2015年10月15日

貴音「お腹が、痛い……?」

響「何で疑問形なの……」



貴音「いえ、このような感覚、何分初めてなもので」



響「まあ確かに、普段あれだけ食べてもなんともないもんね」





貴音「もう何ともありません。気のせいだったのでしょう」



響「そう? 今日一緒にラーメン食べに行こうって話だったけど、やめといたほうがいいんじゃない?」



貴音「それはできません!」



響「ああそう……」



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一週間後



貴音「うっ」



春香「貴音さん、どうしたんですか?」



貴音「いえ、少々腹痛が……」



春香「……ああ、あの日ですか。痛み止めありますよ?」



貴音「いえ、そうではないのです。消化器系の方で……」



春香「ええ!?」



貴音「そんなに驚くことはないではありませんか」プンスカ



春香「えー、でもなあ。貴音さんがお腹壊すなんて想像できないですもん」



貴音「返す言葉もありません」

春香「ちなみに、今週の食生活ってどんな感じでした?」



貴音「朝食は惣菜ぱん、昼と夜は毎日らぁめんでした」



春香「うわ……」



貴音「東京に降り立ってこの方、ずっと続けてきたのですが」



春香「うーん、そう言われると原因とも考えづらいですね」



やよい「話は聞かせてもらいました!」



貴音「やよい!?」



やよい「いくらなんでもお野菜が足りてません! それに油と塩分も取り過ぎです!」



貴音「それは……」



やよい「少しずつでも改善しないと絶対ダメです! 生野菜をもっと食べましょう!」

こうしてやよいの指導のもと、貴音の食生活改善はすみやかに執り行われた。

自炊経験のなかった貴音だが、カット野菜やクッ○ドゥを活用することで人並みの食事を摂ることが出来るようになりつつあった。

しかし……



一ヶ月後



貴音「今朝、血便が出ました」



真「ブフッ」



美希「いきなり何言い出すの」



貴音「痔ではないと思うのです。こう、便自体が赤黒く」



真「人がお茶してる時に詳細な情報をありがとう!」



美希「でもそれって、腸が傷ついてるってことじゃないの?」



貴音「ですが、高槻やよい監修のれしぴで今は自炊をしているのです」



真「ラーメンは」



貴音「平日の夜はらぁめん以外ありえません!」キリッ



美希「やめたほうがいいって思うな」

ティータイムを台無しにされた真のヤケクソな説教により貴音はラーメンを週1食に制限された!

