2014年03月30日

茄子「お仕事は終わりましたか?プロデューサー」

モバP(以下P)「もうすぐ終わるよ。もうちょっと待ってて」



茄子「はいっ、待ってます♪」



ちひろ「おやっ?二人で何か用事があるんですか?茄子ちゃんはやけに上機嫌だし」





P「今日は茄子と飲みに行く約束をしているんですよ。以前のお礼に」



茄子「そうなんですよ♪それが楽しみで」



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ちひろ「お礼...ねぇ?お詫びの間違いじゃないんですか?」



P「失敬な!?そんな毎回失敗をしているわけじゃないですよ!」



ちひろ「蘭子ちゃんへのお詫びに買い物に付き合ったら、新しく二つのお詫びを増やした人がそう言っても信用できませんね〜?」



P「ぐっ、反論できない」



茄子「プロデューサーの仰ってることは本当ですよ?ちひろさん。私がしたことなんて本当に些細なことだったのに、こうしてワガママを聞いてくれているんですよ」



P「謙遜することはないぞ?茄子のおかげで蘭子も俺も良い時間を過ごせたんだし」

ちひろ「”良い時間”がどのようなものだったか少し気になりますが...気を付けてくださいよ?仮にもアイドルとそのプロデューサーなんですから」



ちひろ「週刊誌にあらぬことを書かれないようにして下さいよ?まあ...茄子ちゃんが一緒なら大丈夫な気もしますが、必ず変装はして下さいね」



茄子「わかってます。ちひろさんが危惧していることにはならないよう気を付けます。それに今日は私や他のみなさんが良く通ってるお店で、個室を予約していますから安心できますよ?」



ちひろ「それでも用心するに越したことはありませんからね。プロデューサーさんは明日がお休みだからって、酔った勢いで何かやらかさないでくださいよ?」



P「自分を見失うほど酔ったりしませんよ。茄子に迷惑を掛けたくありませんし」



茄子「大丈夫ですよ?何かあったら責任をとってもらうだけですから♪」



P「しないからね!?」



ちひろ「はぁ...茄子ちゃん?冗談でも本気でもそんなこと言わないでね?心臓に悪いから」



茄子「すみません、ちひろさん。冗談です」



P「だよなー」



茄子「私もお酒の勢いで結果を得たって嬉しくありませんから。心配しないでくださいね?」



P・ちひろ「......」



茄子「プロデューサー?そろそろお仕事が終わったんじゃないですか?」



P「あ、ああ...終わったよ。ちひろさんお先に失礼しますね」



ちひろ「お疲れ様です。本当にやらかさないでくださいね?お願いですから」



P「承知してますよ。それじゃあ行こうか?茄子」



茄子「はいっ♪ちひろさんお疲れ様でした」



ちひろ「お疲れ様です」



-道中-



茄子「でも本当に私にまでお礼をしてくれるとは思いませんでしたよ」



P「茄子のやってくれたことは本当に助かったよ」



P「でも本当にお礼がこれで良かったのか?二人で飲みに行きたいってお願いで?明日は俺も茄子も休みなんだから、明日どこかに出かけても良かったのに」



茄子「それも魅力的なんですけど、プロデューサーは最近のお休みは他のアイドルの子のために使ってるじゃありませんか」



茄子「プロデューサーにちゃんとお休みを取ってもらいたかったんです」



P「気を遣ってくれてありがとうな」

茄子「いえいえ♪」



P「それで、今から行くのはどんなお店なんだ?」



茄子「元々は楓さんが見つけてくれたんですよ。良いお酒がありますし、料理も絶品なんです」



P「それは楽しみだな」



茄子「プロデューサーもきっと気に入りますよ♪今では成人組はみんな顔馴染みになっちゃって」



P「そんなに頻繁に通っているのか?」



茄子「本当に居心地のいいお店なんですよ。店主のおばあちゃんがいい人で、飲みに行くときは自然とそのお店を選んじゃうんですよね」



P「アットホームなお店っぽいな。料理もますます期待できそうだな」



茄子「はい♪期待してください♪そろそろ着きますよ」

-居酒屋-



店主「いらっしゃ〜い...ああ!ささっ、奥の個室にどうぞ」



茄子「ありがとう、おばあちゃん」



P(本当に顔馴染みなんだな。それに人柄の良さそうな店主さんだ)



