2015年11月19日

神谷奈緒「腕に巻いた約束」




※隠語・下ネタは控えめなハズ

※しかしキャラ崩壊











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ザアアアアアアッ バチャ バチャ



ポタポタ…







奈緒「…」





モバP「お、いたいた」





奈緒「…」





モバP「奈緒―?」





奈緒「…なんだよ」





モバP「いつもありがとな、傘だろ?」





奈緒「…別に、好きで持ってきてるわけじゃ…雨降ると、皆、からかってきてうるせーからさ…」





モバP「ははは、そりゃすまん…って、え?あれ?」





奈緒「ねぇよ、Pさんの分」



奈緒「今あたしが差してる、でっかいので十分だろって、他の取り上げられて…」





モバP「…」





奈緒「…」





モバP「…そういうこと?」





奈緒「////」















モバP「…」ピロリーン





奈緒「撮りやがったな!くっそ!このやろ!喰らえっ!!」バシャ!バシャ!!





モバP「わっぷ!冷て!やめろ風邪ひくだろっ!!」











ガチャ





モバP「…」ポタポタ





ちひろ「プロデューサーさん、お仕事お疲れ様でー…あら?」





モバP「なんですか?」





ちひろ「奈緒ちゃんが傘持ってお迎えに行ったはずですけど…なんでそんなビショビショなんですか?」





モバP「…いろいろありまして…へっくしゅ!」





奈緒「…ごめん、Pさん」





モバP「いいって、元々傘忘れてた俺の落ち度なんだからな」





奈緒「でも…」





モバP「どうしてもというなら、そーだなー…」





奈緒「だからってフリフリ衣装はナシな」ビシッ





モバP「ちっ」





奈緒「ったく…油断も隙もねーんだから…」















凛「何度見ても飽きないね、あのやりとり」



加蓮「雨になったらまずはコレだよねー」











奈緒「風物詩みたいに言うな!!ぶっ飛ばすぞっ!!」









チッ…チッ…チッ…







モバP「あれ?ズレてんな」



モバP「…」ごそごそ





ちひろ「また腕時計合わせてるんですか?」





モバP「…ええ、まぁ」





ちひろ「昨日も一昨日もやってたような気がしますけど」





モバP「…随分長いこと使ってますからね、もう電池がヘタっているのかも…」





ちひろ「うわっ、ベルトのところもボロボロじゃないですか…」



ちひろ「…電池の事なら、時計屋さんに持って行ったらどうですか?」





モバP「ああいうのって、よその製品でもやってもらえるんでしょうかね?」



モバP「コレもうすっかりすり減っちゃって、どこで買った奴かわからないんで…」





ちひろ「なんですかそれ、まるで自分で買ったものじゃないみたいな…」





モバP「…」





ちひろ「えっ、まさかプレゼントですか?それ、誰からの?」





モバP「…」





ちひろ「まさか…」





モバP「まぁ、ちょっと、ありまして」













凛「…」



加蓮「…」



奈緒「…!?」









ファーストフード店にて







凛「ちひろさん、時計の事知らなかったんだね」





加蓮「一番初めに気付きそうなもんだけどね」







奈緒「…」しょんぼり



奈緒(Pさん…彼女いるんだ…)







凛「…」





加蓮「…」





加蓮(そういえば奈緒もまだ知らなかったんだっけ)





凛(どうする?あのヘコみ方からして、うまい具合に勘違いしてるみたいだけど)





加蓮(可愛いからもうちょっとこのままにしとこうよ)





凛(えー)





加蓮(仕事に影響出そうだったら、私の方から直ぐ言うからさ、ね?)





凛(…)







奈緒「…」オモチャつんつん







凛(や、もう結構やばいでしょこれ)



凛(既に食欲に影響出てんじゃん)





加蓮(んっふっふ〜大丈夫でしょ〜伊達にいじられキャラしてないって〜)



加蓮「奈緒、代わりに私がナゲット食べちゃおっか?」ちょいちょい





奈緒「…うん、頼む…なんか今、食欲ない」





凛(なんで食欲無いのにハッピーセット頼んでるんだろう…)





加蓮「いただきまーす」





凛(…ま、勘違いしちゃう奈緒も奈緒だと思うけどさ)



凛(私達がノーダメージなの見て気付かないのかなー)









