2015年08月19日

結城晴「うーっす」


P「……」



晴「よう、遊びに来たぜ」





P「……いや。遊びに来たぜって……」



晴「何だよ」



P「なぁ、俺前言わなかったか?」



晴「何が」



P「そんな友達の家感覚でプロデューサーの家来ない方が良いってさ」



晴「良いじゃねぇか。休みでどうせ暇なんだろ、遊べよ」



P「まぁ……暇、だけどさぁ……お前学校の友達とかと遊べばいいじゃん。何で家来んの」



晴「Pの家が一番近いんだよ」



P「うんまぁね、近いね。偶然にも」





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晴「それにゲーム沢山あるし」



P「外で遊びなよ子供は」



晴「今日雨だろ」



P「雨の中わざわざ来るなよ……ていうか家でゲームくらいできるだろ。兄貴とかに頼んで一緒にやって貰えよ」



晴「兄弟とやってもつまんねぇし、家じゃ一時間って決められてんだよ」



P「あーそういう……」



晴「つう訳だからさ、とりあえず上がっていいか」



P「ようし、今から家の敷居を跨いでみろ。今度の衣装はバニーどころじゃ……あっ、おい、くぐんな腕の間を」



晴「邪魔するぜ、っと……なぁなぁ、あれやらしてくれよ。この前やってた壁登ったり出来る海賊のヤツ」



P「あれ18禁だからダーメ」



晴「固い事言うなって」ピッ



P「あ、ゲーム機勝手につけんな」



晴「良いだろ。一人用ゲームとか家にあんまないんだよ」



P「それとこれとは……はぁ……わかったよ。それやったのお前の親には内緒だぞ、良いな」



晴「わかってるって」





P「……はぁ、ちょっと電話してくる」



晴「んー」



P「……ったく」ピッピッ



晴「なぁー」



P「何だ」



晴「これ新しくデータ作って良いのか?」



P「あぁ良いけどさ、消すなよ俺のデータ」



晴「わかった」



P「はぁ……」プルルル



晴「えっと……一番上の消しちゃだめなんだな……」



P「……あ、もしもしPです。あ、晴のお母さんですか。すみません、晴がまた家に来たんですが……」



晴「……」ピコピコ



P「友達の家に……はぁ、そういう事でしたか……まぁ、家は大丈夫ですけど……えぇ、はい」



晴「うわ、もう操作かよ」



P「え、そんな事まで……まぁ、大丈夫……ですけど……」



晴「何だこれ……とりあえず撃てばいいのか」



P「はい……はい……いえ、大丈夫です。気にしてません。帰りは送って行きますので……はい、いえ、とんでもない。はい……」



晴「よし、当たった当たった」



P「はい、では失礼します」





晴「電話終わったのか?」



P「あぁ、まぁな……でだ晴」



晴「うん?」



P「お前晩飯も外で食べるとか言って出てきたみたいだな」



晴「あぁ」



P「あぁじゃないだろ……小学生がそんな夜まで外にいるもんじゃないだろ?」



晴「ここは内だろ」



P「屁理屈言うな。なぁ晴、小学生は五時に帰るもんだ。今は一時、あと四時間したら普通帰るんだぞ?」



晴「でももう飯いらないって言って来ちまったぜ?」



P「……よし、よしわかった晴君。一つだ、一つ聞くぞ」



晴「おう」



P「ある子供がだ、来ると約束もしてない相手の家に突然来て、18も超えてないのに勝手に18禁のゲームをして、ご飯もついでに食べさせろと言った訳だ」



晴「あぁ」



P「どうだ、横暴だと思わないか?」



晴「全然」



P「あーそうですか……」





晴「……何だよ。遊びに来ちゃ迷惑なのかよ……」



P「いや……まぁ、迷惑じゃないけどなぁ。俺も一人暮らしで案外寂しい生活してるし、遊びに来てくれるの自体は嬉しいけど……。

  ただちゃんと電話するなりして欲しかったかなって」



晴「電話したらダメって言うじゃねぇか」



P「そりゃ、まぁ、一応体裁とかがあるしさ」



晴「……んだよそれ」



P「……あーはい、はいはい、わかった、わかったよ。そんなムスッとするなって……。

  はぁ……今度からはちゃんと電話したら、普通に家入れてやるから……」



晴「ホントか!?」



