2015年09月02日

棟方愛海「夢から覚めて」


・モバマスss



・一部地の文有り





・非夢オチ



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棟方愛海「むにゃ……うひひ」



モバP「おい。疲れてるのはわかるが、いい加減起きないと事務所に泊まることになるぞ」



愛海「ふぇ?」



モバP「おはよう。今日もハードだったみたいだな」



愛海「おはよ……あれ!?プロデューサーのお山が平坦に!?あのそびえ立つ山脈はどこに!?」



モバP「おぞましいこと言うな」



愛海「あれ?その胸は……男のプロデューサー?」



モバP「俺が女にもなれるみたいに言うな。出来るか、そんなこと。お前もしかして胸で他人を判断してるのか?」



愛海「あ、判るのはあたしのプロデューサーと女性だけだよ?」



モバP「嬉しくない。全然嬉しくない」





愛海「ううっ、でも夢だったのか。あたしだけの、あたし専用のお山が……」



モバP「よほどいい夢だったんだな。内容は聞きたくないが」



愛海「本当だよ!痴漢にも暴漢にも一度も触れさせてない。そんな前人未踏のお山が、実質あたしだけの物だったのに!」



モバP「だから聞きたくないって言ってんだろ」



愛海「一緒にお山の道を極めようと言ってくれたのに……」



モバP「聞けよ」



愛海(そっか、夢か。夢、なんだ)





千川ちひろ「お疲れ様でした、モバPさん。あら、愛海ちゃんもお疲れ様。なにか暗い雰囲気ですが、どうしたの?」



愛海「あ、ううん。最近お山に挑戦する事への締め付けがキツいなって。もう生粋のファンしか揉めてないよ」



ちひろ「えっと、ほどほどにね?気をつけて帰って、ひあああっ!?」



モバP「なっ!」



愛海「あれ?」



モバP(ちひろさんが愛海の側を通り過ぎようとしたら、喘ぎ声と共に崩れ落ちた!?いや!)



愛海「この速さは、この力は……」



モバP(愛海がやったんだ!目端に捉えるのもやっとだったが、ちひろさんの胸を何度も何度も!)



愛海(間違いない!あたしの同志と、ううん。あたしの分も加算された、それ以上の力!)





モバP「愛海、お前いつの間にそれだけの……!」



愛海「あ、もう帰らなきゃ。門限きちゃう。でもその前に」



ちひろ「……っ!」



モバP「なんで気絶してるちひろさんの胸また揉んだ!?」



愛海「行き掛けの駄賃ってことで。じゃあお疲れ様ー」



モバP「あ、おい!」





愛海「うひひ。うひひひひ……!」



愛海(次の日からあたしは行動を開始した)



愛海(事務所内のお山を次々と踏破した)



愛海(さすがに倫理は弁えたけどね。具体的には年少組には手を出さないと言うか。成長を阻害しかねないし)



愛海(その分大人組には頑張ってもらった)



愛海(とにかくあたしには、もう怖いものは何も無かった)



愛海(それは力を手に入れたからじゃない)



愛海(一人じゃないことが、あのプロデューサーが近くに居る実感が、ここまで心強いことだったなんて)



愛海(だから、だから……!)



愛海「くっ!?」



木場真奈美「どうやってそこまで鍛えたかわからないが、少々お痛が過ぎたな愛海」



片桐早苗「お姉さん達も暇じゃないんだよね。地獄のレッスン受けるの、痛い目に合う前か後か位は選ばせてあげる」



愛海(……強い!流石最後の砦。年齢差による地力の違いなんかじゃなく、研鑽を積んだ者の強さ!)



愛海(対してあたしのは異様に身体に馴染んでいるとは言え、所詮付け焼き刃。それでも!)



真奈美「ではレッスンのための時間も惜しい。終わらせるぞ、愛海」



早苗「みんなもそれでチャラにしてくれるって話だから、大人しくしてよね?」



愛海(まだ詰んだわけじゃない!)



真奈美「なっ、凌いだ!?」



早苗「あ、こら!待ちなさい!」







真奈美「完全に見失ったか。参ったね」



早苗「あーもう!後は任せるしかない、か。でもモバP君だしなぁ」





愛海「なんとか逃げ切れた。やっぱり手ごわ、う、うあああっ!?」



愛海(か、身体中に引き裂かれる様な痛みが!?)



「やっぱりか」



愛海「プロデューサー!?なんでここに!?」



モバP「プロデューサーだぞ、俺は。……お前のその身体能力。鍛練の成果なんかじゃなく、後付けのモノだな?」



愛海「……わかるの?」



モバP「そりゃそうだ。……それでも今までお前は自在に使えていた」



モバP「それだけの潜在能力か、相性が良すぎるのか、はたまた欲望の一念か。だが」



愛海「あの二人だね?」



モバP「ああ。そこで限界を越えてしまった。あの二人に挑むということは、器の限界を越え続けるということ。その結果がどうなるかはわかるな?」



愛海「…………」





モバP「なあ愛海。さっきも言ったが、お前は度を越さなければその身体能力を制御出来る。だから日常生活も普通に送れるだろう。だから身体が出来上がるまで自重すればいずれ……」



愛海「それだけはダメだよ!」



モバP「どうして」



愛海「これはあたしが借りてるだけなの!だからあたしのモノにしちゃったら、例え泡沫の夢だったとしても、あの人と過ごした証が、あの人との誓いが無くなっちゃう!あたしはあの人とお山の頂点に登りたいの!」