自宅にて







奈緒「…別に…」



奈緒「恋愛事なんて、自由だし」ごろん



奈緒「Pさんの…勝手だし…」



奈緒「あたしには関係ないことだし…」



奈緒「…」ごろごろ…













奈緒「…」



奈緒「…っ」



奈緒「〜〜〜〜っ!」



奈緒「だあああっ!くっそー!気が晴れねー!!」ボフボフ













奈緒「なんでこんなコトに心乱されなきゃなんねーんだよ!!」



奈緒「外野がとやかく言える話じゃねぇだろ!!これは!!そーだろ、あたしぃ!!」



奈緒「こんなこと考えんのやめだやめ!!ったく…」



奈緒「やめっかんな!!こんなもやもやすんの今日限りでやめっかんな!!」ボフンボフン















奈緒「ホントにやめっかんな!!!!」ボフンボフン









次の日







比奈「大丈夫ッスか?」





奈緒「…」しょんぼり





比奈「だ、だいじょばないッスねぇ…」



比奈「なにがあったんスか奈緒ちゃん」





奈緒「…別に、あたしには…無関係なことだし…」



奈緒「なんでもないんです…気にしないでください…」





比奈「…そうしたくてもできないッスよ…」



比奈「えーと、えーと…こんなときは…」



比奈「そ、そんな奈緒ちゃんを、めくるめく二次元の世界にご招待ッス!!」じゃん!!



比奈「嫌なことなんて、一旦忘れちゃいましょ?ね?」





奈緒「…」





比奈「この漫画読んだことあるッスかー?これアタシが作家買いしてる作品で、主にコマ割りの参考にしてんスけど…」





奈緒「ラストシーンで幼馴染がフラれるやつですよね…」





比奈「」



比奈「そ、そうだったッスね、よくご存じで…別のにしましょうかっ」



比奈(一瞬背景が黒ベタになったッス!?何さっきの!?地雷踏んだの!?アタシ!?)



