2015年08月26日

春香「プロデューサーさんとだらだら雑談」

春香「プロデューサーさん! 私、プロデューサーさんとセックスしないと死んじゃう病気になりました!」



P「そうか。なら死ね」



春香「ひでぇ」





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春香「もー、つれないなー。ここは『くっ……春香の命には代えられん。春香、セックスだ!』ってなる流れじゃないですか」



P「悪いな春香。この身体は三人用なんだ」



春香「誰と誰と私ですか?」



P「美希と伊織と亜美真美」



春香「天海?」



P「亜美、真美」



春香「四人じゃないですか」



P「あいつらは二人で一人カウント」



春香「ずるい!」



春香「……えいっ」



P「やめろ、頬をつつくな」



春香「えいっ」



P「唇も駄目だ」



春香「やっ」



P「鼻も駄目」



春香「んっ」



P「耳もだ」



春香「……かぁッ!」



P「ぎゃああぁぁぁあああ!?」



春香「急に大きな声出さないでくださいよ。びっくりするじゃないですか」



P「俺はむしろ、躊躇なく俺の息子を握ったお前にびっくりだよ」



春香「やだなぁ、プロデューサーさん。女の子かも知れないじゃないですか」



P「?」



春香「?」



P「すまん、意味が分からないから説明してくれると嬉しいんだが」



春香「ですから、そこに未来の私達の子供がいるのは確かですけど、性別までは分からないじゃないですかー、って言ってるんですよ」



P「どこから突っ込めばいい?」



春香「最初は口でいいですよ?」



P「もうやだこの子」



春香「プロデューサーさん、私、みんなのものまねできるんですよ」



P「ほう、見せてみよ」



春香「では……」



『ねえハニー? 今日は、胸でシて欲しい?』



P「…………」



春香「どうでしたか? プロデューサーさん」



P「俺の耳が正しければ、今の声はお前の背後から聞こえてきたぞ?」



春香「気のせいですよ」



P「じゃあその手に握られているスマホはなんだ?」



春香「iPhoneです」



P「そうじゃねーよ」



P「え、ちょっと待って。マジでその声なんなの?」



春香「心当たり、あるんじゃないですか?」



P「あるわけないだろ?」



春香「この前、事務所でシてたじゃないですか」



P「いやいや、美希とはKisSしかしたことないからな?」



春香「どうやら間抜けは見つかったようですね」



P「あっ」



春香「今の発言は録音してあります。消して欲しかったら私ともKisSしてください」



P「……いやだ」



春香「じゃあこれみんなに聞かせてこーよぉっと」



P「やめて」



P「いやほんとにちょっと待って? その声なんなの?」



春香「美希の声です」



P「わかってるよ。だから気になってんだよ」



春香「私的には、美希とのキスの方が気になりますけど」



P「それはこの際置いとけ」



春香「いやです。後で徹底的に糾弾します。場合によっては訴えます」



P「どこにだよ」



春香「765裁判所にです」



P「なにそれ」



春香「事務所内で起きた、プロデューサーさんに関する問題についての話し合いが行われる場所……それが、765裁判所」



P「話し合いって時点で裁判ではないのでは?」



春香「最終的には事務所の最年長者が中立的な立場で判断してくれるんで、裁判でいいんですよ」



P「音無さんまで巻き込んでんのかよ」



春香「あらら」



P「ん?」



春香「社長の存在を忘れたのか、小鳥さんを馬鹿にしてるのか……」



P「……あっ……」



