2015年09月10日

まゆ「勘違いは罪、ですよねぇ」

【注意】このSSではまゆと美穂に生えています。

男の娘に耐性の無い方は摂取を控えてください。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1441511604







まゆ「おはようございます、Pさん」



P「おはよう、まゆ」



まゆ「今日のお弁当持って来ましたよぉ」



P「いつも悪いわね。まゆの料理はおいしいから、つい頼んでしまうんだけど」



まゆ「まゆが好きでしてることですよ。食べて感想をもらえるともっと上達できますから」



P「ありがとう。お礼はメイクのコツでよかったかしら?」



まゆ「ええ、お願いしますねぇ」



P「まゆも今でも十分上手だと思うけど?」



まゆ「満足したらそこで止まってしまいますよ?」



P「まゆは偉いね」



まゆ「当然のことです♪」





まゆ「(Pさんは仕事一筋なところはありますけど、女性としてのスペックが高いですからねぇ)」



まゆ「(女性としての振る舞いを学ぶにはやっぱり最適です)」



まゆ「(女装を始めてもう四年になりますけど、どうせなら完璧にしたいですから)」



まゆ「(さすがにアイドル事務所だけあってかわいい子はたくさんいますけど、他の子には訊きづらいですし)」



まゆ「(今まで交流は最低限にしていましたからねぇ)」



まゆ「(アイドルの子に女装がバレたらいろいろとお仕舞いですから……)」



まゆ「(その点、Pさんならまだ……致命傷くらいで済みそうですよねぇ)」





美穂「あ、あの……おはようございますっ」



まゆ「あら? 美穂ちゃんでしたか。おはようございます」



P「おはよう。今日はちょっと遅かったね?」



美穂「来てたんですけど……気づいてもらえなくて……」



まゆ「ごめんなさい。Pさんとお話をしていて気づかなかったみたいです」



美穂「あ、い、いえっ! その、もっとゆっくりお話してても大丈夫ですからっ!」



P「それは美穂に悪いでしょう? さてと、あとは時間まで二人で待っててくれるかしら?」



まゆ「うふふ、わかりました」



美穂「それじゃあ、談話室に居ますね」





……………

………







美穂「(まゆちゃんとプロデューサーさん、仲いいな)」



美穂「(……ちょっと良すぎるような気もするけど)」



美穂「(まゆちゃんと組んばっかりだからわからないけど、これがまゆちゃんの普通なのかな?)」



美穂「(もし、もし愛海ちゃんみたいな子だったら……)」



美穂「(じょ、女装がバレちゃう!?)」



美穂「(プロデューサーさんが女の子って勘違いしてスカウトされて、誤解を解かないのはちひろさんに脅さ……言われてのこととはいえ、プロデューサーさんとまゆちゃんを騙してるわけだし……)」



美穂「(どんなことからバレちゃうかわからないから、しっかりしよう!)」





美穂「あれ? まゆちゃん、そんなにじっと見つめてどうしたの?」



まゆ「……美穂ちゃんは肌が綺麗だなぁと思いまして」



美穂「そ、そんなことないよ?」



まゆ「(本当に、嫌になるくらい健康的ですねぇ。やっぱり本物の女の子には敵いませんか……)」



美穂「(まゆちゃんは白くてしみ一つないよ……きっとすっごく丁寧にお手入れしてるんだろうなぁ。女の子って凄い)」



まゆ「(やっぱりハリも違うんでしょうか……どんなことをしたらこんな風に――)」



美穂「ええと……まゆちゃん?」



まゆ「あっ。そ、その、ごめんなさい」



まゆ「(なにをやっているんですか私は! 無意識に触ろうとしてましたよ!? これはどう考えてもアウトです!)」



美穂「(い、いきなり近づいてくるからびっくりしたよぉ……)」





美穂「(たぶんだけど、触ろうとしてたみたいだし……)」



美穂「(でも……まゆちゃんなら、いいかな? 私が触るわけじゃないから)」



美穂「その、私なら、触っても、いいよ?」



まゆ「!?」



まゆ「(まさかのOKですか!? い、いや、でもこれは行っていいところなんでしょうか……こんなにかわいい女の子でしかも年上ですよ? いえ、年下がセーフかと言われたらそっちの方がアウトなんですけど)」