しかしまともな固形の便通はなく、血便の混じる頻度も上がっていった。

そして更に一ヶ月後、事態は急展開を見せる……



貴音「うっ、お腹がいたいです……」



☆☆☆



貴音「ふぅ……」ジャー



貴音「さて、仕事に……うっ!?」



☆☆☆



貴音「どうしたことでしょう、一向に腹痛が収まりません」



貴音「今までは出してしまえばスッキリしたのですが……」



貴音「うっ! これは、出かけられそうに……」ピポパ



小鳥『もしもし貴音ちゃん? どうかしたの?』



貴音「小鳥嬢、腹痛がひどく、家から出られません……」



小鳥『そう、わかったわ。今日はゆっくり休んで。後で手が空いた子をお世話に向かわせるから』



貴音「助かります……」ピッ

それは未体験の痛みだった。

鼠径部より少し上のあたりに焼きごてでも突っ込まれたかのような鋭い痛みが断続的に襲いかかる。

もう出せるものなどないというのに便意も収まらない。

まるで腸全体が焼けているかのようだった。

食欲も全くわかず、貴音は水だけ飲んで寝台に横たわった。

しかし暫くすると便意と痛みに襲われ化粧室へ。

そしてまた水を飲んで横たわる、その繰り返しで一日が過ぎていった。



雪歩「こんにちは〜」



貴音「今、出ます……」ガチャ



雪歩「四条さん!? すごい顔色悪いですぅ!」



貴音「そ、そうですか……正直立ち上がるのもやっとなのです」



雪歩「とりあえずポ○リ買ってきましたから! 飲んでください。アイ○水じゃないですよぉ!」



貴音「まこと、感謝いたします……」ゴクゴク



雪歩「どうしよう、食欲はありますか?」



貴音「それが、全く」



雪歩「食べたら戻しちゃいそうな感じですか? おかゆくらいなら平気ですか?」



貴音「ええ、おそらくは」



雪歩「わかりました。用意するので休んでいてください」

雪歩の作った粥はおかかと梅干しの味が優しく、貴音の弱った消火器に染みこむかのようだった。

止まって看病すると主張する雪歩に対して感染るといけないからと固辞する貴音。

意地の張り合いは貴音が折れることで決着を見た。

そして一夜が明けた……



貴音「うっ」



雪歩「四条さん!」



貴音(これは、昨日よりも……!)



雪歩「すごい汗……これはもう病院に行ったほうがいいですぅ!」ピポパ



真美『ゆきぴょん、こんな朝っぱらからどったの』



雪歩「真美ちゃんのお父様の病院って消化器内科ある?」



真美『へ? んー、総合病院だしあると思うけど……』



雪歩「四条さんが大変なの。コネでもなんでもいいからすぐ診てもらえるように取り計らって」



真美『お姫ちん、そんなヤバイの?』



雪歩「素人目にもそう見えるよ……」



真美『わかった。パパに頼んでみる。でもあんま期待しないでね?』



雪歩「うん、ありがとう」ピッ



雪歩「さて、次は……あ、プロデューサーですか? 四条さんの容態がかなり悪いので病院に」



P『すぐ車で行く』ピッ



雪歩「話が早い男の人は好きですよ……ふふ」



貴音(雪歩の怖い一面を見ている気がします)

Pの迅速な働きにより貴音は始業前の病院に搬送された!

真美が父親に話を通しておいたこともあり、特別に救急担当者ではなく専門医が診察してくれることになった。



医師「じゃあまず問診からね」



医師は様々なことを聞き取っていった。

痛み始めた時期、痛む箇所、便の頻度、便の色などなど……



医師「まだはっきりとはいえないですが、四条さんはUCの可能性が高いです」



貴音「ゆー、しーですか」



医師「日本語で言うと潰瘍性大腸炎という病気です。今の総理大臣が昔この病気で退陣した事があって有名になったんだけど、知らないか」



貴音「大腸の病気、なのですか」



医師「そうです。簡単に言うと大腸が腫れ上がってきちんと消化吸収が出来なくなってしまう病気です」



貴音「あの、それで、治るのでしょうか?」



医師「落ち着いて聞いてほしいのだけれど、この病気は完治することはないと言われています」



貴音「えっ」



医師「ですが症状を日常生活に影響のないレベルまで抑えることは可能です。実際総理も復活したでしょ」

貴音は色々な説明を受けた。

正直良くわからないところも多かったが一生懸命にメモを取った。

後から話の内容が全てまとめられた資料を渡され少し閉口したが、らぁめんがもう食べられないのではないか、頭のなかはそれだけでいっぱいだった。

雪歩は留まりたがったが学校も仕事もあるのでクールに去った。



P「そっか、潰瘍性大腸炎か」



貴音「まだそうと決まったわけではないので、まずは検査だそうですが」



P「違うといいな」



貴音「はい……」



検査はコネのおかげで直近の空き枠に行われることが決まった。

検査当日、貴音はクソマズイ下剤を飲んでは下から出すことを繰り返し、いよいよ大腸内視鏡検査が始まろうとしていた……



看護師「こちらで検査衣に着替えてください」



貴音(おしりの所に穴が開いています)



