2015年11月09日

夏樹「アツい仕事じゃん」

夏樹「ヤベーよ。モバPさん!」



モバP「どうしたのさ」



夏樹「だりーのヤツがギターを覚えはじめてさ…このままだと、ロックアイドルの座を奪われちまうぜ」





モバP「李衣菜ちゃん…これでエアギターをやる必要ないんだね。彼女が重役の前でエアギターしたときは死ぬかと思ったよ」





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夏樹「そんなわけで、アタシとしては……ロックでアツいところを派手にアピールしたい」



モバP「派手にアピール…ね。しかし、予算がね」



夏樹「そこを何とか……」



モバP「ちひろさんが激怒して、怒り心頭でハゲちゃうよ?」



夏樹「頼むぜ!モバPさん」



モバP「はぁ………わかった、何とかするさ。では、この書類にサインしてくれる?」



夏樹「オーケー!サインぐらいするぜ!!」





木村夏樹は、速攻でサインした。書類に目を通す時間はなかった。

空港





モバP「おはよう」



夏樹「空港に集合って聞いて来たんだけどさ…マジで海外?」



モバP「イエス。さぁ、行こうか…かなりロックな企画だよ!」



夏樹「ロックってことはイギリス?アメリカ?」



モバP「ノー。C国だよ」



夏樹「は?オイオイ、そこって……ヤバくね?」



モバP「サインしたでしょー?さぁ、レッツゴー」



……

………

C国





モバP「ここは、C国の首都。ちなみに、C国に日本大使館は存在しない」



夏樹「マジかよ」



モバP「テロとか色々あるから。今回は櫻井・西園寺グループのコネとマネーパワーで無理矢理、入国したんだよ」



夏樹「櫻井・西園寺グループ……ハンパねぇな」

モバP「よし。僕が撮影、アシスタント、ナレーションするから、夏樹ちゃんは散歩ロケな」



モバP「C国の街を散歩してね。ゆるふわなアイドルが、よくやってる散歩ロケって、感じでさ」



夏樹「オーケー…。ところでさ、護衛とか防弾チョッキとかいらねぇの?」



モバP「護衛は雇っても、逃亡するからいらないね。護衛を雇う費用は無駄だよ」

モバP「防弾チョッキは、爆弾や機関銃には関係ないからさーつけなくていいよ!」



夏樹「おぉ……ロックだぜ」



モバP「この国は暑いしーハハハ!防弾チョッキだとかヘルメットなんて暑いだけさハハハ!」



夏樹「お、おう」



モバPさぁ撮影しようか!」

撮影中 REC●



モバP「皆さん、こんにちはー。プロデューサーです」



夏樹「今日はC国にきているんだ」



モバP「夏樹ちゃん、良い天気ですねー」



夏樹「そ、そうだな!」





ドカーン!





夏樹「きゃあ!」



モバP「隣の地区で爆発があったみたいだね。ロケットかな?爆弾かな?さぁ、ぶらり散歩しようか」

夏樹「ここの街並みはハードコアって感じだな……」



モバP「視聴者の皆さんにもハードコアが伝わるといいねぇ」



夏樹「お!アレは何だ?」



モバP「おやおや、夏樹ちゃんが発見したようですよ!」



夏樹「黒い…?」



「………」



ミートボールのような黒い物体は、焼け焦げた臭いがする”何か”だった。





モバP「ああ、それは人だね」



夏樹「ひっ」



モバP「ロケットでも被弾したのかな?真っ黒コゲだねーアハハ」

夏樹「ハードっていうか情緒があるっていうか……」



夏樹「小梅的に言ったら『デス』『ホラー』っての?」





<死ぬやつは良い豚どもだ!死なないやつは悪い豚どもだ!



ドカーン!



<○族の豚野郎は消毒だぁああああああ!





夏樹「きゃぁあああああああああ!」



モバP「ただの手榴弾だ。問題ない。撮影を続行するよ」



夏樹「お、おう」

夏樹「ああ…ヤバイ感じだ」



モバP「ほほう、夏樹ちゃんでも危険を感じるんだ?」



夏樹「え?そりゃアタシだって、しっかり身の安全を確保したい時くらいあるぜ」



夏樹「ピンチや危険を何でも『アツい』『ロック』とか言うのは、アイツだって」



モバP「ハハハ。確かに」





パン! ドガガガガガッ!!



<[ピーーー]や![ピーーー]や!

夏樹「…そういや今、気付いたけど電柱や電線を全然見ないな」



夏樹「電気とかどうしてんだここ?」



モバP「よい質問だね〜視聴者の皆さんもご存知だとは思いますが……」





<アニキィイイイイイ



ザクッ ザクッ



<ヒャッハーアアアアアアアアア



ドガガガッガガガ!!

