2015年11月13日

美穂「私にとってのアイドル」

※CuteJwelries!001 をアニメ終了後に出すという設定です





美穂「おはようございます!」





P「おはよう、美穂。今日も元気だなぁ」



美穂「えへへっ!最近はお仕事も順調でとっても楽しいですから!」



美穂「お芝居も出来ましたし、CDも出せるなんて......まるで夢みたいです!」



P「CPの卯月ちゃんや、響子ちゃんとの仕事も評判がいいしな」



美穂「ありがとうございます!ところで......今日は何のミーティングなんですか?」



P「ああ、美穂とカバー曲について相談をしようと思ったんだ」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447163680



美穂「カバー曲......ですか?」



P「ああ。前に5人で収録したユニット曲があっただろ。あのCDにカバー曲を加えて出すことで、アイ



ドルの個性をより理解してもらおうという企画でさ」



P「それぞれのアイドルのイメージに合った曲をカバーして歌ってもらうことにしたんだ」



美穂「いいですね!よりみんなの魅力を知ってもらえそうです!」



P「そう言ってもらえると俺も企画したかいがあるよ。ありがとう、美穂」



美穂「いえいえ!プロデューサーさんはいつも私たちのことを考えてくれていますから」



美穂「むしろ、こちらからお礼を言うべきですよ」



P「いやいや、そんなことは......まぁ、このやりとりはキリが無さそうだから、この辺にしておくか」



美穂「ふふっ、そうですね!優しいプロデューサーさんが相手ですからね」



P「なんか美穂には敵わないな。さすが熊本の女ってところかな」



美穂「ええ、熊本の女は強気ですからね。プロデューサーさんにも負けませんよ!」



美穂「ところで、どんな曲を歌うんですか?」



P「ああ、個性を押し出すためにも、テーマ性の強い曲を歌ってもらうつもりなんだ」



美穂「テーマ性......ですか?」



P「そうだな、例えば菜々さんには「碧いうさぎ」を歌ってもらうつもりだよ」



美穂「あまり聞いたことのない曲名ですね......」



P「美穂くらいの世代だと聞いたことがないかもな。かつての有名なアイドルが歌った曲で......」



美穂「なるほど!アイドルに強くあこがれていた菜々ちゃんにはぴったり!という訳ですね!」



P(菜々さんくらいの世代のアイドルソングだというのは黙っておこう......)



