2015年11月26日

頼子「晶葉ちゃんと過ごす秋」

秋なので頼子と晶葉のSSを書きました。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447603668





昔の私は「観る」専門でした。本を読んで美術展、博物展を観て。





華やかな世界にあこがれていた私はいつも自分を偽っていました。自分には似合わない、自分には向いていない。



Pさんはそんな私の本心を見抜き、連れ出してくれました。あのときから私は自分に嘘をつかないと決めました。



綺麗な衣装、キラキラとした舞台。Pさんが用意してくれたものすべてが私には魔法に見えました。



そうして私は「観る」ほうから「観られる」ほうへとなりました。



ただ、今日に関して言えば私を連れ出してくれたのはPさんでも魔法使いでもなく、一人の少女でした。





「頼子、駅前に新しいクレープ屋が出来たみたいだ。早速行くかないか?」





レッスンが終わり、少し事務所でくつろいでいた私を見つけた晶葉ちゃんが急にこんなことを言ってきました。



晶葉ちゃんは私を慕っていてくれて私も晶葉ちゃんが大好きです。



そして晶葉ちゃんはこのように急に物事を提案してくるときがあります。Pさんもよくパーツを買いに付き合ったりしているみたいです。



えっと…たしかこのあと予定はなかったはずです。





「うん……いいよ……。そんなに食べたかったの……?」



「い、いやそうではない。クレープロボを改良する際の参考にと……」



「ふふっ……本当は……?」



「クレープが……食べたいだけです……一緒に食べたほうが……おいしいから……」



「うん……食欲の秋だからね……」



私が言うのもなんだけど晶葉ちゃんは素直じゃないです。たまに隠し事をしようとします。



ただそのさいは晶葉ちゃんの視線はあっちいったりこっちいったり。



そんなとき本当は?と聞くと本心を答えてくれます。やっぱり素直なのかな?



前にこの様子を安部さんに見られたときまるで姉妹みたいだと言われました。



フフ、それも悪くないかもしれませんね。





「ここが新しいクレープ屋……」



「なかなかにおいしそうじゃないかっ!」



「晶葉ちゃん……落ち着いて……」



「お、おほん……私としたことが年甲斐もなくはしゃいでしまった」



「いや、年相応だと思うよ……」



「と、とりあえず買おう」



「そうだね……」



「それじゃ、いただきます!」



「いただきます……」



「こ、これは……美味しいぞ!」



「そうだね……美味しいね……」



「他の店と何が違うのだろうか?店員に質問してみるか」



「多分秘密だと思うよ……」



「そ、そうだよな。しかし、私はへこたれない!まずはクレープの開発だな。幸いうちの事務所にはクレープを作れそうな人はたくさんいる」



「クレープロボを作るんじゃなくてクレープから開発するんだね……」



「天才は妥協しないからなっ!私は最高のクレープを作ってみせる!」



「もはや趣旨が変わっているような……それと晶葉ちゃん、ほっぺたにクリームついてるよ」



「な、なに?!またか」



「急いで食べるからだよ……よいしょ……うん、とれたよ」



「ありがとう、頼子」



「どういたしまして、それにしても晶葉ちゃんのほっぺたは柔らかいね……」



「うわ、なにをする頼子。あまりいじくりまわすな!」



「ははは……ごめんね……ついつい触ってみたくなっちゃって……」



「うむ、次からは頼むぞ」



前に私が言ったことを覚えてくれていたんですね。あれも私と晶葉ちゃんの思い出の一つです。



一人じゃなく、二人ならばおいしく感じるし、出来ないこともできる。助け合いです。



事務所に帰ってからの晶葉ちゃんはかな子さんと十時さんに協力してもらってクレープを作っていました。



でもまだまだ納得の出来るものは作れていないみたいです。



ふふ、たのしみですね。また晶葉ちゃんとクレープを食べたいです。



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美術品。それは変わらぬ美しさを持つもの。だけど価値が変わらないわけではありません。



