2014年03月06日

モバP「レイナ悪役伝説」

麗奈「ねぇちょっと!話があるんだけど」

P「どうした?告白か?」

麗奈「うん……実はアタシ、アンタの事がって違うッ!」


P「じゃあ何だよ」

麗奈「あれよ、あれ!」

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光『ライトニーン、スマァーッシュ!!』ドゴォ

麗奈『きゃあああああああッ!』バリバリバリ

光『成敗っ!』


チュドーン


P「今日もスーパーヒーロータイムで大活躍だな、二人とも」

麗奈「そうじゃなくて!」

P「ん?」
P「……テコ入れ?」

麗奈「そうよ」

P「何言ってんだ、昨日ようやく第5話の収録が終わったところじゃないか」

麗奈「ハァ……アンタ、何にも分かってないのね」

P「何が分かってないって?」

麗奈「あの特撮番組のことよ。今までの話の展開、覚えてる?」

P「今やってる話は、麗奈が公衆トイレのトイレットペーパーを空にしようとしてたんだろ?」

麗奈「そ、そうだけど!そういう意味じゃなくて!」
麗奈「今までどんなパターンで話が展開されてたか覚えてるかって聞いてるの!」

P「あーハイハイ、そういうことか。えーと……」

P「まず、麗奈が街にやってきて悪戯をする」

P「そこに光がやってきて、麗奈率いる戦闘員達をばったばったとなぎ倒す」

麗奈「で、追い詰められたアタシはロボを召喚して、それに乗る」

P「ああ、プロフェッサー・アキハ謹製のレイナサマロボだな。今Mk-�改だっけ?」

麗奈「今日のはMk-�ヘビーカスタムよ。で、その後は?」
P「その後は、苦戦しつつも光が必殺技を繰り出して、レイナサマロボを破壊……」

麗奈「そこ!」

P「?」

麗奈「一体いつになったらアタシは光を倒せるわけッ!?」

P「えっ」

麗奈「もうこの一ヶ月近く4、5回は爆散してんのよ?一度位勝ったっていいじゃない!」

P「いやぁ、それはちょっと……」
麗奈「今週も来週も同じことの繰り返しじゃあ、マンネリもいいとこでしょ?」

P「そりゃまぁ、そうだが」

麗奈「このままじゃ視聴率だってガタ落ちよ!そうなる前に……」

P「そうなる前に?」

麗奈「今のままじゃ光が一方的に強過ぎるから、こっちの戦力をパワーアップしなさい」

P「パワーアップって、レイナサマロボは出る度に改造してるじゃないか」

麗奈「結局爆散するんじゃ同じじゃない。それ以上の戦力が必要なの!」
P「うーん……確かに、一理あるかもなぁ」

麗奈「ったく、少しは真面目に考えなさいよね。こっちだって真剣なんだから」

P「あぁ分かった分かった。じゃあ、監督に話だけでもしてみるよ」

麗奈「ホント!?」

P「ホントホント」

麗奈「さっすがアタシのプロデューサー!話が分かるじゃない!」バシッ

P「いてっ!」



麗奈「フフフ、今から収録が楽しみだわ……アーッハッハッハッ!」
〜数週間後〜


『キミはボクを知らないが、ボクはキミを知っている』

光『この力……まさか!?』



瑞樹『南条光の前に現れた組織からの刺客は、漆黒を纏ったもう一人の“アイドル”だった!』

瑞樹『同じ力を持ちながら、その圧倒的な実力の差に戸惑う光!』

瑞樹『果たして、彼女に立ち向かう術はあるのか!?』

瑞樹『次週、アイドルライダーヒカル第6話……アスカ、来襲!』



飛鳥『そう、ボクだ』ババァーン
麗奈「ちょっと、プロデューサー!」

P「何だー?」

麗奈「ここ最近の展開、一体どういうことッ!?」

P「どういうことって、麗奈の言う通りテコ入れしたんだよ」

麗奈「あれがテコ入れ?全然話が違うじゃない!」

P「戦力のパワーアップをしてくれって麗奈が言ったんじゃないか」

麗奈「普通はアタシをパワーアップするんじゃないの!?」
P「まぁまぁ、落ち着け。実際好評なんだぞ、このテコ入れは」

麗奈「どの辺がよ」

P「監督曰く、生身のアイドル同士が拳と拳でどつきあいするのは非常に絵になるらしい」

P「で、飛鳥のビジュアルが大きなお姉さんのハートを鷲掴みした。そのおかげで視聴率も上がってる」

P「何かよく分からない黒魔術的でカッコいい技と強さを持ってるから、思春期の少年達の受けも良い」

P「総合的に見れば、麗奈の指摘はまさに正解だったんだよ。うん」

麗奈「そ、そう?ならいいんだけど……」



麗奈「って、全然良くないッ!」

P「うん?」
麗奈「要するに、人気のある飛鳥を活躍させればさせるほど、アタシの出番が減るってことよね?」

P「そ、そういう訳じゃないが……」

麗奈「光と飛鳥の話はどれくらい引っ張るのよ」

P「新しいライバル出現って事で、まぁそれなりには」

P「……つーか、飛鳥は一応部下って設定だろ?ちゃんと麗奈も一緒に出てるじゃないか」

麗奈「そんな設定、あってないようなものでしょ。言うことなんか聞きゃしないし」

麗奈「大体、8話じゃアタシと対立したのが原因で負けちゃうじゃない」

P「あぁ、そう言えばそういうキャラ付けだったなぁ」

麗奈「次の9話じゃ光にこだわって暴走した飛鳥のせいで、戦う前に爆散よ?扱い酷くない?」
麗奈「アイツらがドラゴンボールみたいな戦いをしてる間、このままアタシは横で爆散してろってわけ?」