P「何だよその食い付き……はぁ、本当だよ。だから今度からは電話しろよ?」



晴「おう、わかったぜ」



P「だからって朝から電話かけて来るなよ。せめて昼飯済ませてから来い、いいな?」



晴「あぁ」



P「あぁあと、俺が休みの時だけだからな来て良いのは」



晴「それくらいわかってるって」





P「それなら宜しい。はぁ……まぁいいや。何か飲み物いるか?」



晴「何があるんだ?」



P「んー、ちょっと待ってなー」ガチャッ



晴「適当にジュースだったら何でもいいぜー」



P「あー、薄いオレンジジュースしか無いけどこれで良いよな?」



晴「おう」



P「じゃあこれで良いか。菓子類は切らしてるからこれだけ飲んどけ」コトッ



晴「へへっ、サンキュー」



P「よいしょっと……」



晴「じゃあ頂くぜ」ゴクゴク



P「あぁ」



晴「……ぷはっ。なぁなぁP」ユサユサ



P「うん?」



晴「船沈められて何か変なオッサンに撃たれそうになったけど、そいつ倒せば良いのか? 逃げられたんだけど」



P「あー、そいつ適当に追ってけば大丈夫だよ。適当に周り散策しながらでも敵さん待っててくれるから、周りのアイテム回収しながらゆっくりな」



晴「わかった」



P「その辺でフリーランの操作覚えるのもアリだな」



晴「そうだな」



P「結構仕様メンドクサイからなぁ」



晴「なぁなぁ」ユサユサ



P「何だ?」



晴「フリーランってあれの略だよな、フリーランニング。いつきが言ってたヤツ」



P「フリーランニング? あぁ、まぁそうだな。フランスだかだとパルクールって言われてるみたいだけど」



晴「パルクール?」



P「フランス語での言い方だよ、フランス発祥らしいからな。フリーランニングは……まぁ、英語に訳した言い方ってだけ」



晴「ふーん……なぁ」ユサユサ



P「いちいち呼ぶ時に俺の膝揺すらないで良いって……何だ?」



晴「トレーニングすればこのゲームみたく出来たりすんのかなオレ達でも」



P「あー……どうだろ。近い事は出来るだろうけど、コイツらちょっと身体能力ぶっ飛んでるから。

  まぁでも、近い事は出来るようになるんじゃないか?」



晴「ホントか?」





P「実際にそういう動画あげてる人とかもいるからなぁ世界で。あ、晴、お前は動画の真似とかしちゃ駄目だぞ。

  この前は急いでたからあんな風に走って行ったけど、本来訓練してない人間がするものじゃないからな」



晴「そんなに危ないのか?」



P「危ないって。塀を越えるのに失敗して顔面コンクリートにぶつけたり、着地の受身が不十分で足折ったりとかザラだぞ?」



晴「怪我しないようにってのはわかってるって。だからさ」



P「わかってないなぁ晴君。サッカーやっててそれなりに鍛えられてるって言っても、怪我する時はするんだから。

  地面が予想よりも滑って着地失敗したりして下半身不随とかなったら嫌だろ?」



晴「あー……」



P「やめときなさい。やるにしても、体操選手レベルに体を柔らかくしてから訓練する事だな。

  そうしとかないと怪我の予防すら出来やしない」



晴「なら、柔軟運動はレッスンでも結構やってるぜ?」



P「うーん、それでもさぁ……なんて言うか、晴にはあんまり危ない事はして欲しくないかなーって。

  アイドル云々の前にまだ子供だし、危ない事は……」



晴「……」



P「晴が怪我したりしたら悲しい、っていうか嫌だし、ちょっとそういう事はな……」



晴「……わかったよ」



P「うん?」



晴「まぁ、何だ……とりあえず、しなきゃいいんだろ」



P「……うん。そういう事」



晴「……」





P「あはは。何だ、一緒に訓練でもやろうって言うつもりだったか?」



晴「なっ、何でわかったんだよ」



P「いや、なーんとなく。晴は案外わかりやすいし、俺も誘ってくれるかなって」



晴「……そうかよ」



P「フリーランニングは無理でも……まぁサッカーなら一緒に出来るからそっちで、な?」



晴「……お、おう。この間みたいにちゃんと練習してこいよ」



P「了解」



P(……しかし、あれだな。俺ももう相当懐かれたな晴に)



