2014年03月03日

伊織「あんた、自分にいくらまでなら出せる?」

P「何をいきなり」

伊織「だからあんたがいくらかって聞いてんの」

P「いくらって何だ」

伊織「値段」

P「値段?何の」

伊織「だからあんたのよ」


P「つまり俺の価値ってことか?」

伊織「そう」

P「ちなみになんでそんなん聞くの」

伊織「買うために決まってるでしょ?」

P「ちょっと意味が分からない」

伊織「あんたが欲しいから買いたいって言ってんでしょ!」

P「ハァ…伊織、よく言うだろ?」

伊織「言ってみなさいよ」

P「人の生命、プライスレス。買えるものは水瀬カードで」

P「人はねぇ、お金で買えない価値があるんだよ伊織?」

伊織「ふーん、で早く値段言いなさいよ。一億?二億?」

P「ねえ聞いてた俺の話?」

伊織「じゃあ何が不満なのよ」

P「不満だらけですけど」

伊織「今の家より更に大きな居住空間を用意するわ」

P「確実に持て余すなそれ」

伊織「あんたは働かず、ただ遊んでればいい。これでどう?」

P「お前ん中の俺は喜々としてヒモになるような男なのか」

伊織「むしろ家を出ないことを契約に入れようと思ってたのよ」

P「何でだよ」

伊織「あんたを独り占めするからに決まってるでしょ。にひひ、いい考えだわ」

P「俺のプロデューサー生活に生き甲斐持ってるんでお断りします」

伊織「それだけは無理ね」

P「じゃあ交渉決裂ね、はい終わり。はよ仕事行け」

伊織「分かったわ、なら特別にスーパーアイドル伊織ちゃんの人生をプロデュースさせてあげるっ」

P「え、ごめんきいてなかった」

伊織「あんたにだけなんだからね…?」

P「お前何ひとりで照れてんの?」

伊織「うっさいわね今あんたに誓いのキスするとこなんだから邪魔しないでよ!」

P「こいつ妄想結婚式してやがる…早く、早くなんとかしないと」

伊織「じゃああんたはどうすればあたしに買われるわけ?」

P「安心しろ俺はいつでもプライスレスだ」

伊織「なんだタダなの」

P「値段つけられないくらい高いの」

伊織「じゃあローン組むわ。あたしの人生全部使うっていうのはどう?」

P「あのさあ…」

伊織「何よ人生使っても払いきれないなんて言わせないわよ」

伊織「あんたに値段が無いならあたしにだって値段ないんだから」

P「そういう問題じゃないよね」

伊織「ならどういう問題よ」

P「人を金で買おうってのがまずおかしいだろ」

伊織「どうしても欲しいんだから仕方ないじゃない」

P「じゃあお前は俺を買ったところでどうしたいんだよ」

伊織「まず好きなだけあんたに甘えるわ」

伊織「それであたしに甘えたいときは徹底的に甘やかすの」

伊織「あと一日中くっついてたいし、して欲しいときにチュッてさせる」

伊織「それからあんたの欲しいものも何だってあげて」

伊織「その代わりあんたはあたしとずっと一緒なのよ」

P「おえっ砂糖吐きそう」

伊織「分かった、ならこれでどう?」

P「なになに?一日イチャイチャは三十分おき、チュウは一分まで?」

伊織「そうっ♪」

P「いやドヤ顔されてもわからん」

伊織「はあ?あんたのためにイチャイチャの時間にインターバル作ってあげたんでしょ!?しっかりしなさいよ」

P「何で俺が悪いみたいになってるのか」

伊織「あんたちょっとわがまま過ぎなんじゃない?」

P「だろ?伊織もこんな男好きにならないようにな」

伊織「もう遅いしそういうとこもひっくるめて愛してるんじゃないバカなのプロデューサー?」

P「おかしいなあお前の言葉から愛を感じないよ」

伊織「なんですってぇ!」

伊織「あんたのこと考え過ぎて眠れないのよ!」

P「ただのスイミン不足だな」

伊織「あんたのシャツが落ちてたら拾って帰るくらいなんだから!」

P「この失踪したシャツはお前が犯人か」

伊織「いっつもあんたの飲み終わりのペットボトル回収してるんだからっ!」

P「きたね」

伊織「もうあんたの家にカメラ隠すとこもないしっ!」

P「もうやだこの変態」

伊織「もういい加減にしなさいよっ!」

P「あんたがいい加減にしなさいよ」

伊織「なんであんたはあたしのものにならないわけ?」

P「自由恋愛って知ってる?」

伊織「知ってるわよバカにしないでよね!」

P「あ、知ってたんだ」

伊織「あたしは何も無茶言ってるわけじゃないわ」

伊織「ただあんたが他の人間を見ないであたしの一番近くにいて」

伊織「いっぱいいっぱいラブラブして誰にも邪魔されないで」

伊織「あたしと赤ちゃんを作って家族みんなで静かに暮らしたいだけなのっ」

P「無茶いうなよ」

伊織「まあとりあえずあんたの値段は保留でいいわよ」

P「なぜ買われる前提なのか」

伊織「あ、赤ちゃんができるための…をしてくれる度に百万円のボーナスはどう?」

P「金のために中田氏とか世も末だな」

伊織「お金はあたしからの感謝の気持ちを表している記号に過ぎないわ。あたしたちには愛があるじゃない」

P「たちって伊織と誰を指してるんですかね」

P「何度も言ってるけどな伊織」

