2015年09月12日

静香「眺めるだけなんて嫌」

中野ライブのネタバレありです

中野ライブとは少し違う部分があるかもしれません



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402233950



トレーナー「それじゃあ少し休憩にしましょうか」





静香「……ふぅ…」



未来「静香ちゃん、お疲れ〜。いやーレッスンキツいね…」



静香「未来もお疲れ様。レッスンがキツいのは仕方ないわよ、なんてったって先輩方がいない、私たちだけのライブだもの」



未来「うぅ、そう言われると今から緊張が…」



静香「まだ三週間はあるのよ、毎日しっかりとやってればだいじょ…ケホッ」



未来「静香ちゃん、大丈夫?はい飲み物」



静香「ありがとう、未来。…っはぁ、生き返るわ…」

未来「ちゃんと体には気をつけてよね?」



静香「分かってるわよ。それにしても…本当に私たちが二日も出ていいのかしら…未来たちはともかく、私はもっと適任なのがいたような…」



未来「何言ってるの静香ちゃん!プロデューサーさん直々のご指名なんだからもっと胸を張って!…あ、ごめん、静香ちゃんあまり胸が」



静香「っ!!なんの話してるのよ!」



未来「でへへ、ごめんなさ〜い♪」



静香「こらっ、笑いながら逃げるなっ!」





翼「未来も静香も元気だね〜。私はもうヘトヘトだよ…」



星梨花「お二人とも体力ありますね…私なんてまだまだですねっ」



翼「でも一番心配なのは…」



杏奈「…すやぁ…」



翼「杏奈〜、いくら休憩だからって寝ちゃダメだよ〜」ユサユサ



星梨花「杏奈さんの曲、休むところ少ないですもんね…」

トレーナー「今日はここまで。明日から各日の子と一緒に合わせるからね」



五人『ありがとうございました!!』



翼「静香〜。このあとみんなでファミレスで食べて行くんだけど一緒にどう?」



静香「ごめんなさい、この後プロデューサーと個人でボーカルレッスン付き合ってもらうから今日は無理ね」



翼「プロデューサーさんと二人っきり!?ヒューヒュー静香やるぅ〜」



静香「ちょっ、そんな意味じゃないから!」



P「…お前ら何話してるんだ」



静香「プロデューサー!?いつからそこにいたんですか!?」



P「お前がすぐやりたいって言ってたからレッスン終わる頃にはいたよ」

静香「べ、別にそういう変な意味でじゃなくてあの!」



翼「照れてる静香かっわいい〜♪」



静香「照れてなんかない!」



P「あー、翼。もう三人とも外で待ってるっぽいぞ」



翼「え?そうだった、先に外で待ってるように言ってたんだった!それじゃあねプロデューサーさん、静香!」





静香「…助かりました」



P「いやいや、いいってことよ。それじゃあ早速始めるか」



静香「はい!私、ライブ成功させたいので、今日も厳しくお願いします!」

静香「〜〜〜♪」



静香(よし、ちゃんと前に指摘されたところはできた!)



静香「〜〜〜ッ♪」



静香(あれ…なんか喉が…)



