2015年11月11日
十時愛梨「私達」水野翠「天然なんかじゃ」水本ゆかり「ありません」
十時愛梨(※以下愛梨表記)「ふぅ……やっと事務所に着いた〜」
愛梨「あれ〜? まだかな子ちゃんとの約束まで時間あるなぁ。ちょっと早く来すぎちゃった……あそこのオープンテラスで少し休憩しようっと」トテトテ
愛梨「あれ〜? まだかな子ちゃんとの約束まで時間あるなぁ。ちょっと早く来すぎちゃった……あそこのオープンテラスで少し休憩しようっと」トテトテ
翠「いつきさんと自主レッスンをする約束で事務所に集合しましたが、随分早く着いてしまいました……あそこのオープンテラスで休んでいきしょう」テクテク
ゆかり「ええと、有香ちゃんと法子ちゃんは……まだ着いていないみたいですね。あそこのオープンテラスで待っていましょう」トコトコ
愛梨「あっ、翠ちゃん、ゆかりちゃん、おはよ〜」
翠「愛梨さん、ゆかりちゃん、おはようございます」
ゆかり「はい、おはようございます。翠さん、愛梨さん」
愛梨「二人とも何してるんですか〜?」
翠「私はいつきさんと約束があるんですけど、早く着いてしまったのでここで少し休んでいこうかと」
ゆかり「私も法子ちゃんと有香ちゃんを待っていて、同じくここで休憩しようと思いまして」
愛梨「そうなんだ〜。私もかな子ちゃんと約束があるんだけど早く着いちゃって……良かったらそこの席で三人で一緒に座りましょう〜?」
翠「はい、それでは」
ゆかり「私もご一緒させてもらいますね」
愛梨「うん」
愛梨「あっ、そうだ! 私、ケーキを焼いてきたんですよ〜。暖かい紅茶も一緒に持って来たから、ちょうど良いし三人で食べましょ〜?」
翠「良いんですか? ありがとうございます」
ゆかり「ありがとうございます。いただきます」
愛梨「それじゃぁ、よいしょっと……」トスッ
愛梨「コップもお皿もフォークも持って来てるから……お皿に乗せて紅茶をコップにいれて、……はい、どうぞ〜」
翠「いただきます」
愛梨「どうかなぁ、上手く出来てるかな〜?」
ゆかり「……美味しいです、とても」
愛梨「本当〜? 良かったぁ〜」
翠「ええ、本当に美味しいです。このケーキは、愛梨さんが一人で全部作ったんですか?」
愛梨「そうだよ〜」
ゆかり「すごいですね」
愛梨「そんな事ないよ〜。慣れれば簡単だよ?」
翠「いえ、それでも凄いですよ。形もキレイで味もお店に売っているものみたいで……」
翠「愛梨さんてゆかりちゃんみたいに天然な所があるから、こんな事が出来るなんて、なんだかちょっと意外です」
愛梨「え?」
ゆかり「え?」
翠「え?」
愛梨「ええ〜? ゆかりちゃんと翠ちゃんは天然だと思うけど、私は天然じゃないよ〜」
ゆかり「え?」
翠「え?」
愛梨「え?」
ゆかり「いえ、翠さんと愛梨さんは天然だと思いますけど、私は天然ではないですよ?」
翠「え?」
愛梨「え?」
ゆかり「え?」
翠「愛梨さんとゆかりちゃんは天然だと思いますけど、私は天然じゃありませんから」
愛梨「え?」
ゆかり「え?」
翠「え?」
愛梨「ええ〜? ゆかりちゃんと翠ちゃんは天然だと思うけど、私は天然じゃないよ〜」
ゆかり「え?」
翠「え?」
愛梨「え?」
ゆかり「いえ、少なくとも愛梨さんは天然だと思います」
愛梨「ええ〜? どうして〜?」
ゆかり「ほら、シンデレラガールズ劇場の33話と138話を見て下さい」
翠「これがどうかしましたか?」
ゆかり「暑いからといって、どこであっても構わず服を脱ごうとしています」
愛梨「ええ〜? でも、脱がないと涼しくならないよ?」
ゆかり「あれ? そうですね」