P(最近は今日みたいに暇というか隙というか、そういうの見つけて家に押しかけて来るし。

  ついでに普段もやたらと絡んで来るようになったしなぁ)



P(……俺は何か、同じような匂いでも嗅ぎ取られたのか。絡み易いって事は俺自身が子供っぽいって事だろ……)



P(……まぁいいか。晴楽しそうだし)



晴「……おい」ユサユサ



P「……ん?」



晴「こっから先どうするんだ? とりあえず天辺まで来たけど」



P「あー、もうそこか。そこからはな……」





……



「ゴール!」





P「……」



晴「へへっ、もう四点も入ったぜ? さっきから負けっぱなしじゃねぇかPよー」



P「……やめる」



晴「え?」



P「もうやめる。やめます」



晴「え、何でだよ」



P「ボロックソに負けてるのにだいぶ付き合ってやったんだからもう良いだろ……俺もう疲れたよ」



晴「えー、そう言うなって。一緒にやろうぜもう一回」



P「いいよ……もうボロボロです、ボロボロ。コテンパンにされてもう立つ気力も無いです」



晴「なぁおい寝るなよー」ユサユサ



P「はるちんにやられまくってもう疲れたんですー。お腹も減ってきたし、もうゲームはやめー」



晴「その呼び方で呼ぶな! ……ったく、ケチくせーなー」



P「はぁ……えっと今、六時か。結構ゲームやってたな」



晴「……もうそんな時間か」



P(結局対戦ゲームになったな。まぁ一緒にゲームしたかったんだろうけど、俺じゃ腕吊り合わないし楽しませられたかどうか……)