美穂「(まゆちゃん固まっちゃった? やっぱり私なんかじゃダメだよね。よく考えたら女の子に触らせるって、いけないんじゃないかな)」



まゆ「(って美穂ちゃんがなんか落ち込んでますよ。もうここは覚悟を決めてしまった方がいいような気がしないでもないですよどうしましょうか決して疚しい気持はありませんから大丈夫だと思いますし――)」



美穂「あ、あの、やっぱり私なんか――」



まゆ「(ああもう女は度胸です!)お願いします! 美穂ちゃん!」



美穂「はいっ!! ……えっ?」





まゆ「それじゃあ、行きますよ?」



美穂「はい、い、いつでもどうぞっ!」



美穂「(勢いで返事しちゃったけど、これはやっぱり恥ずかしいよぉ)」



まゆ「まずは指先だけですから」



美穂「ひゃっ」



まゆ「だ、大丈夫ですかぁ?」



美穂「ちょ、ちょっとびっくりしただけですから。もう大丈夫です!」



まゆ「そうですか……それならいいんですかど」





まゆ「(ちょっと触っただけでなめらかで吸い付いて押し返してきてなんですかこれは)」



美穂「(女の子に触られた女の子に触られた女の子に触られた女の子に触られた)」



まゆ「美穂ちゃん、顔真っ赤になってますよ?」



美穂「大丈夫ですから! 続けていいですよ?」



まゆ「ではもう一度……」



美穂「(もうなんで催促するようなことを言っちゃうかな私は! 全然嫌じゃないけど自分からそんなこと……)」



まゆ「(やっぱり羨ましいですねぇ……今更ですけど、美穂ちゃんに触れてるんですよね……す、すぐやめるのも不自然でしょうか)」



美穂「…………」



まゆ「…………」



「「(き、気まずい……)」」





美穂「(近くに居るとわかるけど、まゆちゃんいい匂いだなぁ)」



まゆ「美穂ちゃん? どうかしましたか?」



美穂「へ? 特に何も……」



まゆ「もしかして、臭いますか?」



美穂「そんなことないよ! いい匂いだなぁって思ってたから、たぶん無意識で……」



美穂「(ってこれじゃあ私変態みたいだよ……うぅ……)」



まゆ「それはよかったです。少し香水つけてますけど、悪くないみたいで安心しました」



美穂「私は香水のことはあまりわからないけど、ほんとうにいい匂いだからね?」



まゆ「うふふ、ありがとうございます。美穂ちゃんもお日様みたいないい香りがしますよ」



美穂「あ、ありがとう……」



美穂「(そ、そうなのかなぁ。自分じゃわからないけど、まゆちゃんに不快な思いはさせてないんだよね。よかったぁ)」



美穂「(それにしても、香水かぁ。まゆちゃんはセンスがいいな。まゆちゃんにぴったりでずっと嗅いでいたいくら……ってダメダメ! そんなことしちゃ)」



まゆ「(美穂ちゃん何もしていないのにあんないい匂いがするってことですか?)」



美穂「(女の子の匂いは危険だよ。変態にはならないようにしないと)」



まゆ「(これが天然と養殖の差ですかぁ……もっと努力しないといけませんねぇ)」



美穂「(それに、私もそういうところに気を使わないといけないよね)」



「「はぁ……」」





……………

………







まゆ「美穂ちゃん、レッスンお疲れ様です」



美穂「つ、疲れたぁ……私、ダンスレッスンはあまり得意じゃなくて……」



まゆ「まゆもですよぉ。体を動かすよりは撮影したり歌ったりしていた方が楽です」



美穂「早く着替えて帰りたいね」



まゆ「ええ、そう、です……ね……」



まゆ「(どうしましょう、着替えのことを考えていませんでした)」



美穂「(更衣室ってここしかなかったはずだよね……?)」



「「(つまり、女の子と同じ部屋で着替え――!?)」」





まゆ「(マズいですよぉ。前の事務所では社長がある意味女装的に同類でしたし、こういうところに気を使う必要は……と言っても仕方がないですね。今回は完全に私のミスです)」