そして検査前にもう一度出せとクソマズイ下剤を飲まされ、透明度が足りない(食べかすが多い)ということで追加で1時間ほど下剤を飲んでは出すことを繰り返した……



貴音「もう、アレを飲まなくてもいいのでしょうか」



看護師「はい、大丈夫ですよ。あれおいしくないですよねー」



下剤のマズさが強烈だったからか、他人に排泄物を見られるという事への羞恥は全くなかった。



看護師「ではうつ伏せになって……おしりにローションを塗っていきますね」



貴音「はい……んっ」



特に快感はなかったが、お尻の穴をほぐされるようにローションを塗りこまれるのは、名状しがたい感覚だった。

医師「ではカメラを入れていきますね。映像は見る?」



貴音「では、お願いします」



軽い抵抗感とともにチューブが肛門を通過し、モニターに腸内が映し出される。

ときおり腸壁にたまった液体(下剤だろうか)をチューブで器用に吸いながら、内視鏡は奥へ奥へと進んでいく。



医師「予想通り、ここまでは少し荒れているけどきれいな状態でした」



貴音「これ、綺麗だったのですか」



医師「痛みを感じる場所が一定だったから、左側型、つまりここからが患部になります」



内視鏡が進んでいくと、モニターの映像が突然切り替わる。

今までは薄桃色から黄土色と言った様子だったのが、医師の言った箇所からは赤黒くただれているのがよく分かる。



医師「これが炎症を起こしている大腸です。病理検査にかけるので切り取ります」



モニターにハサミが映し出され、どういう仕組みかは分からないが貴音の腸壁を少し切り取ると画面外へ消える。

痛みは全くなかった。

そしてチューブが抜き取られ、検査は終了となる。



医師「病理検査の結果が出るまで確定ではありませんが、患部の位置や爛れ方から見てUCなのはほぼ確実だと思っていてください」



貴音は絶望した。



第一章 病気発覚編 了

なんとか歩けるくらいまで回復した貴音は少しずつ仕事に復帰することとなった。

しかし体力の衰えは無視できず、ラジオ番組や雑誌のインタビューが中心であった。



医師「検査の結果、潰瘍性大腸炎という診断になりました」



貴音「そう、ですか……」



覚悟はしていた。しかし改めて言われると壁に閉ざされたような気分になる。



医師「この病気についてお調べになられたりしましたか?」



貴音「いいえ、申し訳ございません」



医師「いいんですよ。では、まず一番気になっていると思いますが、食事についてですね」



貴音「!」



医師「四条さんはラーメンが大好物ということですが、これは控えたほうが良いかと思います」



貴音「やはり、そうですか……」



医師「炎症を起こしている大腸を刺激しない、ということが食事の条件になりますので、基本的には油物と辛い物を避けていただきたい」



貴音は思い出していた。某競馬場のほど近くにある紅ラー○ンの味を。

もう、二度と食べられない、そう思うと涙が頬を伝った。

医師「あ、でもですね、これからの人生で二度と食べられないというわけでも無いんですよ」



貴音「本当ですか!」



食い気味だった。



医師「ええ、この病気はひどい時期、今の四条さんのような体に影響が出ている時期となんともない時期を繰り返すケースが多いんです」



医師は取り出した紙に「活動期」「寛解期」と記した。



医師「もちろん活動期は養生しないといつまでたっても良くなりませんが、寛解期にはそこまで神経質にならなくても平気という人が多いです」



貴音「すぐ治しましょう」



貴音の目に光が戻った。

医師「それで、食べ物の話に戻りますが……一般的に食物繊維は健康によいとされているんですが、この病気ではNGです」



貴音「生野菜を取っていれば健康と思っていました」



医師「生野菜のビタミンはとても大事なんですが、食物繊維がクセモノでして、腸内をハケでこそげとるような働きをするわけです」



医師「普通なら便通が良くなるわけですが四条さん、思い出してください。内視鏡で見た腸内を」



貴音「赤黒くただれていましたね」



医師「そうなんです。あそこを食物繊維が通るというのはそれだけで腸壁が更に傷つくことになります」



皮肉にも、やよいが考案した生野菜サラダは貴音にとって悪影響だったのだ。