P「なぁ晴、そろそろ飯食いに行くか」



晴「え? あー……そうだな、そうするか。あ、なぁ」



P「うん?」



晴「オレがゲームで勝ったんだから、オレの食べたいヤツで良いだろ? だから焼肉食べに行こうぜ」



P「えー、何でそうなるの」



晴「良いだろ、オレが勝ったんだからさ。勝利報酬? ってヤツだよ」



P「報酬って……あのゲームお前の方が慣れてるだろ? 俺あのゲームは本体買うついでに買った程度でやりこんでないしさ。

  晴が勝つのは当然じゃないか」



晴「そんな固い事言ってねぇでさー、なぁいーこーおーぜー」ユサユサ



P「あぁーわかったわかったわかりましたよ、いちいち揺らすな……はぁ、まぁ最近晴も頑張ってくれてるし、良いか……。

  じゃあ焼肉行こう」



晴「よっしゃ!」



P「よしじゃあ決まりなー。近くにある店で良いよな?」



晴「焼肉だったらどこでも良いぜ」



P「んー。とりあえず着替えて来るから、待ってなさい。それから行くから」



晴「あぁ。待ってるぜ」





……





【焼肉屋】





P「割と待たずにすんなり入れたな。何食べる?」



晴「えっと……」



P「別に遠慮しなくて良いからな。ちゃんとお金おろしてきたし、給料入ったばかりだから余裕あるしさ」



晴「そ、そうか? じゃあ……タン塩とカルビとロースと、あとは……」



P「飲み物はどうする?」



晴「あー……コーラ」



P「わかった。とりあえず先に飲み物だけ頼むな」



晴「んー」



P「すいませーん」



晴「えっと……何だこれ。ヒモ?」



P「ん? あぁ、それか。ホルモンの事だよ」



晴「あー、じゃあこれも」



P「もう肉も決まっちゃったか?」



晴「あー……決まった」



P「じゃあついでに全部頼んじゃおうか」





「お待たせしました」



P「えっと、まず飲み物は生中とコーラで。肉は……えっと今から全部言うのは二人前でお願いします。

  それで……何だっけ、カルビとロースはタレで、あとタン塩とこのホルモン下さい」



晴「あ、あとライス」



P「あぁ。ライスは……大きさは?」



晴「大に決まってるだろ」



P「よく食うな。じゃあライス大と……俺も食うか。普通サイズもお願いします。

  あとナムルとサンチュ。はい、以上で。はい、お願いします」



晴「へへっ、久しぶりにゆっくり食えるな」



P「あー……兄弟ばっかじゃ焼肉はゆっくり食えないだろうな」



晴「そうなんだよ。兄貴達バカみてぇ食うからオレが頼んでたヤツまで取りやがってさ……」



P「あーそりゃ大変ですこと」



晴「Pは兄弟いないんだよな」



P「あぁ。まぁ従姉妹とかとよく遊んでたから、いるって言えばいたのかも知れん」



晴「ふーん」



P「ま、今日は満足するまで食べなさい。遠慮もなんもしないでいいから」



晴「あぁ!」





P「ていうか食べきれるのか? 結構頼んでたけどさ」



晴「あれくらいなら普通に食べきれるぜ」



P「ふーんそうか。さすがに成長期だな。まぁみちるに比べりゃまだまだだけど」



晴「みちるとも食いに来たのか?」



P「ん? いや、焼肉じゃないけどな。でもちょっと手痛い思い出がねぇ……あるんだよ」



晴「どれくらい食うんだあの人。よく食うって聞くけど」



P「そのメニュー表あるだろ?」



晴「あぁ」



P「同系統のメニューで悩んだらメニュー指差して上から下までって言う注文の仕方する」



晴「上から……え、そんなに食うのか?」



P「ファミレスで財布すっからかんにされるとは思ってもみなかったよ。まぁ何でも頼めって見栄切った俺が悪かったがなアレは」



晴「はぁー……」





P「……あ、もう肉来た。早い」



晴「へへっ、早速か。じゃあもう焼こうぜ。まずタン塩からだろ」



P「そうだな。あー……昼碌に食ってないから焼ける姿を見てるとドンドン腹減ってくるな……」



晴「普段何食ってるんだ?」



P「家じゃうどんとかパスタとか、簡単にできるヤツ。あとは適当にファミレスか居酒屋で済ませたりかなー」



晴「何か一人暮らししてるうちの兄貴みたいな感じだな」



P「一人暮らしするとねぇ……面倒くさくなっちゃうんだよ、そういうのがさ。かろうじて部屋は綺麗にしてるけど」



晴「野菜食え野菜食えって母さんが口うるさく言ってるよ兄貴に」



P「だろうねー。確かに自分で作れるっちゃあ作れるけど、最近は仕事から帰って来るの九時余裕で過ぎるから作る暇も無いんだよ。

  だからなし崩し的に外食とかに頼っちゃう訳」



晴「そういうもんか?」



P「そういうもんよ」



晴「……なんか大変だな、一人暮らしって」



P「ははっ、まぁねぇ。でももう慣れちゃったよこういう生活に」





晴「……なぁ」



P「なによ」



晴「オレもさ、やっぱ……料理とか出来るようにした方が、い、良いのか?」



P「……え、何急に」



晴「いや、オレも……一応、女だろ? だから覚えた方が良いのかって……母さんも覚えておくかとか言うしさ……」



P「……うーん。別に良いんじゃない?」



晴「いいのか?」



P「うん。女だから覚えなきゃいけないって訳じゃないし、第一もうそういう時代じゃないしさ。

  ただまぁ、覚えておいた方が楽かなぁってレベルだよ今は。覚えておく事に越したことはないけど」



晴「……そうか」



P「でも、生きる上で料理出来るって事は一つの大きなスキル、利点になるし、覚えておいて損は無いよ。

  それにもし……もし晴が将来結婚するとするだろ?」



晴「な、なんでそんな話になるんだよ」





P「例え例え、まぁ聞きなさい。それで子供が出来るとする。それで、お前は自分の子供にはどういう物を食べて欲しい」



晴「……どういうって」



P「ちょっとこれじゃ難しいか。じゃあ、お前のお母さんはどういう料理を食べさせてくれる?

