2015年11月23日

モバP「ゆかり、何を読んでいるんだ?」

ある日の事務所





P「(ゆかりが熱心になにかの雑誌を読んでいる)」





P「何を読んでいるんだ?」



ゆかり「………」



P「………」



ゆかり「……あ、プロデューサーさん」



P「反応が遅いな。よっぽど集中していたのか?」



ゆかり「はい。これを読んでいたんです」



P「これは……」



ゆかり「ルンバのカタログです」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447171549



P「ルンバ? なんでルンバのカタログを」



ゆかり「それはですね……かわいいからです」



P「……かわいい?」



ゆかり「はい。かわいいです」ニコニコ



ゆかり「先日の花嫁修業の際に初めて使ったのですが、思わず一目惚れしてしまいました」



ゆかり「丸い体で一生懸命ホコリを拾っていく姿が、とてもいじらしくて愛らしいです」



ゆかり「ですよね?」



P「確認を求められても正直困る」



ゆかり「………えっ」ガーン



P「そんな『信じられない』みたいな顔されてもな……俺にはただの自動で動く掃除機にしか思えないし」



ゆかり「そうですか……残念です」



P「なんかごめんな」



ゆかり「………」



ゆかり「あの、話は変わりますけど」



P「うん」



ゆかり「この部屋にルンバを置く予定はありませんか?」



P「話変わってないな」



ゆかり「? ルンバがかわいいという話から、ルンバを買うという話に変わっていますが……」



P「いや、そういう意味じゃなくてだな……まあいいや」



P「質問の答えだけど。今のところ、ルンバを置くつもりはない」



ゆかり「かわいいですよ?」



P「かわいいを推してくるな」



ゆかり「ルンバが動いているだけで、きっと皆さんの癒しになると思います」



P「それはあくまでゆかりの主観の話だろう? 俺を説得するなら、もっと客観的な理由を用意しなくちゃダメだ」



ゆかり「なるほど……それはつまり『交渉』というものですね?」



P「そういうこと」



ゆかり「わかりました。これもまたひとつの経験……私、頑張りますね」



1時間後





ゆかり「考えてきました」



P「聞こう」



ゆかり「まずひとつめ。プロデューサーさんの担当するアイドルの方達は、元気な方が多いです」



ゆかり「よく部屋の中を走ったりしているので、ホコリが出やすいと思われます。なので、勝手に掃除をしてくれるルンバは必要です」



P「ほう」



ゆかり「そしてもうひとつ。輝子さんや乃々さん、まゆさんは、プロデューサーさんの机の下にたびたび潜りこんでいますよね」



ゆかり「床に直接座ることになるので、清潔にしておかないとホコリを吸ってしまいやすいです」



P「なるほど。健康上の問題というわけだな」



ゆかり「……どうでしょう?」



P「……いいだろう、合格だ。ちゃんとした理由になってるからな」



ゆかり「! では」



P「この部屋にルンバを置くことにしよう」



P「よいしょっと」ガタゴト



P「ほら、ルンバだ」



ゆかり「わあ、やりましたっ」



ゆかり「………」



ゆかり「あら? プロデューサーさんは今ルンバを買うことを決めたのに、なぜもうここにルンバが?」



P「俺が利用しているウサミン星の通販は注文から5秒で品物が届くんだ」



ゆかり「5秒……すごいですね。ウサミン星人さんの技術は地球よりもずっと進歩しているということ――」



P「いやいや、冗談だから信じるなよ?」



P「実はな、俺も前々からルンバを置こうと考えていたんだ。それで、ちょうど今日に、注文した商品が事務所に届いたというわけだ」



ゆかり「そうだったんですか……でもそうなると、先ほど『ルンバを置くつもりはない』と言ったのは」



P「ゆかりがあんまりルンバを推すもんだから、どれくらい気合いが入っているのかを確かめたかったんだ」



ゆかり「なるほど、そのような考えがあったんですね。納得しました」



ゆかり「でも、嘘はよくないですよ?」



P「ははは、ごめんごめん」



数日後





ルンバ「ウイーンウイーン」



ゆかり「ふふっ。今日もルンバは頑張ってくれていますね」



薫「ルンバかわいい!」



ゆかり「ですよね。そこで今日は、私の家からもう一台ルンバを持ってきちゃいました♪」



仁奈「おおー!」





ルンバ1「ウイーン」



ルンバ2「ウイーン」





薫「あははっ、いっしょにおそうじしてるー!」



ゆかり「まるでじゃれあっているみたいです」



仁奈「Pルンバとゆかルンバ、仲良しでごぜーます!」