茄子「行きましょう、プロデューサー」



P「ああ」



茄子「何にしますか?」



P「とりあえずビールで、つまみは茄子に任せるよ」



茄子「わかりました。すみませーん!」



店主「はいはーい」



茄子「ビールと冷酒を、それと料理はこれと、これと...」



店主「はいよっ。ところで茄子ちゃん」

茄子「なんですか?」



店主「この人がいつもみんなの話の種になっている人かい?」



茄子「はい♪そうですよ」



店主「そうかい!この人が」



P「あの...何のことでしょうか?」



店主「ほほほっ、せっかく二人っきりで飲むんだから茄子ちゃんに直接教えてもらいなさいよ」



茄子「ふふふっ♪そうですねー、いい機会かもしれませんね」



P(一体何を話しているんだ...)



茄子「お酒が来てからお話しますね」



P「宜しく頼むよ」

P・茄子「「かんぱーい」」



P「やっぱり仕事終わりに飲む酒はうまいな。明日は休みだし尚更」



茄子「次の日がお休みだと気兼ねなく飲めますよね♪寝坊ができますから」



P「まったくだ。で、さっきの話の続きなんだが...」



茄子「別に変な話をしているわけじゃありませんよ?ただ皆でプロデューサーさんとどんなお仕事をしたか話していただけですよ」



P「なんだ...仕事のことか」

茄子「はいっ♪それと小学生のアイドルとプロデューサーがお出かけをするときに誰が随伴するか話し合ったり」



P「えっ?あれって前もって決められていたの?」



茄子「じゃないと収拾がつかないじゃないですか。ちなみに次は楓さん、瞳子さん、雪乃さんの誰かになってます」



P「三人候補がいるのはどうして?」



茄子「スケジュールの都合が合わない場合が考慮されてのことです。三人とも都合がつく場合は優先順位が決まっていて、今の三人だと優先順位が一番高いのは楓さんです」



P「凄いしっかりしたルールがあるんだな」



茄子「大人のみなさんもプロデューサーと一緒に過ごしたいんです」



P「あははは.......そう言ってもらえると嬉しいかな...」



茄子「もちろん私もですよ?今こうして二人っきりでお酒を飲めていることが本当に嬉しいですよ」



P「そ、そうか?」



茄子「はいっ♪」



P(そんな笑顔でそう言われると何も言えんな)



店主「はいよっ!おまたせ」



茄子「あっ、料理が来ましたよ。プロデューサー」



P「どれも美味そうだな。さて...どれからいただくか」



茄子「そうでしょう♪私のお薦めはこの出汁巻き卵です。あっさりとしてお酒が進むんです」



P「どれどれ...口当たりが軽くていいな。確かに酒のつまみにぴったりだ」



茄子「このタコのから揚げもおいしいですよ」

P「大根おろしのおかげで揚げ物だけどさっぱりしてるな。いや、本当においしいよ。他の品も食べてみたいな」



茄子「お品書きをどうぞ。それとジョッキが空になってますけど、次は何を飲みますか?」



P「あっ、本当だ。じゃあ茄子と同じものをいただこうかな。料理は揚げ出し豆腐と...」



茄子「ふふっ♪」

(1時間後)



P(イカン。料理が美味くて飲み過ぎた)