P「ん、ちょっとストップ。今のところ、少し変だったぞ。いつもならできてるところじゃないか」



静香「私もそう思いました。…喉がちょっと変な感じがします…」



P「…今日はここまでにしとくか。残ってやるのはいいがそれで喉を壊しちゃ元も子もないからな」



静香「…はい。ありがとうございました」





P「ほら、これ飲みな」



静香「え?あちっ…ホットレモン?」



P「俺の奢り、遠慮しないで飲んでいいぞ。それと、少しの間個人レッスンはやめにしておこう」



静香「そんな…!でも私は」



P「大丈夫、お前なら、みんななら絶対成功できるから。信じろ」ポンポン



静香「…ありがとうございます」

−−ライブ二週間前

トレーナー「…うん、いい感じよ!この調子ならライブまでに完成できるから頑張っていきましょう!」



未来「やったー!トレーナーさんからもOKもらったよ静香ちゃん!」



静香「まだ完璧じゃないでしょう?…でも、ここは素直に喜ぶところね♪」



エミリー「皆さんの足を引っ張らないか心配でしたが、杞憂であってよかったです」



静香「何言ってるの、エミリーのダンスには助けられっぱなしよ。ステップを教えてくれたこともあったし、ありがとう」



エミリー「そんな…静香さんこそ、私に歌を教えてくださってありがとうございました」



静香「ふふっ、また何かあったらお互い助け合いましょうね…んんっ」



琴葉「静香、まだ喉治ってないの?」



静香「…平気です。あと2,3日すれば治ると思います」

P「みんなー、差し入れ持ってきたぞー。栄養満点俺も愛用しているスパークドリンクだ」



恵美「やったドリンク〜!ってスパドリか〜、美味しいし元気出るけどなんか危ない感じするんだよね」



静香「でも…ゴホッ、プロデューサーさんが折角…ケホッ、持ってゴホッゴホッ!」



P「お、おい静香大丈夫か!?咳ひどいぞ!」



静香「い…え、大丈…ゲホッゴホゴホ!」ハーハー



琴葉「ちょっと、全然大丈夫じゃないのよ!亜利沙、水持ってきて!志保はタオル!」



亜利沙「わ、分かりました!志保ちゃん、タオルはこれ使ってください!」



志保「分かりました!静香、大丈夫?」



エミリー「静香さん落ち着いてください!」



P「まさか先週の喉のやつが…静香、お前病院とかは」



静香「……行ってない、です…」



P「バカ、少しでも調子悪かったらちゃんと行けよ…。まあ今怒っても仕方ない、少し落ち着いたら病院に連れて行くよ」



静香「…ごめんなさい…ケホッ」



未来「静香ちゃん…」

−−翌日

ガチャ

未来「あの!静香ちゃんは結局どうなったんですか!?静香ちゃんにメールしても返信来なくて…」



P「未来、挨拶…いや、それは置いとこう。とりあえずは安心してくれ。ただの喉から来る風邪らしい」



未来「本当に風邪だけなんですか?あんなひどかったのに」



P「そう、ただの風邪なんだ…が、それにしては喉がやられすぎてるんだ。多分少し違和感があっても無理して続けたからだと思う」



未来「…ライブ、参加できますよね…?」



P「勿論本人もそれが望みだし、ファンも静香が出ないのは残念だろう。だから」



ガチャ

静香「…………」



未来「静香ちゃん!大丈夫?のど飴舐める?たくさんどうぞ!」



静香「…………」



未来「静香ちゃん…?」



静香「……」カキカキ



未来「急にメモ書き始めてどうしたの?」



静香『じゃあ、一個だけ』



P「…静香にはなるべく声を出さないよう言ったんだ」

未来「ええっ?本気でやるつもりなんですか?」



静香『私が悪いから、仕方ない』



P「二週間後のライブに向けての調整、みたいなもんか。幸いにも歌はほぼ完璧だから、あとはダンスを練習するだけでいいからな。まああまりにも激しいやつはやらせないけど」



未来「よかったね静香ちゃん…まだ望みはあるんだね」



P「だが喉もひどいから出れる出れないかは半分半分ってところか」



静香『絶対直して見せますから大丈夫です』



P「だそうだ。ライブに向けて本気で治して行くから、未来も協力してくれ」



未来「もちろんですよ!」

未来「はい静香ちゃんお茶!」



静香『ありがとう。ちょっと冷ましてくれるかしら』



未来「任せて!フーッ、フーッ」



静香『水入れてって意味だったんだけど』





未来「どうだった静香ちゃん?今の歌どこか悪いところあった?」



静香『サビの部分が少し遅れてる。あとは大丈夫』



未来「サビのところね、了解!静香ちゃんありがとう!」





未来「静香ちゃん、ここのところなんだけど…」



静香「…………」スラスラ



未来「へぇ、ここはこの公式使うんだ!流石静香ちゃん!」





P「お前が静香に助けられてるじゃないか」



未来「あれれ、おかしいなあ〜…」

美奈子「聞いたよ静香ちゃん、大変なことなってるらしいね…」



静香『はい。けど、ライブまでにはしっかり治しますから』



美奈子「約束だよ?それでね、病気を治すには体力が一番大切だから…たっくさん料理作ってきたんだ!」



静香「」



美奈子「もちろん、栄養のバランスもしっかり考えてあるからね♪たくさん食べて、早く元気になってね」



静香『ありがとうございます』



静香(うう、美奈子さんの料理、量がいつもの倍くらいある…。心配してくれてるのはありがたいんだけど、これ食べられるかしら…)

