2015年11月27日

智絵里「とある二人の秘密の一日」

デレマスSSです。書き溜めあります。



口調とか違ったり会話が不自然だったりしたらごめんなさい。



最後までお付き合いいただけたら幸いです。





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448069120



智絵里(き、気まずいなぁ……)



凛(気まずい……)



智絵里・凛(どうしてこんなことになったんだろう……)

ーー遡ること2時間前





ガチャッ



智絵里「戻りました……」



ちひろ「あら智絵里ちゃん、おかえりなさい。お疲れさま」



智絵里「あ、ありがとうございます……。ちひろさん一人だったんですか?」



ちひろ「ええ。でも私もこれからプロデューサーさんに忘れ物を届けに行かなきゃいけなくて……。悪いけどお留守番頼めるかしら?」



智絵里「一人で……ですか……?」



ちひろ「待ってる間に誰か帰ってくるかもしれないわ。それまでは一人だけど大丈夫よね?」



智絵里「だ、大丈夫です……!行ってらっしゃい……」



ちひろ「じゃあ行ってくるわね」

ーーそれから一時間半後





ガチャッ



凛「おはようございます。……って誰もいないのかな?」



凛(もしかしてドッキリとかかも……。上手くリアクションできるかな?)





クローバーガアレバサミシクナンカ……サミシクナンカ……



凛(何か聞こえる……。心霊系のドッキリかな?)



凛「あっ、明後日の予定確認しに来たんだった。……明後日もオフか」



凛「プロデューサー、2日も空けてくれたんだ。明日だけでよかったのに。気遣ってくれたのかな?」



凛(ドッキリの方は何も無しか……。帰ろう)



ガシッ



凛「ひゃんっ」



凛(変な声出ちゃった……。今のオンエアされたら嫌だな……。あぁ恥ずかしい……)



凛「って、智絵里……?」



智絵里「一人に……しないで……!」

凛「ふーん。それで1時間半も一人でずっとここにいたんだ」



智絵里「うん……。一時間経っても誰も来ないから何かのドッキリだとも思ったんだけど……」



凛「……ドッキリじゃないの?」



智絵里「え?」



凛「え?智絵里は仕掛け人じゃないの?」



智絵里「違うよ……?」



凛「えっと……。カメラは回ってない?」



智絵里「と、思うけど……」



凛「よかった……」



智絵里「?」

凛「それで私はどうしてればいいの?」



智絵里「えっと……。とにかく私を一人にしないでほしい……です……」



凛「誰かが来るまでいればいいかな?いいよ。どうせ暇だし」



智絵里「あ、ありがとう……!」



凛「うん」



智絵里「……」



凛「……」

こんな感じで今に至る





凛(ここは何か話をして場を和ませるべきだよね)



智絵里(つい引き止めちゃったけど、何を話せばいいのか……)



凛「智絵里は……」



智絵里(うう……。私の方が年上なんだからちゃんとしないと……)