翠「その通りです」
愛梨「私、何か間違ってるかな〜?」
ゆかり「いえ、間違ってませんでした」
翠「間違っていませんね」
愛梨「そうだよね〜。ほら、やっぱりゆかりちゃんは天然だよね」
ゆかり「いえ、翠さんと愛梨さんは天然だと思いますけど、私は天然ではないですよ?」
翠「え?」
愛梨「え?」
ゆかり「え?」
翠「いえ、少なくともゆかりちゃんは天然です」
ゆかり「え? どうしてですか?」
翠「ほら、スターライトステージのゆかりちゃんの1コマ劇場を見て下さい」
愛梨「これがどうかしたの?」
翠「法子ちゃんのフルートって振るーと音が出るのという問いに、真面目に吹いて音を出すものという返答をしています」
ゆかり「え? でも、フルートは吹いて音を出すものですよ?」
翠「あれ? そうですね」
愛梨「そうだよね」
ゆかり「私、何か間違ってますか?」
翠「いえ、間違ってませんね」
愛梨「間違ってないよね」
ゆかり「そうですよね。やっぱり翠さんは天然ですね」
翠「いえ、愛梨さんとゆかりちゃんは天然だと思いますけど、私は天然じゃありませんから」
愛梨「え?」
ゆかり「え?」
翠「え?」
愛梨「え〜、やっぱり翠ちゃんは天然だと思うな〜」
翠「え? どうしてですか?」
愛梨「ほら、シンデレラガールズ劇場の51話を見てみましょ〜?」
ゆかり「これがどうかしましたか?」
愛梨「体が柔らかくなるからって、お酢をそのまま飲んでるんだよ〜?」
翠「え? でも、お酢を飲むと体が柔らかくなりますよ?」
愛梨「あれ〜? そうだよね」
ゆかり「そうですね」
翠「私、何か間違ってますか?」
愛梨「ううん、間違ってなかったね」
ゆかり「間違ってないですね」
翠「そうですよね。やっぱり愛梨さんは天然ですね」
愛梨「ええ〜? ゆかりちゃんと翠ちゃんは天然だと思うけど、私は天然じゃないよ〜」
ゆかり「え?」
翠「え?」
愛梨「え?」
ゆかり「いえ、翠さんと愛梨さんは天然だと思いますけど、私は天然ではないですよ?」
翠「え?」
愛梨「え?」
ゆかり「え?」
翠「いえ、愛梨さんとゆかりちゃんは天然だと思いますけど、私は天然じゃありませんから」
愛梨「え?」
ゆかり「え?」
翠「え?」
愛梨「えぇ〜? 何で三人とも意見が合わないのかなぁ?」
ゆかり「何故でしょうか?」
翠「不思議です」
愛梨「んぅ〜……あっ! わかったぁ〜!」
ゆかり「どうしたんですか?」
翠「何がわかっんですか?」
愛梨「きっと、三人とも天然じゃないんだよ〜。だから意見が合わないんだよ」
ゆかり「成程、そういう事ですか。確かにそうかもしれません」
翠「合点がいきました。そこに気付くとは、流石初代シンデレラガールですね」
愛梨「えぇ〜、そんな大した事じゃないよ〜」
翠「いえ……以前、美食公演で演技指導の講師の方に教わったのですが、何事も上達するには気付く事が大事だそうです」
ゆかり「気付く事?」
翠「はい。自分には何が出来て何が出来ないのか……他の人の良い所や悪い所、自分と他人は何が違うのか……」
翠「そこに気付いて、それを改善したり伸ばしていったり……それが上達への一歩だそうです」
翠「今の愛梨さんの様に、大事な事に気付ける鋭い洞察力があったからこそ、初代シンデレラガールという栄冠に輝けたんですね」
ゆかり「成程。確かにその通りですね」
愛梨「えぇ〜、そうかなぁ〜」
ゆかり「はい、きっとそうですよ」
愛梨「そうなのかなぁ〜、えへへっ」テレテレ
愛梨「うぅ〜……なんだか恥ずかしくなってきちゃったぁ〜」
愛梨「今日は晴れてて日射しも強いし、暖かい紅茶も飲んでるから暑くなってきたなぁ……ちょっと脱ぎますね〜?」