春香「プロデューサーさんと話してると楽しいですねー」



P「人の弱味握って楽しいか?」



春香「もちろん」



P「ぐぅ……」



春香「えーと、なんの話でしたっけ」



P「春香を芸人路線に変更するっていう話だったかな」



春香「えー。たしかにバラエティーは好きですけど、どうせならやっぱりアイドルとして出たいですよ」



P「お前、バラエティーとか出ると他の女性出演者の発言を潰していきそうだよなぁ」



春香「前に進むのが私達の仕事ですから」

P「話を脱線させて誤魔化すんじゃない」



春香「先に話を変えたのはそっちじゃないですか」



P「あの声はなんだ?」



春香「なんでしょうね、わかりません」



P「お前が録音したのか?」



春香「いいえ? 小鳥さんに貰ったんです」



P「……音無さんはなんて?」



春香「『切って貼るだけの簡単な作業よ』って」



P「よし、あの人が事務所に隠してる同人誌全部律子の机に置いてやろうかな」



春香「手伝いますよ」

春香「そう言えばこの前千早ちゃんが言ってたんですけど、今度千早ちゃんのソロライブがあるそうですね」



P「ああ。知名度も結構上がってきてるからな、上手くいけば一気に駆け上がれるかもしれん」



春香「いいなー。私には、ないんですか?」



P「まあ、やりたいならやらせてやるが……せいぜいスベらないようにな」



春香「誰もお笑いライブなんてしませんよ。アイドルなんですから」



P「アイドル活動は……お好きですか?」



春香「大好きです。アイドルですから」



P「その言葉が聞きたかった」



春香「誤魔化さないでください」



春香「子供は何人欲しいですか?」



P「この子はまた唐突におかしなことを……」



春香「いえいえ、単なる世間話ですよ?」



P「……まあ、そーゆーのはまだ考えたことはないな。結婚してからで充分だろ」



春香「じゃあ、誰と結婚したいですか?」



P「…………」



春香「…………」



P「いや、見えてるからね? iPhone」



春香「ちっ」



春香「貴音さんっていっぱい食べますよね」



P「そうだな」



春香「でも痩せてますよね」



P「まあ、いくつかの部位を除けばな」



春香「食べたものはどうなってるんでしょうね?」



P「さあね」



春香「あれだけ食べてるんですから、大きい方も相当出るんでしょうね」



P「……アイドルはそんなものしません」



春香「でも、私はしますよ?」



P「……春香」



春香「はい」



P「お前、羞恥心とかねえの?」



春香「私は、プロデューサーさんとは、どんなことも遠慮なく話し合える間柄になりたいんです」



P「聞こえはいいが、下品なのは駄目だ」



春香「えー」

春香「この前、やよいが数人の子供達と一緒にいるのを見かけたんですよ」



P「弟妹か?」



春香「いえ、知らない子達でした」



P「ふうん、それで?」



春香「声をかけようかと思ったんですけど、子供達が何人か泣いてたんで様子を見てみたんです」



P「ふむ」



春香「そしたらどうも、子供達が喧嘩してて、それをやよいが止めてたみたいなんですよ」



P「やよいはいい子だなぁ」



春香「やよいは、『おかしなんかでけんかしちゃ、めっだよ。けんかするぐらいなら、ぼっしゅーします!』って言ってお菓子取り上げてまして」



P「うん、まあ、いいんじゃないか?」



春香「でもやよい、そのまま家に帰ったんです。そしたら家の中から、『おかし買ってきたよー!』って……」



P「……嘘だよな?」



春香「信じるか信じないかは、あなた次第です」

春香「暇ですねー……」



P「お前はな? 俺は仕事してんの」