ゆかり「Pルンバとゆかルンバ?」



仁奈「こっちがPが買ったルンバだからPルンバ。そっちがゆかりおねーさんが持ってきたルンバだからゆかルンバですよ」



ゆかり「なるほど。よくわかりました」



ゆかり「仲良し、ですか……うふふ」



P「ルンバは結構いろんな子に好評みたいだな。よかったよかった」





友紀「ルンバ、ルンバ……うっ、頭が」



P「約一名謎の頭痛を覚えているが」



ゆかり「プロデューサーさん」



P「ん?」



ゆかり「思ったのですが……ルンバの上に乗ったら、楽しそうですよね」



P「ルンバに乗る?」



ゆかり「もちろん、体重的に不可能なのはわかっていますけれど……想像したら、なんだか愉快でした」



P「ゆかりがルンバに……」ホワホワホワ







ゆかり『わあ、あちらこちらに動き回ってすごいですっ』



ゆかり『あ、あそこにもホコリがあります! あっちにも! それー、吸いこんじゃえー』ウキウキ







P「さすがにこれは子どもっぽすぎるな……ないない」



ゆかり「?」



別の日





ゆかり「………」ペラ



P「ゆかりがまた熱心に本を読んでいる」



P「今日は何を読んでいるんだ?」



ゆかり「………」



P「………」



ゆかり「………」





ルンバ「ウイーン」



ゆかり「はっ、ルンバ……あ、プロデューサーさん。どうかしましたか」



P「ルンバで集中力が途切れたか」



ゆかり「そのようです」



ゆかり「……ところで、なぜルンバにキノコが乗っているのでしょう?」



P「さあ?」



ゆかり「プロデューサーさんにもわかりませんか……でも、かわいいです」



P「あんまりかわいいかわいい言われるもんだから、俺もそうなんじゃないかと最近思い始めた」



ゆかり「今回は、少年漫画を読んでいました」



P「少年漫画か。ちょっと意外だな」



P「ゆかりは読むなら少女漫画ってイメージだった」



ゆかり「確かに少女漫画も好きですけど……私だって、戦いのシーンとかはわくわくするんですよ」



P「『戦いのシーン』って言い方、なんかかわいいな」



ゆかり「そうでしょうか?」キョトン



ゆかり「……あ、そうです。この漫画の内容について、プロデューサーさんにお聞きしたいことが」



P「俺に?」



ゆかり「はい。このページなんですが」



ゆかり「主人公が、放課後に好きな女の子のリコーダーを見つめている場面……どうして彼は頬を染めて悶々とした様子なのでしょうか?」



P「何してんだこの主人公」







P「これはだな……簡単に言うと、間接キスを狙っているんだ」



ゆかり「間接……キス?」



P「好きな女の子のくわえたリコーダーを自分がくわえれば、間接的にキスをしたことになるだろう?」



P「ただそれを実行するのはためらわれるから、この主人公はリコーダーを見つめているだけで動けないというわけだ」



ゆかり「まあ。彼はそのようなことを考えていたのですか」



P「年頃の男子が思いつく、好きな子への変態行為の有名な例だからな」



ゆかり「好きな子への、行為……」



ゆかり「………」



P「ゆかり?」



ゆかり「プロデューサーさん。これ、私のフルートですけど……くわえたいですか?」



P「……は?」



P「いや、その……そもそも俺は好きな子のリコーダーくわえたい派じゃないし。それに、今のは結構とんでもない発言だぞ」



ゆかり「………」キョトン



ゆかり「………」←熟考



ゆかり「………!」←気づいた



ゆかり「わ、私ったら、はしたないことを……どうかしていました、忘れてください!」アワアワ



P「無自覚だったか。やっぱり天然だな」



ゆかり「は、恥ずかしいです」カアァ





ルンバ「ウイーンウイーン」





ゆかり「あ……プロデューサーさん。今度はルンバが眼鏡をかけています」



P「おいおい、話を逸らすならもう少しうまく……ホントにかけてるわ」



ゆかり「おしゃれですね。誰が掛けさせてくれたんでしょう」



P「そりゃあお前、どうせあの眼鏡大好きっ子が眼鏡の布教のために」







マキノ「このあたりで私の眼鏡を見なかったかしら? ちょっとその辺に置いていた間に忽然と姿を消したのだけれど」



P「と思ったら予想外の出どころだった」



ゆかり「外した眼鏡をルンバの上に置いてしまったんですね」



メガルンバ「ウイーン」



マキノ「裸眼だからよく見えないけれど、そこの自律運動物体が私の仕事道具を奪ったという認識でいい?」キッ



P「なんか警戒態勢とってるけど、君がうっかりルンバの上に眼鏡置いただけだからな」



また別の日





ルンバ「ウイーンウイーン」



P「なあ、ゆかり」



ゆかり「はい?」