ゆかり「あ、愛梨さん、いけませんよ」
翠「そうです、ここで脱いでは駄目ですよ」
愛梨「えぇ〜、どうして〜?」
ゆかり「だって、ここは屋外のオープンテラスですよ?」
ゆかり「ハンガーなど、衣服を掛ける物も場所も無いのに脱いでしまっては、服にしわがついてしまいます」
翠「それにもう11月ですからね。いくら晴れていて日射しが強くても、脱いだら寒いと思いますよ?」
愛梨「あっ、そっかぁ〜」
愛梨「うぅ……でも暑いよぉ〜……」
ゆかり「どうしたら良いでしょうか……」
翠「では袖を捲るか、シャツの裾をめくるのはどうでしょうか?」
ゆかり「成程、流石は翠さんです」
愛梨「そっかぁ〜、それじゃあ裾をめくって……よいしょ」ペロ ブルンッ
ゆかり「愛梨さん、相変わらず素晴らしいスタイルですね。正直、少し羨ましいです」
翠「ピンクのフリルが着いた下着も、とても可愛らしいです」
愛梨「えへへ、そうかなぁ〜? ありがとう〜」
愛梨「……あれぇ〜?」
ゆかり「どうしましたか?」
愛梨「周りの席に居る他の部署のプロデューサーさんやマネージャーさん達が、私達の方を見て前屈みになってて……どうしたのかなぁ?」
ゆかり「本当ですね。皆、上半身を屈めて……どくしたのでしょう?」
翠「前屈み……はっ」
ゆかり「翠さん、どうしましたか?」
愛梨「何かわかったんですかぁ〜?」
翠「はい、周りのマネージャーさんやプロデューサーさん達が前屈みになっている理由……それは……」
翠「腰痛です。皆さん、腰を痛めているんです」
愛梨「腰痛?」
ゆかり「どうして腰痛だとわかるのですか?」
翠「以前聞いた話ですが、普段からあまり運動をしていない人は、座りっぱなしのデスクワーク等が、却って腰痛の原因になりやすいそうです」
翠「うちは大きなプロダクションですから、皆さん忙しくてなかなか運動も出来ないでしょうし、最近までハロウィンのイベントがありましたからね」
翠「それこそ皆さん、ずっと座りっぱなしで作業をしていたでしょうから、腰にかなりの負担をかけてしまったんでしょう」
ゆかり「成程、納得がいきました」
愛梨「ハロウィン、忙しかったからね〜」
愛梨「あれ? じゃあ、海の家のイベントの時、私の水着のヒモがほどけて脱げちゃった時にPさんが前屈みになってたのって……」
ゆかり「きっと腰痛だったのですね」
翠「間違いないですね」
ゆかり「ん? では、以前私が、寝惚けて衣服を乱しながらプロデューサーに抱き付いた時に、プロデューサーが前屈みになっていたのは……」
翠「きっと腰痛だったんでょう」
愛梨「間違いないよ〜」
翠「はっ! じゃあ私が美食公演の時に、極太の極大ソーセージを豪快に美味しそうに食べるシーンで、肉汁と唾を滴らせながら、あまりのソーセージの太さと大きさに口に収まり切らず、更に口が塞がって呼吸もしにくく、身悶えしながら必死にソーセージをくわえ込んでいた時に、プロデューサーさんが前屈みになっていたのは……」
愛梨「きっと腰痛だったんだね〜」
ゆかり「間違いありません」
愛梨「大変〜! じゃあPさんて、もう何ヵ月も腰痛もってたって事だよね?」
ゆかり「そうですね、全く気がつきませんでした」
翠「もっと労ってあげないといけませんね」
愛梨「じゃあ、今度皆でマッサージしてあげなきゃ〜」
ゆかり「とても良い考えですね」
翠「私、弓道部で皆でマッサージし合ったりするので、マッサージ得意ですよ」
愛梨「上に座って揉んであげたりしたら気持ち良いよね〜」