P「誰もそんな事は言ってないだろう。監督にも考えが……」

麗奈「あるの?」

P「………」

麗奈「そ、そこで黙らないでよ!」

P「ま、まぁ、昨日で丁度10話目の収録も終わったし、またそろそろ新しい展開に……」


prrrr prrrr

ピッ


P「はいもしもし。ん、どうした?」

P「……何だって!?」
〜数週間後〜


瑞樹『激闘の末アスカに勝利し、深手を負わせて撃退した光……だが』

麗奈『バカなら風邪は引かないはずよねぇ!アーッハッハッハッハッ!!』

瑞樹『プロフェッサー・アキハの発明した恐るべきウィルス兵器の魔の手が、光を襲う!』

瑞樹『もはや立つ事すらままならぬ光!まさに絶体絶命のピンチ!』

瑞樹『次週、アイドルライダーヒカル第11話……3人目のアイドル!』



くるみ『ば、バカじゃないもん……!』グスッ
麗奈「あのバカ……これからって時に主役がブッ倒れてどうすんのよ」

P「こればっかりはしょうがない。インフルエンザだし」

P「監督もそろそろ光の方を強化しようとしてた矢先だったからなぁ」

麗奈「それでくるみを起用したってわけ?」

P「ピンチヒッター的な扱いになってしまったが、それは前から決まっていた事だよ」

P「話の都合で飛鳥もしばらく離脱するしな。新しいライバルだぞ〜、麗奈」

麗奈「ライバル、ねぇ」

P「どうした?」
麗奈「あの子、現場じゃやたらヘマばかりしてるんだけど」

P「監督曰く、それがいいんだと」

麗奈「用意してた落とし穴にこっちが誘導する前に落っこちてるし」

P「ドジッ娘は大いに結構だとさ」

麗奈「挙句アタシの戦闘員に助け上げられてるし」

P「ちゃんとお礼もするし、礼儀正しい子だって褒められてたな。中の人から」

麗奈「って言うかそのドジのせいで、衣装もよく破いてんだけど。あれいいの?」

P「わざとそういう材質を使ってるそうだ。衣装は毎回使い捨てらしい」

麗奈「わざとって……まさかあのエロ親父、それが目的?」
P「監督の思惑通りかどうかは知らんが、実際好評なんだな。これが」

P「くるみのビジュアルが大きなお兄さんのハートを鷲掴みだ。そのおかげで視聴率もまた上がってる」

麗奈「………」

P「羞恥心と涙をエネルギーに変えて戦う、という設定だから、露出度が上がるのも理にかなっている」

麗奈「どこが理にかなってんの?……ってかよくそんなの引き受けたわね、くるみも」

P「撮影中は俺も近くで見てるからな。女性スタッフさんも一緒に付いてるし」

P「……あぁ、そうだ。麗奈も今度爆散したら衣装の方を」

麗奈「絶対にイヤ」
P「即答か。少しは期待していたんだが……」

麗奈「そんなもんよりアタシのスピンオフ作った方がずっとマシよ」

P「またその話か。言えば作れるような話じゃないだろう?」

麗奈「第一話から出っぱなしのアタシが主役の回くらいあったっていいじゃない!」

P「だから、番組にも都合というものがあってだな」

麗奈「そこを何とかするのがプロデューサーでしょッ!?」

P「……あぁもう、分かった分かった。しょうがないなぁ、まったく」

麗奈「ホントに分かってんの?」

P「分かってる分かってる。大丈夫、大丈夫だから」
〜数週間後〜