貴音「では、野菜の栄養はどうやって取ればよいのでしょうか……」



医師「野菜全部がダメというわけではありません。蒸したり茹でたり、後はなるべく細かく刻んだりすれば食べることが出来ます」



貴音「なるほど」



医師「あとは、よく噛んでください。麺類が好きな人や大食いの人に多いんですけど、あまり噛まないで飲み込むような食べ方をしていませんか?」



貴音「!」



していた。

というか数え役満だった。



医師「本来口も消化器官なんです。そこで十分な処理を受けなかった場合胃腸が余分な負担を受けることになるんですよ」

情報量でパンクしそうだったが、最後に血液検査のための採血と、次回の予約をして通院は無事終了した。

薬は総理大臣も使用しているという新薬のアサコールを処方してもらった。

他にも白血球除去なんていう治療もあるようなのだが、少し怖かったのだ。オーソドックスに薬での治療を希望した。



亜美「お姫ちん、大丈夫?」



貴音「何がでしょう?」



亜美「病気したのは知ってるんだけど、それしか食べてないお姫ちんは不気味通り越して心配といいますか」



貴音の昼食はカップ麺を何杯というものではなくなり、握り飯1つと即席みそ汁のみの質素なものに変わっていた。



貴音「日頃の不摂生がたたったということですので……それに、今はこれだけでも満たされるほど食欲が無いのです」



これは本心からの感想だった。

あれほどらぁめんが食べられないことを悲観していた貴音だったが、蓋を開けてみればらぁめんを食する気が起こらないほど体が悲鳴をあげていたことに気がついたのだ。

発症してしばらくは粥かうどんしか食べられない日々が続いていたことを考えると、だいぶ回復してきたといえる。

貴音は、素食を皆から心配されながらもそれなりに満ち足りた日々を過ごしていた。

もらった薬も毎食きちんと飲んでいた。

人間というのは自分の体が危機に陥ると、習慣なんてかなぐり捨てることが出来るのだと貴音は感じていた。

だが、病魔はまだ諦めていなかったのだ。



貴音「体が怠い……」



起床した貴音にまず襲いかかったのは発熱だった。



貴音「38.5℃……風邪でも引いたのでしょうか、うっ」



そして、猛烈な腹痛と便意が波濤のように押し寄せてきた。

あわててトイレに駆け込むと血が混じった便。これは仕事どころではない。



貴音「……もしもし、小鳥嬢ですか。ええ、血便と腹痛と発熱が……」



小鳥『すぐ病院に行きなさい!』



貴音「は、はい」



小鳥『プロデューサーさん、今日車出す用事あります? 無い。わかりました……貴音ちゃん、すぐ行くから出かける用意して待っててね』

節制していた。薬も飲んだ。野菜はジュースか煮たものしか食べていない。

何故このようなことに……



医師「申し訳ありません。四条さんにはこの薬が合わなかったようです」



曰くUCの治療薬は主に3種類存在する。

そのうち最も副作用が軽いと言われているのが首相も愛用する新薬アサコール。

しかしアサコールを体が受け付けず古い2種類の薬を飲み続けている人も一定数存在するとのこと。



貴音「あれるぎー、ということでしょうか?」



医師「アレルギー反応がでなくても、実際に症状が出ている以上避けた方がよいでしょう」



貴音「念のため確かめてもらえますか」



医師「わかりました」



検査結果が出るには時間がかかる。

その日はペンタサという薬をもらった。

これがダメだとサラゾピリンという副作用のきつい薬を処方されるらしい。



小鳥「まるで人体実験なのね。ひどい話だわ」



言い得て妙だった。

薬を変えたところ症状は落ち着いた。

貴音は心底ほっとしていた。



律子「ところで貴音、潰瘍性大腸炎なんでしょ。難病の申請はもう済ませたの?」



まだまだ面倒なことは続きそうだ。

第二章 症状悪化編 了

律子曰く、潰瘍性大腸炎は指定難病なので都道府県と市区町村からそれぞれ別の助成を受けることが出来る。

都道府県の助成は入院や手術など高額負担があって初めて使えるもの。

市区町村の助成は現金でもらえるもの。



貴音「随分と詳しいのですね」



律子「仲間が大変なことになってるんだもの、調べたのよ」



プロデューサー、小鳥、雪歩、律子、それに他のみんなも。

貴音はいい仲間に恵まれていることを月に感謝した。