有名なところで言えばゴッホがまさにそれです。



今でこそひまわりなどで有名なゴッホですが生前は一枚しか絵が売れてないと言われています。



おかしい話だと思います。だけど現実なんてそんなものなんだと思います。



見つけてくれる人がいなければ価値なんてないのと同じです。



だけど、もし見つけてくれる人がいたならば……

「頼子、一緒に美術館に行かないか?」



「どうしたの急に……?」



「芸術の秋だ。少しぐらい私も嗜んでおこうと思ってな」



「うん、いいことだと思うよ……私でよければ付き合うよ……」



「ありがとう。頼子がいれば鬼に金棒、もはや私は美術館を制したも同然だっ!」



「そんな大層なものじゃないと思うよ……じゃあ国立西洋美術館に行こうか……」



「おお、あそこか。科学博物館にはよく行くから目の前は通るのだが入るのは初めてだ」



「じゃあ行こうか……!」



「おお、今日の頼子は積極的だな!」



「フフッ……私も好きなものだからテンションあがちゃって……変かな……?」



「そんなことないぞ。ふふ、私もテンションを上げていこう!」



「あ、でも館内では静かにね……」





晶葉ちゃんが美術館に興味持つなんて正直意外でした。でも嬉しいな。



私の好きなものを晶葉ちゃんも好きになってくれるとなお嬉しいです。



今度一緒に科学博物館に行こうかな。晶葉ちゃん喜んでくれるかな?



「というわけで美術館だね……」



「ううむ……凄い絵だってことはわかるのだがどこがどう凄いかは説明できないな……」



「どうして凄い絵だと思ったの……?」



「緻密で綺麗だからだ。ただそれだけだと月並みな感想になってしまう……」



「それだけでもいいと思うよ……」



「そうなのか?もっと頼子みたいに絵が描かれた背景などを調べたほうがいいんじゃないのか?」



「それも絵の楽しみ方の一つだとは思うよ……だけど最初は自分がどう感じたかでいいと思うよ……」



「そんな簡単なことでいいのか……」



「例えば晶葉ちゃん、ピカソのゲルニカって絵はわかる……?」



「ああ、美術の教科書に描いてあったからわかるぞ」



「あれを見て晶葉ちゃんはどう感じる……?」



「怖いとか暗いとか嫌な感じとかかな?」





「うん、それだけでいいの……あれは元々ナチスドイツが戦争中にスペインのゲルニカって場所に空爆をしたの……ピカソはそれを悲しんでゲルニカという絵を描いたんだよ……だから戦争の怖さや悲惨さが少しでも伝わればいいんだよ……」



「なるほど!見たまんま感じるだけでいいのか」



「絵に描かれているもの一つ一つに意味はあるけど……大事なのはやっぱり伝わることだと思うから……」



「難しいようで簡単なのか?それとも単純なようで複雑なのか?ううむ、混乱してきた……」



「ふふ……少し話し変わるけど、前にPさんと美術館に来たときの話なんだけどね……Pさんは絵を見てこれは高そう、これは安そう、これは俺でも描けそうって言ってたの……」



「ひどい言い草だな……」



「うん……私もそう思う……それで何を基準にしているか聞いたんだけど……なんて言ったと思う……?」



「Pのことだ、またろくでもないことだろう」



「いや……至極簡単な答えだったよ……ティンと来るかどうかだって……」



「確かにPなら言いそうなことだ」



「Pさん曰く、人の価値は関係ないみたい……自分がどうか……だから私たちをアイドルにしたのかもね……」



「Pにとって私たちは価値のある存在ってことか」



「単純に晶葉ちゃんが可愛いってことじゃないかな……?」



「頼子が綺麗ってことか」



「ふふ……ありがとう……」



「こちらこそ」





そのあとも晶葉ちゃんと一緒に美術館をまわりました。



晶葉ちゃんは彫刻に一番惹かれたみたいでした。



動く彫刻とかどうだろうかって呟いてたけどそれはホラーかRPGだと思うよ……



紗南さんなら喜ぶかもしれませんね。



なんにせよ、晶葉ちゃんと一緒にまわった美術館はいつもとは違う楽しみがありました。



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事実は小説よりも奇なり。このことわざは私のためにあるのかもしれません。



