2015年11月20日

渋谷凛「ポッキーの日」


――事務所



P「凛、ポッキー食べるか?」





凛「え……何、いきなり」



P「今日、ポッキーの日だろ? それに、凛、チョコ好きだろ?」



凛「そうだけど……うん、わかった。もらうね」



P「ああ」





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凛「……」ポリポリ



P「……」カタカタ



凛「……ねぇ、プロデューサー」



P「ん?」



凛「ポッキー、いらない?」



P「凛はぜんぶ食べないのか?」



凛「さすがにもらうだけっていうのも、ね」



P「申し訳ないって?」



凛「そういうわけじゃないけど……」



P「そういうわけじゃないのか……」



凛「申し訳ないって思って欲しかったの?」



P「そんなことはないが……」



凛「じゃあいいじゃん」



P「まあ、そうだな」



凛「それで、プロデューサー、食べないの?」



P「ん……あー、そうだな。じゃあ、一本、もらうよ」



凛「うん」



P「ありがとな、凛」



凛「どういたしまして……って、プロデューサーが買ってきたんだけどね」



P「それは言うな」



P「そう言えば、凛」



凛「何?」



P「ポッキーにも色々あるが……それで良かったか? こだわりとかあったりしなかったか? 実は『私はあのポッキーが良かったけれどプロデューサーに悪いしこれで我慢しよう』なんて思ってないか?」



凛「思ってないけど……プロデューサー、それ、そこまで心配すること?」



P「いや、凛ってこだわり強そうだし」



凛「なんか心外なんだけど……さすがに人からもらうものでそういうのはないよ。素直に、嬉しいよ」



P「そうか」



凛「うん」



P「……それで、もし自分で買うなら、これを買ったか?」



凛「んー……気分によるかな。期間限定品があったら、それを買うかも」



P「そうか……なら、次からはそうした方がいいかな」



凛「たぶん発売日から一週間以上経ってたらもう買ってると思うから、そこまで気にしなくてもいいよ」



P「一週間以内に買うのか……」



凛「見かければ、ね。ポッキー、好きだから」



P「凛はチョコレートの中でもポッキーがいちばん好きなのか?」



凛「そういうことでもないけど……」



P「じゃあ、何がいちばん好きなんだ?」



凛「何が……ってなると、難しいかな。その時の気分によって食べたいものは変わるし……でも、うん、チョコレートなら、何でも嬉しいよ」



P「そうか」



凛「うん」





――



P「……」カタカタ



凛「……プロデューサー」



P「ん?」



凛「ポッキーゲーム、したことある?」



P「んんっ!? ……な、なんだよ、いきなり」



凛「そこまで動揺すること……?」



P「いや、凛の口からそんな言葉が出るとは思わなかったから……」



凛「プロデューサー、私のことをどう思ってるの……?」



P「どう思ってるか、って……俺のかわいいアイドル?」



凛「……そう」



P「ああ」



凛「……そういうの、気軽に言わない方がいいと思うんだけど」



P「そうか? でも、かわいいって言わないのもダメじゃないか? 他のアイドルからはよく『かわいいって言って』みたいなことを言われるぞ? アイドル相手に『かわいい』って言うのはプロデューサーの仕事の一つ、みたいなものだと思うが」