P「そういうことだな。それで美穂に歌ってもらう曲なんだけど」



P「実は、まだ決まってないんだ」





美穂「ええっ!?それじゃあわたしはどうなるんですか?」



P「美穂には自分自身でカバー曲を提案してもらいたいと思ってる」



美穂「わたし自身が......探すんですか?」



P「そう。美穂は養成所からの抜擢でこの部署に来たけど、それまでに積み上げてきた想いがあるんじゃないかと思ってさ」



P「美穂自身が抱いてきたアイドルへの意気込みや信念が伝わる曲を、ぜひ歌ってほしいんだ」



美穂「なるほど……ありがとうございます!」





美穂「でも、わたしの想いが伝わる曲でずか......ちょっと、まだ思いつきそうにないですね.......」



P「いやいや、美穂が謝る事じゃないさ。それに、いますぐ決めろという訳じゃないんだ」



P「一週間後くらいに美穂から提案してもらえれば、大丈夫だよ」



美穂「そうなんですか!早とちりしちゃいましたね」



P「それに、CDも出してアイドルとして知名度も上がってきたところだしな」



P「実は美穂自身に、これまでのアイドル活動を振り返ってもらう狙いもあるんだ」



P「そこも含めて、じっくりと考えてみて欲しい」



美穂「わかりました!考えてみます!」







―――三日後



美穂「とは言ったものの......なかなか決まらないなぁ。わたしにとってアイドルってなんだろう?」



美穂「夢や憧れ?綺麗な衣装やステージ?だとすると、キラキラしたアイドルソングがいいのかな」



美穂「でも何か、それは私らしくないような気もするなぁ......」



  「......ーん。美穂ちゃーん!」





美穂「あっ、卯月ちゃん!おはよう!」



卯月「おはようございます!何か悩んでるようでしたけど、どうしたんですか?」



卯月「何回も呼んだんですけど、気づいてなかったみたいで......」



美穂「そうだったの!?ごめんね!」



卯月「いえいえ!でも、もしよかったら、どうして悩んでいるのか聞かせてもらえませんか?」



美穂「実は、カバー曲を決められずに悩んでて......卯月ちゃんはどんな曲にしたの?」



卯月「私ですか?私は「気まぐれロマンティック」にしました!」



美穂「なるほど、とっても卯月ちゃんらしいね!」



卯月「ありがとうございます!」



美穂「でも、どうやってその曲にしよう!って決めたの?」





卯月「そうですね......やっぱり、私の魅力が笑顔だって、みんなに言ってもらえることがきっかけでした!」



美穂「笑顔を大事に、っていうこと?」



卯月「そうですね!笑顔と幸せがつながっていく歌詞がとても素敵で」



卯月「私も笑顔と幸せを届けられるアイドルになれたら嬉しいな、って思ってます!」



美穂「卯月ちゃんの笑顔はみんなをとっても幸せにするもんね!」



卯月「ありがとうございます!あとは、歌詞の女の子がすごく私らしいなって思ったんです」



美穂「それって、どういうこと?」



卯月「ええっと、私は養成所でレッスンをしていた日々がありましたよね」



卯月「美穂ちゃんとのお仕事も、休んでしまって......」



卯月「その時の私自身って、心の扉が閉じてしまっていたんです」



卯月「でも、凛ちゃんと未央ちゃんに対して素直に気持ちを出せて、またニュージェネレーションズとしてステージに上がることができました」







卯月「それが本当に嬉しかったんです」



卯月「曲の最後に素直な気持ちになって、一歩を踏み出せた曲中の女の子みたいに」





美穂「卯月ちゃん......」



卯月「だから私も、笑顔や素直な気持ちは、明日をキラキラ輝せることを伝えたいなって思ったんです!」



卯月「それが私の、今までとこれからにつながると思って......」



美穂「そうだったんだ......なるほどね。すごく卯月ちゃんらしくていいね!」



卯月「ありがとうございます!」





シマムー!レッスン、オクレチャウヨー!





卯月「ああっ!すみません!未央ちゃんも呼んでるのでレッスンに行ってきます!」



美穂「とっても参考になったよ!ありがとう!」



卯月「いえいえ〜。美穂ちゃんの力になれたならよかったです!」



美穂「そういえば、歌詞の中に出てくる「ダーリン」って誰のこと?彼氏さんとか?」



卯月「いえいえ、彼氏なんていませんよ!それはプ......」



美穂「プ?」



卯月「あっ、そのっ、いえっ、なっ、なんでもないです!それじゃあレッスン行ってきます〜!」





シマムーカオアカイヨ、カゼヒイタ?

イエ、ナンデモナイデス!ウヅキガンバリマス!