私は今までにたくさんの本を読んできました。



だけどそれのどこにも美術館でスカウトされてアイドルになる話なんてありませんでした。



まだ17年しか生きていませんが人生何があるかわからないものですね。



でも同い年のはずの安部さんも同じようなセリフを言っていたので平気ですね。

「頼子、お勧めの本を教えてくれ!」



「うん……?急にどうしたの……?」



「読書の秋だからな、私も本を読もうかと思って」



「私よりも本に詳しい人に聞いたほうが……」



「それも考えたのだがな、頼子なら私の性格を踏まえた上で本を選んでくれるだろうと思ったからだっ!」



「ふふ……ずいぶんと信頼されているみたいだね……まかせて……!」



「ありがとう」



「じゃあ早速行こうか……図書館でいいかな……?」



「ああ、頼子に全部任せるよ」



「というわけで図書館だね……」



「前にも似たような展開があったな」



「うん……今回も美術館同様に静かにね……」



「ああ、わかった」



「そういえば晶葉ちゃんは普段本は読むの……?」



「意外って思われるかもしれないが結構読むぞ」



「どんな本を読むの……?」



「新しい技術の論文とかだな!なにか私のロボに使えるものがあるかもしれない」



「ああ……なるほど……晶葉ちゃんらしいね……」



「ふふん!そうだろう。しかし新しいことにチャレンジしてみたくて普段読まない本を読もうと思ったんだ」



「やっぱり晶葉ちゃんはすごいね……」





お嬢様チャレンジ、晶葉ちゃんが番組の企画でやった挑戦です。



琴歌さんの教えに従いお嬢様らしい行動を、さらにはピアノまで覚えるという企画です。



なかなか簡単なことではありません。しかし晶葉ちゃんは努力でそれを成し遂げました。



それからというもの晶葉ちゃんは色々新しいことにチャレンジしています。



年下だというのにその姿勢は見習いたいと思うばかりです。



私も頑張らなきゃな。おいていかれないようにしなきゃ。





「うん……晶葉ちゃんには伝記がおすすめかな……」



「伝記か?どうしてだ?」



「発明家の一生に触れてみたりしたら新しい考え方も見つかると思って……」



「なるほどっ!いままで新しいものばかり追っていたが先人の知恵も借りるべきなんだな!」



「『良き書物を読むことは、過去の最も優れた人達と会話をかわすようなものである』昔の哲学者で数学者のデカルトさんも言ってたよ……」



「ありがとう、でも少し意外だ。てっきり頼子がいつも読んでいるような分厚い歴史書を進められると思ったが……」



「それも考えたけど……やっぱり晶葉ちゃんに合う本を考えたんだ……」



「はは、流石頼子だ!頼んで正解だったよ」



「喜んでくれたならよかったよ……」

その後晶葉ちゃんがたびたび伝記を読む姿を目にするようになりました。



ちゃんと読んでくれてるんだね。ありがとう。



晶葉ちゃんは読んでいる本に影響されるようでよく偉人の名言を引用します。



ちゃんと14歳の少女らしくて少しほっこりします。



これを機に伝記だけでなくさまざまな本に興味を持ってくれたら嬉しいと、半ば親心のような気持ちを抱いています。



いや、まだ親って年でもないし姉心とでも言っておきましょうか。



でも安部さんが親心のような気持ちで晶葉ちゃんを見るって言ってたので同い年のはずの私も親心でしょうか……



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「お月見ライブをやるぞ」





その日突然言ってきたのは晶葉ちゃんではなくPさんでした。



目をキラキラさせて言ってくる様子は晶葉ちゃんとそっくりです。



まったく、晶葉ちゃんならまだかわいげがあるけどPさんは…



そんなこと口に出したら多分Pさんはひどく落ち込みます。



どっちが子どもかわかりませんね。

「えっと……もうお月見って季節じゃない気が……」



「いいんだよ。こういうのは気分なんだよ」



「身も蓋もない答えですね……」



「だって野外ステージじゃなくて屋内だからどうせ月なんて見れないし」



「じゃあなんでお月見なんですか……?」



「そっちのほうが目を引くだろ!日本のクリスマスやハロウィンを見てみろ!もはや名前だけ同じな別物だろ!それでもいいんだ。目を引くから!」