茄子「大丈夫ですか?プロデューサー」



P「大丈夫だよ。そんなに酔ってないから。茄子は結構強いんだな?俺と同じくらい飲んでるはずなのに、全然顔色が変わらない」



茄子「そうみたいなんですよね。私も事務所に来るまでそんなに人と飲んだことがなかったので、知らなかったんですけど」



P「じゃあ、飲み会の後は介抱する側になるのか?」

茄子「飲み会の時のメンバーに依るんですけど、基本的にはそうなりますね」



P「俺の偏見だと早苗さんや友紀が潰れるイメージがあるんだけど」



茄子「当たりです♪その二人は良く悪酔いをしますね。あと意外にのあさんも簡単に酔っちゃいますね」



P「おっ、確かに意外だ。どんな風に酔うんだ?」



茄子「顔色が変わらないから中々気づけないんですけど、酔うと楓さんとダジャレを言い合ったり、早苗さんと一緒にみんなに絡んだりしますね」



P「前者はともかく、後者はえらく迷惑だな」



茄子「でも酔ったのあさんに一番絡まれるのは、その場に居ないみくちゃんかもしれないですね」



P「なんでみくが?」



茄子「例えばこんなことがあったんです」

〜回想〜



のあ『.............』



茄子『のあさん大丈夫ですか?』



のあ『......ええ、問題ないわ。ちょっと電話をしたいのだけど...いいかしら?』



聖來『ここで?アタシはいいけど...まあ大丈夫じゃないかな?』



のあ『...ありがとう。すぐ終わるわ...』

聖來『....酔ってるのかな?』ヒソヒソ



茄子『...多分』ヒソヒソ



聖來『じゃあ相手はきっと...』ヒソヒソ



のあ『.............』プルルルル



みく『...う〜ん。のあにゃんどうしたにゃ?こんな時間に』



のあ『...みく...聞いて。とても大切な話があるの...』

みく『...もう嫌な予感しかしないけど、なんにゃ?』



のあ『...今いつもの居酒屋にいるのだけど...』



みく『......』プツッ!



のあ『...切れたわ...』



聖來『いや....切られたんじゃないかな?』



のあ『.............』プルルルル

聖來『また電話するの!?酔ってるよね?のあさん』



みく『...のあにゃん、みくは明日朝早くにお仕事があるから眠りたいにゃ...』



のあ『ごめんなさいね、みく。どうやら電波が悪かったみたいね』



みく『みくの話を聞くにゃ!...で、なんのお話にゃ?』



のあ『...そう、とても大切な話があるの...今日...』



みく『........』

のあ『...ホタルイカの沖漬けを注文したのだけど、旬を過ぎていて無かったのよ』



みく『次の旬の季節を待つにゃ!じゃあね、おやすみにゃ!』ブツッ!!