美穂「(こ、こんなことになるなんて……女装なんてやっぱり無理がありますよちひろさん)」



まゆ「み、美穂ちゃんはすぐ着替えますか?」



美穂「ひゃい? え、と、その、まゆちゃんは?」



まゆ「ほら、飲み物買ってきたりしないのかなと思いまして」



美穂「わ、私は今はあってもなくてもいい、かな?」



まゆ「(美穂ちゃんが外に出たらその隙に着替えてしまおうかと思いましたが……)」



美穂「(そういえば、この後また別のレッスンの着替えでここを使うんだよね?)」



まゆ「(逆に私が外に出て美穂ちゃんに着替えてもらったらその子達と一緒になってしまいますねぇ)」



美穂「(もう時間に余裕はないし……)」



まゆ「(美穂ちゃんは出て行く気配がないですし……)」



「「(やっぱり、今ここで着替えるしか……)」」





まゆ「時間もありませんし、早く着替えてしまいましょうか」



美穂「そ、そうだね! そ、その! 絶対絶対こっち見ないでね!?」



美穂「(い、言っちゃった! そんなにキツい言い方しなくてもいいのに私のバカ!)」



まゆ「わかりましたよ。まゆも恥ずかしいですから、お互いに反対を向いて着替えましょうか」



美穂「まゆちゃん……!」



まゆ「(やりました。互いに相手の着替えを見ないという約束をできました)」



美穂「(よかった……これで見られることもないよ)」



まゆ「(もっと大きな危険が目の前にあったとはいえ、女の子と同じ部屋で着替えるのもいけませんよね)」



美穂「(後ろから衣擦れの音がする……自分がどんどん取り返しのつかない方に行ってるきがするよぉ……)」



まゆ「(それにしても、無言が辛いですねぇ……後ろで美穂ちゃんが着替えていると余計に)」



美穂「(こんなこと考えてちゃダメ! 色々と自重しないと!)」



まゆ「(意識しないようにすると余計に気になりますけど、もうどうしようもないですね……)」



美穂「(煩悩退散煩悩退散かしこみかしこみ〜みそぎはらえ……続きなんだっけ?)」





……………

………







愛海「ま・ゆ・ちゃーん! ……あれ?」



まゆ「どうかしましたか? 愛海ちゃん?」





愛海「みっほちゃーん! ……ちっ」



美穂「愛海ちゃん、何か用かな?」





愛海「もう! 二人ともガード固すぎ! なんでそんなに厳重なの?」



まゆ「ええと……」



美穂「あはは……」



まゆ「(なんでってそんなの決まってます)」



美穂「(これだけは、愛海ちゃんからだけは死守しなきゃ)」



「「(バレたら死ぬ、社会的に……!)」」



愛海「どうしたの? 二人とも?」





……………

………







美穂「まゆちゃん、何を食べてるの?」



まゆ「ちょっと高いアイスが新発売したので買ってきたんですよ」



美穂「いいなぁ、おいしそう」



まゆ「よかったら美穂ちゃんも食べますか? スプーンどうぞ」



美穂「ありがと……あれ?」



まゆ「あっ」



美穂「(自然な流れだったけどこれって……)」



まゆ「(何普通に私スプーンを美穂ちゃんに渡してるんですか! 最近慣れてきたからって気が緩んでますよ私!)」



美穂「(ど、どどどどどどうしよう! 女の子のスプーンで食べるなんてそんなことしちゃダメだよ!)」



まゆ「(ほら、美穂ちゃん困ってるじゃないですか。女の子同士でもこの反応なのに、私のなんかじゃもっといけないじゃないですか。私がよくっても美穂ちゃんはダメですって)」



