2015年10月14日

風花「私のプロデューサーさん」

ミリマスSSです。ちょっとした恋愛描写があります。苦手な方はご注意下さい。





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P「さあ、風花! 張り切って仕事行くぞー!」ウキウキ





風花「うう、嫌ですー! またグラビアのお仕事なんて!」



P「仕方ないだろ? ほら、このまま引っ張って行っちゃうからなー」ズルズル



風花「いやああああ!」





バタンッ





あずさ「あらあら〜」



このみ「……私にもグラビアの仕事来ないかしら?」



あずさ「このみちゃんにはまだ早いんじゃないかしら? うふふ」



このみ「だーかーら! 私はあずさちゃんより年上なの!」



あずさ「あら〜、可愛いお姉さんねぇ」ナデナデ



このみ「あずさちゃん、頭撫でないでよっ!」プンスカッ



あずさ「ふふっ」





撮影所





カメラマン「風花ちゃんいいねぇ!」カシャッカシャッ



風花「う、うう……」



P「風花! ちゃんとポーズしなさい!」



風花「ポーズって……」



P「胸寄せろ、胸!」



風花「せ、セクハラですよ! もう……」ギュッ



カメラマン「おお、これはセクシー!」カシャッカシャッ







カメラマン「はい、終わったよ。お疲れ様」



風花「お疲れ様でした……」



カメラマン「プロデューサーさん、また風花ちゃん撮らせてね」



P「もちろんです! ありがとうございました!」ペコリ



風花「ありがとうございました」ペコリ



カメラマン「きっといい雑誌になるよー」





控え室



P「よく頑張ったな! ほら、お茶」



風花「ありがとうございます……。もう、すごく恥ずかしかったんですよ!? 特にあのポーズ!」



P「仕方ないだろ? 風花の良さを活かさないと勿体ないし」



風花「わ、私の良さって胸……?」



P「風花はセクシーだからな!」



風花「そんなぁ、私は正統派アイドルが良いんです!」



P「うーん……」



風花「………」



P「ははっ!」ポンポン



風花「何笑いながら肩叩いてるんですか!? プロデューサーさんの馬鹿っ!」





事務所





風花「はぁ……」



このみ「あら、風花ちゃん。撮影はどうだった?」



風花「このみさん……はい、無事に終わりました。カメラマンさんも褒められましたし」



このみ「良かったじゃない!」



風花「良かったのは……良かったんですけど」



このみ「何かあったの?」



風花「うう、プロデューサーさんがイジワルなんですよ!」



このみ「プロデューサーが?」



風花「私はもっと普通のお仕事がしたいのに、セクシー系で露出が多いお仕事ばっかりさせるんです! 今日だって……」



このみ「あー……(確かにプロデューサー、風花ちゃんにはちょっと容赦ないわよね)」



風花「……プロデューサーさん、私の事嫌いなんでしょうか?」



このみ「えっ?」



風花「私が嫌いだから、私の希望を聞いてくれないのかな……」ウルッ



このみ「そういう訳じゃないと思うけど……」



風花「………」



このみ「(弱ったな……こんな経験ないからどう言葉を掛けたらいいか分からない。なんで私はセクシーじゃないの!?)」



風花「………」グスッ



このみ「あのね、風花ちゃん……」



あずさ「あら、風花ちゃん、このみちゃん?」



このみ「あずさちゃん! いいところに!」







あずさ「なるほど……」



風花「………」



このみ「どう思う? プロデューサーが風花ちゃんの嫌いってことはないと思うんだけど……」



あずさ「私もそう思うわ。プロデューサーさんには何か考えがあるんじゃないかしら?」



風花「考え……ですか?」