海美「もーがみんっ。喉の調子はどう?」



静香『まだ何とも』



海美「んー、そっかー。早くよくなるといいね…って違う違う、暗くなりに来たんじゃなかった!もがみん、最近体動かしてる?」



静香『いえ、激しい運動すると咳が』



海美「それじゃあ軽いストレッチしよう!体がなまってライブ当日動けないなんて嫌だしね。ほら着替えて着替えて!」



静香『それじゃあジャージ持ってきますね』



海美「もうあるよっ。はいっ、早く着替える!」



静香『待ってくださいって』



静香(海美さん、私が少し落ち込んでるの見てこんな風に振る舞ってくれてるのかな)



海美「はーやーくー!そんなに遅いと私が脱がしちゃうよ〜?」



静香(……なさそう、かな)

−−ライブ一週間前

未来「あれ?今日静香ちゃん来てないね」



志保「さっきプロデューサーと会議室に入ってくのを見たわよ。多分、あの件の話だと思うけど」



亜利沙「いやいや、もしかしたら静香ちゃんとプロデューサーの禁断のムフフが…」



海美「今は大事な時期なんだし、そんなわけないでしょ!」



未来「私、ちょっと見てきます!」





P「…どうだ静香、喉の方は」



静香「…………」



P「…そうか。まだ何日かある、それまでに治そう」



静香『もし治らなかったら?』



P「考えたくはないが…百合子に二日目も出てもらおうと思ってる」



静香『そうですか』



P「……もし、参加できなかったとしてもそれで終わりじゃないんだ。また次頑張ればいいさ」



静香『分かってます』

P「まあ湿っぽい話はここまでにしておこう。まだ参加できないことが決まったわけじゃないんだし」



ガチャ



未来「プロデューサーさん!静香ちゃんはどうなんですか!」



P「…お前なんで…。まあ、他愛のない話しかしてないよ、なあ静香」



静香「……」コクリ



未来「本当ですか?静香ちゃん、大丈夫なの?」



静香「………………」コクリ



P「だってさ。ほら、レッスンサボってるアイドルにはプロデューサーチョップかましちゃうぞー」



未来「うぅ、あの地味に痛いプロデューサーチョップは嫌だなぁ…」



P「それじゃあ静香、あとは家でゆっくり休んでくれ。また何かあったら連絡を」



静香『分かりました』



未来「…………」

未来「ただいま戻りました〜…」



星梨花「おかえりなさい。あの、どうでしたか…?」



未来「プロデューサーさんと静香ちゃんは大丈夫だって言ってたけど…ううん、私には分からないよ…」



琴葉「考えても仕方ないわよ。今は一週間後に迫るライブのことを考えましょう」



未来「でも、ライブのこと考えると静香ちゃんのことも…」



翼「私たちがどうこうできる問題じゃないよ。今は静香を信じて頑張って行くしかないよ」



杏奈「杏奈も…そう、思う…。静香ちゃんなら…大丈夫…だと思う」



恵美「そそ。友達は信じてなんぼだよ、未来」



未来「…そうですよね、静香ちゃんなら大丈夫ですよね。よーし、来週のライブに向けて突っ走るぞー!」



\おー!!/





静香「…………」

−−ライブ三日前

未来「あと3日でライブ〜♪」



可奈「キンチョーキンチョーキン○ョールー♪」



未来「全然緊張してなさそうじゃん、可奈♪」



可奈「えへ。今から楽しみでしょうがないよ〜。早くみんなの前で歌いたいなー」



未来「実は私も…あっ、ケータイ忘れてきちゃった、ちょっと取ってくるね」



可奈「りょーかいりょーかいりょーかいかーい♪」





未来「確か休憩室で少しメールしてからレッスン行ったから、休憩室にあるはずだよね」



『……メ…ったか…』



未来「ん?この部屋誰か使ってるのかな」



『前も言ったけど、あまり落ち込むな…って言う方が難しいか…』



未来「この声、プロデューサーさん?誰と話してるんだろう」

『お前が誰よりも頑張ってたのは俺が一番知ってる。だからこそ、俺も悔しいんだ』



未来「……これって」



『けどこれで終わりってわけじゃない。この悔しさをバネに次は…なんて綺麗事すぎるか。これ以上ないまでに努力したもんな、静香』



『…この三日、辛かっただろ。ライブの日は迫ってくるのに歌えるまでに喉が治らないなんて。もういい、あとは仲間を信じてゆっくり休め…。俺から言えるのは、こんなことしかない…すまん」