晶葉『やぁ諸君。はじめまして、かな』

晶葉『私の名はプロフェッサー・アキハ。秘密結社「クロノス」の兵器開発担当だ』

晶葉『組織の宿敵、南条光を打倒すべく開発された兵器……』

晶葉『それらは全て、この天才たる私の発明品なのだ』フフン

晶葉『……まぁ、そのほとんどは南条光に壊されてしまうのだがね』



晶葉『これより流す映像は、クロノスの幹部の一人であるレイナ……』

晶葉『彼女と、私のレイナサマロボの成長を描いた記録映像だ』
P「………」コソコソ

麗奈「プーローデューウーサーァッ!!!」

P「うおおおおっ!?」ガタタッ



麗奈「アンタは一体どこに行こうとしてるわけ?」

P「えーと……これから監督と話を」

麗奈「ついさっき帰ってきたばかりでしょッ!」バン

P「ひっ」
麗奈「こっちはね、あの15話について聞きたいことが山ほどあんのよ!」

P「……いや、誰もスピンオフやるとは言ってないだろ?」

麗奈「総集編をやれとも言ってないじゃない!それも晶葉ばっかり喋らせて……!」

P「麗奈だっていっぱい映ってたじゃないか」

麗奈「そりゃたっくさん映ってたわよ!レイナサマロボの爆散シーンがねッ!」

麗奈「アンタ達って一体何度アタシを爆散させたら気が済むの!?」

P「ま、まぁ、あれはお約束だし……」
麗奈「そもそもロボに乗って爆散するくらいならね、初めから乗らなきゃいいのよ」

P「あぁ、それダメなんだよなぁ」

麗奈「何でよ?」

P「レイナサマロボに乗り続けているのにはちゃんと理由があるんだ」

麗奈「はぁ?いつの間にそんな設定が……」

P「公式ガイドブック(仮)〜」テレレレッテレー



麗奈「……微妙にペラいわね」

P「来月発売のサンプル品だしな。まだ放送中ならこんなもんだろ」
P「ほれ、6ページのここ」パサ

麗奈「……『“アイドル”としての素質はわずかに持っているが、未だ開花させるには至っておらず』」

麗奈「『その能力差を補うべく、専用機であるレイナサマロボに搭乗している』」

P「つまり、現時点では生身のレイナじゃ光には勝てないってことだ」

麗奈「………」

P「決して、巨人を駆逐するのが最近流行ってるからそれに乗ってみた的な理由ではないんだからな」

麗奈「ちょっと監督に訴えてくるわ」

P「あれ!?」
P「ま、待ってくれ!今設定を変えるとなると後々面倒に」

麗奈「面倒になるのはそのガイドブックだけでしょ!アタシは飛鳥と同じように生身で光と戦いたいの!」

P「麗奈……」

麗奈「流行に乗っただけの設定なんかブチ壊してやるんだからッ!」

P「その気持ちは分かるが落ち着……」



P「おい、ちょっと待て麗奈!」

麗奈「何?」

P「左足、どうしたんだ。何で引きずってる」
麗奈「……べ、別に。何でもない……」

P「ほう」ツンツン

麗奈「い゙っ……!」ズキン

P「それが何でもない時にするような顔か?」

麗奈「………」



P「……今日の撮影でやっちまったのか。監督より先に行くべき場所があるようだな」

麗奈「い、イヤよ!絶対行かないッ!!」

P「ダメだ。ほら、行くぞ麗奈」ガシッ

麗奈「イーーーーーーーヤーーーーーーーーーッ!!!」ズルズル
〜二週間後〜