  スーパーで買った惣菜? それともちゃんと作ってる?」



晴「ちゃんと作ってる」



P「そうかそうか。確か晴のお母さんは専業だったかな。まぁそれなら作ってくれるかもな」



晴「あぁ」



P「でも……最近はさ、共働きの人とかが増えてるんだよ。働く女性も増えた。

  仕事をすると、とても疲れるんだよ。だから……子供に手料理を作ってやったりする事ができなくなってくるんだ」



晴「……」



P「勿論、旦那も料理出来るようにすれば良いじゃないかってのもあるけど、結局どっちも仕事を終えて帰って来る訳だろ?

  だからどっちも作りたくなくなる。でも食べさせなきゃいけないから、惣菜とか買ってさ……」



晴「……」



P「……あーゴメン。話ズレたな。えっと……まぁ要するに作れるに越したことは無いという事だよ晴君」



晴「……さっきと言ってる事ちがくないか?」



P「……まぁ、それは、あれだよ……すいません、俺の願望です。やっぱり女性の料理に憧れがあるんだよ、男は」



晴「……なんだそれ」



P「しょうがないんだよこれは……まぁ、色々あるのさ」



晴「……そうか」



P「うーんでもそうかぁ……晴君もそういう事を考えるようになったか」



晴「し、しかたねぇだろ。母さんから言って来たんだよ……」



P「ははは、まぁ上に男ばっかだったんだろ? だから余計にそういう事お前に教えたくなるんだろ、きっと」



晴「……そういうもんか?」



P「さぁ。まぁそうなんじゃないか。可愛いと思ってるんだよ、晴の両親はさ。

  自分の娘をアイドルに出来ると自負してるくらいなんだから」



晴「……あれは良い迷惑だったけどな」





P「……うーん。晴の、手料理……ねぇ」



晴「な、なんだよ」



P「……全く想像つきません。晴が料理してる所とか」



晴「悪かったな……想像つかないで」



P「あ、いや、ゴメン。ていうかまだ子供だし、当然か想像つかないのは」



晴「でもありすは料理やってたろ。テレビで見たぜ」



P「まぁー……ありすも、まだ駆け出しだから出来る、とまではいかないかな。今でもまだまだ練習途中だよ」



晴「あいつの料理って旨いのか? なんかスゲェ見た目のばっか出してたけどさ」



P「ハッキリ言ってあまりおいしくはなかったかなぁ。まぁでも一生懸命作ってくれたってのはわかるし、初めての事だったから。

  最初にしては上出来だったよあれでも。あ、でもこの前食べた時はちゃんとおいしかったぞ。不思議な味だったけど」



晴「え、またアレ食べたのか」



P「うん。巴も絶賛してた」



晴「……」



P「ありすは……な。うん、わかるよ。不器用っていうか、経験も無いし。経験、出来なかったんだろうから」



晴「出来なかった?」



P「いや、こっちの話。何でもない」



晴「……」





P「うーん……晴もそういう企画出てみるか? 嫌でも料理の経験出来るぞ?

