2015年08月14日

モバP「先輩! なにしてんすか!」 心「え゛」

P「26にもなってそのキャラはまずいですよ!」



心「はぁとはこのキャラでいくって決めたのー! ぶーぶー!」



P「高校の先輩のそんな姿見たくないっすよ!」





心「後輩なら黙って先輩の言うこと聞いてよー! 聞け☆」







未央「なにあれ」



ちひろ「先日他の事務所から移籍してきた佐藤心さん。プロデューサーさんの高校の先輩なんですって」



未央「へー」





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未央「はじめまして! 本田未央です!」



心「はじめまして♪さとうしんことしゅがーはぁとだよぉ☆」



P「ぶふっ」



心「笑うなコラ☆」ビシッ



P「いてっ! ひじ打ちはやめてくださいよ」



心「人の自己紹介を笑うのはよくないってお母さんから習わなかったのかなぁ?」



P「そうはいっても、あの佐藤先輩がぶりっ子してる時点でどうしても笑いが」



未央「高校の時の佐藤さんってどんな感じだったの?」



P「ついたあだ名は番長で」



心「や め ろ」



P「可愛い先輩でした」



心「やーん、照れちゃう☆」



未央「上下関係の真髄を見た気がする」



P「しかし、本当にしゅがーはぁとでいくんですか?」



心「見た目的には問題ないでしょ?」



P「まあ、先輩童顔ですからいけなくはないですけど」



P「でも、この前のLIVEバトルで未央とあたった時はびっくりしましたよ」



未央「あの時のプロデューサー、口あんぐり開けてすごい顔だったよ?」



P「先輩がアイドルやってたことも驚きだし、あんな格好だったことも驚きだからな」



心「みんなに愛されるためにはあれが一番だから♪」



未央「そのための若作りってわけだね!」



心「うふふ、キミはっきり言うね☆」



夕方





未央「それじゃ、また明日ね!」



P「気をつけて帰るんだぞ」



心「ばいばーい☆」



バタン





心「……あー、疲れた」ドサッ



P「ふたりきりになった途端キャラ作りやめるんですか」



心「Pの前でやってもしょうがないしねえ」



心「さっきまでずっとしゅがーはぁとやってて疲れたから、今は休憩」



P「まあ、俺としてもそっちのほうがありがたいですけど」



心「これからはそうも言ってられなくなるんだから、ちゃんと慣れろよー?」



P「わかってますよ。もう諦めました」



P「しかし、こうして先輩とじっくり話すのも久しぶりですね」



心「そうだなー。何年振りだろ」



P「俺が大学卒業した年の春、里帰りした時に偶然会いましたよね。あの時以来だから……3年ぶりくらいかな」



心「そんなになるかぁ」



P「先輩と一緒の高校に通ってたのが、はるか昔に感じますよ」



心「Pはあの頃から生意気な後輩だったね」



10年前 とある長野県の高校





P「先輩!」



心「んぅ……なんだ、Pか」



P「また屋上で昼寝してる。今日の昼休みは図書委員の会議があるって、聞いてなかったですか?」



心「あー……うん。聞いてた」



P「じゃあなんでここにいるんすか」



心「めんどい……図書委員なんてくじ引きで押しつけられただけだし」



心「あんた、代わりに行ってこい」



P「俺も図書委員だからもともと行かなきゃいけないんですよ。だから先輩の代わりは無理です」



心「じゃあ二人分会議で発言しろ。大丈夫だーお前ならできるー」



P「バカなこと言ってないでさっさと行きますよ」



心「チッ」



P「本気の舌打ちはやめて、怖い」



心「うるさいなあ。私は疲れてるんだ。どうしても連れて行きたいなら運んでいけ」



心「じゃないとてこでも動かないぞ」



P「はいはい。じゃあ失礼しますよ」グイ



心「えっ」



P「なんすか」



心「いや、ほんとに背負っていくんだ……」



P「先輩が言ったんじゃないですか」



P「ちゃんと連れて行かないと委員長に怒られるのは俺なんだし、しょうがないです」



心「お、おう」



P「なんで1年の俺が2年の先輩の面倒見なきゃならないんだろう……」



心「………」



心「あ、あのさ」



心「私、身内以外の男に背負われるのってはじめ」



P「先輩って結構胸大きいっすね。背中からわかるこの弾力感」



心「………」



ゲシッ、ゲシッ!