凛「智絵里?」



智絵里「は、はい!?緒方智絵里です……!」



凛「ち、智絵里!?びっくりした。そんな声も出るんだ……」



智絵里「わ、私どんな声出てましたか?」



凛「うーん……。コミカルな奇声みたいな……?上手く例えられないかな……」



智絵里「そうなんだ……。あ、裏声と言えば凛ちゃんもさっき……」



凛「忘れて」



智絵里「え?」



凛「忘れて」



智絵里「ご、ごめんなさい……」

凛「……」



智絵里「……」



凛「ち、智絵里はさ、たい焼きって頭から食べる?尻尾から食べる?」



智絵里「え?あっ……えっと、頭から……かな?凛ちゃんは?」



凛「私は尻尾から……」



智絵里「そ、そうなんだ……」



凛「ごめん……」



智絵里「ううん。あ…… 凛ちゃんは犬飼ってるんだよね?」



凛「うん。ヨーキーとダックスフンドのミックスで、ハナコっていうんだ」



智絵里「あっ……」



凛「どうしたの?」



智絵里「名前とか犬種をこれから聞こうと思ってて……」



凛「ごめん……」

凛「智絵里は三重県出身だけど寮には入ってないよね?家族でこっちに住んでるの?」



智絵里「あっ…… えっと……。お父さんもお母さんも忙しくてあんまり家族揃うことはないんだけどね……」



凛「本当にごめん。無理に話さなくてもいいから!……でも、どうりで寂しがりなわけだね」



智絵里「うん……。だから凛ちゃんが来てくれて嬉しかった……」



凛「寂しくなったら私でよければそばにいるからね」



智絵里「あ、ありがとう!凛ちゃんって頼もしいよね……。私なんて年上なのに全然ダメで……。凛ちゃんにも気を遣わせちゃってるし……」



凛「別に気なんて遣ってないよ。そうするのがいいと思ったからしてるだけ」



智絵里「そっか……」

凛「それにしてもちひろさん遅いね。もう2時間以上帰ってないんでしょ?」



智絵里「そうだね。プロデューサーさん、七海ちゃんのドラマの撮影で青森に行ってるから遅くなると思うよ」



凛「……まだしばらくかかりそうだね」



智絵里「七海ちゃんも“撮影快調”って言ってたよ。楽しみだね」



凛「そうだね。ドラマと言えば智絵里はどんなドラマ見るの?」



智絵里「えっと、プロダクションのみんなが出てるドラマはチェックしてるよ」



凛「へぇ。早苗さんが主役の刑事のやつ面白いよね。私もこの前やってた再放送で見たんだけど……」



智絵里「わ、私もあれ好きだったよ!最近映画も始まったんだよね。315プロの握野英雄さんも出るからって『元警察官アイドルが共演』って注目されてて……。あ、柚ちゃんも出るんだよ。明後日オフだから観に行こうと思ってたんだけど……。あっ……」

智絵里「そういえば凛ちゃんも明後日オフだってさっき……」



凛「うん。明日は奈緒と加蓮と一緒に奈緒が観たいっていうアニメの映画見に行くんだ。それでオフ合わせてもらったんだけど、明後日も休みにしてくれたみたい。プロデューサーの気遣いかな」



智絵里「そ、そうなんだ……。あの、明後日なんだけどね……?よかったら…… その、映画、一緒に……観に行かない?」



凛「いいよ」



智絵里「えっ?いいの……?」



凛「断られると思って誘ったの?」



智絵里「だって凛ちゃん二日連続で映画になっちゃうし…… 嫌かなって思ってたから……。その、ごめんなさい……」



凛「じゃあ違うことしようか」



智絵里「ち、違うこと?」



凛「うん。奈緒と加蓮とは映画見に行くだけだし、なら智絵里とは映画以外に別のところにも行くのはどう?」



智絵里「そ、それって……。デートみたい……。あの、ふ、不束者ですが……」



凛「か、かしこまらないでよ。私まで恥ずかしいじゃん……」



智絵里「ごめんなさい……」

プラチナガチャッ



ちひろ「お待たせ智絵里ちゃん、帰ったわよ」



智絵里「あ、ちひろさん!おかえりなさい」



凛「おかえりなさい。大変でしたね……」



ちひろ「あら、凛ちゃんも一緒だったの。じゃあ凛ちゃんにも……はいっ」



凛「エナドリ……?」



ちひろ「ほんのお詫びの気持ちよ。長い間待たせちゃってごめんね」



智絵里「い、いえ……。おかげで凛ちゃんともお話できたし、楽しかった……です!」



凛「うん。明後日たまたまオフが重なってたから一緒に遊びに行く約束もできたしね」



ちひろ「そうなの……。ならこれも持っていって!」



凛「あ、ありがとうございます」

ーー2日後



智絵里(へ、変じゃないかな……。これでもオシャレしたつもりだけど凛ちゃんの方がもっとオシャレだよね……。私なんかじゃ……)



智絵里「うぅ……」グスッ



凛「お待たせ。って、まだ1時間も早いんだけど……」



智絵里「凛ちゃんも1時間早いのにもう来てるけど……」



凛「それは…… 智絵里のこと待たせたら悪いと思ったから先に来ようと思って……」



智絵里「わ、私もだよ」



凛「そうなんだ。ちなみにどれくらい待ってたの?」



智絵里「1時間半くらい……かな?」



凛「待たせた身で言うのも悪いんだけど、待ち合わせの2時間以上も前に来てるのはちょっとどうかと思うよ……」



智絵里「ご、ごめんなさい……」

智絵里(嫌われちゃったかな……。せっかく仲良くなれると思ったのに……)



凛(言い過ぎたかな……。智絵里だってきっと楽しみにしてくれてたんだよね……)



智絵里(私の方が年上なんだからもっとしっかりしなきゃ……)