  あっ! 拓海みたいにやってみるか! ばっちぐー☆ って」



晴「バッ……やるかよそんなもん!」



P「はるちんラヴラヴスマイルであまーいお菓子が出来ましたよー、きゃぴっ☆ みたいなさ。

  あーこれ面白そうだわ。企画通して良い?」



晴「ぜっ、ぜ、絶対やらねぇ! なんだよそれ! この前カッコいい格好したんだからその路線で良いだろ! なぁ!」



P「えー、可愛い服は着なくていいの? って聞いてたじゃん。本当はそういうのやりたいんでしょ?」



晴「だ、だからあれはもう着なくて良いんだなって確認したんだろ! 着たくないって意味だろ!」



P「え、着ようよ。面白いよきっと」



晴「面白いのはPだけだろうが! オレは面白くないんだよ!」



P「まぁまぁ、声を抑えて。ここは店内なんだからさ、落ち着いてよ晴」



晴「Pが話ふってきたんだろうが……」



P「そんなにそういう企画の出たくないの?」



晴「き、企画じゃなくてそういう格好が嫌だって言ってるんだオレは」



P「あーそう。じゃあ格好は置いて企画自体には出ても良いんだな?」



晴「あっ……まぁ……」



P「じゃあ料理も練習しとくか?」



晴「……」



P「うん?」



晴「や、やるよ……やりゃ良いんだろ……」





P「ふふ、ちょろいねぇ晴君は」



晴「こ、これは……可愛い感じの服着たくねぇから仕方なく……」



P「ふふふ。言い訳しても乗せられた事実は変わらないよ」



晴「……ていうか、結局作るって方向になんのかよ……Pが最初言ってたのと全然違うじゃねぇか」



P「ん?」



晴「最初どっちでも良いって言ってたじゃねぇかよ」



P「あー……そうだね。でも、さっきも言った通り……料理出来る人の方が好きなんだよ。こればっかりはしょうがない」



晴「……」



P「別に晴にそれを押し付ける訳じゃないけど……うーん、なんて言うんだろ。なんだろうな、あはは」



晴「……」



P「まぁ作れるようになったら少しは味見させてよ。ね?」





晴「わ、わかってるよ……それ以前にど、毒味役もPがやれよ」



P「毒味ぃ? お母さんに頼みなさいよ」



晴「言いだしっぺだろうが、ちゃんと食えよ」



P「……あー……はい。はい、わかりました。やります」



晴「わかればいいんだよ、わかれば」



P「……おいしいの」



晴「ん?」



P「おいしいの、期待してるよ。いつになっても、何回目でも構わないから」



晴「……おう」



P「ところで晴」



晴「な、なんだよ」





P「肉もう焼けた」



晴「え、もう焼けてるのか?」



P「うん。一応ちゃんと見てたから肉は。ついでにご飯も届いてるし」



晴「お、おう……悪いな」



P「大体全部焼けてるから好きなの取りなさい。遠慮しないで」



晴「じゃあ……貰うぜ」



P「うん」



晴「じゃあ……いただきます」



P「どうぞ」



晴「んぐっ……あっうめぇ!」



P「ふふっ、旨いか」



晴「あぁ。ほら、Pも食えよ」



P「うん、わかってるよ。晴こそ、あんまりがっつくなよ」



晴「わかってるって」



P「はぁ……しっかし、あれだな」



晴「あんだよ」ゴクゴク





P「お前はほんっとに俺の事好きだよなぁ」



晴「ぶっ……ゲホゲホッ!」



P「え、ちょっと何。何コーラ吹いてるの」



晴「ゲホッゲホッ!」



P「ちょ、ちょっと大丈夫か?」



晴「ガッ……はぁ、はぁ……」



P「え、大丈夫か? とりあえずこのおしぼりで口拭くからあんまり動くなよ」



晴「ぐむっ……」



P「あーあー全く……」フキフキ



晴「ハァッ……だ、大丈夫じゃねぇよ!」



P「気管入ったか? いきなりむせるもんだからビックリしたよ」



晴「い、いきなりって、Pのせいだろ!」



P「え、何? ……あー、俺の事好きねぇって言ったから?」



晴「バッ……そ、そんな訳ないんだろ! 何言ってんだ!」



P「えー、でも明らかに正月に三万くらいお年玉くれる親戚の若いおじさん並には好きだろ俺の事」



晴「だ、だからっ……別に、好きじゃねぇって……な、なんでそんな唐突にそんな事言うんだよ……」



P「え、いや、ねぇ?」



晴「ねぇ? じゃねぇよ。だからオレは別に……」



P「えー」





晴「えー、じゃねぇ……ニヤニヤすんなこのロリコン!」ゲシッ



P「イタッ。脛蹴るな脛を。ていうかこんな場所で大声でロリコンって言うな。子供と焼肉食った事案にされちまうだろうが」



晴「実際そうだろうが!」



P「俺年上好きなんだけど……えーでも相当懐いてるじゃん俺に」



晴「懐いてもねぇよ……」



P「人の事ロリコン呼ばわりする割にはソイツの家に押しかけてくるし、長居しようとするし……」



晴「そ、それはっ……」



P「最近割と俺に対する絡みが執拗になってきたし、俺に料理作ってくれるって言うし……ねぇ?」



晴「だ、だからっ……オレは……ほ、ほら、家じゃ一時間しかゲーム出来ないし、ここならゲーム沢山あるから来てるんだよ」



P「ふーん」



晴「りょ、料理もPの為に作るとは一言も言ってないだろ!」



P「えーそう?」



晴「そうだよ!」



P「ほんとにー?」



晴「つっ……笑うな!」ゲシッ



P「イタッ。ま、まぁまぁ。悪かったって、そんなムスッとしないで。ちょっと言い過ぎた。

  いやだいぶ慕われてると思ってつい口がさ。ゴメン、許して」





晴「……くっ……い、いいか。オレは別に好きとか、そういう事全然ないからな! わかったか!