モバP「…………」



愛海「…………」





モバP「……フゥ。真奈美さんと早苗さんはレッスン場に居るよ。俺が説得に成功すれば二人で、失敗すれば俺が一人で行くことになってるからな」



愛海「じゃあプロデューサー……!」



モバP「ああ、行ってこい。責任は取ってやる。他のアイドルに一緒に謝ってやる。だから必ず勝って帰ってこい」



愛海「うん!」



モバP「おい。なんでそこで俺の胸を掴む」



愛海「だってプロデューサーの盆地は踏破してないもん。……固いし揉みにくいし最悪だね」



モバP「そりゃそうだろ」



愛海「でも温かい」



モバP「そうか」



愛海「じゃあ行ってくる!」



モバP「おう、行っちまえ」





「おや、愛海だけが来たのか。観念したわけではないようだな、残念なことに」



「全く。お人好しと言うか、ある意味これも過保護と言うのか。どっちなのかしらね?」



レッスン場に入ってきたあたしを特に驚くこともなく見据え、二人は、真奈美さんと早苗さんはそんなことを言ってきた。

……あの人の全力を引き出した今ならわかる。あの二人は同様に、いやそれ以上に桁が違うと。

今まで何度も手を出そうとしたけど、あれがどれだけ手加減されていたか、向かい合うだけで理解できる。



「それではあまり此処を占領するわけにもいかない」



「ええ、とっとと終わらせよ?」



臨戦態勢に移る二人。それだけで冷や汗が出る。

どうすれば良い?どうすれば勝てる?どうすれば掴める?そんな言葉が頭を駆け抜け、そしてそんな自分にあたしは笑えた。

いつからそんな利口になれたつもりだ。

あたしは、棟方愛海はいつだってバカみたいにお山に挑んで、そしてバカみたいに痛い目を見てきた。

あたしがやることなんて、いつも通りバカみたいに前に、頂に挑むだけだ。

幸い戦力差は三対二。あたしには、二人の馬鹿な仲間が、全然似てないのに笑顔だけは瓜二つのプロデューサー達がついてるんだから!





「ぐっ、くううう!?」



「きゃあああ!?」



勝負はほんの僅かな差で着いた。

二人は崩れ落ち、あたしは立っている。つまり



「勝ったのは……あたしだっ!」



その事実を高らかに謳い上げた。



「手加減をしたつもりはないが、愛海の方が一枚上手だったと言うことか。私もまだまだだ、な……」



「スッゴい悔しい。この歳で負けなんて味わうものじゃないわね。次は負けないか、ら……」



その言葉を最後に、二人は意識を失ったみたい。

後はプロデューサーのとこ、ろへ……。



あれ、うまく立てない。床が近い。身体の力が抜けていく。非常事態だというのに、心は不思議と落ち着いてる。

そっか。あたしはもう……。



プロデューサー怒るだろうな。悲しむんだろうな。

……ねえ。あたしは頂を捉えられたのかな?



あた、し……は……







『ありがとう。ごめんなさい愛海』









愛海「あれ、生きてる」



モバP「死ぬわけないだろ。何度目だ。どんな新世代ヒーロー物だ。先ず光に譲れ」



愛海「ええ!?でもさ!」



モバP「どんだけ規格外の身体能力宿した気なんだよ……」



モバP「まあ身体に何の障害も、後遺症も残ってないのは意外だったな。即日退院出来るってさ」



愛海「そうなの?確かに前より身体の調子は良いみたいだけど」



モバP「で、お前はあの身体能力引き出せるか?」



愛海「ん、無理みたい。元々持ってなかった様な感じさえする」



モバP「そうか。なんと言うか、力と一緒に身体の悪いもん全部引き取ったみたいだな」



愛海「……あ」



モバP「やたら過保護と言うか、お節介焼こうとして失敗したと言うか。なんか人間くさい現象だったな」



モバP「……?お前泣いてるのか?」



愛海「あれ、本当だ。やだな、何も悲しいことなんか無いのに」





愛海「ねえプロデューサー」



愛海「あたし頑張るよ。トップアイドルになれるように。そしてお山の第一人者と認めてもらえるように!」



モバP「ここまでみんなに迷惑かけといて、そこは譲らんのか。いや、煽ったけどさ……」



愛海「うひひ。譲るわけないじゃん?」



愛海「だからこれからもあたしのこと見ててよね?」



終?





愛海「ところでなんでぼろぼろなの?」



モバP「今さら触れるのか……」



モバP「いや、お前が危ない橋渡ろうとしたのに、むしろ煽ったじゃん?だから大人組にめっちゃ怒られた」



モバP「あとアイドル達は今回だけ許すってさ。次は無いって」



愛海「え、やった!ラッキー!」



モバP「アイドル達は、な」



愛海「……へ?」







ちひろ「…………」



愛海「え、と。ちひろさん?笑顔だけど目が笑ってないよ?」



ちひろ「私は、ただ心配しただけだったのに、無理矢理手込めにされて……!初めてだったのに!」



愛海「な、泣かないでよ!とりあえず落ち着こう?ほら!あの時は力を制御出来なかったと言うか」



モバP「いや、気絶したちひろさんの揉んだだろ」



愛海「こら、プロデューサー!う、うわーっ!」



この後滅茶苦茶説教された







14:30│棟方愛海 
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