2015年11月05日

日野茜「ハイキングです!!!」

秋なので日野茜ちゃんと木場真奈美さんがハイキングに行くSSを書きました!!







SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446635305





茜「ハイキングに行きましょう!!!」



真奈美「おや、そりゃあまた藪から棒な」



茜「そうですかね!?」



真奈美「まぁレジャーシーズンだしハイキング自体は不思議じゃないが……」



真奈美「どちらかと言えば、茜がハイキング、と言うのが意外だったよ」



茜「確かに、これまでの私ならばハイキングではなく高地トレーニングだったかもしれません!!」



茜「しかしですね……! 先日、藍子ちゃんにこう言われてしまったのです!!」



茜「『もう少し、ロケーションを楽しむのもいいと思うよ』と!!」



真奈美「なるほど、一理あるな」



真奈美「アイドルたる者、自らの研鑽だけでなく、様々なことを楽しむ心の余裕も重要だ」



茜「これを聞いた私はまさに目からウロコがフォーリン!!!」



茜「さっそく行こうと思ったわけです!!」



真奈美「納得したよ。それで、その話をどうして私に?」



茜「それはですね……!」ホワホワ……!





………………





茜「ロケーションですか!! おいしいですか!?」



藍子「まぁおいしいこともある、かな?」



茜「楽しみですね!」



藍子「食べ物の話じゃないですけどね。たまにはゆっくり歩いて、周りの景色を楽しむのもいいと思うんです」



茜「ゆっくり歩いて……」



藍子「今の季節だと登山なんてどうでしょう? 景色が綺麗ですよっ」



茜「なるほどっ!!」



藍子「秋だとはいえ山は何があるかわからないから、大人の人と一緒に行くのがいいですよ」



茜「大人の人ですか!!」



藍子「真奈美さんがお暇なら、頼んでみたらどう? すごく頼りになる人ですし」



茜「真奈美さんですね!! 聞いてみます!!」



藍子「あっ、行っちゃった……」



藍子(言えないなぁ……)



藍子(茜ちゃんの体力に付き合えそうなのが真奈美さんくらいしか思いつかなかっただなんて……)





………………



茜「という流れになりまして!!」



真奈美「それで私か。と言っても私もハイキングの経験はそれほどないぞ?」



茜「そうなんですかっ!?」



真奈美「その代わり高地トレーニングの経験はある」



茜「もったいぶらせましたね!!」



真奈美「なんだか今日は言葉の切れ味が鋭いな?」



茜「でも真奈美さんが山に慣れているなら実際安心です!!」



真奈美「あぁ。任せてくれ。そうだ。せっかくなら行き先も私が決めてしまって構わないかい?」



茜「お願いします!! ロケーションと言われてもどこがいいのかさっぱりわからなかったので!!」



真奈美「しかし、ハイキングか……今の季節なら紅葉が見られるだろうな。楽しみだよ」



???「紅葉を見に行こうよう……」フフッ



茜「むむっ!! 今不穏な空気がっ!!」



真奈美「気のせいじゃないか?」



茜「気のせいですかね!!」





〜〜〜〜〜〜〜





茜「というわけでハイキング当日です!!」



真奈美「それは誰に説明しているんだ……?」



茜「さて!! とりあえず事務所前に集合ということで来ましたが!!」



茜「これからどういう流れですか!?」



真奈美「あぁ、とりあえず奥多摩の方に向かおう」



茜「奥多摩ですか!! あまり詳しくないですけど、山! ってイメージです!」



真奈美「これから山にハイキングに行くんだから、それはそうだろうな」





真奈美「山は何が起こるかわからないからな。準備しておくに越したことはない」



真奈美「というわけで持ち物を確認しよう。その巨大なバックパックには何が入ってるんだ?」



茜「そうですね! まずはお昼ごはんです!!」ゴトン!



真奈美「真っ先に生米が出てきたな」



茜「無洗米です! それに加えて!」ゴトン!