  暇潰しに来てるだけだからな!」



P「あーわかってるわかってる。わかってますって」



晴「何だよそのテキトーな返事は……」



P「あはは……あー面白い。奈緒と拓海も恥ずかしがり屋だけどお前も相当だな」



晴「こっちは面白くねぇよ……」



P「ゴメンゴメン……俺は別に懐かれるのは嫌いじゃないんだけどなぁ。そのくらいで別に恥ずかしがらなくても良いじゃない」



晴「……」



P「ほら、俺も晴の事好きだし、な?」



晴「なっ……何言ってんだよ……からかうんじゃねぇよ……」



P「からかってないって。お前みたいな面白い妹いたらどれだけ良いかと最近常々思ってるよ」



晴「な、なんだよそれ……もう兄貴はいらねぇって……」



P「つれないなぁ」



晴「……」



P「まぁいいや。ほら、肉食おう肉。ドンドン焼かないと、な?」



晴「……わ、わかったよ」



P「次はカルビだなカルビ。ビールも良いけどご飯にしとけばよかったかなー」



晴「……」





P「ん、どうした晴」



晴「な、何でもねぇよ」



P「そう? あー、焼肉は旨いなやっぱり。でもどうしよ、ご飯すぐ無くなるなこれは」



晴「オレのはやらねぇからな」



P「さすがの俺でもそこまで卑しくないって……ちゃんとその時は新しく頼むよ」



晴「そうかよ」



P「なぁ、もう機嫌直してよ晴」



晴「別に怒ってねぇよ」



P「でもムスッとしてる」



晴「……」



P「どうした」



晴「別に……ただ、モヤモヤするだけだ」



P「モヤモヤ?」



晴「……わかんねぇよ」



P「……」





晴「つーか、今日おかしいだろ」



P「何が」



晴「普段は……もっと、ふざけてんだろ」



P「俺か? まぁ確かにふざけてるけどさ、たまにはマジメな話もするよ」



晴「……」



P「ささ、じゃあもう難しい話はやめますか。ほら、こっちも焼けたよ。これは晴にあげるよ」



晴「じ、自分のも取れよ」



P「取ってる取ってる。ほら、とりあえず食べなさい。肉は俺が見るから」



晴「わかったよ……そんな押しつけんな」



P「あはは、ごめん」



晴「……旨いな」



P「だろうな。俺が焼いてんだ」



晴「味つけだろ、旨いのは」



P「あ、酷い。俺傷付いた」



晴「……わ、悪かったよ」



P「あ、いや、冗談だから」



晴「わかってるってそれくらい」



P「あ、そう? じゃあいいや」





晴「……時々思うけどさ」



P「ん?」



晴「アンタ……本当に大人かよ」



P「んー……まだガキだよ。菜々さんくらいの歳になれば、大人になれるかな」



晴「? 菜々は17歳だろ?」



P「ふふ、大人になれば、そういうのも見えてきますよ」



晴「……何言ってんのかサッパリわかんねぇ」



P「あはは。まぁ食べなさい食べなさい」



晴「……おう」



P「あぁ食べ……ちょい、それ俺が目つけてたヤツなんだけど」



晴「食べろって言ったのはPだろ」



P「ぐっ……」



晴「早く食わねぇと無くなるぞ」ヒョイ



P「あ、この野郎。仕返しのつもりか」



晴「違うって……Pの食うペースが遅いんだよ。そんなペースじゃうちで飯食ったら何も食べれずに終わるぞ?」



P「え、今度晴の家でごちそうしてくれるの?」



晴「何がどうしたらそういう風になるんだよ……」



P「冗談だよ。さすがに保護者さんと面と向かうのは気が引けるから」



晴「……何だ、来ないのかよ」



P「ん? 今ガッカリした? したよね?」



晴「くっ……し、してねぇ! 良いから食え!」ヒョイヒョイ