凛(打ち解けるまではなるべく優しくしてあげないと……)



智絵里「あ、そ、そういえば…… 映画まで時間できちゃったね……」



凛「そういえばそうだね。何して時間潰そうか?」



智絵里「な、なんでも……!」



凛「それは困るかな……」



智絵里「じ、じゃあ!凛ちゃんのしたいことがしたい……です……」



凛「そう来たか……。じゃあ……」

[ペットショップ]



ワン!ワン!ニャアニャア



智絵里「わぁ……!凛ちゃん、ウサギさんがいるよ。ほら、可愛いなぁ……」



凛「……まあ、確かにウサギも可愛いけどさ」



智絵里「あ、そっか。凛ちゃんは犬派なんだよね」



凛「あ、うん……。そうだけどそうじゃなくて……」



智絵里「ワンちゃんも可愛いね。私も犬か猫なら犬派かなぁ……」



凛「そ、そうなんだ……」



凛(言えない……。この空間で智絵里が一番可愛いと思ったなんて口が裂けても言えない……)

凛(ちょっと待って……。智絵里可愛過ぎない?卯月も相当可愛いと思ってたけどそれと同じくらい……。いや、それ以上かも……)



智絵里「凛ちゃんはどっちが好みですか……?」



凛「智絵里かな……」



智絵里「えっ?///」



凛「あっ、ち、違くて!えっと、何の話!?」



智絵里「こ、こっちの黒いワンちゃんとそっちの茶色いワンちゃん、凛ちゃんはどっちが好きかなって思って……」



凛(あの茶色い犬、智絵里っぽい……)



凛「茶色い方かな」



智絵里「私は黒い方が好きだなぁ……。凛ちゃんっぽくてかっこいい……。凛ちゃんは犬よりは猫っぽいけど」



凛「……それ、私のこと好きってこと?」



智絵里「えっ、あの…… もちろん……。好き、ですけど…… その、そういう意味じゃなくて……///」



凛「分かってるから安心して!」



智絵里「ご、ごめんなさい……。取り乱しちゃって……」



凛「いや、今のは私が悪かったよ……。ごめん……。でもありがとう。私も智絵里のこと好きだよ」



智絵里「あっ、そ、そりょ……そらそら映画館に移動すれば丁度いい時間だね……!」



凛「本当だ。じゃあ行こうか」

[映画館]



智絵里「映画館で映画観るのって久しぶりだなぁ」



凛「私も昨日のが久しぶりだったよ。中2以来だったかな?」



智絵里「そんなに……?でも分かる気がするなぁ……」



ブーーーーーーーwwwwwwww



智絵里「あっ……」



智絵里(もうちょっとお話してたかったな……。でも映画が終わったらもっとお話できるよね……)

『ぐさぁーっ!』



『ぐわああああああ!』



『新人君!』



『せ、先輩……!俺のことはいいですからヤツを追ってください……!』



『分かったわ……。ヤツは必ず私が逮捕します。任せてちょうだい』



『お願いします……よ……』





智絵里「うぅ……ぐすっ……」



凛「泣くほど感動したの?」



智絵里「うん……。あんな終わり方悲しすぎるよ……」



凛「そうだね……。握野さんがやってた新人刑事が実は柚がやってた通り魔のお兄さんだったなんてね」



智絵里「酒井刑事の必死の説得もむなしく二人で心中するなんて救いが無さ過ぎるよ……」

※酒井刑事は早苗さんが演じる美人刑事の役名という設定



凛「その後にすかさず流れてきた主題歌も物悲しさを演出してたね」



智絵里「あ、四条貴音さんの曲だよね。綺麗な声だよね……」



凛「うん。あれで可愛い曲も歌えるんだからすごいと思う……」



智絵里「そうだね……。私たちも頑張らなきゃ!」



凛「あのさ…… 話変わるんだけど、この後はどうしようか?まずお昼は食べるよね」



智絵里「うん……。そしたらどこか遊びに……」



凛「そういえばちひろさんからもらった割引券があったんだった。使わないともったいないよね」



智絵里「あっ、そっか。じゃあ…… お昼食べたら行こうか」

[カラオケ]



智絵里「カラオケは前にも一緒に来たことあったよね」



凛「そうだね。あの時は卯月と菜々さんと未央も一緒だったよね」



智絵里「未央ちゃんが私の曲歌うから……恥ずかしかったです……」



凛「ふーん……。じゃあ私も歌おうかな」



智絵里「うぅ……」



凛「冗談だよ。ほら一緒に歌えるの歌おう」



智絵里「う、うん……!」



凛(一緒に歌える曲だし、あとで『風色メロディ』も入れておこう)