伊織「何よ」

P「人を人が金で買う自体おかしいんだよ」

伊織「じゃあどうすればいいの?」

P「自力で俺を振り向かせる」

伊織「あんた振り向かないじゃない」

P「まだ伊織の頑張りが足りないからだな」

伊織「ふうん、あんたそんなに買われたくないんだ」

P「うん」

伊織「じゃあ逆は?」

P「うん?」

伊織「わたしがあんたにわたしを売る」

P「いりません」

伊織「あんたが払う必要ないわよ。買ってくれたら全財産あげるわ」

P「いやー今日は大変だったなぁ」

P「おや鍵が開いている」

P「伊織か」

伊織「お帰りなさい」

P「部屋が札束で埋まってますけど」

伊織「これお代ね」

P「マイナスいくらだよこれ」

伊織「さあ?わたしの全財産よ」

伊織「とりあえずここ狭いわね」

P「じゃあ出てこうか」

伊織「褒めてんのよ、いっぱいくっつけるじゃない」

P「いやです」

伊織「その要望は聞けないわ」

P「所有物に意見を言われる俺」

伊織「ふわぁ…おはよ」

P「結局俺んちに泊まりやがった」

伊織「いいじゃない別に、これからの日常なんだから」

P「返品したいです」

伊織「無理」

P「お金払いますから」

伊織「ふうんそう、じゃあ倍額で返金しなさいね」

P「ごめんなさい無理です」

伊織「ねえ早くでなさいよ」

P「いや」

伊織「これじゃ家庭内別居じゃない」

P「お前の家庭内別居の基準は五分単位なのか」

伊織「いいから早く出てくっつかせて」

P「トイレくらいゆっくりさせて」

伊織「ねえ」

P「はい」

伊織「なんで怒ってるかわかるかしら」

P「全然わかりません」

伊織「あんたわたしに隠れてこんなとこに泊まってたのね」

P「そもそもお前と同居してないから隠れてるつもり無かったんだけどね」

伊織「早く帰るわよ」

P「ホテル代勿体無いからやだ」

伊織「早く出なさい」

P「いやです」

伊織「このホテルの持ち主の命令なんだけど」

P「仰る意味がよくわかりませんが」

伊織「買い取ったの、あんたが居たから」

P「あれ、家にある金は俺のなんだよね?」

伊織「あんたわたしのこと買ってないんでしょ?あれはまだわたしのお金よ」

P「ああ、そうか」

伊織「まあいいわ、ちょうどいいからここで甘えることにしようじゃない」

P「いいこと考えた。ここに伊織が住む、俺が家に帰る」

伊織「意味ないじゃないそれ」

P「仰る通りです」

伊織「早くオトナのキスしなさいよね」

P「仕方ないなぁ」

伊織「ねえまだ?」

伊織「…楽しみにしてるんだけど」

伊織「ちょっと聞いてんの!」

伊織「あれ?またトイレ?」

伊織「なんだまた逃げたの」

伊織「あんたこの伊織ちゃんを閉め出していいと思ってるの?」

P「家に鍵かけてるだけだし」

伊織「開けなさいよ、開けないと酷いわよ」

P「今度は家の鍵でも買うか?売らないけど」

伊織「ちょっと待ってなさい」



伊織「ただいま、大家の伊織ちゃんよ♪」がちゃ

P「」

伊織「あんたどこ行くつもりよ」

P「えっ事務所」

伊織「何しに?」

P「何って仕事」

伊織「はあ?あんたの仕事はわたしとイチャイチャすることでしょ?」

P「ははっ大丈夫かお前」

伊織「ここの入居条件はわたしに甘えられることなんだけど」

P「めんどくさい大家だなあ」

伊織「今日の家賃払いなさいよ」

P「隣の人の家賃徴収してこい、きっと大喜びだぞ」

伊織「ここもうあんた以外住んでないわよ?」

P「え」

伊織「はあ疲れたわ、早く膝出しなさい」

P「しゃーないな」

伊織「やっぱりあんたの膝の上は最高ね」

P「今日は一日中外出してたな?何やってた」

伊織「にひひ、ちょっとね」

P「ちょっとなんだよ」

P「伊織は寝てるな」

P「よし、早く事務所に行って社会復帰しないと」

P「あれ?開かない」

伊織「それ、溶接されてるからもう開かないわよ?」

P「!?」

伊織「ああ、ご飯とかは大丈夫。ここの小窓から業者が入れてくれるから」

P「火事とか地震きたらどうすんの」

伊織「耐震防火防浸水改築済みよ」

P「逃げることは出来ないのね」

伊織「周りが廃墟になってもこのアパートだけ建ってるくらいの性能よ?これでダメなら諦めてちょうだい」

P「ハイテクな牢獄だね」

伊織「さ、甘えさせなさい」

P「なんかもうどうでもいいや」

伊織「最初からそうすれば良かったのよ」

P「わかったわかった早く甘えろよ」

伊織「うんっ」

P「さよなら俺の人生」

おわり


23:30│水瀬伊織 

この記事へのコメント

1. Posted by 名無し   2014年03月17日 05:30
隕石衝突…文明の崩壊…途絶えた外からの通信…
危機的状況の二人…
そして始まる生き残ったヤンデレ達によるP救出作戦…
異常事態でPを守る為に目覚める伊織の力…
Pは生き延びることが出来るのか!

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