P「あー! そ、そんなにストックするなよ! カルビ無くなっちゃったじゃないか!」



晴「うっせー! 早いもん勝ちだ!」



P「その言葉、宣戦布告と判断するぞ!」





……





P「……あー食ったなー」



晴「あぁ」



P「……ちょっとお行儀悪かったな。早食いし過ぎた」



晴「そうだな……でも旨かったぜ、ごちそうさん」



P「おう。腹いっぱいだろ晴も」



晴「へへっ、まぁな」



P「……じゃあ、腹もいっぱいになった事だし、帰りましょうか晴は。もう八時だし」



晴「あー……そうだな」



P「今度からはちゃんと電話しろよ?」



晴「わかってるって……」



P「どうする、送ってくか。って言ってもここからじゃ歩いて五分もしないけどな」



晴「……いや、いい」



P「そうか。じゃあそこのコンビニまでついてくよ」



晴「なんか買うのか」



P「まぁな」



晴「ふーん……何買うんだ」



P「明日の朝飯と昼飯を、ちょっとな」



晴「ふーん……」



P「まぁとりあえずそこまでな」



晴「……おう」





P「いやー、いつまでこうやって肉たらふく食っても胃もたれしないでいられるのやら」



晴「胃もたれ?」



P「歳取るとな、焼肉とか天ぷらとか、そういうのが食えなくなっていくんだってさ」



晴「そうなのか」



P「うん。まぁ俺も20代半ばを過ぎたし、もうそろそろで食いづらくなるのかなぁって」



晴「……もうそんな歳だったのか」



P「うん。晴から見たらオッサンだろ」



晴「まぁ、な」



P「晴が大人になる頃には……まぁ、確実に厳しく感じるかもな」



晴「大変だな」



P「まぁな。しかし、晴が二十歳くらいになったら何やってんだろうなぁ。大学で女子サッカー部の部長、とかやってたりして」



晴「あー、いいなそれ」



P「若しくは相変わらず俺の下で依然きゃっぴきゃぴのアイドルをしてるか」



晴「そ、それだけは絶対に嫌だ」



P「え、俺と一緒に仕事したくないの」



晴「いや……そこじゃねぇって……だから、きゃっぴきゃぴとかは……もうやらねぇって言ったろ」



P「じゃあ俺と一緒に仕事するのは良いよな?」



晴「……まぁな」



P「そっか」



晴「……つーか」



P「ん?」



晴「P以外の奴とじゃ……面白くないだろ」



P「あー、そうだな。ふふっ、確かに言えてる」



晴「だろ」



P「あぁ。何だかんだ言って、俺達は良いチームだよな。な?」



晴「……あぁ」



P「さて、じゃあチームの絆を確認した所でお別れだ」



晴「ん……おう……じゃあ、またな」



P「あぁ、また明日」



晴「あ、そっか……明日もあるんだったな」



P「うん。遅刻すんなよー」



晴「わかってるって……じゃあな」



P「おう」



晴「……」







テクテク





晴「……」



「晴ー!」



晴「!」クルッ



「気をつけてなー」



晴「……近いから大丈夫だって!」



「でも気をつけろよー」



晴「わかってるよ! じゃあな!」



晴「……」



晴(何だよ……ったく……)



晴「はぁ……クソ……モヤモヤする……」



晴(面白いけど……何なんだ、これ……)



晴(なんか……スッキリしねぇ……)



晴「……はぁ……帰るか。寝ればスッキリするだろ」



晴(明日は学校終わったら、またアイドルの仕事だ)



晴(またP達と仕事か……)



晴「……まぁ、面白いから良いか」



晴「……へへっ」



終わり







11:30│結城晴 
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