P「どうしてルンバの上にラブレターが乗っているんだ?」



ゆかり「ラブレター? わあ、本当ですね。ハートマークのシールがついています」



ゆかり「プロデューサーさん宛てでしょうか」



まゆ「誰からの手紙なんでしょうねぇ」



P「すごく丁寧に紅いリボンで包まれているところから、差出人はなんとなく特定できるんだが」



ゆかり「ルンバの上に乗せて届けるなんて、きっと送り主は素敵な発想の持ち主の方に違いありません」



まゆ「ゆかりちゃんもそう思いますか? ふふ、うれしいです。素敵ですよねぇ」



ゆかり「ですね」



まゆ・ゆかり「ねー♪」



P「全然共感できないけど俺がおかしいのか……?」



まゆ「では、まゆはレッスンに行ってきますね」



ガチャ、バタン





P「このラブレターらしきものは後で読むとして……ゆかり、今日は何を読んでいるんだ?」



ゆかり「今日は、これです」



P「……雑誌の、メイド特集のページか」



ゆかり「事務所の皆さんがメイドさんの衣装を着ているのを見て、私もああいった可愛らしい服を一度着てみたいな、と」



P「なるほど。そういうことなら、また今度メイド関連の仕事を探してみるよ」



ゆかり「本当ですか? ありがとうございます、ご主人様」



P「ああ。って、ご主人様?」



ゆかり「少し、メイドさんの真似をしたくなって……ダメでしたか」



P「いや、いきなりで驚いただけだ。別にかまわないぞ」



ゆかり「それならよかったです」



ゆかり「ご主人様。ゆかりがしっかりご奉仕させていただきますね」



P「うん。豚とか呼ばれるならともかく、ご主人様なら全然――」





時子「………」





P「豚って呼ばれるのもいいけどな! あっはっは」



ゆかり「豚、ですか?」



ゆかり「豚のご主人様?」



P「それは多分違うと思う」







ルンバ「ウイーンウイーン」with鞭



時子「ご苦労。でも鞭は今は必要なくなったわ」



ルンバ「ウイーンウイーン」





P「ちょっと待て。なんでルンバが時子さんの命令に従っているんだ」



ゆかり「ふふっ、賢いですね」



P「そういう問題じゃないだろう」



またまた別の日





ルンバ「ウイーン」



P「今日は何が乗っているんだ?」



ハムスター「ヂュッ、ヂュッ!」



ゆかり「ハムスター、ですね。かわいいです」ニコニコ



P「おお、ついに動物が上に……なんか癒されるな」





ゆかり「はい♪」



P「……でも、うちにハムスター飼ってる子なんていたか?」



ゆかり「さあ、どうだったでしょう?」



P「というかこのハムスター、事務所以外の場所で見たことあるような気がするんだけど……」



ゆかり「私も、他のプロダクションの方が持っているのを見かけたような……」



仁奈「そのハムスター、迷子になっていたのを仁奈が拾ってきたのでごぜーます」





※このあときちんと飼い主の元に戻りました



ゆかり「………」





P「(ゆかりは今日も読書中か)」



P「ゆかり、今日は何を……ん?」



ゆかり「………」ウトウト



P「(眠そうだな)」





ゆかり「………」ポフッ



P「(本を持ったままソファーに寝転んでしまったぞ)」



P「ゆかりー?」



ゆかり「……すぅ」



P「結構ぐっすりだな……最近冷えるし、毛布だけでも被せておくか」



P「よし、毛布を持ってきた」



P「(ゆっくりかけてやって……ま、これなら身体も冷えないだろう)」



ゆかり「すぅ……」



P「さて、俺は仕事に戻って」





ぎゅっ



P「ん?」



ゆかり「………」ギュッ



P「ゆかり?」



ゆかり「………」ギューッ



P「(眠ったままのゆかりに右手をつかまれてしまった)」



P「(無理にほどくと起こしてしまうかも……)」



P「……ん?」



ゆかり「………」



P「……寝息、消えてないか?」



ゆかり「っ……すー、すー」



P「………」



P「さて。ゆかりは寝ているようだし」



ゆかり「………」ホッ



P「フルートをこっそりくわえて間接キスするか」



ゆかり「そ、それは恥ずかしいのでやめてください!」



ゆかり「……あっ」



P「もちろん冗談だ」







P「やっぱり寝たふりだったか」



ゆかり「ふふ……ばれてしまいました」



P「どうしてこんなことを? いたずらか?」



ゆかり「ええと、ですね……少し恥ずかしいのですが。これです」



P「さっきまで読んでいた雑誌……『男の人への甘え方?』」



ゆかり「こういうことは、どうにも勝手がわからなくて……ですから、雑誌の情報に頼ってしまいました」