あずさ「ええ。プロデューサーさんはああ見えて敏腕なのよ?」









バンッ



P「風花、あずささん! 仕事取ってきましたよ!」



あずさ「あら〜何のお仕事ですか?」



P「もちろん、水着です!」



風花「ま、また水着ですか!?」



このみ「ちょっとプロデューサー! 私は!?」



P「このみさん? 今回は残念ながら」



このみ「えー!?」



P「変わりにどーん! アダルティな仕事取ってきましたよ!」



このみ「何!?」



P「この衣装を着て、dear…を歌って貰います!」ジャーン



このみ「お、おお! かっこいい……最高に大人だわ! ありがとう、プロデューサー!」ブンブン



P「あはは、このみさんの魅力は内面から溢れ出るアダルティさですから!」



このみ「分かってるじゃない!」



風花「………」







P「じゃあ、ちゃんと準備を……風花? どうしたんだ?」



風花「……何でもないです」



P「ははーん。分かったぞ。また水着なのが嫌なんだろ? 今回はあずささんと一緒だから、楽しんでやればいいって」



風花「……はい」



P「………?(おかしいな、いつもならもっと言い返すのに……からかい過ぎたかな……?)」



あずさ「私も撮影頑張りますね〜」



P「……あ、はい! あずささんなら心配いら……1人で行動しないで下さいね!?」



あずさ「前も行ったことあるので多分大丈夫です〜」



P「た、多分!?(危ないから目を離さないようにしよう……)」



あずさ「プロデューサーさんなら、私を見つけてくれるので大丈夫です!」



P「そっちの大丈夫ですか! まあ、あずささんを見つけるのは得意ですから!」



あずさ「うふふ、照れちゃいます〜」



P「照れるところじゃないですよ!?」



このみ「あら、見せつけてくれるじゃないの」



P「何が!?」



風花「………」





風花「……プロデューサーさんの、馬鹿」ボソリ







数日後



撮影場所のプール





あずさ「よろしくお願いします〜」



風花「よろしくお願いします」



カメラマン「はい、よろしくね。じゃあ早速撮っていこうか!」



あずさ・風花『はい!』



P「(2人とも体調は万全みたいだな!)」



カメラマン「あずさちゃんいい笑顔! 可愛い!」カシャッカシャッ



あずさ「ありがとうございます〜」



カメラマン「おや、風花ちゃん笑顔固いよ? 緊張してる?」カシャッカシャッ



風花「……い、いえ! すみません!」ニコッ



カメラマン「うーん……もっとリラックスね」カシャッカシャッ



風花「……はい」



P「(風花……?)」







カメラマン「はい、お疲れ様。2人とも良かったよ」



あずさ・風花『ありがとうございました!』



カメラマン「プロデューサーさん、ちょっと……」



P「あ、はい! 風花、あずささん。先に戻ってていいですよ。お疲れ様でした」



あずさ「はぁい。風花ちゃん、行きましょ?」



風花「は、はい」



タッタッタッ



P「……何か問題がありました?」



カメラマン「問題って程でもないんだけど……風花ちゃん、今日はちょっと元気なかったね」



P「……申し訳ありません、私の責任です」ペコリ



カメラマン「いやいや、頭なんて下げなくていいよ! 撮影はちゃんと出来てたし! 何かあったのかなって少し気になってさ」



P「……すみません」



カメラマン「謝らなくていいって。今度撮影する時はいつもの風花ちゃんだといいね!」



P「……はい」







控え室前



P「(……風花の元気がなくなったのって、この仕事を取ってきた辺りからだよな。俺が気にくわないのか? それとも水着の仕事が嫌だった? いつもは何だかんだ言いつつもちゃんとやってくれるのに……。話を聞いてみるか)」



