2015年10月07日

七尾百合子「何使ってるんですか?」 永吉昴「激落ちくん」

百合子「え……」



昴「なんかダメか? よく消えるし可愛いじゃん、コイツ」



百合子「まぁ、よく消えることは確かですけど……」





ロコ「ちょっと、ネームがアンラッキーですね……」



天空橋朋花「……」カリカリ



百合子「私たち、仮にも受験生なんですし」



昴「……はーっ、出た出た。 さてはそういうの気にするタイプだな、お前ら」



百合子「……何ですか、その言い方」





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昴「激落ちくん使ってるやつが本当に落ちるのか? 違うだろ?」



百合子「それは……そうですけど」



昴「気にしすぎなだけなんだよ。 そんなの迷信だ、迷信!」



ロコ「……でも、スバル?」



昴「なんだよ?」



ロコ「スバルだって、ベースボールを観ているときによくマタしてるじゃないですか」



昴「マタ……?」



【 mutter /動/ つぶやく 】



ロコ「ゲームのフロウがチェンジしたな、とか」



昴「フロウ……?」



【 flow /名/ 流れ 】



ロコ「ロコからすれば、フロウだってハードフォールくんと同じです」



昴「…………バカ言え。 流れはあるんだよ」



百合子「どっちも半分オカルトじゃないですか!」



昴「う……」



ロコ「クリアーに言いましょう。 スバル、あなたの言うことはインコンスィステンスィです!」ビシッ



【 inconsistency /名/ 矛盾 】



昴「う……ぐ……」







昴「うるさいな! 大体さあ!!」バン





朋花「……大体、何ですか?」





昴「」



昴「……」



朋花「……」カリカリ



百合子「……」カリカリ



ロコ「……」カリカリ





昴「……なあ、百合子」ボソッ



百合子「……なんですか?」



昴「百合子は、何の消しゴム使ってんの?」



百合子「…………パンです」



昴「は?」



百合子「パンです」



昴「いや、お前それどう見てもMONO」



百合子「パンです!」バン



昴「えぇ……」



百合子「いいですか? 昴さん」



昴「お、おう」



百合子「消しゴムが存在する前の時代の人間は、古いパンを使って文字を消していたんです」



昴「ほー……」



ロコ「今でも、デッサンなどにはユーズされますけどね」



百合子「そして18世紀末、イギリスで消しゴムが発明されたんですよ!」



昴「ふーん……」



百合子「これってすごくないですか!?」ズイッ



昴「あ、やばい、こいつ勉強疲れだ」



百合子「一個人の、ちょっとした発見が世界を変えるんですよ!?」



昴「それは……ちょっと言い過ぎじゃないか?」



ロコ「でも、ロマンがありますね!」



百合子「そうでしょう、そうでしょう! そうなんです! ムムッ!」



昴「百合子、そろそろ寝た方がいいぞ」



百合子「世界を変える……あぁ、なんて素晴らしい響き! 私も、いつかこの世界を……!!」





朋花「この世界を……なんですか?」





百合子「」



百合子「……」



朋花「……」カリカリ



昴「……」カリカリ



ロコ「……」カリカリ





百合子「……あの、ロコちゃん」ボソッ



ロコ「……ホワッツアップ?」



百合子「ロコちゃんは、どんな消しゴム使ってるの?」



ロコ「これですね」



百合子「…………これって?」



昴「あ、これアレだろ、百均で売ってるジャンクの」



ロコ「ジャンクなんて言わないで下さい! ロコにとってはトレジャーマウンテンです!」



昴「まぁ、量あるしコスパは良いよな」



ロコ「それだけじゃあnothing! これを見てください!」バサッ ゴロゴロ



昴「……お、おぉ…………」



百合子「こんなにいっぱい……」



ロコ「イレギュラーなフォルム! それらの織りなすシンフォニー!!」



昴「待て、ロコも疲れてないか?」



ロコ「このイレイサーは、ロコの頭脳をスティミュレイトするんです!」バン



【 stimulate /動/ 刺激する 】



昴「何言ってっか分かんねえ……」



百合子「……私もです」



ロコ「はっ! ティンと来ました! ティム・リンスカム!!」



【 Tim Lincecum /人名/ メジャーリーガー 】



昴「……よし、ロコ、寝よう。 もういい休め」