のあ『...また切れたわ...』



聖來『いや...だから』



のあ『.............』プルルルル



みく『もう!まだ続くの?のあにゃん!?』

のあ『今日は本当に電波が悪いみたいね。...話を続けましょうか』



みく『本当に続くのかにゃ...』



のあ『今度にゃんにゃんにゃんの三人で築地に行く件についてなのだけど...』



みく『そんな話聞いてないにゃ!?』



のあ『...えぇ、それはそうよね...なにせ今思いついたのだから...』



みく『のあにゃん絶対酔ってるよね!?』



のあ『...失礼ね...私のどこが酔っているというの、みく?』



みく『酔っぱらいは得てしてそう言うのにゃ!周りにいる人、誰かのあにゃんを止めるにゃ〜!!』



〜回想終了〜

茄子「その後一時間くらい、二人で同じようなやり取りを繰り返していたんですよ」



P「哀れみく...それからどうなったんだ?」



茄子「電話の途中でのあさんが眠っちゃって終わったんです」



P「止めてあげようよ...さすがに」



茄子「最初はそう思うんですけど、二人の掛け合いが面白くてついそのままにしちゃうんですよね」



P「まあ、その気持ちはよくわかる」

茄子「のあさんは本当にみくちゃんのことが可愛くて仕方無いんですよ」



P「のあさんだけじゃないけどな。本当に猫みたいに人に可愛がられるよな、みくは」



茄子「そうなんですよね。年下の蘭子ちゃんにまで可愛がられるのはどうかと思うんですけど」



P「身長が低いのも可愛がられる一因なのかな?」



茄子「そうかもしれませんね」



P「他に何か俺の知らないことは無いかな?」



茄子「美優さんが酩酊したところは見たことがないんですけど、そのせいでよく早苗さん達に絡まれますね」



P「なんとなくわかるな〜、それも」



茄子「その絡み方がちょっと問題ありまして...」



P「えっ?」



茄子「その...酔った早苗さんは、ある意味愛海ちゃんよりも性質が悪くなるというか...」



P「ちょっと詳しく」



茄子「はい...実は以前...」

〜回想〜



早苗『いっえーい、美優ちゃん飲んでる?楽しんでる?』



美優『は、はい。楽しく飲んでますよ』



早苗『飲むときははしゃがないとね!美優ちゃんはもうちょっとハジケてもいいんじゃない?』



美優『そ、そうですか?』



早苗『そうよ!おねえさんより若いんだしね!例えば.......』ジィ〜



美優『あの...そんなにじっと見つめられると...』

早苗『...足りない』ボソッ



美優『へっ?』



早苗『うん、足りない。色気が足りない!もっと言うと服装に刺激が足りない!』



美優『あ、あの...お酒を飲むのに色気は必要ないと思いますけど』



早苗『そんなことないわ!色気は必要でしょ!美優ちゃん衣装はあんなに露出満開なのに、普段着は少し抑え目過ぎじゃない?』



美優『そんなことないですよ?...それに衣装に関しては私じゃなくてPさんが決めていることですし...』

早苗『でも最終的には美優ちゃんが受け入れてるでしょ?』



美優『そうかもしれませんけど...』



早苗『ウッフッフ、まあお姉さんに任せなさい。礼子さーん』



礼子『何かしら?早苗ちゃん』



早苗『美優ちゃんに似合うセクシーな服を一丁!...いやっ!何丁でも!』



美優『早苗さん...そんなことを急にお願いしても無理ですよ』

礼子『そうね...どれがいいかしら?』



美優『どうして用意できるんですか!?』



礼子『女はね、常に自分を最高の状態にする準備をしておくものなのよ。私と美優の体形は似たようなものだから...着れないことは無いわね』



早苗『さっすが礼子さん!さっ、礼子さんもああ言ってくれていることだし、試着してみましょうね♪』



美優『そ、その...のあさん助けて下さいっ!』



のあ『.............』

美優『のあ...さん?』



のあ『...大丈夫よ...美優』



美優(助かった...)ホッ



のあ『もし、選ばれた服...どれもが貴女に合わなくても...この黒兎の衣装があるわ』



美優『どうしてバニーガールの衣装を持っているんですか!?み、瑞樹さん!』



瑞樹『藪蛇ね、わかるわ』



美優『そんなこと言わないで助けて下さい!』

瑞樹『ごめんなさい。私じゃどうしようもできないわ』



美優『そこを何とか...お願いします!』



瑞樹『む〜りぃ〜』



美優『...』イラッ



早苗『さ〜て、見繕いも終わったし、そろそろ着替えましょうか?』



美優『さ、早苗さん?手つきがなんだか怖いですよ?』



早苗『心配しなくても大丈夫よ?お姉さん着替えさせるのは得意だから!』



美優『ちょ、ちょっと待ってください...きゃっ!分かりました!自分で着替えますから〜...』



〜回想終了〜

茄子「その後は美優さんのファッションショーが催されました...私にできるのはその光景をなるべく見ないようにすることしかありませんでした」



P「う...わ...美優さん大丈夫だったのかな...」



茄子「不幸中の幸い、主犯の三人がすぐに潰れてしまったので、三着着替えたところで終わりました。でも一番最初にバニーガールの衣装を着せられたんですよねー、どうしてか」



P「トラウマにならなきゃいいんだけどな」



P(そして俺もその場に居たかった...)