ゆかり「寝ぼけたふりをして甘えると、よいとあったので」



P「つまり、ゆかりは俺に甘えたかったということか?」



ゆかり「……はい」



ゆかり「プロデューサーさんとの時間は、ささいなやり取りでさえ楽しいです。大切なものです」



ゆかり「でも、私は欲張りなので……時々、それ以上を求めてしまうんです」



P「ゆかり……いつも頑張ってくれているからな。たまになら、わがまま言ってもいいんだぞ」



ゆかり「……ありがとうございます」



ゆかり「では、ひとつよろしいでしょうか」



P「なんだ?」



ゆかり「今日は11月11日……世間では、ポッキーの日と呼ばれるらしいです」



ゆかり「なので……私に、ポッキーゲームの経験を、させてくれませんか」



P「……一度だけなら」



ゆかり「ふふっ♪」









ルンバ「ウイーン」



ゆかり「では、ルンバが持ってきてくださったポッキーで」



P「もはや完全に正規の使用方法ではない」



数日後





ルンバ「ウイイイイン!」





P「今日もルンバは元気だなー。でもいつもより音がでかいような」





ゆかりonルンバ「おはようございます、プロデューサーさん」



ビッグルンバ「ウイイイン!」



P「ルンバでかっ!?」



晶葉「希望の声が多かったので、先日からルンバをこつこつ多機能持ちに改造していたんだ」



晶葉「ようやく最後の『人間を乗せる機能』が完成したところだ」



P「それでビッグサイズに生まれ変わったのか……この前から配達の仕事をやっていたのも、晶葉の改造のおかげか」



晶葉「まあそういうことだな」



ゆかり「思った通り、ルンバに乗るととても楽しいです! 癒されます……」



P「めっちゃはしゃいでるな」



晶葉「ちなみに、私の趣味で言語機能もつけておいた」



ゆかり「まあ。それは素敵ですね!」







ビッグルンバ「ユカリ、オモイ」



ゆかり「!?」ガーン!



P「失礼なルンバだな」



晶葉「女子に向けていい言葉ではないな」



ゆかり「わ、私……お外走ってきます……!」ダッ



P「え? ちょっと、この後すぐに仕事だぞ! おーい!!」ダダッ





ガチャ、バタン!





晶葉「まだまだ言語機能には改善の余地がありそうだな」



ビッグルンバ「ウイーン」



時子「ルンバ、小腹が空いたからお菓子を持ってきなさい」



ビッグルンバ「カシコマリ! ジョオウサマ!」ウイーン





晶葉「すでに完全服従している相手もいるのか……」















ゆかり「私は、重い女だったのですね……!」



P「待てゆかり! 君は重くなんてない! ゆかりいいいい!!」







有香「あの二人、走り回って何をしているんでしょう?」



法子「なんだか楽しそうだね!」



まゆ「うふふ、まゆはそこそこ重い女ですよぉ……」





おわルンバ



おまけ





ビッグルンバ「ウイーン、ウイーン!」



薫「ルンバー! あそぼー!」



ビッグルンバ「カシコマリ!」



千佳「魔法少女ごっこしよー」





友紀「………」



P「どうした友紀。遠くからじーっとルンバを見つめて」



P「混ざりたいなら混ざっていいのに」



友紀「いや……楽しそうだなーと思うし、興味もあるんだけど。どうにもルンバという響きには嫌な思い出が」



P「もう7年くらい前の話だろう? いいじゃないか、そのくらい気にしなくても」



P「いつもの前向きな姫川友紀はどうした!」



友紀「プロデューサー……そうだよね。いつまでも昔を引きずるなんてあたしらしくないよね!」



友紀「おーい、ルンバ! あたしとも一緒に遊んでよ!」



ビッグルンバ「ウイーン、ウイーン」



ビッグルンバ「………」



友紀「うん?」





ビッグルンバ「バッカジャナカロカルンバ! バッカジャナカロカルンバ!」



友紀「うわああああ」







P「誰だルンバにあんな言葉教えたのは」



晶葉「私の管轄外だ。自動で勝手に言葉を覚えていくからな」



ゆかり「ですから……」



有香「いえいえ、ここを……」



法子「まだまだだよ。そこも……」



ビッグルンバ「カ、カシコマリ……」







ビッグルンバ「ウイーンウイーンウイイイーン!」



ゆかり「わあ、すごいです」



有香「フルートの音を奏でながら正拳突きを思わせる動作でドーナツを作っています!」



法子「がんばれー! ひゅーひゅー」





ワイワイ





P「あいつ、いつかオーバーヒートして壊れないだろうな……」





今度こそおわルンバ



23:30│水本ゆかり 
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