美穂「(ええと、私がこのスプーンを使うのが問題なんだから……別に私は構わない――じゃなくって!)」



美穂「とりあえず、スプーン洗ってきますね?」



まゆ「ええ、そうしてください」



まゆ「(美穂ちゃんナイスです。これで問題はなくなりました)」





まゆ「(――と、思ってたんですけどねぇ)」



美穂「(スプーンだけ洗っても、アイスはまゆちゃんの食べかけだよ……)」



まゆ「(食べかけですけど、私から勧めたのに今更やっぱりだめって言うのも不自然ですし……)」



美穂「(これ、やっぱりダメだよね? でも、スプーン洗ってきたのに食べなかったらまゆちゃんに失礼だし……)」



まゆ「(不自然じゃない止める理由が思いつかない)」



美穂「(あんまり時間かけるのも変だし……アイスが溶けちゃう。私が意識しなければいいんだよね。よし)」



美穂「はむっ」



まゆ「あっ」



美穂「(うぅ、私、女の子の食べかけを……)」



まゆ「(女の子に私の食べかけを……)」



美穂「おいしい……」



まゆ「それはよかったです」



美穂「(こ、これはこれで……)」



まゆ「(よかったんですかねぇ……)」





……………

………







まゆ「美穂ちゃん?」



美穂「……んぅ」



まゆ「(寝てたんですか。いつものくまのぬいぐるみを抱き締めて……)」



まゆ「隣、座りますよ?」



まゆ「美穂ちゃん、かわいいですよねぇ……寝顔をこっそり見るのは罪悪感がありますけど」



美穂「ふにゃ……?」



まゆ「ってくまが足元に落ちましたよ」



まゆ「(くまがいなくなってなんだか寂しそうですし、戻してあげましょうか)」



まゆ「(ここからだと、屈めば取れそうですね)」



美穂「んー」



まゆ「み、美穂ちゃん? 何をしてるんですか?」



まゆ「(確かにぬいぐるみを取るために屈んで美穂ちゃんの膝に頭を近づけましたけど、そのまま膝枕されるなんて思わないじゃないですか!)」



美穂「……ふふ」



まゆ「(やわらかい……すごく安心します、じゃなくて)」



まゆ「(美穂ちゃんは満足そうですけど、これはいけませんよねぇ……特に美穂ちゃんが起きたときにどうなるか)」





まゆ「(早めに逃げてしまいましょう。頭を上げれば――)ふぐっ!」



美穂「むー……」



まゆ「(く、首を掴んで戻さなくてもいいじゃないですか。というか美穂ちゃん意外と力強いですね。外せませんよ)」



まゆ「(あ、力が緩みましたね。もう一回――)はぐっ」



美穂「ふ……」



まゆ「(どうしても逃げられないんですかこれ)」



まゆ「(ずっとこうしてたら緊張で疲れますよぉ。下手に動いて起こすともっと状況が悪化しそうですし、起きるのを待つしかありませんか)」



まゆ「(どうなるんでしょう……)」





美穂「あ、あれ? 私寝てたのかな……?」



美穂「確かプロデューサーさんを抱いて……えっ?」



美穂「(なぜかまゆちゃんを膝枕していました。気持よさそうに寝てるんだけど)」



美穂「お、終わった……」



美穂「(寝てる間に何があったかわからないけど、胸が偽者だってバレてなくてもこの位置関係は存在してるだけでアウトだよ!)」



美穂「(特に今は……寝起きはダメだってば! 顔がこっち向いてるし、も、もしここでまゆちゃんが起きちゃったら……)」



まゆ「あらぁ? おはよう、ございます……?」



美穂「(お、おおお、お、終わったぁー! もうどうやっても誤魔化せないよこれ!)」





まゆ「……? なんで美穂ちゃんがそんなところにいるんですかぁ……?」



美穂「え、えっとね、怒らないで聞いてほしいんだけど、起きたらまゆちゃんに膝枕してて……」



美穂「本当にごめんね? 私なんかとこんなことになって……」



まゆ「なんで謝るんですかぁ? 美穂ちゃんの膝は気持いいですよぉ……?」



まゆ「本当は私が女の子にこんなことしちゃいけませんけどねぇ……」



美穂「(ほっぺを擦り付けないでぇ……って、女の子に?)」



美穂「(もしかして、まゆちゃん寝ぼけてる? ……だとしたら、まだバレてないかも)」



美穂「まゆちゃん、とりあえず起きて」



まゆ「ん……はぁい」



美穂「そのまま顔を洗ってきたらどうかな? しっかり目が覚めると思うよ?」



まゆ「わかりましたぁ。行ってきますねぇ」



美穂「(これは……大丈夫だったん、だよね?)」



まゆ「(あのまま寝てしまいましたか……美穂ちゃんに変なことしてないですよね? 反応を見る限り大丈夫そうですけど……)」



美穂「(まゆちゃんの寝顔、かわいかったな……ってダメダメ、油断しちゃ)」



まゆ「(美穂ちゃんの膝枕気持ちよかったです。もうこんなことあってはならないですけど。ざ、残念じゃないですよぉ?)」





……………

………







P「秋月涼、か……」



まゆ「……どうしたんですかぁ? 他の事務所の子の名前を呟いて」



P「女装してアイドルをしてた子もいたんだって思ってね。凄いわよね、これは騙されるわ」



まゆ「そうでしたかぁ。確かにかわいいし声も綺麗ですね」



P「性別を誤魔化せたってことは、化粧も上手かしら? まゆも参考になるんじゃない?」



まゆ「(え? ……ええと、どういう、ことですかぁ? なんですかそのちょっと意味深な訊き方。これはまだ一般的に女の子としてメイクを参考にしろってことですよね?)」



まゆ「……そうですねぇ、実際に直接見てみないことにはなんとも言えませんけど」



P「あ、この子ほとんど素で女の子みたいに見えるらしいわ。じゃあ、参考になるのは美穂の方?」



美穂「(えええええなんでこっちに来るんですか!? 参考にって言われたって、女の子の立場では天然で女の子みたいな男から教わることなんて……でも私の場合は……でも)」