P「痛い痛い! 蹴らないで!」



心「うるさいこのエロガキ! もういい、自分で行く!」



P「あ、ちょっと待ってくださいよ!」









心「ほんと、生意気なエロガキだったなあ」ジロリ



P「無防備な先輩の態度にも問題ありましたけどね……」



P「しかし、先輩は昔から変わりませんね。自由気ままで、我が道を行くっていうか」



心「自分の人生、好きなように進まなくてどうすんのってわけ」



P「好きなように進んだ結果がしゅがーはぁとですか」



心「なんか文句あっか☆」



P「ないです」



P「そろそろ帰りましょうか」



心「そうだね」



P「……先輩」



心「ん?」



P「いろいろ言いましたけど、一生懸命プロデュースさせていただきます」



P「これから、よろしくお願いします」



心「……や、やーん♪急に真面目にされると困っちゃう☆」



心「でも……よろしくね。はぁとをトップまで連れてって?」



P「はい、全力でやります」



P「……でも、やっぱそのキャラはたまにキツイっすね」



心「物理的はぁとアターック☆」ポカッポカッ



P「痛い痛い」



帰り道





心「まさか、またPと一緒になるなんてなあ。ふふっ」



心「………」



心「恋人、いるのかどうか聞き忘れたな……」



心「って、ヤバいヤバい。今の私、表情ヤバそう」



心「はぁとはアイドル! 恋なんて二の次だもん♪」



心「……あっ、すみません電車で騒いじゃって」







P「こうして、しゅがーはぁとさんのプロデュースが始まった」

ベテトレ「よし、今日のレッスンはここまでだ!」



心「ぜひーぜひー」



P「はいポカリです」



心「さ、サンキュー……きゃはっ☆」



P「先輩疲れすぎてキャラが別の人のになってます」



心「あ゛ー、生き返る〜」ゴクゴク



未央「しゅがはさん大丈夫?」



心「うん……ここの事務所、レッスンスパルタだね」



未央「トレーナーさん厳しいからね」



P「その分、彼女の指導を受けたアイドルは成長速いからな」



P「ところでしゅがはさんって?」



未央「しゅがーはぁとだとちょっと長いから、私流にアレンジしました」



P「つまりあだ名か」



心「しゅがはかぁ、それもそれでスウィーティーかも♪」



P「お、先輩の口調が戻ってきた」



未央「でもしゅがはさんダンス上手いよね」



心「運動神経には自信あるから☆」



P「さすが番長」



心「でも体力のほうは寄る年波には勝てないかもぉ……って、歳のこと言ったなおまえー☆」



P「俺は何も言ってないですって」



未央「おお、華麗なノリツッコミだ」



休憩中





未央「ねえプロデューサー」



P「ん?」



未央「しゅがはさんのこと番長って言うけど、そんなに学生時代ぶいぶい言わせてたの?」



P「別に他校の生徒と喧嘩三昧だったとか、そういうのではないぞ」



P「ただ言葉遣いがちょっと乱暴で、加えて男勝りだったからな。先輩のことよく知らない下級生には恐れられてた」



未央「でもプロデューサーは仲良かったんだよね」



P「図書委員で一緒に行動することが多くて、その流れで悪い人じゃないって知ることができたからな」



P「一緒に飯を食ったこともあったし」



未央「お、ひょっとして手作りのお弁当?」



P「よくわかったな」



未央「うわー、なんか青春っぽい!」



P「先輩、おいしいおいしいって食べてくれてな」



未央「って、作ったのプロデューサーかい!」



P「? なんか問題あったか」



未央「いや、ないけどさ……そういうのって普通女の子の手作りが出てくるんじゃないかなって」



P「佐藤先輩に一般論は通用しないぞ」





P「(でも……手作りって話なら、あんなこともあったか)」



10年前 とある冬の日





心「はー、ごちそうさま」



P「お粗末さまでした」



心「Pがこんなに料理上手いなんてなー。いい嫁になるぞぉ、きっと」



P「最近は専業主夫ってのもアリらしいですからね。逆玉の輿狙ってみるか」



P「それはそうと、今度は先輩の料理が食べてみたいっす」