比奈「じゃ、じゃぁ、これなんかどースか?こっちは不定期でまだ連載中でスけど、絵の雰囲気が素晴らしいのなんのって…」





奈緒「メインキャラの一人に、身分違いの恋した挙句、相手に死なれちゃった奴がいる作品ですよね…」





比奈「」











杏「…」





奈緒「…」





杏「そんな顔で近くにいられると休めないんですけどー」





奈緒「…」





杏「…見るからに重症っぽいんですけどー」



杏「でも『どしたん?』って聞いたら更にめんどくさそうなんだよねー」





奈緒「…」





杏「飴どーぞ」スッ





奈緒「…」ペロペロ





杏「…プロデューサー絡み?」





奈緒「…」ピクッ





杏「なーんだ、心配して損した、んじゃ、がんばって」ぐてー





奈緒「…」





杏「どーせプロデューサー関係の問題って早とちり×早とちりの二乗で終わることが殆どなんだから。経験上」



杏「悩んでても、疲れるだけだよ。どーんと構えなさい」





奈緒「…」





杏「はーい、教えて杏ちゃんのコーナーでしたー、おやすみー」ぐー





奈緒「…」





杏「ほら、行った行った」しっしっ









奈緒「…」ボーッ





モバP「…こんなところにいたのか、奈緒」





奈緒「…」





モバP「杏に聞いたら、頭冷やしに行ったって言われてな、でも、外にいなかったからさ」





奈緒「…」





モバP「もう冬だし、屋上、寒いだろ?中に戻ろう」





奈緒「…」





モバP「悩んでるんだって?、内容までは…わからないけど…もし俺でよければ、幾らでも聞いてやる」





奈緒「…どの口が」





モバP「ん?」





奈緒「Pさんには関係ない事だよ」





モバP「そうはいかん、自分のアイドルのメンタルケアだってプロデューサーの仕事だ」





奈緒「自分のアイドル、か…」





モバP「そうだ、ほら、なんでも言ってみろ」





奈緒「…ふん」プイッ





モバP「な、なにっ!?」



モバP「くそ、こーなったら根くらべだっ」スタスタ





すとん





奈緒「ひゃっ」



奈緒「こ、こっちくんなっ、ばかっ」





モバP「離れてほしかったら、ワケを言いなさい」



モバP「言うまで、俺はお前の隣に座ってる」





奈緒「く…っ」



奈緒「勝手にしろっ」プイ











奈緒「…」





モバP「頑固だなぁ」ケラケラ





奈緒「…」





モバP「…」





奈緒「…いいのかよ、仕事。屋上にこうして座って大分経ってるけど」





モバP「忘れたのか?次はお前の仕事の付き添いなんだろうが」



モバP「それに、ほら」スッ





奈緒「…」





モバP「まだ出発30分前だ」ニコッ





奈緒「…腕時計」





モバP「お?これ、気になるか?」





奈緒「…別に、なんないっ」プイ





モバP「気になるのなら教えてやろう」





奈緒「なんないってば…」





モバP「この時計は…」





奈緒「やめろってばっ!聞きたくないっつってんだろっ!」ガタッ





モバP「…」





奈緒「…ごめん」





モバP「いや、俺の方こそごめん」





奈緒「…」





モバP「やっぱこういうの、控えるべきだったな」





奈緒「…え」









モバP「毎日無神経過ぎたよな、俺…そんなに思い詰めてるなんて、知らなかったんだ」



モバP「奈緒なら、ちょっとからかったって全然平気だろうって甘えてたのかもしれない」





奈緒「…いや、あの」





モバP「さっき、積もり積もったもんが出てきたんだろ?」



モバP「考えてみれば、いつも奈緒には負担をかけてばっかだったからな…」



モバP「ステージ衣装だって、いつも嫌がってるの、強引に着せてたし」



モバP「ただの照れ隠しだと思って、深く考えてなかったけど…あれも、本気で辛かったんだな…ごめん」





奈緒「ち…ちがっ」





モバP「いいんだ、俺が悪い」



モバP「…メンタルケアだなんて言って、自分で原因を作ってちゃ世話無いよな…」





奈緒「…そうじゃなくてっ、そんなんじゃなくてっ!!」



奈緒「迷惑だなんて、そんなこと全然おもってないっ」



奈緒「あたしは、ホントにPさんに感謝してんだっ」



奈緒「あたしをこんな輝いてる世界に連れ出してくれてっ、凛と加蓮と出会えたのだってPさんのおかげだしさ…」



奈緒「い、衣装だって、そんなに嫌じゃなかったっつーか…恥ずかしかった…けど」





モバP「強がらなくてもいいさ」





奈緒「強がってなんか…!!」









「プロデューサーさん!!どこですか!?」バタバタ





モバP「?…今の声…」





奈緒「ちひろさん…?」











ガチャッ!