律子「むしろ自分のことなのに焦って調べないあんたがおかしいの!」



貴音「調べ物というのはどうにも苦手でして……」



貴音は住民票のある自治体の役所に出向いた。

あまり来ることはないが、半自由業の強みで平日の営業時間内に来ることは容易だった。

いろいろな部署をたらい回しにされながら必要書類を集めたが、役所の指定した用紙に医師の診断書を作ってもらう必要がある。

医師「ああ、そろそろ確認しようと思っていたところなんです」



貴音「では、お願い致します」



医師「はい……それで血液検査なんですが」



貴音「!」



医師「3種の薬のそのどれにも、アレルギー反応は陰性でした」



貴音「つまり……どういうことでしょう」



医師「原因不明、ということになりますね……症状が出ている以上陰性だからといって飲むわけにも行きませんし」



UCは指定難病、それは治らないということだけを意味するのではない。

よくわかっていない、だから治療法も確立できない。

大病院での症例を参考に何とかやっている、小鳥の言った「人体実験」という言葉はあながち的外れでもなかった。

そして貴音はペンタサを飲んで二週間ほど経った頃、また体調を崩していた。

最初の頃は調子が良かったのだが、不調になってから数日飲み続けても全く収まらなかった。



医師「サラゾピリンは1番きつい薬なのですが……飲みますか?」



貴音「できれば遠慮したいです」



医師「そうですよねえ。ところで四条さん、血便がまだ時折あるということですが」



貴音「はい、左下腹部のズキズキする痛みもまだあります」



医師「薬のせいで炎症が収まるどころか悪化してしまったわけですね……」



既存の治療薬が効かないとなると、白血球除去療法か、節制して自然回復に任せるしかなくなる。



医師「四条さんは今までの食生活があまりにも酷かったので、それを直せば案外うまくいくかもしれません」



そんな適当でいいのだろうか。

医師「それとですね、血便が続いているわけですけど、ちょこちょこやっている血液検査でヘモグロビンが明らかに少ないんですよ」



貴音「なんと」



日中眠くなったり、食後に昏睡のような状態になってしまうのは赤血球の不足が原因の可能性があるとのこと。

ちなみに現在の貴音は、常時生理中の女性以下のヘモグロビン量とのこと。



貴音「確かに、血便が出てからというもの、突然眠くなることが多くなっていた気がします」



医師「それでなくとも貧血で一日中怠いというのも辛いですからね。鉄剤も飲むようにしましょう」



こうして貴音が飲む薬は整腸剤(有名なビオフェルミン)と鉄剤のみになった。

第三章 治療と不安編 了

鉄剤を飲み始めると胃がムカつくようになった。

しかしもとより食欲の減退していた貴音にはあまり関係のない話であった。

不思議なことに薬をやめ、整腸剤と鉄剤だけ飲むようになってから大腸の痛みは徐々におさまるようになった。

週1の通院を月1にしてみようと医師から提案されるまで、さほど時間はかからなかった。



千早「そう、では今はもう大丈夫なの?」



貴音「大丈夫、ということはないと思います。わたくしたちの健康というのは存外危ういばらんすの上に成り立っているのやもしれませぬ」



千早「まあ、良くなったならなんでもいいですけど」



2人はカップ麺を食べている。しかしよく見ると貴音の手にしているのはスープはるさめだ。

少しでもらぁめんっぽいものを食べたいと考えた、苦肉の策だったのだが、案外これはこれで美味しい。



貴音「千早もあまり炊事をしないのでしょう? 気を使ったほうが良いですよ」



千早「私は貴音みたいにバカ食いしませんから」



こうして四条貴音の体に降りかかった災難には、1つの決着がついた。

しかし季節の変わり目やストレス、油物や辛いものを食べると大腸がズキズキと痛み出すという。



貴音「よくなった、そう考えるのが間違いだと思い知りました」



まさしく付き合う病、UCとはそういうものなのだ。

自分は健康、そう思っている人が突然発症することもある。

これを見ている人ももしかしたら……



千早「あれ、便器に血が……」

最終章 了



17:30│四条貴音 
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