凛「時間だね。延長はしなくていいよね?」



智絵里「うん……。お互いあんまり歌ってなかったね……」



凛「2人だとなんか緊張するね……」



智絵里「ごめんなさい……。未央ちゃんみたいに盛り上げられなくて……」



凛「気にしないで。あれは誰も真似できないから」



智絵里「う、うん……」



凛「次はどうしようか?遊園地とか行く?デートっぽく」



智絵里「デ……。で……でも今から行ったら遅くなっちゃうし……」



凛「うーん…… じゃあ軽く買い物でもしようか」



智絵里「うん……!」

[ショッピングモール・ブティック]



凛「これなんか智絵里に似合いそうだよ」



智絵里「わ、私にはこんな大人っぽいの……」



凛「だからと言って子どもっぽい服もどうかと思うけど……」



智絵里「うぅ……。やっぱり子どもっぽいですか……?」



凛「年相応とは言えないかな」



智絵里「じゃあ……これ買います……!」



凛「え!?いや、確かに今の格好は年相応とは言えないけどそれが智絵里っぽいというかそのままの智絵里でいるのが一番…… っていない!?」





智絵里「か、買っちゃいました……!」



凛「結構高かったんじゃない……?」



智絵里「うん……。でも丁度新しい服欲しいと思ってたし…… この機会に少しだけ大人の階段登れたらなって思って……」



凛「ごめん……。言い出しっぺは私なのになんか凄く申し訳ない気が……。あれ?これは?」



智絵里「あ…… 見つかっちゃった……。今日の別れ際に渡そうと思ってたんだけどね、凛ちゃんにプレゼント……です!はい!」



凛「ありがとう。大事にするよ。でも私にクローバーのペンダントなんて、似合うかな?」



智絵里「嫌だった……?」



凛「ううん。智絵里とお揃いだもんね。嫌なわけないよ」



智絵里「り、凛ちゃん…… だ、大好きです!」



凛「!?」

[ショッピングモール・食品売り場]



凛「夕飯、ウチで食べていきなよ」



智絵里「いいの?」



凛「うん、一人増えたくらい変わんないからさ」



智絵里「誰かと一緒に晩ご飯なんて久しぶり……。嬉しいな……」



凛「そういえば家族が揃うことは珍しいって言ってたよね。ご両親、そんなに忙しいんだ?」



智絵里「うん……」



凛「……」



凛「よかったらさ…… 今日、泊まっていかない?」



智絵里「そんな…… 申し訳ないです……。凛ちゃんの家にもご迷惑だし……」



凛「大丈夫、お父さんもお母さんも智絵里なら歓迎してくれるよ。それに智絵里だって寂しい思いしなくていいし……」



智絵里「……それじゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな……」



凛「よし、決まりだね」

[渋谷家]