『クロノス大首領、トキコ様のおなーりー!』


時子『……貴方達って、本っっっ当に役立たずよねぇ』

麗奈『こ、今回は運が悪かったのよ!』


バシーン


麗奈『っ……!』

時子『ねぇ役立たずさん、人が喋ってる時に囀らないでくれる?』
時子『あの煩わしい南条光を、私の前に跪かせる……』

時子『そんなお仕事一つ出来ない子が、幹部?何かの冗談かしら?』

麗奈『うっ……で、でも、次こそはッ!』

時子『あら?チャンスなら、もう何度も……何度も何度も何度も、与えたはずでしょう?』

麗奈『………』

時子『今はね、貴女の方がずぅっと……』

時子『め・ざ・わ・り♪』ポチッ


ガコン


麗奈『!?きゃあああああああああ……』ヒュルルルル…
P「……このシーンでボッシュートされた後、着地に失敗して骨にひびが入っちまったんだ」

くるみ「ふぇぇ……そ、そんな高い所から落ちたんですか……?」

P「いや、下に敷いていたマットが思ったより薄かったのが原因でな」

P「監督もこっちの手配ミスだと、随分謝ってたよ」

飛鳥「……復帰はできそうなのかい?」

P「入院するほどじゃあなかったが、ギプスを巻いたままで撮影はちょっと無理だろう」

P「完全復帰は……まぁ、あと二週間ほどかかるだろうな」
P「アクション物の特撮をやっていれば、こういう事態もたまに起こる」

P「お前達も、ケガには十分気をつけるんだぞ」

「「「はーい」」」





光「なぁ、プロデューサー」

P「ん?」

光「2クール、なんだよね?……間に合うかな、麗奈」

P「………」
カツン カツン


P「……まだギプス、取れそうにないか?」

麗奈「杖もつかなきゃいけないほど重傷なのが、見て分からない?」

P「その杖を俺に投げつけるほど元気ではあるな」

麗奈「そうね。こーんなに元気でも、どっかのバカのせいで番組には出られないのよね。ホント残念」

P「………」

麗奈「……それで?女子寮に押しかけてまで話したいことって何?」
P「三週間後にな、23話の撮影がある」

麗奈「……あ、そう」

P「幹部を辞めさせられて以降出番が無かったが、その話の最後にようやく復帰できるぞ」

麗奈「ふーん。ボッシュートされた時に処分されましたー、でも良かったのに」

P「………」

麗奈「で、次はただの戦闘員?それともまた、ロボに乗って爆散?」

P「いや。悪いが、そのどちらでもない」

麗奈「えっ?」
P「どうにか麗奈の要望をねじ込んだよ。監督も提案に乗った」

麗奈「ど、どういう意味よ?」

P「今度は光と、生身でタイマンだ」

麗奈「!!」

P「プロフェッサー・アキハは天才だからなぁ。全身サ○コフレームの特製スーツだって作れるんだぜ?」

麗奈「………」

P「来月放送の22話で飛鳥、次の23話で時子さんと、立て続けに決着がつく」

P「最後の24話を締め括るのは、麗奈……君なんだ」
P「ちなみに放送時間はユッコにおまかせ!の後だ。最終回スペシャルで1時間拡大版な」

麗奈「そんなに!?……衣装は、どんな感じなのよ?」

P「予算の都合で、光の替えの衣装を改造したものだが、バイザーは特注品だぞ」

麗奈「ど、ドクロは?」