ガチャッ





P「はい、2人共お疲れさん!」



あずさ「プロデューサーさん! お疲れです〜」



P「あずささん! 今日の撮影良かったですよ! バッチリです!」



あずさ「本当ですか?」



P「ええ! 流石あずささん!」



あずさ「プロデューサーさんに褒めて頂くのは嬉しいです〜。うふふ!」



風花「………」







P「もちろん、風花も良かったぞ」



風花「……カメラマンさんと何の話をしてたんですか?」



P「あ、ああ! あずささんも風花も、とても良かったって話を」



風花「嘘ですよね」



P「ふ、風花……」



あずさ「風花ちゃん……」



風花「今日の私は自分でも分かるくらいダメでした」



P「………」



風花「……黙ってるってことは、そうなんですよね」



P「ち、違う。俺は良かったと思う……いつもと雰囲気は違ったが……」



風花「……すみませんでした。次からは気をつけます。今日は失礼しますね、お疲れ様でした」



P「あ、おい! 風花!」





バタンッ





P「風花……」



あずさ「プロデューサーさん、早く追いかけないと!」



P「……しかし、あずささんを送らなければ」



あずさ「そんなこと言ってる場合じゃないですよ!? このままだと風花ちゃんが!」



P「………」ピッピッピッ





P「もしもし、律子か? すまん、あずささんを迎えに来て貰いたいんだが、今大丈夫か? ああ、場所は……」





P「ごめんな、じゃあよろしく頼む」ピッ



P「あずささんは律子が迎えに来るまで待っていて下さい」



あずさ「は、はい!」



P「では!」



バタンッ



あずさ「(あんなに焦ってるプロデューサーさん初めて見た……。ちょっと風花ちゃんが羨ましかったり……)」





P「(くそっ、くそっ、くそっ!)」タッタッタッ



P「風花! 風花、どこだ!?」



P「(俺は本当に大馬鹿者だよ、アイドルがこんなになるまで放っておくなんて……アイドルが嫌がってることも気づかないなんて!)」



P「風花! 風花!」



風花「ぷ、プロデューサーさん?」



P「風花! み、見つけた!」ゼエゼエ





P「良かった……早く見つかって……」



風花「どうしたんですか? そんなに汗だくになって……」



P「どうしたって……お前を捜してこうなったんだよ」



風花「……私のために?」



P「……ちょっと俺と話をしよう。嫌なら、無理にとは言わないが……」



風花「……分かりました」







公園



P「はい、紅茶で良かったか?」



風花「ありがとうございます」



ストンッ





P「……率直に言ってくれ」



風花「え?」



P「風花は、俺のことが嫌になったんだろ?」



風花「はい?」



P「……水着や、露出の多い仕事、本当は嫌なんだよな? それなのに俺はそういう仕事ばかり持ってきて……いい加減愛想が尽きたんだろ?」



風花「………」



P「……風花が望むなら、俺はプロデューサーを」



風花「何言ってるんですか!?」バッ



P「風花……?」



風花「私は、プロデューサーさんにやめて欲しいなんて思ったことありません! プロデューサーさんが取ってくれたお仕事を本当に嫌なんて思ったことありませんよ!?」



P「そ、そうなのか……?」



風花「そうですよ! ただ……」



P「……?」



風花「……プロデューサーさんが、私の事嫌いなんじゃないかって」



P「は?」



風花「は? って何ですか!?」



P「いやいや、言うでしょ。俺が、風花を嫌い?」



風花「………」コクリ



P「馬鹿! そんなことある訳ないだろ!? 自分の担当しているアイドルが嫌い? 有り得ないな! いいか? よく聞け。俺は……風花が大好きだよ!」



風花「え、ちょ、」



P「風花が、世界で1番大好きだよ!」



風花「あの、プロデューサーさ」



P「風花は宇宙一可愛い! 大好き!」



風花「もうやめてください!!」





P「ははっ、ごめんごめん」



風花「ごめんじゃないですよ、恥ずかしいです……」



P「でもこれが俺の本当の気持ちだから」



風花「……本当に?」



P「本当に」



風花「……じゃあ、何で私の事からかうんですか?」



P「え?」



風花「だって、このみさんやあずささんには優しいのに……私にはひどい事ばっかり……」





P「……あー、そういう事か」



風花「そういう事って……」



P「……小学生の頃さ、好きな女子をからかう男子っていただろ?」



風花「ああ、いましたね」



P「それだよ」



風花「えっ?」



P「……だから、風花が可愛くて好きだからからかってたんだよ! うわ、恥ずかしいなこれ」



風花「プロデューサーさん……」



P「何だ?」



風花「顔が真っ赤です」



P「言うな、お前も赤いわ!」





P「まあ、とにかく……。これから言う事、みんなには内緒だからな?」