春香「……そういえば、なんで私は最近仕事ないんですか?」



P「んー……そうだな、例えばグラビアの仕事がきたとして、お前なら誰にさせる?」



春香「あずささんとか美希ですかね」



P「歌なら?」



春香「千早ちゃん」



P「ダンスとかなら」



春香「真」



P「じゃあ子供向け番組なら? 動物番組は? グルメ番組ならどうだ?」



春香「やよい、響ちゃん、貴音さんですね」



P「そうだな。そしてぶりっこ的可愛らしさが欲しけりゃ伊織。守ってあげたくなる感じが欲しけりゃ雪歩。亜美真美は……ゲーム関係かな」



春香「なるほど」



P「ま、そういうわけだ」



春香「……あれ?」



P「…………」



春香「ちょっと待ってください。それってつまり、私に個性がないって言いたいんですか?」



P「ソンナコトナイヨー」



春香「じゃあ、どんな仕事なら私にくるんですか?」



P「……お笑い?」



春香「むぅー」



春香「仕事くださいよー、仕事ー」



P「そんなこと言われても……まだうちもそこまでの知名度はないしなぁ」



春香「ぶーぶー」



P「……あ、一応仕事とる方法がないでもないぞ」



春香「どんな方法ですか?」



P「裏営業」



春香「……それって、枕営業みたいなものですか?」



P「似てるかもな」



春香「うわぁ……」



春香「えー……私ってそこまでしないと売れない子なんですか?」



P「そんなことは全くない、単に一番早い方法ってだけだ」



春香「でも他のみんなはやってないんですよね?」



P「そうでもないよ?」



春香「え?」



P「そうでもないよ?」



春香「え、嘘……ちょっとショック」



P「まあ、世の中そんなもんよ」



春香「……ちなみに、何人くらいですか?」



P「んー……六人くらい?」



春香「ほぼ半分じゃないですか……」



P「そうだな」



春香「無理矢理じゃないんですよね?」



P「うん。ちゃんと説明して、了解を得た上でのことだ」



春香「なら、まあ……いやよくないけど」



春香「じゃあ、えっと……あずささんと、貴音さんと、美希と、響ちゃんと……うーん、後は……律子さんと小鳥さんですか?」



P「33点」



春香「えっ、三分の一? じゃあ……でもそれって、犯罪じゃ……?」



P「美希と響はいいのか?」



春香「……うーん」



P「悩むなよ……」



春香「そうですよね、響ちゃんの時点で犯罪ですよね」



P「美希は?」



春香「響ちゃんは犯罪ですよね」



P「美……まあいいや」



春香「えー、でもそうなると誰だろう。雪歩はアレだし、伊織もアレで、真もアレだし、千早ちゃんもアレだし……」



春香「まさかやよいと亜美真美ですか!? このロリコン! 鬼畜!」



P「俺に言うなよ……それとやよいは違う」



春香「ええー? じゃあもう……プロデューサーさんと社長しか……」



P「やめろ。てか、『アレ』に当てはまる言葉はなんなんだ」



春香「えっと、雪歩は男の人が苦手じゃないですか? それに、伊織はそういうの、プライドが高いから断りそうですし」



P「うん」



春香「真は男っぽいし、千早ちゃんは胸がないし……ほら! 被疑者が消えました!」



P「……お前も結構アレなんだな」



P「まあ、ここだけの話。あずささん、貴音、亜美真美、伊織、千早だ」



春香「本当ですか?」



P「うん。内緒な」



春香「はぁー、千早ちゃんまで……世の中物好きがいるもんなんですね」



P「まあ、否定はできないなぁ」



春香「じゃあもう私の親友は処女じゃないんですね……酷いよ千早ちゃん。ちゃんと誓いあったのに……」



P「なんて?」



春香「『我ら生まれし日は違えども、処女散らす日は同じ!』」