茄子「....」

P「イタタタっ!?茄子当然何を!?」



茄子「どうしてでしょう?プロデューサーの頬をつねらなければいけない気がしました。心当たりはありませんか?」



P「いえ...その......」



茄子「......」



P「はい...ごめんなさい...」



茄子「よろしい。大変だったんですよー?美優さんを慰めるのは」



P「すまないな」

茄子「三人とも酔ってましたし、その後美優さんに謝ってましたしね。何も遺恨は残ってないと思いますよー」



P「それなら良かった。早苗さんにはお酒を控えてもらわないとな。こりゃ今年の花見の時は控えさせないと」



茄子「そうかもしれませんね。じゃあ次はプロデューサーがお話をして下さい」



P「俺の話?」



茄子「はいっ♪お仕事のことでもプライベートの事でもなんでもいいので、お願いします」



P「じゃあ仕事の話になるんだけどいいかな?」

茄子「どうぞ♪」



P「茄子は今アイドルをやっていて良かったと思っているのかな?」



茄子「え〜と...良かったと思ってますよ」



P「そうか...なら良かった...」



茄子「急にどうしたんですか?

P「いや、なんでもいいって言ってくれたから...聞いてみたくなったんだ」



P「みんなは俺がスカウトしてアイドルになってもらったから、いつも気になっているんだ」



P「中には以前の生活を捨ててまで、俺に着いて来てくれた人もいる」



P「だけど聞くのが怖いんだ。もし後悔してたらと思うと...」



茄子「プロデューサー、一人で抱えこまないで下さいね」



P「茄子?」

茄子「確かに不安になるときもありますよ。でもこうしてアイドルになることを決めたのは私達自身です」



茄子「プロデューサーが一人で思いつめることは無いと思います」



P「だけど...」



茄子「それにプロデューサーがいつも仰ってるじゃないですか」



茄子「”何かあったら俺に相談してくれ”って、それはプロデューサーも同じですよ?」



茄子「プロデューサーが不安になったら、私たちに相談してくれていいんです。吐き出してくれていいんです」



茄子「だってアイドルとプロデューサーは二人で事を成し遂げていくものじゃないですか」



茄子「だから...私達がプロデューサーを頼りにしているように、プロデューサーも私達に頼って下さいね」



P「....そうだな。うん、そうだよな。ありがとう...茄子」



茄子「どういたしまして♪あっ、ちなみに私は後悔なんてしてませんよ?他の皆も同じだと思いますけど」



P「ごめんな?つまらないことを言っちゃって」



茄子「いえいえ、プロデューサーの気が少しでも晴れたのなら私も嬉しいですよ♪

P「本当にありがとうな....やっぱり結構酔ってるのかな?」



茄子「私もちょっと酔ってるのかもしれません。生意気言っちゃったかも」



P「いや、大切なことを思い出させてくれた。それにおかげで大分気持ちが楽になったよ」



茄子「ひょっとして、こうして弱音を吐いたのは私が初めてですか?」



P「ここまで言ったのは初めてかもな。お酒の力かな?」



茄子「ふふっ♪だとしてもなんだか嬉しいですね。私が初めてなんて」



P「そうか...........」



茄子「それに...そんな風に私達のことを想ってくれる貴方だから...私は...」



P「....................」



茄子(”お酒の勢いで結果を得たくない”...そうは言ったけど...ここは!)



茄子「プロデューサー...Pさん!私は貴方のことが...!!」



P「....................」

茄子「Pさん?」



P「......ぐー」



茄子「....ふふっ。やっぱりフェアじゃないと私の幸運も微笑んではくれませんね」



P「ぐー...ありがとうな....茄子...」



茄子「はいっ♪次はお酒の力を借りずに伝えますからね♪」



茄子「さてと...どうしましょうか?」

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------



---------



P「......はっ!?」



P「イタタッ、頭が...二日酔いかな...ん?ここはどこだ?」



P(昨日は茄子と一緒に飲みにいって、それから...あれっ?記憶がない。その後どうしたんだ?)