ハナコ「くぅーん」ペロペロ



智絵里「は、ハナコちゃん、くすぐったいよ……。ふふっ……」



凛「ごめんね。服、そんなのしかなくて」



智絵里「ううん。合うのがあってよかった。これ、中学校のジャージ?」



凛「うん。ダサいよね……。智絵里にはあんまり着てほしくない」



智絵里「私も中学のジャージはこんなのだったから平気だよ」



凛「そ、そうなんだ……。体育の授業の度こんなのを着てた智絵里の姿はあんまり想像したくない……」



智絵里「わ、私も凛ちゃんがこれを着てたのは想像できません……!」

凛「そういえば髪下ろしてるんだね」



智絵里「えっ?お風呂上がりだから当たり前……」



凛「そうじゃなくて、珍しいなって思っただけ。私、智絵里が髪下ろしてるところ見るの初めてかも……」



智絵里「そうだった?確かに事務所じゃあんまり下ろさないかも……」



凛「いつもの智絵里も可愛いけどこっちも可愛いよ。たまには下ろしてたらいいのに」



智絵里「えっ?あ、あの…… 可愛い……ですか?///」



凛「はぁ……。今日ずっと我慢して言わなかったことがあるんだけど、言っていい?」



智絵里「ど、どうぞ……」



凛「じゃあ遠慮なく言わせてもらうね」

凛「今日は特別に意識してたのかいつもと違った感じの雰囲気でオシャレしてる智絵里が可愛い。ペットショップでウサギに見惚れる智絵里が可愛い。映画の感想を楽しそうに語る智絵里が可愛い。お昼ご飯がジャンクフードなのに美味しそうに食べる智絵里が可愛い。『DOKIDOKIリズム』を少し照れ臭そうに歌う智絵里が可愛い。無鉄砲に新しい服を買っちゃう智絵里が可愛い。こっそりプレゼントまで一緒に買ってる智絵里が可愛い。食品売り場で野菜を選ぶ智絵里が可愛い。夕飯のとき私のお父さん相手にたじたじになってた智絵里が可愛い。今日の智絵里は全部可愛かったよ」



智絵里「り、り、凛ちゃん……!」カァァ



凛「……ごめん。気持ち悪いよね」



智絵里「うん…… ちょっと。でも私のことそんなに見ててくれて嬉しいな……」



凛「おがげで智絵里の知らなかったところをたくさん知れたよ。智絵里はこんなに魅力的なんだって、みんなにも知ってほしいと思う」



智絵里「あっ…… そ、そのことなんだけど……」

智絵里「今日のことはみんなには内緒にしてほしいなって……」



凛「いいけど、どうして?」



智絵里「せっかく珍しく凛ちゃんと二人きりだったから……。その、二人だけの秘密…… にしておきたくて……。こんな機会滅多にないと思うし」



凛「分かった。言わないでおくよ」



智絵里「それに凛ちゃんが教えてくれた私の魅力もね、ちょっとずつでもアイドル活動を通してみんなに伝えていきたいんだ……」



凛「そうだね。智絵里ならきっとできる」



智絵里「凛ちゃん……今日はいろいろありがとう。私、年上なのにそれらしいこと全然できなくてごめんね。でも凛ちゃんが引っ張ってくれたから楽しかった……。だから…… その…… 今度また機会があったら一緒に……」



凛「いいよ。今度は遊園地とか行こうね」



智絵里「凛ちゃん…… もしかして遊園地行きたかったの?」



凛「……わ、悪い?」



智絵里「ううん。可愛いと思うよ」



凛「う……/// あーもう!さっき言い忘れたけど智絵里だって変に年上振ろうとするところも可愛かった!」



智絵里「うぅ……/// か、可愛いっていうのは禁止……ですっ……!」

ーー翌日



[事務所]



P「珍しいなぁ!凛と智絵里が一緒に来るなんて」



凛「まあね」



P「これは天地がひっくり返るな。杏がイキイキと働き出すか……はたまたきらりが50cmになるか……」



智絵里「きらりちゃんが小さくなるのは無いと思います……。杏ちゃんは分かりませんけど……」



P「いや杏はどこでも杏だろう。まあ今日のところは智絵里にしっかり働いてもらうぞ!今日はグラビアだったよな。この書類片付けたら行こうな」



智絵里「はい!」



P「それにしても今日の服は大人っぽいんじゃないか?それに新品っぽいなぁ」



智絵里「あ、あの……」



P「なんとなく凛が好きそうっていうか……。これを誰かが着てるのを見るのが好きそうっていうか……。まあ智絵里も高2だもんなぁ。いっそ今日の撮影のコンセプトもキュート系じゃなくてクール系だったらいいのにな!なーんちゃって!」