真奈美「飯盒と、水筒が三つか」



茜「水筒の二つは水とお茶です!! そして、もう一つはですね……!!」



茜「なんと、スープカレーなんですよ……!!!」



真奈美「茜はランチに力を入れすぎじゃないか?」



茜「早起きして野菜を素揚げしてきました!! 真奈美さんの分もバッチリです!!!」



真奈美「そ、そうか、ありがとう」



茜「いえいえ!!」





真奈美「茜はカレーを持ってきたのか……ちょうど良かったかもしれないな」



真奈美「私のランチはこれだ」



茜「お肉ですね!? というか生肉ですね!?」



真奈美「さすがに冷凍はしてあるが」



茜「牛、鳥、これはラムですかね!? このお肉はなんのお肉ですか!」



真奈美「それはシカさ」



茜「シカでした!!」



真奈美「山頂に着いたら美味しいスープカレーが食べられそうじゃないか」



茜「今から楽しみです!!!」





P「あれ、こんな朝早くにどうしたんです?」



真奈美「おや、プロデューサー君じゃないか。おはよう」



茜「おはようございます!!!!」



P「おはようございます。それで、二人はそんな重装備で……修行にでも行くんですか?」



真奈美「フッ、そんな高尚なものではないさ」



茜「これからハイキングに行くんです!!!」



P「なるほど、ハイキングか……それなら、えぇとどこにしまったかな……」



P「あぁあったあった。これでレポートしてきてくださいよ」



茜「ハンディカメラですか!!」



P「そうそう、仕事って訳じゃないけどね」



茜「任せてください!! バッチリ撮ってきます!!!」



P「そりゃよかった。真奈美さん、茜の保護者役は大変かもしれませんけどお願いしますね?」



真奈美「大変なんてことはないさ。茜はいい子だからね」



茜「私、いい子にしてます!!!!」



P「ほい、じゃあよろしくお願いします」



〜〜〜〜〜〜〜〜





茜「という訳で私たちは今登山道にいます!!」



茜「今は少し休憩中です!!! 給水は重要ですからね!!」グビーッ!!



真奈美「だからどこに説明してるんだ……って、ハンディカメラか」



茜「そうです!! 本格的に登り始めたので撮影開始しました!!」



真奈美「ここまでは電車にケーブルカーだったからな」



茜「ケーブルカーから見える景色も綺麗でしたね!!」



真奈美「ずっとそわそわしていた茜の方が気になってたよ」



茜「いやぁこの地面を踏みしめている感じ!!! 良いですね!!!」



茜「とりあえず走りますか!?!?」



真奈美「ロケーションを楽しむのではなかったのかい?」



茜「はっ!! 私としたことが本題を忘れていました!!!」



真奈美「そろそろ歩き始めよう。頂上でランチと洒落込もうじゃないか」



茜「よーし!!歩き出しますよー!!!!」



真奈美「歩くときの気合いの入れ方じゃないな……」





茜「マウンテンマーウンテーンっ!!!」テチテチ



茜「たーばこっ!!! ぷかっぷっかー!!!」テチテチ



茜「あっ!!!煙草はだれも吸ってませんよ!!! 体に良くないですからね!!! あしからず!!」



真奈美「カメラ回してるのか?」



茜「はい!! バッチリです!!」



真奈美「そうか。しかし、紅葉シーズンの割に登山客が全然いなくて助かったよ」



茜「どうしてですかっ!?」



真奈美「山の中とはいえアイドルが大声で歌っていたら気付かれるだろう?」



真奈美「それにここまでの声量だと、迷惑になるだろうしな」



茜「確かに……!」



真奈美「少しボリュームを落とせば良いさ」



茜「そうします!」



茜「サーティワンとーっ! 飴ちゃんなーめてー!」テチテチ



真奈美「ところで、どうして急に歌を?」



茜「それはですね……!」ホワホワ……!





………………



茜「ハイキング初心者の私にハイキングの楽しみ方を教えてください!!!」



藍子「ハイキングの楽しみ方……景色を楽しむのも良いけれど、一緒に歩く人とワイワイ楽しく歩くのも醍醐味ですねっ」



藍子「おしゃべりしながらだったり、みんなで歌を口ずさんだり……」



茜「歌ですか!!!」



藍子「森のくまさんとか歌いながら歩くのも楽しいですよ」



藍子「あと、熊除けにもなりますしね」



???「森のくまさんで、熊を避けるべあー……」イマイチ……



???「来ればいいべあー……アー、登別クマ牧場、ですね?」



茜「むむっ!!! 再び不穏な気配!!!」



藍子「気のせいじゃないですか?」



茜「気のせいですかね!!!」



藍子「じゃあ気を取り直して。歌いながらだと、歌に合わせてゆっくり歩くことにもつながりますから」



藍子「ゆっくり、景色を楽しみながら、ね?」



茜「わっかりましたぁ!!! 全力でゆっくり景色を楽しみます!!!」



藍子(大丈夫かなぁ?)