『……そこで聞いてるんだろ。未来か?翼か?』



未来「…!」



『未…来…?』



ガチャ

未来「でへへ…ばれちゃいました?」



P「何か人の気配がしてな。…それじゃあ俺はこれで失礼するよ」

未来「……静香ちゃん、もう声出しても平気なの?」



静香「…少しなら」



未来「そっか……あの…えっと…」



静香「今の、聞いてたでしょう?」



未来「…ごめんね。盗み聞きするつもりなんてなかったんだ」



静香「いいのよ。三日後のライブ、私は…出ないことにしたわ」



未来「そんな…」



静香「出たところで酷い歌しかできないわ。それならいっそ」



未来「静香ちゃんの歌は酷くなんかないよ!」



静香「…ごめんなさい、もう行くわ。ライブ頑張ってね、未来」





未来「………なんでこんな…」



P「終わったか」



未来「プロデューサーさん…」



P「少し話がある。もちろん、静香のことでだ」

−−ライブ二日前

P「…みんな、聞いてくれ。明後日からのライブのことなんだが」



星梨花「あのっ、静香さんは…」



P「残念ながら両日参加できない。喉がまだ完全に治ってないし、何より本人が無理だと言って聞かないんだ」



翼「そんなぁ……だって静香、一番頑張ってたのに…」



杏奈「…グスッ……静香ちゃん…」



奈緒「またまた〜、冗談キツすぎますよプロデューサーさん!……冗談ですよね?」



美奈子「ま、まだ一日あります!だから静香ちゃんの歌は残してください!」



P「未来には話したんだが、実際には喉の問題はセットリストを変えればカバーはできるまでによくはなってるんだ」



星梨花「それじゃあ何に問題が…」



P「俺の推測だが、恐らく迷惑だと思ってるんだろう。何か静香がライブに出たくなるようなことがあれば可能性は…」



百合子「そ、それではうどん!うどんを会場のみんなで食べれば匂いに誘われて静香ちゃんが」



P「百合子、落ち着け。お前が必死に絞り出してくれたのは分かるが明らかに無理だ」

まつり「仕方ないのです。静香ちゃんが決めたなら、まつりたちにできることはないのです」



ジュリア「そうだな…。出れない静香のためにも、ライブを成功させるしかないな」



美奈子「そんな…!二人とも悔しくないの!?仲間が出られないのをはいそうですかで済ませられるの!?」



ジュリア「あたしだって嫌に決まってるだろ!!!」



まつり「ジュリアちゃん、落ち着くのです。…まつりだって、悔しいです。一緒に頑張ってきたのに、ファンのみんなにその頑張りが伝えられないなんて…」



可奈「…私ね、静香ちゃんによく練習付き合ってもらったんだ。いつも『可奈の歌は可奈にしかない魅力がある。可奈の最高の歌を私も、みんなも聞きたい』って何度も応援してくれて…」