P「入れてない訳がないだろう。アクセサリにもちゃんと入ってるよ」

麗奈「……バカね。最終話でしか着れないのに、何でそこまで……」

P「あぁ。しかしとっておきだからこそ、一番おいしいんだ。そうだろ?」
麗奈「アンタ……」

P「第一話からの因縁の決着だ。これくらい特別扱いしたって、誰にも文句は言わせないさ」

P「……今までわがままを聞いてやれなくて、すまなかったな。俺に出来ることは、これが限界だ」

麗奈「………」



麗奈「……アーッハッハッハッハッ!いいわ、上ッ等じゃない!」

麗奈「見てなさいプロデューサー!こんなケガ、意地でも治してやるんだからッ!」ビシッ

P「おう。待ってるからな、麗奈」
〜一ヶ月後〜


光『ライトニングッ!ボルトッ!!スクリューーーーッ!!!』ドガガガガガ

時子『お、おのれぇぇぇっ!!こんな小娘、相手にっ……私がぁ……!!!』バリバリバリ

光『はぁぁぁぁぁぁぁぁ!成敗っ!!』

時子『……み、認めないっ……絶対……認めないぃぃぃぃぃぃっ!!!!』バリバリバリ


チュドーン


光『はぁっ……はぁっ……!』

光『や、やったぞ!ついにクロノスの大首領を……!』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


くるみ『あ、アジトが崩れてきてますよぉ〜!』

光『ここは危ない、すぐに脱出するんだ!』



麗奈『ところがぎっちょん!』


ドカーン


光『うわぁぁぁっ!?……れ、レイナッ!』

くるみ『ええぇぇぇっ!?お、おデコしゃん!?』
麗奈『アーッハッハッハッハッ!これでようやくアンタと対等ね、光ゥゥゥゥッ!!』

光『……先に行け、くるみ!』

くるみ『で、でもぉ!』

光『アタシは後から行く!……必ずだ!』

くるみ『……わ、分かりましたぁ!』ダッ


ガラガラガラ…


光『もうクロノスは終わったんだ!よせっ!』

麗奈『アタシはまだッ……終わってなぁーいッ!!』カッ
光『――トドメだぁぁぁぁ!ライトニィーンッ!スマァァァァッシュ!!』


ドゴォ


麗奈『光ゥゥゥゥッ!』ガシッ

光『なっ!?』

麗奈『アンタはァ、アタシのッ……!!』バリバリバリ


チュドーン



光「……あれ、最後なんて言おうとしてたんだ?」

麗奈「知らないわよそんなこと。ってか、叫びまくったせいでまだ喉が痛いんだけど」
チュドーン


飛鳥「アジトの模型、見事に木っ端微塵だね」

晶葉「ああ。発破スイッチを押させてもらった時は実に爽快だった」

光「結局戦わずじまいだったなー、晶葉とは」

晶葉「レイナのスーツを新調した後は一足先に脱出しているからな」

麗奈「それって続編匂わせてるだけでしょ?」

飛鳥「続きが見たければ円盤を買え。大人の事情という奴だね」

光「嫌なこと言うなぁ……」
飛鳥「でも、あれだけの大爆発で光が生還できるなんて。おかしくないかい?」

光「ヒーローってのは、大体みんなそういうものだろ?」

麗奈「おかしいのはアンタの必殺技でしょ。テトラクチュスって……」

飛鳥「テトラクテュス・グラマトン。ボク的にはイグニションの方が好きだけど」

光「あ、それアタシも使いたかったなー!名前カッコよすぎ!」

晶葉「……カッコいいか?」