P「なんのために……?」



春香「さあ? 言い出しっぺは千早ちゃんですから」



P「絶対嘘だ」



P「てか、千早はまだ処女だと思うぞ?」



春香「ええ? じゃあ相手は貧乳好きの上、アナルが好きなんですか?」



P「ほんとお前羞恥心ないよな」



春香「枕営業提案してくる人には無用でしょう」



P「うーん……さっきから勘違いしてるけど、裏営業って別に枕営業じゃないぞ?」



春香「え? じゃあどんなことするんですか?」



P「添い寝的な?」



春香「ほらやっぱり」



P「そうじゃねーよ、本当にほとんどただの添い寝。犯罪じゃない、大丈夫なやつだから」



春香「ドラッグ勧める人みたい」



P「いやまじで」



春香「じゃあ、具体的にどんなことしてるんですか?」



P「たしか、あずささんは膝枕。貴音は尻枕で、亜美真美は双子腕枕。千早は腹枕で、伊織は足踏みだったかな」



春香「色々言いたいことはありますけど……少なくとも貴音さんのはアウトですよね?」



P「貴音の尻はアレだ……芸術品だからいいんだよ」



春香「裸婦画はやらしくない理論ですか」



P「そういうこと」



春香「じゃあ千早ちゃんの腹枕ってなんですか?」



P「千早の腹筋の噂を聞いたらしくてな、是非にと」



春香「人にフェチありってやつですか」



P「流石の俺もこれだけは理解できなかったよ」



春香「でもそっか……みんな汚れてなかったんですね。よかったよかった」



P「そりゃまあ、みんなを守るのが俺の役目だからな」



春香「守れてない気もしますけど……そこまで言うからには、当然枕の最中も見張ってたんですよね?」



P「勿論、ちゃんと部屋の中で見張ってたぞ」



P「それに相手にも、枕の間は目隠しして両手両足に手錠かけて、念のため貞操帯させてたからな。全く問題はなかった」



春香「思ったより守ってた」



春香「で、なんでしたっけ…………そうそう、私にも、ってことでしたけど、私だったら何枕なんですか?」



P「……リボン枕?」



春香「リボンを枕にするんですか?」



P「いや、枕にリボンをつける」



春香「それ喜ぶ人いるんですか?」



P「二人くらい希望者いるぞ?」



春香「世の中バカばっか」



春香「あーあ、なんか今のアイドルって小さい頃なりたかったのと違うなー」



P「へえ、どんなのになりたかったんだ?」



春香「そりゃあもう、すごい美人でナイスバディーで……」



P「ふむふむ」



春香「権力があって、女性だけの島の女王で……」



P「…………」



春香「強くて、自分に見とれた男性を石に変えれるような……そんな感じですかね」



P「ありったけの夢でもかき集めに行ってこい」

春香「はー、どっかにお金落ちてないかなー」



P「落ちてたとして、それをどうする気だ?」



春香「もちろん賄賂にします。そしてお仕事をもらいます」



P「そんなに仕事欲しいのか」



春香「アイドルですから」



P「じゃあ仕事やるか?」



春香「なんの仕事ですか?」



P「AV」



春香「アニマルビデオ?」



P「アダルトビデオ」



春香「アイドルビデオ?」



P「アダルトビデオ」



春香「そんな仕事とってこないでください」



P「とってきた訳じゃないけど……まあ、そろそろかな……と」



春香「そろそろかな……じゃないですよまだ全然売れてないのに。もっとちゃんとした仕事ください」



P「仕事回す時、どうしても売れかけのやつ優先しちゃうんだよなー」



春香「もっと平等にいきましょうよ」



P「いやはや社長も困ったもんだよ。全員同時に売り出そうだなんて」



春香「そこをなんとかするのがプロデューサーさんのお仕事じゃないですか」



