2015年08月17日

きらり「ねぇねぇ、玲音ちゃんてしゅごいねー」杏「…」

・モバマスSS

・あんきら(非R-18)

・独自設定あり

・玲音は名前しか出ない





こんなのでよければ



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1439563981



某日朝 事務所





きらり「おっはにょわー☆」



きらり「…うにゅー?」



杏「………」



きらり「みーつけた、杏ちゃんおっはにょわー☆」



杏「…おやすみ」



きらり「朝だにぃ、起きなきゃだよぉ」



きらり「…んもう、雑誌床にぽーいして、片さなきゃだにぃ」



杏「………」

きらり「…あ!杏ちゃん杏ちゃん、この雑誌『玲音ちゃん』出てるよぉ」



杏「…んんー……」



きらり「しゅごいよね玲音ちゃん、ダンスキレッキレ☆だし、いつもカッコヨスだし」



杏「………」



きらり「ねえ杏ちゃんも一緒に雑誌見ようよぉ、玲音ちゃん素敵だよ」



杏「………」



きらり「いいよねぇ、きらりも玲音ちゃんみたいにきらっきらでびしっとキメたアイドルになりたいなあ」



杏「…………なら……じゃん………」



きらり「? どしたの」



杏「そんなに玲音がいいなら………玲音になっちゃえばいいじゃんか!」



きらり「!?」

杏「なんなの、さっきから玲音玲音ってもう」



きらり「え…ちょっとおかしいよ杏ちゃん」



杏「おかしくない!」



きらり「落ち着いてよ………どうしちゃったの……」



杏「どうもしてないってば」



きらり「………わかんないよ…なんで……きらりが何したの?」



杏「知るか!!!」



きらり「……………………………」シュン

きらり「……お仕事……行くね」



杏「………」



きらり「………はぁ……」バタン



杏「………」



杏「………最っっっっっっ低だ………」

その日の晩 きらりんルーム





きらり「…はぁ………ただい…ま………」



きらり「…寝ちゃってる、かな…」



杏「」スースー



きらり「…杏ちゃん…今朝は、ごめんね…」



きらり「……」



杏「」スースー



きらり「きらり、謝りたいんだけど…杏ちゃんが何に怒ったのか…わかんなくて…謝れない…」



きらり「…落ち着いて、お話できる日が来たら………教えてね」



きらり「それまでは…玲音ちゃんのお話……絶対、しない…」



杏「」スースー



きらり「……」



きらり「…おやしゅみ………」



きらり(………寝られるかなぁ………)