美穂「な、なにもしなくてもそんなにかわいいって、羨ましいけど真似はできません、よ?」



P「それもそうね。それにしても、女装してアイドルをするなんてよく考えたものよね。普通だったらネタ枠なのに」



まゆ「そ、そうですよねぇ」



まゆ「(この流れは嫌な予感がしますよ)」



美穂「ほ、ほほほんとうにそうですよ!」



美穂「(もうこの話題やめてー!)」





P「女装してアイドルをしているとき、更衣室とかってどうしてたのかしら。こんな子だったら気づかずに同じ部屋で着替えてたりもしそうよね」



まゆ「(胃が、胃が痛いです)」



美穂「(ごめんなさいごめんなさいごめんなさい)」



まゆ「い、一応同じ部屋にならないようにするんじゃないですか? もしそうなったとしても自分で他のところに行って着替えればいいですし」



まゆ「(この事務所はそんなことしてくれませんでしたけど!)」



P「そうよね、上の方は知ってるし対策もしてあるか」



まゆ「そ、そうですよぉ。そもそも女装してアイドルをする人なんて何人もいないと思いますし」



美穂「そ、そ、そうです! 自分から女装してアイドルになるなんてそんなのド変態です!」



まゆ「(え、やっぱり自分からしちゃったらアウトですか? 美穂ちゃん的にはドのつく変態なんですか?)」



まゆ「え、ええ、もう女装をする時点で手遅れというか、戻れないところまで行ってますよね。引きますよぉ」



美穂「(無理矢理やらされてもダメなの!?  引かれるの!? 確かに最近は慣れてきたけど……)」



美穂「こんな女装アイドルをする人なんて普通はいませんよ。例外中の例外です!」



美穂「(例外の二人目がここにいるよ……私だよ……)」



まゆ「十代半ばで女装に目覚めるなんて、普通はありえないことですから」



まゆ「(私は数年前からしてますけどねぇ……)」



美穂「(ああ、どんどん墓穴を掘ってる気がする……)」



まゆ「(これは絶対にバレるわけには……)」





P「そうそう、新しい仕事の話をしようと思ってたの。次は水着を着てもらおうと思ってるんだけど」



まゆ「(水着、ですか? 水着ってあの布の面積が極端に小さいあれですか?)」



美穂「(水着……? 水着って隠すところの少ないあの?)」



P「この女装してた子はこういうときはどうしてたんだろうってふと思って話題に――ってどうしたの? そんなに嫌だった?」



まゆ「その、やっぱり水着は……」



美穂「は、恥ずかしいというか……」



P「でも、アイドルをやってくからにはこういう仕事もすることあるわよ? 今回は際どい物でもないし、慣れるためと思ってやれば」



まゆ「(いやいやいやいや、そんなことしたら色々と隠しているものが隠せなくなるじゃないですか)」



美穂「(どうしようどうしようも、もしビキニだったら……)」



P「そんなに絶望したような表情しなくてもいいじゃない」





ちひろ「プロデューサーさん? どうかしましたか?」



P「ちひろさん。水着の仕事の説明をしていたんですけど、まゆと美穂がとても嫌がってまして」



ちひろ「あー……そうなりますよね。それじゃあ、私と個別で面談しましょうか? どんな水着を着るかとか、このお仕事に向けて色々と打ち合わせが必要でしょうし」



P「そんないきなり……」



ちひろ「いいんですよ、必要なことですから……ね?」



P「はぁ……わかりました」



ちひろ「まゆちゃんと美穂ちゃんもそれでいいですよね?」



「「ぜひお願いします!」」



ちひろ「それじゃあ、まずはまゆちゃんから」



まゆ「はぁい」



まゆ「(ちひろさんが入ってきてくれて助かりました。本当に危ないところでした)」



美穂「(た、助かったぁ……ちひろさんありがとうございます)」



ちひろ「(そりゃあこんなに面白くてかわいい子たちに女装をやめさせるなんてありえませんよ。見てるだけで楽い上に利益が出るんですから)」



ちひろ「これからも頑張りましょうね?」



「「はい!」」



おわり



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