「ははは……それでライブの内容は……?」



「おっと、そうだった。晶葉と二人でライブだ。衣装もお月見らしくムーンライトバニーでいくぞ」



「またおそろいの衣装ですね……!」



「気に入ってるのか?」



「もちろんです……!」



「それはよかった。あとだな、今回のライブだが少しだけ問題点があるんだ」



「なんですか……?」



「場所の関係上、晶葉のロボが使えないんだ。大きなロボは搬入出来なくてウサちゃんロボは別の場所で行われている菜々のライブに持っていってしまっている」



「新しいのを作るとかは……?」



「晶葉のロボは作った後調節したり練習したりで本番で使うまでに結構時間かかるんだ。だから今回は時間が足りなくて……どうにか晶葉を助けて欲しい」



「わかりました……」

次の日、晶葉ちゃんと私で打ち合わせです。



昨日のうちに晶葉ちゃんも話は聞いていると思います。



落ち込んでなければいいけれど……





「おはよう、頼子」



「おはよう、晶葉ちゃん……」



「それで次のライブのことだが聞いているか?」



「うん……」



「どうした頼子暗い顔して。なんか嫌なことでもあったか?」



「いや、私はないけれど……」



「どうした歯切れが悪い」



「今回はロボが使えないけれど晶葉ちゃんは平気なの……?」



「ふふん!私を見くびってもらっては困るな!お嬢様チャレンジでは私はロボがなくても自分の力だけでライブが出来たんだ!」



「そっか……晶葉ちゃんは強いね……!」





晶葉ちゃんはいつものように堂々としています。



むしろ私のほうが悩んでいたみたい。



流石は晶葉ちゃん。

「強いて言うならあれだな。頼子とおそろいだ!」



「私とおそろい……?なにが……?」



「頼子も眼鏡ありと眼鏡なしのときがあるだろ。あれと一緒だ!



「なるほど……!」



「それに……隣に頼子がいてくれるんだろ?それなら大丈夫だ」



「うん……!私のほうもよろしくね……!」





今回のライブは成功する。そんな気がします。



いや、絶対成功させて見せます!

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そしてライブ当日です。



少し大きめなライブハウス。ファンのみなさんの熱気がこちらまで伝わってきます。



ざわざわ、ざわざわ。私たちが登場するのを今か今かと待っているようです。





「最初は私からだな。盛り上げてくるぞっ!」



「頑張って……!」



「任せろ!天才に不可能はなぁい!」





最初は晶葉ちゃんからです。



暗転、晶葉ちゃんがステージの上に移動します。





アタシポンコツアンドロイド ゴシュジンサマ ス…キ…





まずは晶葉ちゃんの『アタシポンコツアンドロイド』



晶葉ちゃんのアレンジでイントロ部分がロボットダンスになっています。



これは緊張した晶葉ちゃんがぎこちなく踊ったのがロボットダンスに見えて受けたのが始まりです。



あまりの完成度の高さからあれは本人ではなく晶葉ちゃんが作ったロボットではないかと噂されたほどです。



予断ですがアンドロイドはアンドロイドとは男性を模した人造人間であり女性を模した人造人間はガイノイドと呼ばれます。



知名度の低さからあまり使われることはありませんが……



「お疲れ様です……いいステージだったよ」



「ああ、ありがとう。次は頼子だな。任せた」



「うん……いってきます……」





次は私が歌う『Bright Blue』



鷺沢さんの曲をお借りしています。





ファンタジーな世界に

逃げてるだけじゃ

本当の私も探せないまま





鷺沢さんと私、少し境遇が似ています。



自分の世界に閉じこもっていたところをPさんに見つけてもらえました。



そんな気持ちを込めて歌うといいとアドバイスされました。





顔上げてみたら

見慣れた空

今日はいつもより

Bright Blue





どうですか?なかなか私らしさを出せているでしょ?



うん、みんな笑顔で聞いてくれました。私まで笑顔になります。



「ただいま……」



「やっぱり頼子は綺麗だな!なら私はかわいくだっ!」



「期待してるよ……」





『そのとき空から、不思議な光が降りてきたのです・・・』

(あ、あれは誰だー!誰だー!誰なんだー!)