飛鳥「少なくともキミのネーミングセンスよりはね」
くるみ「そ、そう言えば……今日の放送で、番組、終わっちゃうね……」



光「………」

麗奈「………」

飛鳥「………」

くるみ「あれ……?」

晶葉「……くるみ。この三人の前でそれはタブーだ」

くるみ「えぇっ!?」
光「ライトニングスマッシュ、もう撃てないんだなぁ……」

飛鳥「……もう一度だけ、ファラウェイにアモルファスを要請したかったな……」

麗奈「何であれ一回しか着れないのよ……勿体無さ過ぎるじゃない……」



晶葉「ほれ見ろ、まるで夏休みが終わったかのような腑抜けっぷりじゃないか」

晶葉「ミズキンや時子のように仕事を仕事と割り切れない人間は、ああなってしまうのさ」

くるみ「あぅぅぅ……ど、どうしたら……」グスッ


ガチャッ


P「劇場版作るぞー」

「「「「「えっ!?」」」」」
晶葉「ストーリーは再構築か?後日談か?」

P「あー、後日談だな。撮影は来週からだ」

飛鳥「ならボクは光と和解した後なんだね」

光「あ、飛鳥と共闘できるのか!?」

P「ああ、その予定だ」

くるみ「は、恥ずかしい格好は……?」

P「そりゃもうバッチリだぜ」グッ

くるみ「バッチリ!?」
麗奈「ね、ねぇ」

P「ん?」

麗奈「あ、アタシはその……当然、出るんでしょうね?」

P「え?何で?」

麗奈「……え?」

P「いや、だってほら、麗奈はあの後……な?」





麗奈「出しなさいよぉぉぉぉぉ!何でここまできてアタシだけハブなのよぉぉぉぉぉぉッ!!」ユサユサユサユサ

P「じょ、冗談だ冗談!出るって!出る出る、出るから!ちゃんと出るから!」ガクンガクンガクンガクン
〜一年後〜


瑞樹『クロノス壊滅から数年……』



晶葉『「ハルシュタインの遺産」……ようやく見つけたぞ……!』

晶葉『はるかいにしえに失われし、叡智の結晶よ!今こそ、よみがえる時だ!』ポチッ



瑞樹『つかの間の平和は、彼女の手によって破られる……!』
瑞樹『いにしえの巨神、そして無数のロボ軍団の襲来!』

瑞樹『プロフェッサー・アキハによる世界征服作戦が、今、始まる!』



光『このレイナサマロボ……一体どれだけいるんだ!?』

飛鳥『行こう、光。道はボクが切り拓く』

くるみ『ひぃぃぃぃ!こ、この触手すっごいヌルヌルしてるぅぅぅぅ!?』



瑞樹『アイドル伝説、最高最大の興奮を孕み……』

瑞樹『ドラマは、とてつもない結末を迎える!』
晶葉『フハハハ、怖かろう!しかも脳波コントロールできる!』

晶葉『君達の戦闘データは、全てフィードバックされているのだっ!!』

光『に、人間を……アイドルを、舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』



瑞樹『劇場用オリジナル最新作!アイドルライダーヒカル……逆襲のアキハ!』



『アーッハッハッハッハッ……ゲホッゲホッ』

光『……!?』



瑞樹『君はアイドル伝説、衝撃のクライマックスを見る……!』



おわり

22:30│小関麗奈 
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