心「私? 私は……ダメ。あんまり料理はうまくない」



P「そうなんすか」



心「妹のほうがずっとうまいな。私と違って女の子らしさ半端ない子だから」



P「そっかー、残念だな。俺、一度でいいから女の子の手作りを味わってみたかったのに」



心「手作りねぇ」



P「……あ、そうだ。先輩の妹さんに頼んで作ってもらえないですかね」



心「はあ? よっちゃんに?」



P「よっちゃんって言うんですか。妹さん」



P「いつも先輩をお世話しているので作ってくれませんかって」



心「よっちゃんの手作りを、Pが……」



心「だ、ダメダメ! いいわけないだろ、そんなの」



P「やっぱりダメですか。まあ軽い冗談です」



心「………」



心「手作り、だな」



P「はい?」



心「なんでもない」



一週間後





心「ん」



P「ん? これは」



心「マフラー。やる」



P「えっ……い、いきなりですね」



心「この前の弁当のお礼。手作りが欲しいって言うから編んでやったの」



P「て、手作りですか!? そんな、弁当とマフラーじゃ釣り合わなさすぎて申し訳が」



心「黙って受け取る!」



P「は、はい! ありがとうございます」



心「それでよし」



P「先輩って、編み物できたんですね。しかもすっげーうまい」



心「まあ、このくらいは」



P「いい嫁さんになれるかもしれないっすね」



心「お、おう。ありがと」



P「でも絶対かかあ天下になるだろうなぁ」



心「Pくんはいつも一言多いなあー☆」



P「あたたた! ほほつねらないで!」



昼食中





心「あ、そうそう。事務所の下にバイクとめてあったけど、あれ誰の?」



P「俺のですけど」



心「プロデューサーの? へえ、バイク乗るようになったんだ♪」



P「ええ、まあ。二輪の免許取ったのは大学入ってからだったかな」



ちひろ「プロデューサーさん、休みの日は適当にバイクを走らせていることもあるらしいですよ」



心「ふーん、じゃあ今度後ろに乗せてもらおうかな♪あれ、二人乗りできるやつでしょ?」



P「ええ。さすが高校時代から乗ってる人は詳しいですね」



ちひろ「そうなんですか?」



心「あんまり言っちゃダメだぞ☆しゅがーはぁとのイメージに合わないから☆」



P「そんなの今さら」



心「ん?」



P「なんでもないです」



ちひろ「(漫才やってるのかしら)」



P「先輩はバイクをブイブイ走らせるのが好きでしたよね」



心「ストレス発散には最適だったからねー♪」



P「俺も何度か後ろに乗せてもらったことありましたよね」



心「プロデューサー、ちょっとスピード出しただけで騒ぐんだもん。可愛かったぞ☆」



P「いちいちわめくな、降り落とすぞ! とか言ってませんでしたっけ」



心「えー? はぁと、昔のことはわかんなぁい☆」



未央「(お弁当作ってあげるのがプロデューサーで、バイクに乗せてあげるのがしゅがはさん……相変わらず配役が逆な気がする)」



P「でも、これで約束が果たせそうですね」



心「約束?」



P「覚えてないっすか。先輩に初めてバイク乗せてもらった日」



P「今日のお礼に、俺がバイク乗るようになったら、最初に後ろに乗せるのは先輩だって」



P「俺、今までそれを守って誰も乗せてないんですよ」



心「あ……お、覚えててくれたんだ」



心「うれし……じゃなくて、殊勝な心がけだなおまえー☆」コショコショ



P「うわっ、ちょ、いきなりくすぐらないでくださいよ!」



未央「仲いいねー、ふたりとも」



ちひろ「照れ隠しですかね」



別の日





P「LIVEバトルお疲れ様でした」



心「いえーい♪はぁと大勝利☆」グキッ



P「今変な音しませんでした?」



心「か、身体が悲鳴を……ちょっとはしゃぎすぎたかなぁ?」



P「先輩のライブはアグレッシブですからね。いやほんと、よく頑張りましたよ」



心「まあ、家族にも無理言ってやってるわけだし……妥協はなしだぜぃ」グッ



P「またキャラがおかしくなりかけてます」



心「とりあえず湿布ヨロシク」



P「お任せを」



P「とりあえず肩と腰に貼りますね」