P「そうだけどさ、俺も疲れてんだよ。歩き回って、頭下げまくって……」



春香「今が頑張り時ですよ。ほら、クッキーあげますから」



P「Thank you」



春香「うわ、無駄にネイティヴ発音」



P「海外進出が夢だからね」



春香「ところで今日は事務所に誰もいませんね」



P「まあみんな出てるからな」



春香「ちょっぴり寂しいですね」



P「そうか?」



春香「そうですよ。プロデューサーさんは寂しくないんですか?」



P「うん」



春香「なんでですか」



P「お前がいるから」



春香「…………」



春香「こうしてプロデューサーさんと一緒にいれるなら、仕事が無いのもいいかもしれませんね」



P「そうか。じゃあこの仕事は他に回そう」



春香「ストップ!」



P「No、Stop.Repeat after me」



春香「す、ストップ」



P「Once again」



春香「STAP」



P「根本的に違う」



春香「あると思いません?」



P「無いだろ」



春香「もーなんですかプロデューサーさーん。やだなー、やっぱりお仕事あるんじゃないですかー」



P「小さい仕事だけどな」



春香「構いません! すべての仕事はドームに通ず、ですよ!」



P「じゃ、これに目を通しとけ」



春香「はーい。いやー、なんだかんだいってもやっぱりプロデューサーさんって良い人ですねー」



P「俺が取ってきたんじゃないんだけどな」



春香「え? じゃあ、律子さんですか?」



P「誰とは言わん……が、感謝しとけ」



春香「???」



春香「いやー何年ぶりの仕事だろ。嬉しいなー」



P「大袈裟だな」



春香「じゃあ、27日ぶり」



P「……いや、まあ、大袈裟なぐらいがちょうどいいかな」



春香「やったーお仕事だーえへへ」



P「…………」



春香「? どうしたんですかプロデューサーさん。いきなりそっぽ向いて」



P「……目が疲れてきたからちょっと目薬使おうと思ってな」



春香「…………」



P「何してるんだ?」



春香「メールですよ。千早ちゃんにお仕事貰ったって報告してるんです」



P「へぇ……」



春香「あっ返信きた。なになに……『おめでとう。小さいお仕事だけど、頑張ってね』……?」



P「…………」



春香「……あれぇ? おかしいな」



P「何がだ?」



春香「親友なら、もうちょっと喜ぶべきだと思いませんか?」



P「鬱陶しいなぁ」



春香「そんなことありませんよ」



P「千早はあれだ、ほら、表現が下手なだけだ」



春香「そうですかね」



P「そうだよ」



春香「あーなんか高まってきた」



P「なんだ唐突に」



春香「明日ひさしぶりに仕事ができると思うと、いてもたってもいられません」



P「そうか」



春香「あー、気が高まる。今なら穏やかな心を持ちながら激しく怒ることによって目覚めるスーパーアイドルになれそう」



P「いつお前が激しく怒ったんだよ」



春香「いおりんのことか……いおりんのことかーーーっ!」



P「伊織に何があったと言うんだ」



春香「禿げた」



P「ばっかお前……殺されるぞ」



春香「プロデューサーさんも昔かめはめ波とか練習しました?」



P「どうだろう……してた気もするな」



春香「やっぱりみんなそうですよね」



P「お前もしてたの?」



春香「私はギャリック砲派でした」



P「ひねくれてるなぁ」



春香「お腹空きました」



P「冷蔵庫になんかないか?」



春香「さっき見ましたけど、伊織のプリンしかなかったです」



P「食べれば?」



春香「さっき食べました」