ちひろ「何してるんですか!?プロデューサーさん!!早く行かなきゃ!!」







モバP「へ?」





ちひろ「とっくに出発時間過ぎてますよ!ほら!」スマホピッ





モバP「え…でも」スッ





奈緒「…!!」



奈緒「Pさん!時計、また遅れてる!!」





モバP「げ!?まじかコレ!?しまった!!」





ちひろ「早く!走って!」









ダダダッ









奈緒「な、なぁPさん!あたし、ホントに迷惑だなんて思ってなんか…」



モバP「話は後だ、とにかく急ごう!」



奈緒「誰のせいだっつーの!」









キキッ





モバP「赤信号につかまんなくてよかったな…時間ギリギリだ…」





奈緒「ちょっ、Pさん、停めるとこ間違えてる!スタジオの入り口あっち!横断歩道の向こう!」





モバP「あ、やべっ…!」





奈緒「いやいい!こっから走れば十分間に合う!」ガチャッ





モバP「奈緒!ちょっと待て…」ガチャッ



モバP「おい!無理に渡るな!もう青点滅してるぞ!」





奈緒「そんなこと言ってられないだろ!」







ダダダッ







奈緒「Pさん!早く!」





モバP「ちょっと待てって!人混みが激しくて…」





ドン





モバP「あ、すいませ…」



ブツッ





モバP「あ…!」





カシャンッ





奈緒「腕時計…」





モバP「いいから、構わず早く行こう!」グイッ





奈緒「で、でも…落ちたの道路の上…」





モバP「もう赤信号になってんだよ!早く渡らないと!」グイグイ





ダダダッ









奈緒「…」





モバP「ふーっ、一時はどうなることかと思ったが、とりあえずひと段落着いたな」





奈緒「…」





モバP「朝からの調子の悪さにしては、よくやったじゃないか、もっと何回も撮り直すと思ったけど…」



モバP「スーパーアイドルの名は伊達じゃないな」





奈緒「そんなこと、ない」



奈緒「…気になって、しかたねーんだよ」





モバP「これのことか?」





クシャッ…





奈緒「あ…」





モバP「折を見て探しに戻ったけど、案の定、車に踏まれちまってた様でな」



モバP「見事にペシャンコだ…こりゃ直せねーな」





奈緒「…」





モバP「ま、今まで騙し騙し使ってたけど、これで綺麗サッパリ…」





奈緒「…っ」ぽろぽろ





モバP「!?」









奈緒「あたし…さいてーだっ…」ぽろぽろ





モバP「な、な、な、奈緒!?どうした突然!?」





奈緒「ごめん、なさい…Pさん…これ…あたしのせいでっ…壊しちゃった様なもんだっ」ぐすぐす



奈緒「ずっとPさんが大切にしてたのに…っ」ひっくひっく





モバP「いやそんな重く考えなくていいから!!」



モバP「たかだか時計だっつーの!」





奈緒「だって、彼女さんからの贈り物で、大切にしてたんだろっ!?」



奈緒「それなのに、あたし、無理にPさんを走らせて…だから…」





モバP「…」



モバP「??」





奈緒「ばかだ…ばかだ、あたし…」







モバP「彼女っちゃ彼女…だった奴だけど」



モバP「別に俺、あの時計くれた娘にも、時計にも、未練的なものなんて無いが」







奈緒「…」ぐす…









奈緒「ふ?」











モバP「買い換えようと思って、買うのいつも忘れるから仕方なくアレ使ってただけだし…」



モバP「経緯が経緯だから言い辛かっただけで、別に大事にしてたってわけでもないし」





奈緒「…」





モバP「あの娘とも高校三年の半年ちょっとの仲だったから、甘酸っぱい思い出とかそんなん皆無だし」



モバP「もらったのもその当時のやっすいやつだったから、むしろ今まで良くもったなというか…」





奈緒「…つきあってる彼女さんからの大事なプレゼントじゃないの?」





モバP「そもそも、なんなんだその話?誰かがそんな噂流してんのか?」







奈緒「…」









奈緒「は、はぁ!?」













奈緒「はあああああああああああああああっ!!??」









奈緒「//////」ぷしゅー





モバP「なーんだ、ただの勘違いだったのかー」



モバP「奈緒に嫌われてなかったみたいで、よかったよかった」





奈緒「…数時間前の私に言いたいっ…ヘコんでねーで杏の言うコト聞いとけって…!!」



奈緒「うがあぁー!!馬鹿だ!!!」







奈緒「なんにせよ結局馬鹿だ!!!あたし!!!」











モバP「あ!てーことは、出かける前に衣装の事嫌じゃないって言ったのは…」





奈緒「ちげーよ!!マジで嫌なんだよ!!恥ずかしいんだよ!!ばっかこら!!」



奈緒「もうやめろよ!?やんなよ!?フリじゃねーかんなっ!?」





モバP「んなこと言って本心なんだろーアレ!次のライブ楽しみにしてろよっ、すげー可愛いの考えるからな!!」