可奈「だから私、静香ちゃんのためにもライブ頑張りたいんです!ここで立ち止まったら、静香ちゃんに申し訳ないから!」



奈緒「可奈…でも…私は静香と一緒に…」

未来「ねぇみんな。私から一つ案があるんだけど…」



翼「案?静香が自分からステージに立ちたくなるような?」



未来「ううん。全くそういうのとは関係なく、私がしたいことなんだけどね−−」

−−ライブ一日目

静香「…9時、か…」



静香「ライブはそろそろ終わる時間ね…みんなちゃんとできたかしら…」



静香「みんなならできたはずよね。私がいなくても……」



\ホラネーウンメイカンジテルンデショー/



静香「電話…?こんな時間に誰かしら」Pi



『プロデューサーさん!早くして!もう静香ちゃん寝ちゃってるかもしれないから!』



『これでも急いでるから!あ、お疲れ様でした、また明日もよろしくお願いします!』



静香「…未来?」



未来『あ、静香ちゃん?今から静香ちゃんの家行くからまだ起きててね!』



静香「今から!?なんでまた急に…」



未来『いいからいいから!じゃあ着きそうになったらまた電話するね!それじゃあ!』Pi



静香「…なんなのよ、もう」

静香「そろそろ着くから外で待っててって言ってたけど…あ、あの車かしら」





未来「静香ちゃーん!」



静香「ちょっ、夜なんだから少し声小さくして!」



未来「でへへ、ごめんなさーい」



静香「…ライブ、お疲れ様。どうだった?」



未来「ふっふっふっ、そのことなんだけどね〜」

未来「じゃん!ビデオカメラー!」



静香「ビデオカメラ?」



未来「プロデューサーに頼んで撮ってもらったんだ♪これ見れば全部分かるよ!」



静香「………」



未来「…やっぱり、見たくないよね…」



静香「…ごめんなさい」



未来「でも静香ちゃん、これ最初だけは絶対見てね。ううん、見なくちゃダメだよ」



静香「…絶対?」



未来「うん、絶対」



静香「…はぁ、分かったわ」



未来「やった♪すぐ見るんだよ?それじゃあ…またね!プロデューサーさん、話し終わったよ!」



P「はいはい…。それじゃあ静香、また今度な」



静香「はい、お疲れ様でした」

静香「…やだ…見たくない…」



静香「こんなの見たら…悔しくて泣いちゃうじゃない…」



未来『最初だけは絶対見てね。ううん、見なくちゃダメだよ』



静香「…未来があそこまで言ってたから何かあるのかしら…」Pi





『…間もなく開演の時間となります。お客様は席にお着き下さい』



静香「小鳥さんの声…。最初はThank You!よね。…歌いたかったな…」



〜〜♪



静香「…?この曲って…」



『閉じ込められている 砂の』



静香「私の曲、Precious Grain?CD音源ね…」



静香「すごい…みんな一瞬で青のサイリウム構えてる…」



静香「私はいないのに、今まで以上のコールの大きさ…」

−−−−

静香「…グスッ…ファンのみんな、そこに私がいるみたいに声を出して、サイリウム振ってくれたな…」



『静香ー!ゆっくり休んでてくれー!』

『いつでも待ってるよー!』

『もがみんのところまで声届けるぞおおおお!!』



静香「みんな……!」



未来『皆さん!今日は765シアターハッピーパフォーマンスにご来場いただき!』



『『『ありがとうございました!!』』』



未来『みんなも知ってる通り、今日は静香ちゃんが体調不良で出れませんが…ここに来ています!生霊を飛ばして!』



静香「…ふふっ、生霊なんて…」



未来『この生霊を通して、静香ちゃんにこの会場のみんなの声援を届けたいんです!だからみんな、今日は倒れるまで盛り上げて行きましょうねー!』



静香「倒れちゃダメでしょう…グスッ」



静香「でも声援、届かなかったじゃない……」







静香「…立ちたい…」

−−ライブ二日目

P「よし、みんな集まってくれ。昨日のライブは最高だったと俺は思ってる。そして今日、みんなの顔を見て、最高にライブになると感じた!今はいない静香のためにも、みんな頑張ってくれ!」





静香「待ってください!!」





未来「静香ちゃん…?どうしてここに…」



P「静香…家で休んどけって言っただろ」



静香「これ、医者からです。大分治ってきたので歌っても大丈夫だと言われました」



P「それでもダメだ。別にこれがライブってわけじゃないんだ。次のライブに備えてちゃんと治さなくちゃ」



静香「このライブはこれが最初で最後なんです!眺めるだけなんて嫌なんです!」

静香「昨日未来がくれたライブの様子見ました。最初にPrecious Grainが流れて…私はいないのに、ファンのみんなはコールしてくれて…終わって、『静香、早く元気になってくれ』『ゆっくり休んでね』『静香のところまで声援を届けるぞ』って…」



静香「このステージに立ちたかった人もたくさんいたのに、それでも選ばれたからにはその人たちの想いを背負わなくちゃいかないんです」



静香「このライブは私にとって一番大切な、みんなと作る大好きなライブなんです。お願いしますプロデューサー!私にも出番を…!」



未来「…プロデューサーさん!私からもお願いします!私たち、みんなで一緒にこのステージに立つために頑張ってきたんです、静香ちゃんだってそうなんです!だから…お願いします!私も静香ちゃんと一緒にやりたいんです!!」