P(潰れて寝ちゃったのか...ん?隣に誰かいる...まさか!?)



P(酔った勢いで...だとしたらここは女子寮の茄子の部屋か?ど、どうしよう!?担当アイドルに手を出したなんて...)



P(でも茄子にしては布団の盛り上がり方が小さいような...顔は布団に潜っていて見えないし...)



P「...ちょっと失礼」布団めくり



みりあ「スー....スー...」



P「えっ?えっ?え、何で?何でみりあと一緒のベッドで寝てるの俺?」

みりあ「う〜ん...ふぇ?...あっ、プロデューサーおはよー!」



P「お、おはようみりあ。ところで...」



茄子「あっ、二人とも起きましたか?朝ごはんの支度ができてますから、顔を洗って来て下さいね♪」



みりあ「はーい!」



P「お、おう。茄子、この状況は一体...」



茄子「あらー、やっぱり覚えていませんか。朝ごはんが冷めちゃうんで、食べながら説明しますね?」

P「よろしく頼むよ」



茄子「あ、でも一つだけ」



P「ん?」



茄子「一線は越えてませんから、安心してくださいねー?」



P「ありがとう。本当にありがとう。そこを教えてくれて」



茄子「いえいえ♪」



---



------



茄子・みりあ「「いただきまーす!」」



P「い、いただきます。茄子、どうしてこうなったか...」



みりあ「わー、この卵焼きおいしー♪」



茄子「たくさん食べてね?みりあちゃん。おかわりもあるからね♪」



みりあ「わーい♪茄子さんありがとうございます!」

P「どうしてこうなったかを...」



茄子「プロデューサーも食べて下さいね?前に約束したとおり料理の勉強をしているんですよ」



みりあ「プロデューサーも食べよう!おいしいよー」



P「じゃあ、どれどれ...うん!おいしい」



みりあ「えへへ、そうでしょー♪」



茄子「うふふっ♪どんどん食べて下さいね?」



P「それじゃあ遠慮なく...って、わざとやってるだろ?」

茄子「あらっ?ばれちゃいました?」



みりあ「プロデューサーどうしたの?」



P「みりあはどうして茄子の部屋にいるんだ?」



みりあ「パパとママがお友達の結婚式に行くために遠くにお出かけすることになってたんだけど、私はお仕事があってついていけなくて」



みりあ「一昨日からあいさんのお部屋にお泊りしてたんだ」



P「そう言えば、そんな話になってたな。自宅に一人で居させるのは不安だからってことで」

茄子「はい。そうだったんですけど...あいさんの身内に不幸があったらしくて、昨日地元に帰ることになったそうなんです」



P「それはご愁傷様だな...」



茄子「この女子寮に住んでいる他の大人もみんな地方で仕事があって、悉く不在で...」



P「なるほど、だから茄子が預かることになったのか」



茄子「はい」



P「そう言う事か...すまん、あともう一つ。俺がここに居るのは?」

茄子「プロデューサーが眠った後にタクシーを呼んだんですが、私はプロデューサーの自宅の住所を知らなかったので...」



P「まあ、そうだよね。俺が原因だからな...よく茄子一人で俺を部屋まで運べたな?」



茄子「居酒屋ではお店の人に手伝ってもらいまして、寮の近くからは肇ちゃんに手伝ってもらいました」



P「え...」



茄子「みりあちゃんのことも肇ちゃんに教えてもらったんですよ」



P(すみません、ちひろさん。また...お詫びを増やしてしまいました...)