奈緒「ちっくしょおおおっ死にたいっ!!てか死ねっ!お前が死ねっ!」ゲシッ



奈緒「勘違いさせやがってこのやろっばかっばかっ」ゲシゲシ







モバP「痛い痛い!!」











奈緒「ふーっ、ふーっ」





モバP「いてて…」





奈緒「…くくっ」





モバP「はははっ」



モバP「ばっかでーお前」





奈緒「もう一発蹴られたいかー?このやろー」





モバP「あの時計が彼女からのプレゼントって、可愛い勘違いするなーって思ってさ」





奈緒「うっさいっばーかっ」





モバP「何回馬鹿言うんだよ、お前は」



モバP「…そんなのいないよ、かっこ悪い話だけどな」



モバP「時間も無いし、機会も無い」





奈緒「…」





モバP「でも、今はお前らとのランデブーに夢中だから、寂しくも無いぞ」





奈緒「…そっか」





モバP「でも、あれ?プレゼント壊したと勘違いしてて、すごく落ち込んだのは分かったが…」



モバP「今日一日、元気なかったのはなんでなんだ?」



モバP「別に俺が恋人のプレゼントを身に着けてたって不機嫌になるようなことないだろ?」



モバP「なんか別の悩み事があったんじゃないのか?」





奈緒「…」





モバP「…」





奈緒「やっぱもっかい蹴らせろ!」ゲシッ





モバP「痛って!何で!?」











奈緒「ふぅ…」





モバP「はい、残りの仕事もお疲れさま」





奈緒「ん」





モバP「前半の不調なんか消し飛ぶくらいキマってたな」





奈緒「あたしはPさんの育てたスーパーアイドルだからな」





モバP「お?」





奈緒「…」





モバP「…言うねぇ」



モバP「だったら、つい先日転がり込んできたバニーコスの撮影をだな…」





奈緒「は、はぁ!?ばっ、やめっ」あせあせ





モバP「ははは、冗談だよ」





奈緒「は、恥ずかしいからそーいうのイヤって言ったばっかだろーが!ばかっ!」



奈緒「くっそぉ…さっきのも渾身の返し方だったのに、涼しい顔して流しやがって…」





モバP「ふっはっは、意趣返しのつもりだったんだろうが、そんぐらいの台詞は凛と加蓮に言われ慣れてんだよ」



モバP「俺を赤面させるにゃ、あと五年は修行しないとなっ」





奈緒「…」イラッ



奈緒(余裕かましやがって…みてろよこのやろー…)



奈緒(その気になりゃ、あたしだって…やれんだからなっ)





モバP「まー、なんだ?…いつもの奈緒に戻ってくれて、よかったよ」





奈緒「…」





モバP「これでほんとの一件落着だな」



モバP「奈緒も、なんやかんやで疲れただろ?まっすぐ帰ろうぜ」







奈緒「…いや、まっすぐには、帰らない」







奈緒「ちょっと寄っていきたいところがあるんだ。いいだろ?」





モバP「へっ?…まぁ、構わんが…」













モバP「ここは…」









奈緒「壊れちまったんだから、新しいの新調しねーとな」



奈緒「買うの忘れないうちに、入った入った」





モバP「け、結構高い店だぞ?大丈夫か?」





奈緒「別に、あたしがプレゼントするために買うんだから、気にせず選んでくれていいんだけど」





モバP「え!?いやいやいや!」



モバP「どこの世界に女子高生にたっけー腕時計買わせる会社員が居んだよ!?」



モバP「まずいって!尊厳的にとか絵的にとか!!」





奈緒「事実あたしの方がPさんより稼いでんだから、いいだろー」



奈緒「うだうだうっさい、ほーらっ」ぐっ





モバP「お、おいおい…」





奈緒「Pさんのせいであたしはいつも恥かいてんだから、こんぐらいの仕返しどーってことねーだろ」ぐいー



奈緒「そんなに選びたくないなら、あたしが見繕ってやる」



奈緒「これなんてどーだ?ギンギラのベルトで、カッコ良く見えるぞ」



奈緒「あ、でもゴチャゴチャしてて時間読みにくいなーこりゃ…もっと無骨なのが似合いそうだ」





モバP「な、なんか、立場が逆転したからって、楽しんでないか…?」





奈緒「別に―?」ニヤニヤ



奈緒「どれかいいかなー、くくく」





モバP「…」



モバP「は、恥ずかしがらそうったって、そうはいかないぞっ」





奈緒(買ってからが本番だっつーの)









モバP「…で」



モバP「わざわざ公園にまで寄って、改まってから渡すのか」





奈緒「そりゃ、ま、あたしから、Pさんへのプレゼントなんだから、しっかりとやりたいんだよっ」



奈緒「あたしなりのケジメってもんもあるから…」すー、はー





モバP「…じゃあさっさと渡してくれ、寒い」





奈緒「ちょっとまって」すーっ、はーっ





モバP「何回深呼吸してんだよ」





奈緒「急かすなよ!すっげー恥ずかしい事すんだから!」





モバP「いや、ただ渡すだけだろ!?」





奈緒「…」



奈緒(ここまで来ちまってんだ…腹括れ、あたし)