………………





茜「ということがあったので!」



真奈美「なるほどな。それで歌か」



茜「そういうわけです!」



真奈美「ちなみなんだが、茜はもっと喉に負担を掛けない歌い方を学んだほうがいいな」



茜「ほんとですかっ!?」



真奈美「あぁ、詳しいことは帰ってから教えるが、より歌いやすくなるだろう」



真奈美「基本の腹式呼吸などは出来てるんだがな。もっと楽な歌い方がある」



茜「ありがとうございます!!!!」



真奈美「ほら、そうこうしてるうちにもうすぐ頂上だ」



茜「カレーです!!!」



茜「マウンテントップっ!!!」



真奈美「よく晴れていて、最高のロケーションじゃないか」



真奈美「おっ、茜見てくれっ。富士山が見えるぞ」



茜「うおおおおっ!!! 頂上に来たーっ!!! って感じがします!!!」



真奈美「頂上でやることと言えばあれだな」



茜「そうですね!!」



真奈美「ヤッ 茜「ボンバーーーーッ!!!!!」



ボンバーッ!!! ボンバーッ!! ボンバーッ! ……



茜「迫真の山彦でした!!!」



真奈美「声量では勝てる気がしないな……」



茜'sおなか「グーッ!!!」



茜「おっと! ここで私のお腹が盛大に鳴りましたね!」



真奈美「よし! ランチにするぞ!!」



茜「ヤッターー!!」





真奈美「茜は米は炊けるな?」



茜「まっかせてください!」



真奈美「それなら私は肉を調理していこう」



真奈美「といっても捌いて焼くだけだがな」



茜「真奈美's キッチンですねっ!!! オリーブオイルかけますか!?」



真奈美「オリーブオイルは使うが追いオリーブまではしないから心配には及ばないよ」





茜「ごはん! 炊き上がりました!!!」



真奈美「おっと、こちらもおおよそ準備は終わったよ。スープカレーもアツアツだ」



茜「やりましたね!! さっそくよそっちゃいましょう!!」ヨソイヨソイ



真奈美「おぉ、これはまた高くよそったな」



茜「真奈美さんも同じくらいでいいですかっ!?」



真奈美「い、いや、少し減らしてくれ」



真奈美「茜が食べる分が減ってしまうだろう?」



茜「わぁ!! ありがとうございますっ!!」



真奈美(さすがに茜と同じ量は厳しいな……)フフッ



茜「どうかしたんですか真奈美さん!! もう私待ちきれません!!」



真奈美「おっと、じゃあ手を合わせようか」



茜「はいっ!!」



「「いただきます(っ!!!!)」」





茜「もぐもぐ!」モガーッ!



茜「!!」



茜「うっ!!」



茜「うーまーいーぞー!!!!」



茜「ほかほかごはんにアツアツのカレー!!」モガーッ!



茜「特にこの野性味あふれるお肉が絶品ですっ!!!! このお肉が……!?」



真奈美「それがシカだな」



茜「シカでした!!!」





真奈美「それにしても、視界にはいっぱいの紅葉、遠くには富士山……」



真奈美「これを見ながらランチとは、私たちは贅沢者だな」



茜「ホントですね!! ここまでの道もずっと赤くて黄色くてきれいでした!!」



真奈美「ハイキングもなかなか侮れない。この歳になっても驚くことばかりだよ」



茜「そういえば、藍子ちゃんがロケーションはおいしいと言ってました!!」



茜「空腹というスパイスもありますが、きれいな風景を見ながらのごはんは!!」



茜「まさに絶品!!」





真奈美「それはいい経験が出来たな。君もまだ若い。これからもっといい景色も知っていくだろうさ」



茜「それでも!! 今日のことは絶対に忘れません!!」



茜「だって、真奈美さんと一緒でしたからっ!!!」



真奈美「……君には敵いそうにないな」



茜「?」モグモグ



真奈美「いや、こっちの話さ」



真奈美「そうだな……今度、私がまたハイキングに行きたくなった時」



真奈美「必ず君を誘うよ。着いてきてくれるか?」



茜「もっちろんですっ!!!」



真奈美「ありがとう……じゃあそろそろ」



茜「ごちそうさましますか!!」



「「ごちそうさまでした(っ!!!)」」





〜〜〜〜〜〜



藍子「茜ちゃん、すっごく楽しそうでしたね!」



茜「はいっ!! それはもう!!!」



藍子「ロケーションも楽しめたみたいだし、私とも今度行きましょうね?」



茜「そうですね!! 今から楽しみです!!!」



藍子「あれ、ここからは下り道の映像かな?」



茜「そのはずです!!」



藍子「でも、カメラがぶれぶれ……」



茜「あぁそれはですね!!」



茜「帰り道はお米が無くなって軽くなったので!!」



茜「走って降りてきました!!!!」



藍子「それじゃあハイキングじゃなくてトレイルランニングですっ!!」





おわりっ!!!





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