みりあ「最初は肇さんの所に居たんだけど、茄子さんの所の方がプロデューサーがいるからそっちのほうがいいって」



P「まあ確かに大人が預かった方がいいよな」



茄子「違いますよ。そうじゃないですよ」



P「なんで?」



茄子「みりあちゃん、肇ちゃんになんて頼まれたんでしたっけ?」



みりあ「”二人をよく見ててね”って、どういう事かな?」



P「...」



茄子「ねっ?」



P「...よし、知りたいことも知ったし朝ごはんをしっかり食べよう」



茄子「そうですね♪」



みりあ「茄子さんおかわりっ!」



茄子「はいっ♪ちょっと待っててね」



P「しかし、こうやって三人で食卓を囲むと本当に家族みたいだな」

茄子「こんな家庭を持ちたいですね♪」



P「そうだな、こんな家庭を築けたら幸せだろうな」



みりあ「昨日三人で川の字になって、家族みたいにおやすみしたしねっ♪」



P「...はい?」



みりあ「?だってベッドは一つしかないでしょ?プロデューサー」



P「いや、そうだけど...ちなみにどんな感じで?」

みりあ「プロデューサーが真ん中で、私と茄子さんが隣でおやすみしたよ」



P「そ、そうか」



P(若干川の字とは違うような)