志保「…私も、折角みんなでやってきたんだし、一人でも抜けるのは嫌、かな」



恵美「グスッ…あたしも静香と、みんなと一緒にライブやりたいよぉ…」



エミリー「仕掛け人さま、皆さん今まで静香さんと足を揃えて頑張ってきました。最後だけ静香さんがいないのは、心残りがあります…」



琴葉「確かに先のことを考えたら今は休んでもらうのが一番です。…けど、私も、静香と一緒にステージに立ちたい!」



海美「そうだよプロデューサー!静香ちゃんが決心して来たのにそれをダメだなんて…!」



亜利沙「ファンのみんなも静香ちゃんがいるミリオンスターズのステージを見たいと思ってます!亜利沙たちもみんな同じです、静香ちゃんがいるミリオンスターズでライブがしたいんです!」





奈緒「みんなの言う通りや、プロデューサーさん!」

P「え?お前ら、なんでここに」



奈緒「昨日の興奮が収まらなくてスタッフに無理言って来てしまいました!それに静香復活やろ?来るしかないやん!」



美奈子「みんなに差し入れ、作って来たよ!もちろん静香ちゃんの分も!あ、でもそんなに量は多くしてないから心配しないでね!」



ジュリア「二日目組の歌が聞きたくてね!静香、ここまで来たらもうあとは歌って踊るだけだ!期待してるぜ!」



可奈「静香ちゃんに応援してもらったから、昨日は私ちゃんと歌えたよ。だから今度は私が応援する番!いっけいっけ静香〜♪静かな口を広げて〜♪」



まつり「静香ちゃん、少しのミスもファンは気にしないのです。ファンを、みんなを信じて頑張って!…なのです」



百合子「私、静香ちゃんの代役で今日出ることになったけど…。昨日一緒に出れなかった分、今日一緒に楽しもうね!」



静香「みんな……」

P「…本気なんだな?」



静香「はい!生半可な気持ちでここに来るはずがありません!」



P「よく言った!衣装とメイク、すぐにしてもらってこい。セットリストはこのこっちで調整しておこう。…最初の曲は静香、お前のソロで行く」



静香「私のソロ…Precious Grainですね」



P「ああ。喉のことも考えて歌う曲は減らさせてもらうがそれでもいいな」



静香「はい!」





静香「ありがとうね、未来。あなたのお陰で、ステージに立ちたいって思えたわ」



未来「そんは、私はただ未来ちゃんにステージの声援を見てもらいたかっただけだよ」



静香「…生霊通じては伝わらなかったじゃない」



未来「あ、やっぱり?でへへ…」



静香「だから、直接聞きに来た。ここなら確実に、直で感じられる」



未来「うん…そうだよね!それがステージだもん!」



P「静香、そろそろだ。行けるな?」



静香「それを聞くのはナンセンスですよ、プロデューサー」



P「ふっ、悪かったな」

杏奈「静香ちゃん!ビビっと楽しいライブをしてきてね!…杏奈、ずっと応援してるから!」



静香「私も、杏奈がステージに立つ時はずっと応援するわ!」



翼「静香、ファンのみんなをたっくさん驚かせてきちゃえ〜!」



静香「言われなくても、ファンのみんなには感謝を込めて驚かせてくるわよ!」



星梨花「静香さんと未来さんとU・N・M・E・I ライブが歌えるのが本当に嬉しいです!静香さん、帰ってきてくれてありがとうございますっ」



静香「私の方こそ、そう言ってもらえて嬉しいわ。ありがとう星梨花。一日目歌えなかった分、今日を楽しみましょう!」



未来「静香ちゃん!……うう、涙が…」



静香「もう、未来ったら…。未来には本当に助けてもらってばかりね。いつもありがとう」



未来「そ、そんなこと言われたらもっと泣いちゃうよ〜!」



静香「まったく…貰い泣きしそうになるじゃない…。それじゃあ、行ってきます!」

小鳥『大変長らくお待たせました!765シアターハッピーパフォーマンス、二日目開演です!早速ですが、一曲目に行きたいと思います、がその前に…。一曲目を歌う子から、お話がございます。それではどうぞ』



静香「スゥ…皆さん!ただいま戻りました! 最上静香です!」





『静香ちゃんおかえりー!!』

『待ってたよー!』

『うわああああああああもがみんんんんんんんんんんん!!!!』



静香「昨日のステージの声援、ちゃんと私に届きました!まだ本調子でなく、元々歌う曲も予定してたより少なくなってしまいましたが…昨日の分まで全力を出したいと思います!」



静香「すごく短いですが、前振りはここまでにしましょう!私も早くこの最高のステージで歌って踊りたいです!」





静香「それでは聞いて下さい!最上静香で、Precious Grain!」





終わり



12:30│最上静香 
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