心「うん」



P「よいしょっと」ペタペタ



心「………」



心「(ちぇー、女の素肌に触れといてなんの反応もなしかよ)」プクー





未央「たっだいまー」



P「おう、おかえり」



未央「うーん、肩凝っちゃったよ」



P「あとで揉んでやろうか?」



未央「さすがプロデューサー、気前がいい! じゃあお願いしちゃおうかな」



P「わかった」





心「まあ、もっと若い子の面倒見てるんだから当然か……」



P「先輩、何か言いました?」



心「なーんにも!」



P「なんか機嫌悪くないですか」



心「………」



心「プロデューサー、青りんごと普通のりんご、どっちが好き?」



P「え? うーん……青りんごですかね(ハイチュウうまいし)」



心「チッ!」



P「えぇ……なんで舌打ち?」



二週間後





心「だいぶこの事務所にも慣れてきたなぁ♪」



P「それはよかった」



心「ところでプロデューサー、今度一緒に買い物に行こう?」



心「というか来い☆」



P「相変わらずなんて強引な誘い方なんだ……まあ、都合がつけばかまいませんけど」



心「やったぁ♪ デートだね☆」



P「デートかどうかはともかく、あんまり外でそういうこと言っちゃだめですよ。アイドルなんだから」



心「わかってるって☆」



P「あ、そうだ」



P「先輩。妹さんの連絡先、よかったら教えてくれませんか?」



心「え? よっちゃんの?」



P「昔先輩の家に行った時、何度か話はしたんですけど、結局アドレスとか交換せずじまいだったので」



P「妹さんさえよければ、教えてもらえないかな、と」



心「……あ、うん。聞いてみる」



P「ありがとうございます」



心「……ひょっとして、よっちゃんのこと狙ってる?」



P「そ、そんなんじゃないですよ! 全然!」



心「(この動揺、怪しい……)」



心「はあ……」



未央「しゅがはさん、どうかしたの?」



心「別にー」



未央「何かあったなら相談に乗るよ?」



心「うん、そのうち頼むわ」



未央「あ、うん……言いたくなったら言ってね」



心「……はあ」



心「(まさかPがよっちゃんのことを好きだったとは……確かに可愛い子だけど)」



心「(私が知らない間に、ふたりの間でいろいろあったのかもしれないなあ)」



心「(私が卒業して、大学行くために親元離れてから、Pが卒業するまでの1年間とか……)」



9年前 卒業式の日





P「卒業おめでとうございます、先輩!」



心「お、おう。ありがとう」



P「先輩は、県外の大学行くんですよね。ということは、これからしばらく会えなくなるのか」



心「ああ……うん。そういうことになる、ね」



P「そうっすか。寂しくなるなー」



心「………P」



P「はい」



心「Pは、進路とか決めてるのか」



P「俺ですか? とりあえず大学受験することにはしてますけど、具体的な志望とかは全然っす」



心「そうか……」





心「あ、あのさ」



P「?」



心「もし、何も決まってないのなら……私の」



心「……いや、なんでもない」



P「先輩?」



心「進路は早めに決めとけよー? あとで苦労するから」



P「あ、はい。わかりました」



心「(私のわがままで、Pの選択肢を狭めちゃダメだよなぁ)」



P「そういえば先輩。制服の第二ボタン、まだ残ってますね」



心「え? あ、ああ」



P「誰かにあげないんですか」



心「………」



心「第二ボタンは――」





女生徒A「佐藤の姐さーん!」



女生徒B「先輩の第二ボタンください!」



女生徒C「姐御との思い出を胸に刻みたいんです!」





P「あ、先輩の舎弟の人達だ」



心「舎弟じゃない! あいつらが勝手についてくるだけっていつも言ってるだろ」



P「はは、そうでしたね。それはそうとして、あの人達ボタン欲しがってますよ」



P「なんか眼が血走ってるし、相当マジですね」



心「(ここであいつらに騒がれると、Pと話す時間が……)」



心「んぐっ……ああ、もう!」



心「ほらお前ら、そんなに欲しいならもってけ!」ポイッ