みりあ「温かくて、よく眠れたよ♪」



茄子「私もですよー♪」



P「まあ、俺も心地良く寝れたような気がする。ところで二人とも今日は何か予定はあるのか?」



茄子「私は特に予定はありませんね。みりあちゃんは?」



みりあ「今日の夜に家族のみんなが帰ってくるけど、その間はなにも...」



P「じゃあ三人で動物園にでも出かけないか?」



みりあ「いいのー?」パァァ



茄子「いいんですか?」



P「俺も特にやることはないし、外に出かけた方が健康的だろ?もちろん二人がよければだけど」



みりあ「いくいく!私行きたい!」



茄子「で、でも...」



P「昨日聞いたルールに関しては大丈夫だと思うぞ。候補の三人は今日は仕事だし、何より俺が誘ってるんだから」



茄子「...なら喜んでお付き合いしますね♪」



P「じゃあ俺は一旦家に戻って着替えてくるよ。11時くらいにまた何処かで落ち合おう。車を持ってくるよ」



茄子「なら近所の公園でどうですか?」



P「そうだな。じゃあまた後で」



みりあ「待ってるからね♪」



-動物園-



みりあ「プロデューサー、茄子さん、早くー!」



茄子「今いきますからねー?ふふっ、あんなにはしゃいじゃって」



P「あれだけ喜んでもらえたら嬉しいよな。ところでそれは?」



茄子「折角なんでお弁当を作ってきたんです」



P「悪いな、そんな準備をしてもらって。でも楽しみだよ」



茄子「そう言ってもらえると作った甲斐があります。みりあちゃんも手伝ってくれたんですよ」



P「ますます楽しみだ」



みりあ「二人ともー、早くー!」



茄子「みりあちゃんを待たせたら悪いですし、行きましょうか?」



P「そうだな。おーい、今行くよ!」



みりあ「遅いよー。プロデューサーここはアライグマはいるかな?」



P「どうかな?でもふれあい広場は在るみたいだから、もふもふした動物には触れると思うよ」



茄子「案内板によると、今日はモルモットと遊べるみたいですね」



みりあ「モルモット?」



P「大きなネズミさんだよ。可愛いぞー」



みりあ「そうなんだー。私別の事だと思ってたー」



茄子「別の事?」

みりあ「うん。このまえ清良さんが愛海さんを叱ってた時、”いい加減にしないと、モルモットにしますよ”って」



みりあ「私看護師さんのお仕事に関係あるんだと思ってた」



P・茄子「「.......」」



みりあ「清良さんの言ったモルモットって、どういう事なんだろう?プロデューサー知ってる?」



P「さあ...俺は看護師さんが使う専門用語はよく分からないからな。でも叱ってる時に使ったんだから良い意味じゃないんだろうな」

茄子「そうでしょうね...みりあちゃんは良い子だから知らなくても大丈夫じゃないかな?」



みりあ「そうなの?」



P・茄子「「そうなの」」



茄子「じゃあまずふれあい広場に行きましょうか?みりあちゃんもモルモットと遊びたいよね?」



みりあ「うん!すっごい楽しみだよ♪」



P「早速行こう」

みりあ「かわいいー♪」



P「そうだろう?いっぱい遊ぼうな」



みりあ「うんっ♪」



茄子「ふふふっ♪みりあちゃん可愛いですねー。本当に自分の子供にしたいくらいですよ」



P「おいおい、まだそんな歳じゃないだろう?茄子とみりあだったら歳の離れた姉妹だろ」



茄子「そうですけど、みりあちゃんを見ていたらそう思いませんか?」

P「まあ気持ちはよく分かるよ。みりあだけじゃなくて事務所の子供達はみんなそう思う時があるよ」



茄子「みんな良い子ですからねー」



P「本当にうちの事務所は恵まれているよ。大きな揉め事は今のところ無いし...まあ、個性が強すぎるメンツはプロデューサーとしては難しい面はあるけど」



茄子「でもそんな難しい面にやりがいも感じてるんですよね?」



P「そうだけどね。もちろんそれを補って余る魅力があると思ってるわけだし」



茄子「それは私もですか?」



P「当然」

茄子「ありがとうございます♪...ふふふっ♪」



P「はははっ」



みりあ「二人もいっしょにこの子達と遊ぼうよー!」



P「そうだな。行こうか茄子」



茄子「折角来たんですしねっ。私達も童心に返りましょうか」

(4時間後)



-車中-



みりあ「スー」



茄子「みりあちゃん遊び疲れて眠っちゃいましたね」



P「全力で楽しんでいたからな。親御さんから連絡が来るまで、また預かっててもらっていいか?」



茄子「大丈夫ですよ。私も今日はとても良い休日を過ごせましたよー」

P「俺もそうだよ。良かった二人に楽しんでもらえて」



茄子「...話は変わるんですけど、今日私たちは周りからどう思われてたんですかねー?」



P「特に騒がれなかったから、ばれてなかったんじゃないか?茄子とみりあが居たってことは」



茄子「そうじゃありませんよ?私達家族だと思われたんじゃないかなと」



P「ぶっ」

茄子「ほらっ、三人でソフトクリームを食べたじゃないですか?その時に売店の人が、”かわいいお子さんですね”って、みりあちゃんのことを言ったんですよ」



P「まあ、そう思われてたかもしれないな」



茄子「それで今朝の事を思い出したんです。”こんな家庭を持てたら幸せだろうな”って二人で話したことを」



P「...まあ大体の人が手にしたいものだからな、茄子もそうだろ?」



茄子「はい...でもそれはまだ先の話だと考えています。今私が叶えたいことはプロデューサーと二人でトップアイドルになることなんです」



P「プロデューサーとしては、そう言ってもらえて良かったよ」

茄子「でも...トップアイドルになって、しばらくしたらもう一つの夢を叶えようとしても良いですよね?」



P「それをとやかく言う権利は俺には無いよ。茄子がアイドルとして活動することに満足したら、そうしても良いと思うよ」



茄子「ありがとうございます...その時が来たら伝えますからね?」



P「...」



茄子「念のために言っておくと、みなさん気づいてますからね?プロデューサーがそういう”フリ”をしていることは」



P「え...」

茄子「雪美ちゃんだってわかってるんですよ。みんな今の環境を壊したくないって、気持ちもあるから積極的にそのことを言おうとはしませんけどね」



P「そ、そうなのか...」



茄子「はい。きっとみんなトップアイドルになったら伝えようと思ってますよ?私もそうですからね」



茄子「だから、私がなります。事務所の誰よりも早くに、そして伝えますから」



茄子「この願いは幸運じゃなくて私自身の力で叶えます。そして...残った幸運はPさんにお裾分けしますからね?待ってて下さいよ」



終わり



20:30│鷹富士茄子 
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