか!」









ほたる「す、すごいです、プロデューサーさん。衣装が無事届いてます!」



P「当たり前だろ」



ほたる「チケット販売の、不備もありませんでした」



P「当然だ」



ほたる「会場のダブルブッキングも」



P「白菊!」



ほたる「わ、わ!」



P「喜ぶのは分かるが、落ち着け。浮ついていると、本番で足元が見えなくなる」



ほたる「はい……気を引き締めていきます!」









ほたる「私はいつも、みなさんを不幸にしてばかりです……」



ほたる「だから、せめて今日だけは、幸せになってください」



ほたる「そして、その幸せが……ずっと続くよう、私も頑張ります!」



ワァアアアア!



ウォオオオオオオ!









P「無事開演、か」



P「……よかった、本当によかった」



P「これなら、きっと、次の事務所も」





「おい、急に暗くなったぞ?」 「ほたるちゃんの声も聞こえないし」



「どうなったんだ?」 「演出か」 「それにしちゃ、暗すぎだろ」



「おいおい、運営しっかりしろよ」 「ありえねー」





P「え?」







P「どういうことですか、トラブルって!」



「すいません。照明も何もかも、落ちちゃって……原因もよく分からず」



P「そ、そんな」



「復旧まで、しばらくかかりそうです。本当にすいません!」



P「しばらくって、時間も分からず、ファンは待ってくれませんよ!?」



「出来る限り、迅速に対処しますので……すいません」







P「最後の、ライブなのに」



P「白菊は、ずっと努力して、それが、こんなことで」



P「俺のせい、なのか。俺がしっかり、できてなかったから」









ほたる「すみません、すみません……私の、不幸で」



P「白菊のじゃない」



ほたる「でも、やっぱり」



P「あれは、俺のせいなんだ。俺がもっとスタッフに、確認をとっておけばよかった」



ほたる「そんな、プロデューサーさんは……頑張ってくれました!」



P「……頑張ったのは、お前だ」



ほたる「プロデューサーさん……」









「ライブ、残念だったね」



P「すみません。最後の、最後に」



「いや、いいさ。どうせ潰れるプロダクションだ。それより、移籍の話だ」



P「はい」



「実はね、君とほたるちゃんを、受け入れてくれるところが、見つかったんだよ!」



P「ほ、本当ですか!」



「ああ、これで一安心だ。君もまた、その事務所で、彼女をプロデュースしてやってくれ」



P「……俺が、また」









ほたる「プロデューサーさん。社長から、聞きました……」



P「そうか」



ほたる「すみません、私が失敗したから、こんなことに」



P「倒産はライブ前から決まってた。お前のせいじゃない」



ほたる「そう、ですか……あの、一緒に移籍、してくれますよね?」



P「一緒に?」



ほたる「はい! プロデューサーさんは、怒鳴ったりして、ちょっと怖いけど……」



ほたる「それでも、私を見限らずに、ずっと支えてくれました。だから、これからも」



P「……移籍先の事務所に、凄腕のプロデューサーがいるらしい」



ほたる「え」









P「その人なら、きっとお前をトップアイドルにしてくれる」



ほたる「でも、プロデューサーさんも、一緒に移籍するって……」



P「俺はしない」



ほたる「……そうですよね、私みたいな疫病神とは、一緒になんて」



P「白菊!」



ほたる「す、すみません……」



P「違う。謝るのは、俺のほうだ」









P「お前を幸せにしてやれなくて、すまなかった」



P「疫病神は、俺のほうだ。お前は絶対に幸せになれる。それだけのことをしたんだ」



P「俺が努力を怠ったんだ。お前の足を引っ張ったんだ」



ほたる「違います……プロデューサーさんは、私の幸運です!」



P「この話は終わりだ。早く帰れ」



ほたる「――なら、最後に聞いてください」



P「なんだ」



ほたる「今まで、お世話になりました。ライブを開いてくれて嬉しかったです……」



ほたる「本当に……ありがとうございました!」









P「あいつから、謝罪じゃなくて、お礼の言葉を聞けるとはな」



P「頑張れよ、白菊」



P「……悔しいなぁ」









「だいぶ人気も出てきたな、ほたる」



ほたる「そうですね。○○さんのおかげです」



「ほたるが頑張ったからだよ」



ほたる「それなら……褒めるべきは私じゃないですよ」



「ん、それじゃあ、誰を褒めるんだ?」



ほたる「私がずっと頑張ってこれたのは、プロデューサーさんのおかげですから」



「ん、ん?」



ほたる「弱気になったとき、怒鳴り声が聞こえてくるんですよ」



「はっはっは、よくわからんな」



ほたる「ふふっ、そうですよね……今だって、頑張れてるのは、きっと」









      

                    おしまい









08:30│白菊ほたる 
相互RSS
Twitter
更新情報をつぶやきます。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: