2015年09月14日

凛「え?彼氏?」未央「うん」

凛「何でそんな話?」



未央「いや、最近なんだけどね」



凛「うん」





未央「彼氏が出来たー彼女が出来たーデートしたーって話題で持ちきりなんだよね。ウチのクラス」



凛「うん」



未央「で、まあ…」



凛「…」



未央「…じゃん?」



凛「誤魔化したね」



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未央「いやー…アイドルは恋愛禁止だからねぇ」



凛「まあ…っていうか今はそういう感じじゃないし」



未央「興味無いの?」



凛「…無いことは、ない…かな」



未央「そういえばさ」



凛「うん」



未央「…いるの?」



凛「察してくれる?」



未央「だって分からないじゃん。しぶりんそういうの普通にいますよみたいな感じ醸し出してるし」



凛「朝5時から犬の散歩して公園で一人ベンチに座ってる人の何処に?」



未央「…そういえば女子校だったよね」



凛「うん」



未央「…」



凛「…」



未央「……え、そっち!?」



凛「引っ叩くよ」

未央「んー…何か、女子校っていうと…何か、ね?」



凛「…じゃあさ、未央は?」



未央「ん?」



凛「どうなわけ?」



未央「いたらこんな話してないよ」



凛「ふーん…」



未央「?」



凛「いや、普通に『彼氏ー!』とか紹介してきそうだったから…」



未央「私そんなキャラじゃないよ!」



凛「何か…普段明るいから、そんな感じかなって…」



未央「恋愛禁止って話の頭に置いといたよね?」



凛「…」



未央「…」



凛「…欲しいの?」



未央「…無いことは、ない…かな」



凛未央「…」

凛「…もし、いるとしたら、だけど…」



未央「ん…」



凛「…誰?」



未央「……美嘉姉?」



凛「あー…」



未央「後は…楓さん…」



凛「うん」



未央「大穴…しまむー」



凛「…意外と…」



未央「…無いか」



凛「無いね」



未央「だってさ、コウノトリが子供を運んでくるって言いそうじゃん」



凛「うん」

凛「…」



未央「…」



凛「…あ」



未央「ん?」



凛「ちひろさん」



未央「あ」



凛「アイドルじゃないし、それに美人だし…」



未央「あー…」



凛「プライベートとか分かんないし」



未央「分かる」



凛「…」



未央「…プロデューサー…?」



凛「…無いことは、ない」



未央「…うーん…プロデューサーか…なあ…」



凛「…」



未央「…」



凛「…私達が、レッスンで疲れて帰った後」



未央「二人で何処かへ消えてゆく」



凛「…それは、何か腹立つね」



未央「うん」

凛「でもさ」



未央「うん」



凛「プロデューサーって、いつも夜遅くまで仕事してない?」



未央「そだね」



凛「…」



未央「…」



凛「…無い、か」



未央「無いね」

凛「…トライアドプリムス」



未央「ん」



凛「…どう思う?」



未央「んー…まあ、決まったことだし、ねぇ」



凛「…無責任って、思ってない?」



未央「何で?」



凛「…あの、あっちに行ったりこっちに行ったりで…」



未央「…当事者じゃないと分からない事もあるよ」



凛「未央…」



未央「ってプロデューサーが言ってたからさ」



凛「あ…」



未央「だからほら、私もソロ活動始めたんだよ」



凛「…そうだったね」



未央「しまむーも最近は美穂ちゃんとユニット組んだって言ってたしさ」



凛「…」



未央「…」



凛「…」



未央「…そんな簡単にバラバラになるようなユニットじゃないよ。ニュージェネレーションズは」



凛「…うん。ありがとう」



未央「へへー」

凛「…もし、だよ?」



未央「うん」



凛「…彼氏出来たってなったら、どうする?」



未央「うぇっ!?」



凛「いや仮にだからね?」



未央「…んー…正直に、言う…のかなあ…」



凛「…」



未央「…プロデューサーは、どう思うかな…」



凛「…」



未央「…」



武内P『………………………』



凛「…無言で、立ち去って…」



未央「…」



武内P『………………………』



凛「無言で、書類持ってきて…」



未央「…」



武内P『…申し訳、ありま』



未央「やめよ?」



凛「うん」

未央「でもさ、好きな人が出来た、とかならまだOKなのかな」



凛「いるの?」



未央「いない…いや、まあlikeの方なら…」



凛「それならみんな大体いるでしょ…」



未央「まあ、うん」



凛「そもそも何でこんな話?」



未央「いやー…思春期っていったらこれかなあって」



凛「アイドルがする話じゃないよ…」



未央「アイドル…だとしたら、どういう話が良さげなの?」



凛「仕事とか…将来どんなアイドルになりたいとか…」



未央「そりゃあ…仕事はたくさんしたいし、超有名で人気のアイドルになりたいよね」



凛「そう…だね」



未央「…」



凛「…」



未央「終わっちゃった」



凛「何で?」

凛「そういえばさ」



未央「うん」



凛「卯月…まだ?」



未央「美穂ちゃんとのレッスンが長引くってのは聞いたけど…」



凛「長引いてるみたいだね、随分」



未央「しまむーも大変なんだねぇ」



凛「…最近、三人で集まること少なくなったね」



未央「…しょーがないよ」



凛「…やっぱり、私の…」



未央「何回言うのさ。しぶりんは結局どうしたいの?」



凛「…」



未央「それ、かえって逆効果だよ。どうせならシャキッとしなさい!」



凛「…ありがと」



未央「へへー」

菜々「お友達を待ってるんですか?」



未央「はい!」



凛「あ、菜々さん…」



菜々「お互い大変な時期ですけど、頑張りましょう!ウッサミーンパワー注入!ビビビビ!」



未央「ぐわー」



菜々「あっ!違います!今のは元気になる魔法ですよ!」



未央「あ、そうだったん、ですか…」



凛「…」



菜々「…」



未央「…」



菜々「…飲み物どうです?奢りますよ」



未央凛「いただきます」

凛「前にキャラって言ってたよね」



未央「うん」



凛「ソロ活動始めてさ、何か見つけられそう?」



未央「うーん…演技派、アイドルなんて個性、アリかな?」



凛「演技派?」



未央「うん」



凛「…何かめちゃくちゃ性格悪い人みたいに聞こえるんだけど」



未央「あ、ごめん。演技が上手いアイドル………いや同じだこれ」



凛「…」



未央「…」



凛「…○○派ってあるけどさ」



未央「うん」



凛「それが清純とか、個性派とかなら分かるけどさ」



未央「うん」



凛「演技派女優ってなに?」



未央「演技が上手いって事じゃないの?」



凛「だから女優になったんじゃないの?」



未央「あー…本業なんだから、上手くて当然だろう、と」



凛「演歌派演歌歌手って言ってるようなものでしょ?」



未央「それ極端じゃない?」

凛「話戻るんだけどさ」



未央「うん」



凛「アイドルって恋愛禁止…なんだよね?」



未央「うん。…多分」



凛「ファンがいるから、かなあ」



未央「だと思うよ。暗黙の了解ってやつ」



凛「その、相手がいるとやっぱり嫉妬されるのかな」



未央「ほら、たまにあるじゃん。アイドルの人がお泊りデートしてブログが荒れるやつとか」



凛「…」



未央「どうしたの?」



凛「……川島さんとか、片桐さんとかって…」



未央「流石にいた事はあるでしょ」



未央「片桐さんで思い出したよ」



凛「?」



未央「…おっぱいデカすぎ」



凛「あ」



未央「後、雫ちゃんとか…」



凛「名前からして大きそうだもんね…」



未央「ウチで一番おっきいのって誰?」



凛「…きらりちゃんじゃない?」



未央「かな子ちゃんは?」



凛「…」



未央「…」



凛「…」



未央「何してるの?」



凛「…はちじゅう…」



未央「…」



凛「…ご」



未央「無い」

未央「藍子さんとさ、舞台の稽古やってる時にね」



凛「うん」



未央「なーんか寒気感じるなー、怖いなー、怖いなーって思ってたらね」



凛「その話のオチそういう空気じゃないよね」



未央「いやまさかと思ったんです。それでもおかしいなーって思って視線を感じる方向をん〜っと、見たの」



凛「続けちゃってるよ」



未央「そしたらね、すぐ近くだ。こうやってグイイッと、見てるんだ。アタシの胸を。こう寂しげに」



凛「…」



未央「あー…こりゃ間違いないなって思ってね。その場で思わず立ちすくんじゃった」



凛「本人が聞いたら流石に怒りそうだね」



未央「言わないよ」

未央「もし、だよ?」



凛「ん」



未央「付き合うとしたら、誰が思い浮かぶ?」



凛「…」



未央「…」



凛「…未央は、男友達たくさんいるよね」



未央「んー…」



凛「どうなの?」



未央「…ビジョンが思い浮かばないんだよね」



凛「そうなの?」



未央「私が特殊なのかな」



凛「普通なんじゃないの?……もしかして理想が高いとか」



未央「無い…よ。多分…」



凛「欲を言えば?」



未央「そりゃ、背が高くて、それなりに顔も良くて…優しい人がいいよ」



凛「…別に悪くないよ?」



未央「うん…」



凛「…」



未央「…」



凛「あっ」



未央「あっ…」



凛「…や、やめよ。この話」



未央「う、うん」



菜々「アイスコーヒーお待たせしましたー!」



凛「ごちそうさまです」



未央「ゴチになります」

未央「コーヒーで思うんだけどさ」



凛「うん」



未央「あそこのコーヒーが美味しいとか、不味いとか言う人いるじゃん」



凛「うん」



未央「どうなの?実際」



凛「どういうこと?」



未央「私コーヒーの良し悪しなんて分かんないんだけど」



凛「分かる人には、分かるんじゃない?」



未央「しぶりんは分かる?」



凛「缶コーヒーと店の違いくらいは…」



未央「缶コーヒー買うんだ」



凛「たまに…」



未央「…ってか缶コーヒーこそ、どうなの?」



凛「?」



未央「何とか製法とか、高級豆とか焙煎とか言ってるけど、値段同じじゃん?」



凛「あー…」



未央「もうさ、一缶200円の缶コーヒーとか出てもいいんじゃないの?」



凛「逆に買いたくなるね、それ」



未央「…」



凛「あ、それやるんだ」



未央「え?」



凛「フレッシュでかき混ぜるの」



未央「あー…何かもったいないじゃん?この辺に残ってるやつとか」



凛「そういうの気にするんだ…」



未央「え」

未央「いつだったかなー。プロデューサーがストーカーに遭ってるとか言ってた事件」



凛「ちょっとくらい前…かな」



未央「なんでまたまゆさんも疑われるようなことするかなー…」



凛「疑われる…?」



未央「いや、まあそっちは分かってるよ。なんとなく」



凛「プロデューサーに対してってこと?」



未央「うん。流石にあの写真は寒気がしたもん」



凛「よく保存出来たね」



未央「割と早めに消したよ。…でもしぶりんが隠れるってのは意外だったなぁ」



凛「怖いものは怖いよ。本物なら尚更」



未央「何かの間違いだよ…とか言って平然と眺めてそうなのに」



凛「無理だよ。未央の方こそ面白がってなかった?」



未央「そんなわけないじゃん。画面見てなかったもん」



凛「プロデューサーガン見してたもんね」



未央「…もしかしたら、心当たりがあったとか?」



凛「…」



未央「…」



卯月「何のお話ですか!?」



未央「どわあああ!!!」



凛「ッ!!!」



卯月「ひえっ!!」



未央「びっくりさせないでよしまむー!」



卯月「え、え?」



凛「…レッスン、長引いてたんだって?大丈夫?」



卯月「はい!大丈夫です!」



未央「ん!…んー…!じゃ、帰ろっか!しまむーも来たし!」



卯月「あれ?で、でも…先に帰っててって…」



凛「え?」



未央「んー?聞いてないなー」



卯月「え…」



未央「さー帰ろー」



凛「…どこか寄ってく?」



未央「いいね。しまむーはどこがいい?」



卯月「………」



未央「しまむー?」



卯月「…ありがとうございます!」



未央「…へへー」



凛「ふふっ…」



未央「いやー、何か懐かしささえ覚えるねぇ。この感じ!」



凛「…そうだね」



卯月「えー?まだそんな前じゃないですよー」



凛「…でも、懐かしいんだ」



卯月「…?」



未央「ま、なんでも良いから!どこ行く?」



凛「じゃあ…あー…ごめん。ファミレスでいい?」



未央「ん?良いよー。しまむーは?」



卯月「どこでも大丈夫です!」

奈緒「…」



加蓮「…」



周子「どーしたの二人とも」



奈緒「え?あ、いやー…」



周子「?」



加蓮「凛を誘おうと思ったんですけどね…」



周子「んー?…ああ、あれは無理だよ」



加蓮「…ですよね」



奈緒「何か、良いなあ。ああいうの」



周子「…人間、やっぱ家が一番落ち着くって事だよ」



加蓮「ふふっ…本当ですね」



周子「じゃあ、私達も帰ろっか」



奈緒「あれ?家こっちでしたっけ?」



加蓮「寮でしたよね?」



周子「同じ道歩かせる気?めちゃくちゃ気まずいじゃん」



奈緒「あー…ですよね」



加蓮「じゃあ、マック寄っていきましょ!」



周子「はいはい」



奈緒「(家、かあ…)」



奈緒「(やっぱ、そうだよなあ)」



奈緒「(…アタシ達も、頑張ろう)」







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