『それは…アキハでーっす☆』





安部さん直伝の『メルヘンデビュー』



申し訳程度のお月見要素、ウサギ。



これを習得するために晶葉ちゃんは安部さんによる地獄のメルヘン特訓を受けていたみたいです。



地獄って文字だけで不穏ですよね……



安部さん曰く、メルヘンデビューをここまで本気で練習してくれたのは晶葉ちゃんだけみたいです。



晶葉ちゃんは安部さんを尊敬していますからね。少し妬けちゃいます。





ウサミンパワー メルヘンチェンジ みんな大好き

好き好き大好き うー どっかーん!

ウサミンハートに キュンキュンきらめく ホントの気持ち

「キャハッ! ラブリー14歳♪ ブイッ♪」

大事な大事な ときめきだモン!





これで晶葉ちゃんもウサミン星人の仲間入りをしたと喜んでいました。



……私も今度教えてもらえるかお願いしてみようかな。



でもキャラに合わないってPさんに怒られそうですね。やめておきましょう。







「どうだった?」



「完璧だったよ……」



「そうか!この出来なら師匠ことウサミンも納得してくれるな!」



「ふふ……そうだね……」



「次は頼子の番だ」





次に私が歌うのは奏さんの『Hotel Moonside』



申し訳程度のお月見要素、月。



この歌は情熱的に、でも少し余裕を持って歌うといいと奏さんに教えていただきました。





もしその手を離したらすぐにいなくなるから

手錠に鍵をかけて 今夜 今夜 今夜

私だけにそのメロディ 耳元で奏でてよ

聴かせて ほら 今夜 今夜 今夜

時を止めて 今夜 今夜 今夜





私は怪盗ですからあなたの大事なものを盗んでどこかに逃げてしまうかもしれませんよ。



そうならないためにも私を捕まえて手錠をかけてくださいね。



まあもっとも……水面の月のように……私も簡単には捕まりませんよ……フフ。



その後MCや何曲かはさんで最後の曲です。



この曲は私自身とても好きな曲です。今までの気持ちを込めて歌います。





「最後だな」



「最後だね……」



「最後の最後までしっかりと歌うぞ」



「ファンのみんな笑顔にしようね……」





晶葉ちゃんと二人で歌います。『つぼみ』

ちらばった星屑ひとつ

拾い上げてくれた

君の手のひらの中

ひそかに輝きはじめてる





Pさんが私たちを見つけて、拾い上げてくれたから輝くことが出来たんです。





いつもと同じ空なのに

感じていた胸さわぎは

今日という未来を感じてたから



夢の 夢の中の出来事じゃなく

この場所から 君へとうたうよ





これまでの出来事は夢のような出来事でした。



でも夢じゃありません。このステージからみんなのために歌います!





小さな光を 胸に抱いて

青空へと飛ばそう 希望の種

歩んできた時

忘れないように

君がいれば

またひとつ花は咲く





一人では乗り越えられないようなこともありました。



でも周りを見渡すとPさんがいて晶葉ちゃんがいてみんながいて。



だから私はアイドルとして花を咲かせることが出来ました……!



______________________________



「二人とも、お疲れさま」



「うむ、P今日のライブはどうだったか?」



「最高だったよ。晶葉も頼子も最高に輝いていた」



「ありがとうございます……」



「結局屋内で月は見えなかったけど今日は満月だったのか」



「綺麗だね……なんだか背伸びをしたら届きそう……」



「頼子がそんなこというなんて意外だな。いつもなら非科学的だって言いそうだが」



「それは晶葉じゃないのか?」



「なっ……私はそこまで無粋じゃないぞ。ウサミン星人だって信じてるし……」



「その言い方だとウサミン星はサンタクロースと同じ扱いみたいだな」



「イヴがいるし、サンタクロースは存在するじゃないか!ならウサミン星も存在するんだ!」



「おいおい、頼子もなんか言ってやれよ」



「晶葉ちゃんと安部さんが言うのでウサミン星は存在します……すると思います……」



「ほら、あとはPだけだぞ!」



「はいはい。ウサミン星は存在するのね」







みんながいるからまた明日も夢の花が咲きます。





おわり



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