女生徒たち「うおーーっ!!」ドドドド



P「ははは。大人気っすね、先輩のボタン」



心「ったく……しょうがないか」



心「P!」



P「なんすか」



心「Pにはブラウスの第二ボタンをやる! ありがたく受け取れ!」ブチッ



P「ぶ、ブラウスの?」



心「ほい!」ポイッ



P「おっとと」キャッチ



P「あ、ありがとうございます?」



P「ってか先輩、ボタンとったからブラチラしてますよ」



心「知らん。このくらい私にとってはどうってことない」



P「いやいや、女子なんだから気にしましょうよ……」









心「あー……やっぱりあの時、ブレザーの第二ボタン渡しとけばよかったかなー」



心「結局あの後、他愛のない話をしただけで別れちゃったし……」



心「う〜〜……!」







未央「(ソファの上でゴロゴロしながらうなってるけど大丈夫かな……)」



数日後





P「………」ポチポチ



心「じーー」



P「………」ポチポチ



心「じーーーー!」



P「……なんすかジロジロと」



心「よっちゃんとメールしてるの?」



P「あ、はい。よくわかりましたね」



心「へー☆ほー☆ふーーん☆」



P「なんなんですかその反応……」



P「俺がよっちゃんにメール送っちゃ駄目なんですか?」



心「貴様によっちゃんと呼ぶ資格はないわ!」



P「先輩、もうキャラがめちゃくちゃです」



2週間後





P「先輩。これどうぞ」



心「え?」



P「今日、誕生日ですよね。プレゼントです」



P「よっちゃんに先輩の好みとか聞いて選んだんで、多分気に入ってもらえるんじゃないかと」



心「……え」



心「あれ? じゃあ、よっちゃんの番号聞いてきたのは」



P「プレゼント選びの相談に乗ってもらうためです。先輩には秘密にしてましたけど」



心「開けてもいい?」



P「うっす」



心「………」



心「ネックレス……」



P「どうですか? 気に入ってもらえたかな」



心「………」



P「先輩?」





心「うぅ」ブワッ



P「え、ちょ、なんで泣いてるんすか」



心「このバカ! それならそうと先に言えー!」ポカポカ



心「私が可愛い妹と後輩の恋愛にどれだけ頭を悩ませたかっ! コラアアァ!」



P「あたたた、叩かないでっ」





P「なるほど。それは誤解を招いてしまってごめんなさい」



心「まったく」プンプン



心「あ、でもネックレスは素敵だから感謝しとく……ありがと☆」



P「考えて選んだかいがありましたよ」



P「それでですね。今日の誕生日にあたって、ひとつ先輩に言っておきたいことがあるんです」



心「ん? まさか27になったからしゅがーはぁとのキャラやめろって言うんじゃ」



P「そういうことじゃないです。仕事とは無関係の話」



心「じゃあなに――」





P「好きです。先輩のこと」



心「………」



心「へ?」



P「突然言われてもびっくりしますよね。でも本当っす」



P「高校のころからずっと好きでした。ぶっちゃけ一目惚れでした」



心「え、え、え? ちょ、ちょっと待て。待って……えっ?」



心「……マジ?」



P「マジです」



心「な、ならどうして学生の頃なにも……なんで今になって」



P「だって、先輩は男になびくような人には見えなかったし。卒業式の日も、第二ボタンは男子じゃなくて女子にあげてたし」



P「俺が捕まえられる女の子じゃないなって」



P「俺の気持ちを知られて距離をとられるのが怖かったから、極力先輩の女の子らしい部分には反応しないように努めてました」



心「(じゃ、じゃあ。この前湿布貼る時、肌に触って無反応だったのも)」



心「……まだだ。まだ、今になって告白してきた理由が出てきてない」



P「それはですね……いい加減、逃げるのが嫌になったんです」



心「逃げる?」



P「高校を卒業しても、大学を卒業しても、結局俺は先輩を好きなままで。でも、先輩に俺みたいな男は似合わないだのなんだのと理由をつけて、ずっと何もしなかった。メールのひとつでも送れば、いつでも先輩と話すことができたのに」