ロコ「そうとなったら、こんなスクウォリドなスタディフィールドもロコナイズしちゃいましょう!」ガチャガチャ



【 squalid /形/ むさ苦しい 】



百合子「ああ! どこからかガラクタ文房具が!?」



ロコ「ガラクタNO! YESトレジャー! イッツアスモールロコワールド!!!」





朋花「……」ガタッ





ロコ「」



朋花「……」スッ







朋花「皆さん、そこに正座しましょうか〜」







昴「」



百合子「」



朋花「私たちが、何のために劇場に集まったか覚えていますか? 昴ちゃん」



昴「……宿題を、するためです」



朋花「はい、よくできました〜♪」ナデナデ



百合子(鞭……鞭持ってる……)



ロコ(ウィップ……ノットスタディツール……)



【 whip /名/ 鞭 】



朋花「それで、皆さんは何をしていましたか?」



昴「……」



百合子「……」



ロコ「……」



朋花「な、に、を、していましたか〜?」



百合子「……ざ、雑談を……していました…………」



朋花「あら〜、それはいけませんね〜。 勉強をしなくてはいけないのに、ね」ヒュン!



百合子「ひっ!」



百合子(掠めた! 頬を掠めましたよ! なんなら血がツーッと流れる勢いですよ朋花さん!)



ロコ(トモカ……ベリーイラチ……)



【 イラチ /方言/名/ 短気な人 】



昴「……でもよ、朋花」



朋花「はい、何でしょう?」



昴「オレたちって、そんな熱心に勉強する必要あるのか?」



朋花「……と、言うと?」



昴「芸能コースのある高校に推薦で行けるんだろ? だったら……」



朋花「……」



朋花「……ロコちゃん」



ロコ「は、はい!」



朋花「一学期の、英語の成績はどうでしたか〜?」



ロコ「…………5、です」



百合子「えぇ!? ロコちゃん、5あるの!?」



昴「お前、それは裏切りだぞ!」



ロコ「インポライト! ロコだって頑張ってるんですよ!」



【 impolite /形/ 失礼な 】



朋花「話を聞いていれば分かると思いますが、ロコちゃんの語彙力はとっても豊富です〜」



百合子「確かに……」



朋花「そしてそれは、確かな努力に裏打ちされたもの」



昴「……うっ」



ロコ「な、なんだかイッチィです……」



【 itchy /形/ かゆい 】



朋花「確かに私たちは、最低限の成績があればいいかもしれません」



昴「……」



朋花「ですが、アイドルである以前に学生として、人として、必要なこともある……そう思いませんか?」



百合子「朋花さん……」



ロコ「グッドスピーチです……」



昴「……ごめん。 オレが間違ってたよ」



朋花「そうですか、分かってもらえて良かったです〜♪」







百合子「でも、私たちが高校生になってるところって……想像できないですね」



昴「確かに……何やってんだろ。 高校球児?」



ロコ「それはインポッシブルかと……」



朋花「……それなら、聞いてみますか?」



昴「聞く? 誰に?」



朋花「高校生の皆さんにですよ〜。 確か、あの方たちも劇場で勉強しているはずですから」



百合子「えっ、でもそれって、高3組なんじゃないですか?」



ロコ「ユニバーシティ受験のスタディの邪魔をするのは……」



朋花「大丈夫ですよ、皆さん優しいですから〜」



昴「そういう問題か……?」



朋花「それに、先輩たちも同じアイドルですから……アドバイスは、とってもためになると思いますよ♪」



百合子「なるほど……」



朋花「ちょうど勉強も中断したところですし、気分転換に行ってみましょう〜」



昴「それもそうだな……よし、行くか!」



ロコ「レッツゴーです!」







コンコン ガチャッ



朋花「失礼しま――」







佐竹美奈子「う〜、わっほおおお゛お゛お゛お゛お゛!!?!?!」ギリギリギリギリギリギリ



福田のり子「ハーッハッハッハァ!! 逃げようとすればするほど絞まるぜぇ!!」



田中琴葉「立って、立ってよ美奈子! 勝って小龍包作ってくれるって言ったじゃない!!」



美奈子「ことは、ちゃん…………わっほほほほほほほほほほ!!!!!!!」



のり子「なっ……こいつのどこにこんな力が…………!?」







昴「」



百合子「」



ロコ「」



朋花「……帰りましょうか」







おわり





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