凛「それは……まあ、そうかもしれないけど」



P「それに、凛は実際かわいいからな。自慢のアイドルだ」



凛「……ありがと、プロデューサー」



P「べつに感謝されるようなことは言ってないが……それで、どうしてポッキーゲームなんて言い出したんだ?」



凛「……その話題、まだ残ってたんだ」



P「俺は流した覚えはないが……で、どうなんだ?」



凛「べつに、大した理由じゃないけど……未央とか、加蓮が、さ」



P「あー……なんとなくわかった」



凛「うん。まあ、そういうことかな」



P「あいつらはそういう話題、好きそうだからな。俺も――あ、いや、なんでもない」



凛「……プロデューサー、未央と加蓮とポッキーゲーム、やったの?」



P「え!? いや、やってない。やってないぞ!」



凛「……本当に?」



P「本当だ。やってない。絶対やってない。嘘じゃない」



凛「『やろう』って言われた?」



P「言われっ……てない。言われてないぞ、うん」



凛「未央や加蓮に聞いてもいい?」



P「んっ……そ、それは、ちょっと、やめてくれると嬉しい」



凛「ふーん……」



P「な、なんだよ」



凛「プロデューサーの嘘つき」



P「……ごめん」



凛「……ううん、私の方こそ、ごめん。プロデューサーは、やってないんだもんね。それなのに、責めるように言っちゃって……ごめんね、プロデューサー」



P「いや、お前が謝ることでもないと思うが……」



凛「ううん。プロデューサーは、誰ともポッキーゲームなんてやってないんだよね。それなのに、私――」



P「ん? ……あ、ああ、そうだな。俺は誰ともポッキーゲームなんてやってない。うん」



凛「……プロデューサー?」



P「……な、なんだ?」



凛「……誰かとは、やったんだ」



P「……やってないぞ?」



凛「そうなんだ」



P「あ、ああ」



凛「……」



P「……」



凛「……ねえ、プロデューサー」



P「な、なんだ?」



凛「ポッキーゲーム、やらない?」



P「は!? え、いや……は?」



凛「誰かとやったのなら、私としてもいいでしょ?」



P「いや、どういう理屈だよ……というか、アイドルがそんなこと」



凛「プロデューサーがやったのはアイドルと、じゃないの?」



P「……そ、そもそも、やってないし」



凛「往生際が悪いね、プロデューサー」



P「……でも、その、さすがにそれは、な」



凛「……プロデューサーは、私とポッキーゲームするの、嫌なの?」



P「それは……その質問はずるくないか、凛」



凛「……ふふっ、そうだね。ごめん、プロデューサー。冗談だよ」



P「お前……冗談でも、こういうことはするなよ」



凛「うん、そうだね。ごめんね、プロデューサー」



P「……まあ、わかればいいが」



凛「だから、はい」



P「……なんだ、これ」



凛「ポッキー。お詫びに、一本、ね」



P「……そうか。じゃあ、もらうよ」





パクッ



P「……」



凛「……」



P「……何、してるんだよ、凛」



凛「ポッキーを食べてる、かな」



P「……わざわざ俺が食べようとしたポッキーの反対側に口を付けた意味は?」



凛「そこにポッキーがあったから、かな」



P「……ポッキーゲーム、やらないんじゃなかったのかよ」



凛「……プロデューサーこそ、口、離さないんだね」



P「……」



凛「……」



P「……ポッキーを咥えながらって、ちょっと、喋りにくいな」



凛「……そうだね」



P「……早く、食べないとな」



凛「……うん」











【おまけ】



凛「そう言えば、プロデューサーがポッキーゲームをしたのって、誰だったの?」



P「ん? ……それ、言わなくちゃダメか?」



凛「……言いたくないなら、いいけど」



P「……みりあと」



凛「えっ……プロデューサー、そういう趣味だったの?」



P「違うぞ!? みりあはポッキーゲームがどういうものか知らなかったみたいでな……それで、どうしてもやりたいって言うから仕方なく……もちろん、すぐに離したけどな!?」



凛「ふーん……私の時は、すぐに、離さなかったのにね」



P「……それ、お前が言うか?」



凛「……ふふっ。そうだね、ちょっと、意地悪だったかも」



P「本当にな」



凛「……ねえ、プロデューサー」



P「なんだ?」



凛「……いつか、私がアイドルを引退した後に……ポッキーなしで、やっちゃ、ダメかな」



P「……その時も、凛がそうしたいって思っていたら、な」



凛「……約束だよ」



P「……ああ」











08:30│渋谷凛 
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