杏「」



杏「………」チラ



きらり「」スヤスヤ



杏「………」



杏「…寝ちゃった、かな……」



杏「きらり……」



きらり「」



杏「…寝てるな、うん、寝てる寝てる」



きらり「スヤスヤ」



杏「…………杏、これから寝言を言うからね」



杏「寝たまんま聞いてていいよ」



きらり「」

杏「…もうずいぶん前の話なんだけど、杏ね」



杏「……………玲音とLIVEバトルしたことあるんだ」



きらり「!!」



杏「…?」



きらり「…ス、スヤスヤ」



杏「……」



杏「…まだデビューしたてでさ、今以上に実力ペーぺーの頃だよ…」



きらり「」



杏「なんで玲音なんかとマッチングされちゃったのか、未だにわかんないけど、ミスだったのかな」



杏「…とにかく出ることになったけど………かなうわけないじゃん」





杏「だからさ…おもいっきり手、抜いたんだ」



杏「無駄なエネルギー使うのが嫌で……半笑いでふざけた態度でさ…」



きらり「」

杏「で、玲音のステージになったんだけど…」



杏「あの娘………まるで手ぇ抜かないんだよ」



杏「杏なんか楽勝で破れるのに…全力で…」



きらり「」フンスフンス



杏「…まぁご苦労なこった、って思ってたら、曲中に視線が一瞬合ったんだけど」



杏「…………あれ、明らかに怒ってた……」



杏「すごい……目線だった……」



きらり「」ドキドキ



杏「……杏がびびったんだよ…それくらいの怒りが込められてて…」



杏「でも、その時はなんで怒ってるか、まるでわかんなくて」



杏「『勝てたからいいじゃん、なにが不満なの』」



杏「『相手が弱くて不満ならマッチングしたプロモータに怒れよ』くらい思ってたけどね」



きらり「」

杏「…とはいってもなんか居心地悪かったから、LIVE終わったら挨拶もしないで」



杏「そのまんま帰ってきちゃったんだ」



杏「……でも………」



杏「家でごろごろしても、薄い本読んでも、エゴサしても肉が上手に焼けても」



杏「ぜんぜん気分が晴れなくて………」



杏「………起きてるの?」



きらり「!!」スピー、スピー



杏「………」



杏「でね、仕方なくLIVEのこと考えてみて、やっとわかったんだ」



杏「………玲音は、杏が弱いから怒ってたんじゃない」





杏「杏が、全力を出し切らなかったから…怒ってたんだ、って…」



きらり「…」

杏「あとで聞いたら…玲音はとことん歌って踊るのが大好きで」



杏「どんなに未熟な相手でも…一生懸命のステージだったら、ちゃんと評価してくれる」



杏「そういう人なんだね…」



杏「…杏も、アイドルなりたてでよくわかんなかった、っていうのもあるけど」



杏「普段はすっぽんすっぽん力抜いて、大事な時だけ本気出して印税貰おう、くらい思ってたけど」



杏「………あのステージは、本気を出すべき大事なステージだったんだ…………」



きらり「」



杏「……バカだよね……目先の勝負しか見えてなくて……みすみす……」



杏「……」

杏「…玲音の事で怒鳴っちゃったのは、そんなことがあったから」



杏「………きらり………ごめんね……見損なったでしょ…」



杏「八つ当たりでしか、ないもんね………」



きらり「」ホロリ



杏「…あのステージが無かったら……杏は今よりもっとダメなアイドルだったかも…」



杏「だから……すごく大きかったんだ………でも」



杏「…それ以上に…………思い出すたびに、こう……苦くって…」

杏「きらりが玲音に憧れるのも、よくわかるよ……」



杏「本音言えば、きらりは杏なんかに関わってないで……玲音みたいに」



杏「大きく羽ばたいていくべきなんだ…」



きらり「…グスッ……」フリフリ



杏「…やっぱり起きてんじゃん」



きらり「…うぇへへ…ひっく…ぐすっ…」



杏「泣くか笑うか、どっちか」



杏「ほら、涙拭きなよ…」



きらり「うん…」

きらり「…杏ちゃんは、えらいなあ」



杏「そう?」



きらり「そだよ……自分がしっかりしてるもん」



きらり「自分から逃げないし…きらりなんかより、玲音ちゃんに近いかも」



杏「…えー…」



きらり「ほんとだよぉ」



杏「そうかそうか、もっと褒めていいんだよ」



きらり「で・も」



杏「?」



きらり「なるべく早くに、玲音ちゃんに”ごめんなさい”しないとね」



杏「い゛っ…嫌だ」



きらり「だめだよぉ、玲音ちゃん、ずーーーっと憶えてるかもしれないよ」



杏「だから嫌なんだって」

杏「それに…また同じステージに上がれる日なんか、そうそう来るわけないし」



きらり「だからぁ、お手紙でも何でもいいと思うにぃ」



きらり「せっかく杏ちゃん、玲音ちゃんのおかげで目が覚めたんだから」



杏「うん、確かにいま目は冴えたけど」



きらり「…お約束」



杏「は?」



きらり「玲音ちゃんに、生まれ変わった杏ちゃんを見せゆこと」



杏「…わかったよ、はぁ…」

きらり「…それから、杏ちゃん」



杏「ん」



きらり「きらりはね……杏ちゃんを置いてったりしないにぃ」



杏「え」



きらり「もちろん、きらり頑張って『おーばーらんく』のアイドルになれるように」



きらり「努力すゆけど…でも…」



きらり「…足りないところも、まだまだいーっぱい、あるにぃ…」



杏「…」



きらり「杏ちゃんみたく、自分に自信を持ったアイドルになるのは、しゅごーく遠くに見えゆ」



きらり「だからね、杏ちゃんが羨ましいの…ライバルとして」



杏「杏が…ライバル?」



きらり「うん」



杏「きらりの言葉とは思えないなぁ」



きらり「…ここは『きらりんルーム』だから…言えちゃうのかな…うん」

きらり「杏ちゃんは逆にぃ、着飾ったりデコったり全然力入れてないけど…」



杏「まあね、杏は内面で勝負だからね」



きらり「実は…苦手なんでしょ?」



杏「…」



きらり「……だから、きらりのアクセとかお化粧と、杏ちゃんの芯の強さが一緒になれば」



きらり「玲音ちゃんみたいなアイドルユニットに、なれる…んじゃないかな、って」



杏「きらり…」



きらり「…杏ちゃんを置いて行ったりとか、そゆことしない」



きらり「一人で『おーばーらんく』になる前に、二人して最強のユニットになっちゃお」



きらり「まずは杏ちゃんと二人で、玲音ちゃんとLIVEできるくらいに、なろ☆」



杏「……そう、だね、約束しよう」



きらり「あはっ、嬉すぃお約束だにぃ☆」



杏「代わりに」



きらり「?」

杏「さっきの玲音とのLIVEの話…他の皆には黙っててよ」



きらり「んーーーーーーーー………………うん」



杏「何いまの間」



きらり「なんでもないにぃ」



杏「…大丈夫かなあ」



きらり「大丈ブイ、ここは『きらりんルーム』だもん」



きらり「…それに、あのお話は杏ちゃんの宝物だもの、杏ちゃんが大事にして」



杏「わかった………あ、こんな時間か」



きらり「話し込んじゃったね…じゃ、おやすみ」



杏「おやすみ……」



杏(…ありがとう)

数か月後 事務所



きらり「おっはにょわー☆」



きらり「杏ちゃんいるー」



杏「…おー」ガサゴソ



きらり「杏ちゃんに、お手紙が届いてるにぃ」



杏「…………ファンレター?」



きらり「そりわぁ、開けてのお楽しみ☆」



杏「…なんか、やな予感が…」





〜少女開封中〜





杏「!!」



きらり「」ニヨニヨ



杏(ちょっと!きらり耳貸して)チョイチョイ



きらり「はいはーい、なんでしょー」





杏「二人で玲音のステージに出るって話、あれ…ナシにできない」ヒソヒソ



きらり「だーーめ☆」





おわり



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