P「清々しいな」



春香「えへへ」



春香「貴音さんのカップ麺でも食べようかなぁ」



P「やめとけ」



春香「どうしてですか?」



P「この前間違えて食べたら、夢の中で貴音に釜茹での刑に処された」



春香「……偶然じゃないですか? 罪悪感でそんな夢見ちゃったのかも」



P「翌日あいさつしたら、睨みながら『次はありませんよ』って言われた」



春香「ぐ、偶然……」



春香「お腹空きましたー」



P「帰れば?」



春香「いやです」



P「じゃあ、コンビニでなんか買ってこい」



春香「んっ」



P「なんだその手は」



春香「お金」



P「なめんな」



春香「…………」



P「…………」



春香「…………」



P「……ほら、五百円」



春香「いってきまーす!」



春香「ただいま戻りましたー」



P「おかえり」



春香「肉まんとピザまん、どっちがいいですか?」



P「ピザまんかな」



春香「はい、肉まん」



P「…………」



春香「はむっ……あっ、ピザまん美味しい!」



P「……むぐ」



春香「ん〜♪ しあわせっ」



P「……あんまんじゃねーか!」



春香「はーおいしかった」



P「ヨカッタネ」



春香「あ、そうだ。飲み物もちゃんと買ってきたんですよ」



P「ふーん」



春香「はい、天然水」



P「…………」



春香「…………」



P「…………ふぅ」



春香「一応飲むんですね」



春香「そろそろ外も暗くなってきましたね」



P「もうそんな時間か……お前はまだ帰らないのか?」



春香「…………」



春香「もう少し、いてもいいですか?」



P「いいよ」



春香「それじゃ、お言葉に甘えて」



P「仕事の邪魔はするなよ」



春香「はーい」

春香「……あっ!」



P「なんだどうした」



春香「うやむやになってたけど……そういえば美希とのキスの件についてまだ聞いてません!」



P「帰しとけばよかった……」



春香「説明してください!」



P「……大したことじゃないよ」



春香「じゃあ話せますよね」



P「……美希が目を閉じろって言うから言うとおりにしたら、された」



春香「プロデューサーさん」



P「はい」



春香「目を閉じてください」



P「いやです」



春香「そう言えば『俺の身体は美希と伊織と亜美真美のものだ』とかも言ってましたね」



P「深い意味はない」



春香「本当に?」



P「本当だ」



春香「本当の本当に?」



P「本当の本当だ」



春香「本当の本当の本当に?」



P「本当の本当の本当だ」



春香「本当の本当の本当の本当に?」



P「本当の本当の……やばい混乱してきた」



春香「私の勝ちですね」



P「ああ、お前がナンバーワンだよ」

春香「プロデューサーさん、響ちゃんのプロフィールって正しいんですか?」



P「はあ?」



春香「だってほら、たまにすごく胸が小さく見える時あるじゃないですか」



P「あー……」



春香「どうなんですか?」



P「さあねえ。その辺は音無さんとかの管轄だから……」



春香「そうですか」



P「……あ」



春香「なんですか?」



P「いやちょっと、そう言えば昔友達のK君が『女子の胸について画期的な発見をした』とか言ってたなぁ……って」



春香「友達は選んだ方がいいですよ」



P「そーゆーとこを除けば友達思いの良い奴だったんだよ」



春香「で、その発見とは?」



P「『この世界は毒や汚れに満ちており、人は生きていくうちにそれらを体内に溜め込んでいる。なかでも女子は胸に蓄積している。故に女子の胸は成長すると膨らむのだ』……とかなんとか」