奈緒「Pさん」





モバP「…なんだ?」





奈緒「あたし、Pさんのことで一日中すっげー悩んだんだぞ」



奈緒「わかってんのかっ」





モバP「…お、おう?」



モバP「正直なんのことかわからんが…うん」





奈緒「だから…」











奈緒「だから、罰ってか、最後の仕返しとして、これ」スッ





モバP「…どうも?」





奈緒「この腕時計、今日から、いつも腕につけていて欲し…じゃなくて、つけろっ」



奈緒「そんで、この腕時計見るたび…今からやること、思い出して…」







奈緒「あたしのことで、毎日すっげー悩め、ばかっ」







モバP「…はぁ?」きょとん



モバP「今からやることって、どういう…」









ぐいっ



ちゅ







モバP「」





奈緒「ぷは…っ」



奈緒「こういう…ことだ、鈍感。わかったかっ」









モバP「…」





奈緒「…へへっ、どーだ、ざまーみろ、顔まっかっかだぜ…」





モバP「…お前もな?」





奈緒「…」



奈緒「あ、あたしはいいんだよっ!!!見んなこら!!」











ちひろ「あら?プロデューサーさん、腕時計、変えたんですね?」





モバP「ええ、まぁ、昨日の遅刻未遂でようやく決心がついたというか…」



モバP「ああいうことが二度とないようにと、仕事帰りに思い切って新品にしてみました」





ちひろ「…よかったんですか?訳ありな感じでつかってたみたいでしたけど…」





モバP「いやいや、全然そんなことないですよ、ただ単に、あったものを使い倒してただけです」



モバP「今日からは、こいつが相棒ですよ」





ちひろ「わぁ、ぴっかぴかですね」





モバP「昨日買ったばかりなんだから当然ですよ。どうです?似合ってるでしょう?」





ちひろ「…」





モバP「どうかしました?」





ちひろ「いえ、何でもないです」



ちひろ(腕時計を見る眼差しが、なんだか恋人を見る様なそれに見えたんだけど…気のせいよね)









奈緒「知ってるぞ?元カノからのプレゼントだったんだろ」





加蓮「あらら!?」





凛「知ってたんだ」





奈緒「昨日Pさんから聞いたんだよ」





加蓮「なぁんだ…せっかく教えて安心させたげようと思ったのに…」ぶー



加蓮「しょんぼりあん奈緒ちんは昨日限りだったのかぁ…」





奈緒「だったら昨日の段階で教えろー!!こらぁー!!」グニュー





加蓮「ひにゅっ!?いひゃいいひゃい!!」





奈緒「おらー!お前のほっぺたなんてこうしてやるー!」グニュグニュ





加蓮「ひゃにゃにゃにゃっ」





凛「おしおきも程々にねー」









モバP「もうすぐ出るぞーお前らー」





凛「はーい」



凛「ほら、加蓮、奈緒、行くよ」





モバP「あと5分以内に仕度しろよ」スッ





凛「あれ?プロデューサー、腕時計変えたんだ」





モバP「ん?ああ、昨日仕事帰りにちょっとな」





加蓮「あ、ほんとだー」









モバP「昨日、あの古い時計のせいでとんだ目に遭ったから、買い換えたんだよ」





凛「…ふーん」





加蓮「凛、凛、あれ見て」





凛「何?…わっ!?」





モバP「…な、なんだよ?」

























加蓮「腕時計見た瞬間、奈緒、顔真っ赤」



凛「…」



モバP「…」





奈緒「///////」











モバP「お前が毎日自爆してどうするー!?」





奈緒「お、思い出してなんかねぇよ!!ばーかっ!!///////////」













おわり







おまけ





天使ランは、知恵リノ実プリンをこっそり食べて、大天使チエリエルと大喧嘩!!



挙句の果てに唯一神である父の怒りを買い、人間界に落とされてしまった天使ラン!







唯一神「愚か者め!!人間界で性根を叩き直して来い!!」カッ!!



大天使ラン「にゃあー!?」ヒューーーーー…







『人間界で悪魔の化身を7人浄化しろ』なんて言われたもんだからさあ大変!



天界に戻るために悪魔の化身を探す日々は、何故か難事件ばかりが舞い込んでくる!?







メイド「そなた達の前に江戸川様という方が一番乗りにチェックインをされておりますー」



館長「…はるか昔、この地方には人喰い氷魔が彷徨い、人間を吹雪で閉じ込め、生きたまま喰らってしまうという言い伝えが残っていますが…」







ひょんなことで知り合ったツッコミ兼保護者役の赤羽根刑事(友情出演)と共に…



七つの大罪の完全犯罪にIQ180(人間換算)のランが挑む!!







赤羽根刑事「この事件を引き起こした犯人を…俺は絶対許さない…」



探偵ラン「万物の理は我が手中に在り!!(謎は全て解けました!!)」











『堕天使探偵ラン』11月14日土曜よる6時スタート(予定)!!!



08:30│神谷奈緒 
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