風花「は、はい」



P「俺は50人いる765プロのアイドルの中で、風花を特別に思ってる。……あー、変な意味じゃないぞ?」



風花「ふふっ、はい」



P「これからも風花を嫌いになるなんて絶対にないし、風花が本当に嫌がる事はしない」



風花「……はい」



P「……だから、これからも俺とアイドル、続けてくれるか?」



風花「プロデューサーさんとなら、どこまでも!」



P「よし、偉いぞ風花!」ナデナデ



風花「えへへ……」





P「さて、そんな風花にプレゼントがある」



風花「プレゼント、ですか?」



P「はい、どうぞ」



ペラッ





風花「資料……あれ、これって……」



P「俺だってな、風花が清楚で可愛い服を着られる仕事を取りたかったんだ。しかし俺の腕が悪かったからか、難航してな……。遅くなった。ごめん」



風花「こんな普通の服を着て、撮影ですか?」



P「ああ」



風花「と、見せかけて水着ですか?」



P「ああ……って違う! 本当に普通のモデルとしての撮影だ。風花はスタイルいいから、映えるんじゃないか?」



風花「……この服、私に似合うと思いますか?」



P「当たり前だろ、そう思ったからこの仕事を取ってきたんだ! そしてプレゼントはこれだけじゃない!」ゴソゴソ



風花「えっ?」



P「ほら、これ!」ヒラッ



風花「これ……ワンピースですか? 白くて、清潔感があって、可愛いです……」



P「ゆったりとしたデザインだから、体型もあまり気にならないと思うぞ!」



風花「体型って、胸ですか?」



P「ちょっ、嫌がると思ったからわざと言わなかったのに!」



風花「プロデューサーさんになら、言われても構いませんよ?」



P「……お前なぁ」



風花「うふふっ!」







P「このワンピースは俺からのプレゼントだ」



風花「プロデューサーさんがわざわざ買ってきてくれたんですか?」



P「わさわざって程じゃないさ。風花のためならな」



風花「からかわないで下さい!」



P「え? いや、本気で言ったんだけど……」



風花「も、もう……」



P「あはは、気に入ってくれたか?」



風花「もちろんです! ……あ、あの、1つお願いしていいですか?」



P「どんと来い!」





風花「この服を着て……私と……」



P「?」



風花「……デート、してくれますか?」カァァ



P「ほほう。なるほど、Do-Daiに乗せて言ったのか。練習中だもんな。可愛い奴め」ワシャワシャ



風花「うう……」



P「可愛い風花の頼みだからな。今度のオフにどこか行くか!」



風花「は、はい!」







P「さあて、どこがいいかな」ウキウキ





風花「(私のプロデューサーさん……私だけのプロデューサーさん……)」





律子「プロデューサー! こんなところに!」



あずさ「あら、風花ちゃんも!」



P「おお、律子、あずささん!」



律子「プロデューサー、大変だったんですからね! 迎えに行ったらあずささんがいなくて、探し回ったんですから!」



あずさ「ご、ごめんなさ〜い。お手洗いに行ったら迷ってしまって……」



律子「ちょ、何で建物の中で迷ったのに外の全然違うところにいたんですか!?」



P「さ、流石あずささん……」



律子「流石じゃないですよ、もう! プロデューサー、貸し1ですからね!」



P「うっ、分かったよ」



律子「大体プロデューサーは」ガミガミ



あずさ「あらあら〜」



風花「(私だけの……という訳にはいかないけど)」







P「ひえ、律子の説教は長いから嫌だ! 逃げるぞ、風花!」ギュッ



風花「ひゃっ、て、手!」



律子「こらっ、プロデューサー!」



P「ははっ、帰りに甘い物買ってくるから許してくれー!」



タッタッタッ





P「ふいー、何とかなったかな」



風花「あの、手を握りっぱなしなんですけど……」



P「ああ、ごめん。離すか」



風花「離しません!」



P「何だそりゃ! まあいいけどね」ハハハ



風花「……えへへ」



P「んじゃ、 約束通り甘い物買いにいくか! 風花は何が食べたい?」



風花「私は……甘いショートケーキが食べたいです」



P「オッケー、ケーキ屋だな!」スタスタ



風花「(……少しは、期待してもいいのかな)」ドキドキ







風花「……大好きです」ボソリ



P「ん? 大好きってケーキが?」



風花「き、聞こえてたんですか!?」



P「耳はいい方だからな!」ドヤッ



風花「ドヤ顔しないでください……」



P「冗談。俺も大好きだよ、風花」



風花「……もう。私が大好きなのはケーキです」



P「ははっ、そうか」



風花「(プロデューサーさんには、敵わない)」











END











22:30│豊川風花 
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