P「先輩がアイドルやってるって知った時、安心したんです。これでしばらく、先輩が誰かと付き合うようなことはないって」



P「そう思っていることに気づいた時、いい加減チキンな自分に嫌気がさしまして。俺はこんな邪な感情抱えたまま、先輩のプロデューサーやるつもりなのか、と」



P「だからけじめをつけるためにも、はっきり告白して玉砕してしまおうと思ったんです」



心「………」



心「私だって……私だって同じ」



心「いつでもPに連絡取れたのに、何もしようとしなかった」



心「好きな男の子に、なんにも言えないままだった」



P「えっ……」



心「今度はおまえが驚く番だ。ばーか♪」



心「私も好き。高校のころから、ずっと」



P「………」



P「マジっすか」



心「大マジだっ」



P「……じゃあ俺達、今まで両想いだったのにずっと勝手に足踏みしてたってことですか」



心「そうなるねー」



心「男なんだから、Pがもっとぐいぐい来てくれればよかったんだよ」



P「先輩こそ、先輩なんだからちゃんとリードしてくれたら」



心「……ぷっ」



P「はははっ……まったく、そろいもそろってチキンですね。俺も先輩も」



心「まったくもってその通りだなぁ」



心「というか、どうすんの? 両想いがわかったのはいいけど、私はアイドルでPはプロデューサーだぞ」



P「あー……そうっすね。結構危ない関係だ」



P「正直、告白が成功するパターンを想定してなかったので、困ってます」



心「ふふっ、Pは昔から間が抜けてるな♪」



P「返す言葉もございません」



心「でも、私はいいと思う」



心「アイドルとプロデューサーが、恋をしても」



心「ね?」ジー



P「先輩……?」



心「目、閉じて」



P「え? それは……いや、まずいですよ。俺とあなたは」



心「一度だけだから」



P「それでも」



心「閉じろ」



P「うっ……は、はい」



心「………」



心「おまえ、無駄に背が高い。生意気」



P「す、すみません。しゃがみましょうか」



心「そんなことしなくていい。私が背伸びするから」



P「は、はい……」



心「……P」



P「………」ドキドキ



心「………」







心「えい♪」ムニッ



P「いてっ! ちょ、なぜ頬つねり!?」



心「ばーか☆アイドルが男にキスするわけないだろ☆」



P「だ、だましましたね!」



心「はぁとにそそのかされたとはいえ、ちょっとプロデューサーとしての自覚が足りないなぁ? Pくん☆」ニヤニヤ



P「ぐぬぬ……まあ、先輩が本気じゃなくて逆にほっとしましたけど」



心「P。私はまだアイドルの道を諦めたくない」



心「昔から、テレビで歌う可愛いアイドルってやつに憧れてたんだ。こんな雑な性格だから、ほんとに夢物語にすぎなかったけど」



心「でも、結局大人になっても憧れを捨てきれなかった。ここまで来たら、なにがなんでもてっぺんとりたいと思ってる」



P「先輩……」



P「いいじゃないですか。そうやって自分の好きなように生きてこそ、先輩です」



P「俺も付き合いますよ。プロデューサーとして、先輩や未央をトップアイドルまで育て上げてみせます。それが俺の夢ですから」



心「うん、それでこそ私の後輩だ!」



心「それで……もし私が、全部やり切ったらさ」



心「その時は……」



P「わかりました。その時まで俺は待ちます」



心「ほんとに? その頃になったら私おばさんだぞ」



P「俺もおっさんになってるしおあいこでしょ」



心「若い子にコロッといっちゃったりしない?」



P「しません。10年心変わりしなかったんですよ? 俺」



心「そっか……うん。そっか」



心「わかった! 信じるぞ☆」



心「もし浮気したら放送禁止な目に遭わせるからな☆」



P「こわっ!」



心「なんて、じょーだん、じょーだん♪」



心「本当に浮気されたら……」



心「多分、泣いちゃうだけだから」テヘ



P「………」



P「今の、結構本気でズキューンときました」



心「よーし☆それじゃあ心機一転、頑張るぞー♪」



P「完全にしゅがーはぁとモードに切り替わりましたね」



心「はぁとはみんなをメロメロにするアイドルだから☆」



P「そうっすね。改めて、よろしくお願いします。先輩」



心「よろしく♪」



心「あ、でも……」



P「はい?」





心「ふたりきりの時は、心って呼んでね!呼べ☆」







おしまい





20:30│佐藤心 
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