ゆかり「私、アイドルを始めてから疲労回復のためにオイルマッサージを家で習い始めたのですが、これもとても気持ちが良いんですよ。プロデューサーにもやってあげないといけませんね」
翠「それは良いですね。是非、皆でやってあげましょう」
愛梨「そうしたら、Pさん楽になるかな〜」
ゆかり「ええ、きっと良くなると思いますよ」
ゆかり「……はっ!?」
翠「どうしたんですか、ゆかりちゃん?」
ゆかり「……ケーキが……もうありません……」
翠「えっ!?」
愛梨「えっ? あっ、本当だぁ〜。気付いたら皆で全部食べちゃったんですね〜」
ゆかり「どうしましょう……」
愛梨「ゆかりちゃん、どうしたの?」
ゆかり「このあと法子ちゃんと有香ちゃんとドーナツ会の予定なのに、こんなにケーキを食べてしまうなんて……」
愛梨「……ゆかりちゃん、ケーキは美味しかった?」
ゆかり「え? あ……はい、それは勿論、とても美味しいケーキでした」
愛梨「じゃあ大丈夫だよ〜」
ゆかり「えっと……何が、ですか?」
愛梨「かな子ちゃんが前に言ってたんだ、『美味しいから大丈夫だよ』って」
愛梨「美味しければ何でも大丈夫なんだよ〜」
ゆかり「美味しいから大丈夫……」
愛梨「うん! ゆかりちゃん、ケーキは美味しかった?」
ゆかり「はい、とても美味しかったです」
愛梨「じゃあ大丈夫だね」
ゆかり「はい、大丈夫ですね」
愛梨「うん!」
翠「どうしましょう……」
ゆかり「翠さん、どうしましたか?」
翠「このあといつきさんと自主レッスンする予定なのに……運動前にこんなにケーキを食べてしまうなんて……」
ゆかり「……翠さん、ケーキは美味しかったですか?」
翠「え? あ……はい、それは勿論、とても美味しかったです」
ゆかり「じゃあ大丈夫です」
翠「え? 何が、ですか?」
ゆかり「今さっき愛梨さんから聞いたのですが、かな子さんが前に言ってたそうです、『美味しいから大丈夫だよ』と」
ゆかり「美味しければ何でも大丈夫なんです」
翠「美味しいから大丈夫……」
ゆかり「はい。翠さん、ケーキは美味しかったですか?」
翠「はい、とても美味しかったです」
ゆかり「では大丈夫ですね」
翠「はい、大丈夫です」
ゆかり「はい」
かな子「あ、いた。愛梨ちゃ〜ん」トコトコ
有香「あっ! 法子ちゃん、ゆかりちゃんいましたよ!」トテトテ
法子「本当だ! お〜い、ゆかりちゃーん!」トテトテ
いつき「おっ、いたいた。翠ちゃーん、待たせてごめんねー!」スタスタ
愛梨「あっ、かな子ちゃ〜ん!」
ゆかり「有香ちゃん! 法子ちゃん!」
翠「いつきさん、すみません。わざわざ来てもらって……」
かな子「あれっ? 愛梨ちゃん、これからお茶会の予定なのにケーキ全部食べちゃったの?」
法子「えっ! ゆかりちゃん、これからドーナツ会なのに……」
有香「ケーキ食べてしまったんですか?」
いつき「ちょっ……翠ちゃん、レッスン前にそんなにケーキ食べて平気?」
愛梨「美味しいから大丈夫だよ〜」
ゆかり「はい、美味しかったので大丈夫です」
翠「そうです、美味しいから問題ありません」
かな子「それはそうだけど……でも、お茶会で食べる予定だったケーキを食べちゃうなんて、愛梨ちゃんは天然だよね」
有香「いえ、あたしは美味しいから大丈夫というのはよくわかりませんが……」
法子「ドーナツ会があるのにケーキ食べちゃうなんて、ゆかりちゃんは天然だね!」
いつき「あー……やっぱり翠ちゃんも天然だったか」
愛梨「えぇ〜?」
ゆかり「法子ちゃんも有香ちゃんも、皆さん揃って何を言ってるんですか」
翠「全くですよ」
愛梨「私達」
翠「天然なんかじゃ」
ゆかり「ありません」
おわり
20:30│モバマス