美穂「あっ、行っちゃった......」



美穂「そっか、卯月ちゃんのカバー曲にはアイドルとしての個性や魅力だけじゃなくて」



美穂「これまでの道のりも詰まってたんだ」







美穂「わたしにとってはなんだろう?」



美穂「苦労や不安がありながら養成所でレッスンしてた時の気持ちが、それになるのかな?」







―――さらにその三日後



美穂「わたしの今まで......それって我慢強かったこと?下積みのこと?う〜ん......」



瑞樹「あら?美穂ちゃんどうしたの?」



美穂「川島さん、こんにちは!実はユニットで出すCDで歌うカバー曲が決まらなくて......」



瑞樹「わかるわ。自分のイメージを伝えるための大事な曲だもの、悩むわよね」



美穂「そうなんです......」



美穂「そういえば、川島さんはどうしてアイドルになろうと思ったんですか?」



瑞樹「私?そうね......挑戦したかったから、かしら」



美穂「挑戦、ですか?」



瑞樹「そう!正直、前に勤めていた地方のテレビ局でアナウンサーとして働くほうがよっぽど安定していたもの」



瑞樹「でも、自分の中にある夢を諦めきれなかったのよね」



美穂「夢......ですか」



瑞樹「自分が主役じゃない人生なんて面白くない!って思ったの」



瑞樹「それがたとえ茨の道で、若い子たちと互角に張り合わなくてはならない、大変な環境だとわかっていても」



瑞樹「どうしても、気持ちを抑えきれなかったのよね」



美穂「後悔や迷いはなかったんですか?」



瑞樹「もちろん、全くなかったわけではないわよ?局アナの仕事も悪くはなかったし」



瑞樹「年とともに将来の夢をあきらめてしまうことは自然なことだもの」



瑞樹「アナウンサー時代の同僚は寿退社をして、女としての幸せをつかんだりもしてるしね」







瑞樹「でもね、私は生きている間は挑戦したい!って思ったの」



瑞樹「だって、たった一度の人生だもの!」



瑞樹「いつ夢を見ても良いじゃない。何かを始めるのにタイミングが遅いなんてことは無いと思わない!?」



瑞樹「それを、私がアイドルとして活躍することで証明したいの!」



美穂「......すごいです!とってもかっこよくて、信念があって......すっごく素敵です!」



瑞樹「あら、ありがとう。ちょっと照れちゃうわね」



瑞樹「でも、私は美穂ちゃんも、とってもかっこいいと思ってるわよ?」



美穂「ええっ、私がですか?」





瑞樹「そうよ。地元から離れて、アイドルになる夢を叶えるために上京しているじゃない」



瑞樹「しかもデビュー前のレッスンも腐ることなくしっかりやっていた、ってプロデューサー君からも聞いてるわ」



瑞樹「ひたむきな努力って、よほどの強い気持ちが無いと続けられないことよ」



美穂「いえ、そんな......私は養成所でレッスンしてると、アイドルになった気分になれて、それだけで楽しかったですから」



瑞樹「そうなの?でも、それだけじゃ続かないと思うのだけど......何か覚悟みたいなものがあったのかしら」





美穂「覚悟......そうですね」



美穂「もしこのまま養成所での日々が続いて、ずっとアイドルになれなかったとしたら」



美穂「その時は、地元に帰らなくちゃいけないとは思ってました」



美穂「そのことを考えると、とても怖くなってしまうこともあって......」



瑞樹「わかるわ〜。帰る場所があるのは幸せだけど、同時に、何もできないで地元に帰るのは少し怖いわよね」





美穂「そうなんです。だからわたし、アイドルになれるってわかった時はほんとうに嬉しくって......」



美穂「地元で支えてくれた両親や友達の期待にも、ちょっとは応えられるかもって思ったんです」



瑞樹「それが美穂ちゃんにとってのアイドル、かもね」



瑞樹「支えてくれた人の姿を思い浮かべながら、願いを叶えていく夢の舞台.......とっても素敵だと思うわ」



美穂「まだまだ、わたしなんかでいいのかな?って思うときもありますけどね」



瑞樹「それでいいじゃない!だからこそ、よりステージで輝こうって思えるんだもの!」



美穂「そうですね!じゃあ、わたしにとってアイドルは......」



美穂「夢の舞台で、周りのアイドルやプロデューサーはもちろん」



美穂「多くの人や地元の両親や友達にも支えられて、初めて目指せるもの......です!」



瑞樹「とってもいいじゃない!答えは見つかったみたいね」



美穂「川島さんのおかげです!ありがとうございます!」



瑞樹「どういたしまして。力になれたのならよかったわ」



美穂「でも、今度はこの気持ちに合った曲が思い浮かびません......」



瑞樹「そうねぇ......じゃあ、この曲なんてどうかしら?」











瑞樹「ちょっと古めなんだけど、離れた故郷に向けての歌でね―――― 」





―――翌日



P「さて、一週間経ったけれど、良い曲は見つかったかな?」



美穂「はい!プロデューサーさん!この曲に決めました!」



P「どれどれ......ほう、これは意外だったなぁ。俺じゃまず思いつかない選曲だよ」





美穂「実はかなり悩んだんですけど、卯月ちゃんや川島さんに相談に乗ってもらって、わたし自身の気持ちに気づけたんです」



P「それは、どういう気持ちなんだ?ぜひ教えてほしいな」



美穂「ひとつは、地元で支えてくれていた両親や友達にも、私の輝きを見てもらえるようにがんばろうっていう気持ちです!」



美穂「私がここでアイドルができているのは、支えてくれる人たちがいるからなんだって、伝えたくて」



P「なるほど、すごく美穂らしくて、良いと思う」



美穂「それと......」





P「それと?」



美穂「それともうひとつは」











美穂「私がアイドルとして力いっぱい輝ける日を、この街で迎えられると信じているんです!プロデューサーさんと一緒なら!」



おわり









22:30│小日向美穂 
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