春香「…………」



春香「じゃあ、まあ、とりあえずその理論を採用したとすると?」



P「響はけっこうな汚れを蓄積していたということだな」



春香「ピュアな沖縄人に東京のコンクリートジャングルは厳しかったんですね」



P「だが765プロに来てみんなと過ごす内に少しずつ毒素が消えていき……」



春香「胸が萎んでいったと」



P「つまり、時折ナイチチに見えるのは超ストレスフリー状態だからってことだな」



春香「はあ……あほらし、そんなわけないじゃないですか」



P「だな。その理屈でいくとお前は超巨乳だもんな」



春香「なにをばかな、千早ちゃんに決まってるじゃないですか」



P「今親友の名前を『貧乳』の形容詞扱いしなかったか?」



春香「気のせいです」

P「まあでも、実際どうなんだろう」



春香「別に詰め物してるようにも見えませんしねえ……うーん」



P「触った感じは本物っぽかったけどなぁ」



春香「そうですかー……うーん」



P「…………」



春香「うーん……」



P「…………」



春香「……ん?」



P「……気づいてしまったか」

春香「説明を要求します」



P「いやです」



春香「むー……」



P「…………」



春香「……いきますよっ! 請求剣(定規)!」



P「なんの! 黙秘剣(ボールペン)!」



春香「めぇーん!」



P「よーう!」



春香「いやどこですか、ようって」



P「……腰、かな」



春香「……はぁ」



P「どうした溜め息なんてついて、らしくないな」



春香「私にだって悩みのひとつやふたつありますよーだ」



P「ふーん。ところでお前、最近ちょっと太った?」



春香「プロデューサーさんの地雷原を突っ走る姿勢、嫌いじゃないです」



春香「自分なりにちゃんとコントロールしてるつもりなんですけどねぇ」



P「おやつにピザまん食べる人の台詞とは思えんな」



春香「うっ……」



P「要するに自分に甘いんだよ」



春香「ううっ」



P「なんなら、ぽちゃドルとして売り出してみるか?」



春香「うわーん、プロデューサーさんがいぢめるー」



P「常日頃の仕返しだ」



春香「最近、亜美真美を見ると不思議な感情が湧くんですよね」



P「どんなのだ?」



春香「なんて言うか……いい身体してるなぁ、みたいな」



P「およそ女子高生アイドルの発言とは思えんな」



春香「違いますよー。そんなんじゃなくて、なんていうかこう……すべすべの肌とか、まだ肉付きの薄い脚とか、綺麗な腋とか、そういうのが……」



P「美味しそうってか? この変態! ロリコン!」



春香「違いますー! 羨ましいって言ってるんですー!」



P「ふざけるな! お前だって充分すべすべ肌だし、いい脚してるし、綺麗な腋だよ!」



春香「……ありがとうございます! でもちょっときもいです!」



P「ひどい!」



春香「あー、もう外真っ暗」



P「もうか……帰らなくていいのか?」



春香「いいんですよ。ずるずる残って終電さえ逃してしまえばこっちのもんですから」



P「泊めねーからな」



春香「えー」



P「えー、じゃない。ちゃんと帰りなさい」



春香「じゃあ、もうちょっとだけ」



P「まったく……もうちょっとだけだからな」

春香「あ、テレビにあずささん出てる」



P「ほんとだ」



春香「…………」



P「…………」



春香「…………」



P「……焦るな焦るな」



春香「……わ、わかってますよ」



春香「あ、なんですかそれ」



P「音無さんが隠してたかっぱえ○せん」



春香「いいんですか? 勝手に食べたりして」



P「社長が食べてたって言えばだいたい大丈夫」



春香「へえー……お茶でもいれてきましょうか?」



P「ああ、頼む」



春香「その代わり私にも……」



P「太るぞ」



春香「ちょっとだけ! さきっぽだけだから!」



P「そんな変な食い方すんな」



春香「関節キスできますよ?」



P「いらん」



春香「がーん」

春香「うめえうめえ」



P「結局思いっきり食ってんじゃねーか……俺の分がどんどん減ってるんだけど」



春香「やめられないとまらない」



P「……体重」



春香「しらんな、そんなことは」



P「…………」



春香「まいうー」



P「早く食うのをやめろっ! 音無さんみたいになっても知らんぞーーー!」



春香「でぇじょうぶだ、ダンスレッスンでなんとかなる」



P「結局ほとんど食べやがって」



春香「反省はしてません。でも後悔はしてます」



P「たち悪いなおい」



春香「……またつまらんカロリーをとってしまった……」



P「また少し太るだろうな」



春香「……なんとかなぁーれー!」



P「ところがどっこい! なんともなりません!」



春香「う……嘘だ……」



P「ぐにゃあ〜」



春香「どうでもいい話してもいいですか」



P「どうぞ」



春香「昨日うちのクラスに、授業中に携帯鳴らしちゃった子がいたんですよ」



P「ふむ」