モバP「周辺諸国に攻められたC国は切羽詰まって、自国に核ミサイルを撃ち込んで」



モバP「自国もろとも攻めてきた敵軍を吹き飛ばしたってワケです」



夏樹「自国の核ミサイルによる攻撃で、電線やライフラインは全部、吹き飛んだのか!へぇ!」



モバP「放射能の心配はないから安心してね」



夏樹「安心だな」

夏樹「なかなかアツい仕事じゃん!攻撃したC国のソウルを感じるぜ」



モバP「そうだね。C国は現在、民族抗争、軍閥争い、テロリスト流入などで混乱の極み」



モバP「まぁ、なかなか思い切ったことをするよね…あ!」



夏樹「ん?」



モバP「夏樹ちゃんも『アツい』って使ったねぇ、李衣菜ちゃんみたいだ。アハッハハハ」



夏樹「え?結局『アツい』とか使ってるって?いやいや、今のは『デス』とか『ホラー』じゃねぇだろ?」



夏樹「使っていいとこさ…なぁ?」



<蛆虫、出てきやがれぇえええ



ドガガガガガガガガッ! 



<生きてかえすな



<ウアアアアアアアアアアアアアア







夏樹「スゲー。激しい戦闘だ。デカイ銃で撃ちあってるぜ」



モバP「あれは自動小銃だね。あの鉄砲で一発、太腿を撃たれたら大きな血管がブチ切れて、死んじゃうんだなぁーアハハハ」



夏樹「マジかよ。視聴者はドキドキもんだな!こりゃあハードコアだ」



モバP「体の中では、金属の弾がクルクルと回転するんだよ〜」



夏樹「マジか…かなり『ロック』だ」



モバP「体の中を、小さいオッサンがバック転しながら進むみたいなもんだからね」



夏樹「ああ、そりゃあ死ぬわ。『ロック』だ、ガチだわ」



モバP「うん、『ロック』でガチだね」

モバP「そろそろ食事にしようか、夏樹ちゃん」



夏樹「そうだな。レストランとか食堂とかあんのかな?」



モバP「あそに店があるよ。撮影交渉してみようか」



夏樹「撮影許可がねぇとな。お偉いさんに、お叱りうけちまうもんな」

撮影一時中断





<ハロー!タベモノ、ミール、プリーズ!シンデレラ!



<ナニ?この外人。[ピーーー]よ!カメラよこせ[ピーーー]



<金をもってそうだ。身包み置いてけよ!っていうか[ピーーー]



<ミール、プリーズ、平和拳法、サムライ、シブリン



 ボキッ 



<ぎゃああああ



<腕がぁぁあ腕ががああっ…ひっ、ひっ



<ミール、プリーズ、ニンジャ、サスケ、ナマハムメロン



 ドゴッ ぐしゃぐしゃ!



<わ、わかった!OK!

撮影中 REC●





夏樹「………」



モバP「撮影許可おりてラッキーでだったね」



夏樹「………うん」



モバP「ほら、笑って笑って!ミートボールだよぉ!」





皿に盛り付けられたミートボール。そのミートボールを見た木村夏樹は



街で見た”黒焦げになったミートボール”を思い出した。





夏樹「ミートボール……おうぇっおおおおろろろろろ」



モバP「ダメだぞ?笑わなきゃ〜。ほらほら、笑顔でカメラにピース!」



夏樹「お、おう!」





木村夏樹の渾身のダブルピース。普段では、なかなか放送されない表情にファンは歓喜した。

事務所





夏樹「マジでヤベーよ。モバPさん!」



モバP「どうしたんだい?」



夏樹「この前の撮影をインターネットで公開したら、アクセス数がハンパなかったぜ!」



モバP「おお!よかったね」



夏樹「だりーに勝てた気がしたよ。ありがとよ」



モバP「どういたしまして」

夏樹「ところで、相談なんだけどさ。プロモーションビデオの撮影はエベレスト(Everest)でやらねぇか?」



モバP「おいおい、予算も限られているし難しいよ。ちひろさんが激怒しちゃうね」



夏樹「エベレストで撮影すれば、アツいプロモーションビデオになると思うんだけどさ」



モバP「うーん。コストカットカットカットカットして……僕が夏樹ちゃんと荷物を背負って登山ってことかい?」



夏樹「モバPさんのアツい仕事に期待してるぜ……な!」

モバP「もう〜……何でも『アツい』を使えば良いってもんじゃないよ…ったく」



夏樹「いやいや、使っていいとこさ、なぁ?」



モバP「え?」



夏樹「アタシを背負ってエベレスト単独登山ってのは、アツい仕事だよ…なぁ?モバPさん」



モバP「しょうがないなぁ。二人でアツい仕事しようか」



おわり





20:30│木村夏樹 
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