春香「校則では没収対象なんで、先生が近づいていって『今携帯鳴らしただろ』って言ったんです」



P「それで?」



春香「そしたらその子、目に見えてあたふたしながら『ち、違います! 今のは……そう! ボイスパーカッションです!』って」



春香「もうなんか『はあ?』って感じで。先生も『そんなわけあるか。ボイスパーカッションであんな音出せるわけないだろ』って」



P「当然だな」



春香「でもその子、『だ、出せます! ウルトラボイスパーカッションなら!』とか言い出しまして」



P「なんじゃそら」



春香「周りも笑い堪えながら先生とその子のやり取りを聞いてたんですけど、できるできないのいたちごっこで……」



春香「最終的に先生が『だったら、そのウルトラボイスパーカッションとやらをもう一度やってみろ!』って言ったんです」



P「そしたら?」



春香「その子、三十秒くらい固まった後に小さい声で『……でゅわっ』って」



P「ははは」



春香「先生含めみんな笑っちゃって、しばらく授業止まりましたよ」



P「結果は?」



春香「やだなぁ、さっき使ってたじゃないですか」



P「お前だったのかよ」



春香「学校と言えば、真って女子校でしたよね」



P「ああ、そうだったかな」



春香「不思議じゃないですか?」



P「何が?」



春香「いえ、なんとなくイメージに合わない気がして」



P「まあ、わからんでもないが……」



春香「男友達と一緒に遊んで、汗とか流してそうなイメージなんですけどねぇ」



P「あー……やっぱ女子校でいいわ」



春香「え?」



P「そうやって男友達と一緒に遊ぶ内に、ふとしたことでお互いを意識しだすんだろ? そしてある日気持ちが高ぶって一線を越えるんだろ? そんなくらいなら女子校でいい! 真は誰にも渡さん!」



春香「これが父親か……」



春香「誰も帰ってきませんね」



P「今日は直帰の奴が多いからな」



春香「律子さんはどうしてるんですか?」



P「さあな、どっかでなんかの仕事してるんだろ」



春香「お互いの予定とか確認したりしないもんなんですか?」



P「うーん……最近は別にその必要がないからなぁ」



春香「そうなんですか」



P「そうなんだよ」



春香「じゃあ、小鳥さんは?」



P「ネカフェでも行ってんじゃないか?」



春香「扱いがえらく違いますね」



P「勤務態度がえらく違うからね」



春香「雪歩の家って何してるんですか?」



P「いきなりどうした」



春香「いえ、たまに雪歩がさらっと『お弟子さんが〜』とか言うんで、なんなのかなーって思いまして」



P「それなら、弟子をとるような職業でもしてるんじゃないか?」



春香「え? プロデューサーさんも知らないんですか?」



P「知ってる。でも教えない」



春香「えー、なんでですか」



P「家が何してようと、雪歩は雪歩だ……そうだろ?」



春香「……ま、それもそうですね」



P「ほら、そろそろ帰れよ。あんまり遅くなると親御さんが心配するぞ」



春香「……そうですね」



P「そんじゃ、おつかれ」



春香「……お疲れ様でした」



P「…………」



春香「……はぁ」



P「…………」



春香「…………はぁ」



P「……わかったよ。駅まで送ってやるから、ちょっと待ってろ」



春香「やたっ!」

春香「プロデューサーさん! 早く早く!」



P「急かすなよ……まったく、コロッと元気になりやがって」



春香「えへへ」



P「…………」



春香「〜♪」



P「……なあ、春香」



春香「はい? なんですか?」



P「楽しいか? アイドル」



春香「……うーん。今は、微妙かもですね」



春香「でも私、信じてますから。プロデューサーさんとなら、きっといつか楽しいアイドル活動ができるって」



P「……そうか」



春香「だから今度からは、ちゃんと私にもお仕事くださいね!」



P「……気が向いたらな」



P「んじゃまあ、行くか」



春香「はい! 夜のドライブデートですよ! デート!」



P「言っておくが、ちゃんと後部座席に乗れよ」



春香「嫌です。断固助手席を要求します」



P「噂になったりしたらどうする気だ?」



春香「その時は……そうですね、結婚しましょうか」



P「何馬鹿なこと言ってんだよ」



春香「いえ、そろそろかな……と」



P「付き合ってすらないし、そもそもお前はまだこれからだろうが」



春香「おぉう、まじめ回答」



P「ほら、着いたぞ」



春香「ありがとうございました」



P「それじゃ、明日遅れるなよ」



春香「……プロデューサーさん」



P「なんだ?」



春香「私、トップアイドルにならないと死んじゃう病気になりました」



P「そうか。なら大丈夫だ。俺が死なせない」



春香「……えへへ」



P「また明日な、春香」



春香「はい! おやすみなさい!」

終わり



09:30│天海春香 
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