凛「こら、智絵里が困ってるでしょ。っていうか服だけでよくそんなに色々気付くね」



P「ハッハッハッ!俺の仕事はプロダクションの女の子をジロジロ見守ることだからな!」



凛「その言い方は気持ち悪い」



智絵里「わ、私一人でスタジオに……」



P「待てー!智絵里!行くんじゃなあーい!」

P「よし、終わったぞ!さぁ智絵里、行こうか」



智絵里「は、はい……」



P「あ、ちょっと待って。スタドリスタドリっと。千川さんの愛に包まれたスタドリをゴクッゴクッゴクッゴクッ!プハーッ!」



凛「うわ……。すごい数……」



P「千川さんに3000円払って無料で譲ってもらったんだ。要るか?」



凛「いいよ。遠慮しておく……」



P「さあ、智絵里!出発だぞー!凛もレッスンしっかりな!」



智絵里「い、行ってきます……」



凛「行ってらっしゃい」

P「そういえば智絵里は昨日凛とオフかぶってたよな。やっぱり何かあったんじゃないか?」



智絵里「な、内緒です!」



P「えーいいじゃん教えてよー。おーしーえーてーおーしーえーてー。教えてくれないと公園の四つ葉のクローバー取り尽くしちゃうぞ!」



智絵里「え、えいっ!」ペチッ



P「ぐわーっ!智絵里のチョップだ!久しぶり!」



智絵里「な、内緒ったら内緒なんです!」



P「しょうがないなぁ。俺、実は凛の弱点知ってるんだ……。聞きたかったら教えてくれ」



智絵里「凛ちゃんの弱点……。い、いえっ!惑わされません……。ぜ、絶対内緒なんです」



P「ちぇー。いいよ。凛に聞くから」



智絵里「凛ちゃんだって教えてくれませんよ。だって…… 二人だけの秘密、ですから」







カットしたシーン その1





凛「二人に相談があるんだけど……」



奈緒「どうした?深刻そうな顔して」



凛「実は明日、智絵里と遊びに行くんだけど……」



加蓮「へー。珍しい取り合わせだね」



凛「うん……。それで、どうしたら智絵里喜んでくれるかなって……」



奈緒「あー、智絵里はとにかく優しくしてやるといいぞ。あと智絵里に質問されたりしたらちゃんと答えてやらないとダメだな。初めは多少気を遣うかもしれないけど後になると結構楽しいぞ。話も面白いし。特に動物の話になるとイキイキしてて可愛いんだよなー。それから智絵里は努力家だから、そういう部分がちょっとでも見えたら褒めてやると可愛いところが見れるぞ。たまにからかってやるのもいいけどやり過ぎには注意な。本気で泣いちゃうから」



凛・加蓮「!?」



加蓮「な、奈緒……?なんでそんなに智絵里ちゃんのこと知ってるの……?」



凛「まさか奈緒にそんな趣味があったなんて……」



奈緒「ち、違ーう!誤解だ!智絵里とはユニット組んだことあるからちょっと知ってるだけだー!」

カットしたシーン その2





[フードコート]



智絵里「そういえば酒井刑事の目覚まし時計、ドラマ版と違ってたね」

※酒井刑事は早苗さんが演じる美人刑事の役名という設定





凛「え?そうだった?気づかなかった……」



智絵里「気づかなかったの……?ドラマだと765プロの田中琴葉ちゃんだったけど映画版は876プロの日高愛ちゃんだったよ」



凛「よくそんなに分かるね……。智絵里ってあのドラマも好きだけど、アイドルがよっぽど好きなんだ」



智絵里「うん……!私、何やっても上手くいかないから……。その、卯月ちゃんとか765プロの松田亜利沙ちゃんに聞いたりしてたくさんのアイドルさん達を覚えておこうって思って……」



凛「いい心がけだと思うよ。私も会ったことがある人のことは覚えるようにしてるけど。智絵里を見習わないとね」



智絵里「わ、私なんか見習ったら凛ちゃんがダメになっちゃいますよ……」



凛「いいところを見習おうって思っちゃいけない?」



智絵里「いい……ところ?」



凛「うん。智絵里は努力家だよ。ダメなんかじゃない。もっと自信持っていいと思う」



智絵里「あ、ありがとう……!」



凛(可愛い……。奈緒の言ったとおりだ)

カットしたシーン その3





凛の父「本当によく来てくれたね。今日だけじゃなく毎日来てくれてもいいからね」



智絵里「は、はぁ……」



凛「もう。お父さん酔ってるの?恥ずかしいからやめてよ」



凛の父「あ、そうだ。CANDY ISLANDがゲストのMuscle Castleが録画してあるから一緒に見よう」



智絵里「え、あの……」



凛の父「遠慮しないで!」



凛の母「智絵里ちゃんは今日から始まるドラマが観たいのよね?渡辺みのり君主演の」



智絵里「は、はい!仁奈ちゃんが出るんです」



凛の母「みのり君と仁奈ちゃんは親子なのよねー」



凛の父「なんだい……。つまんないなぁ」



智絵里「あ、あの……。ドラマが終わったらお父さんと一緒に録画見ましょう」



凛の父「お、お義父さん……!凛!智絵里ちゃんと結婚しなさい!」



凛「バカ言ってないでさっさと寝て!」

後日談





P「智絵里!凛!千川さんから聞いたぞ!オフに2人で遊びに行ったんだって!?」



凛「バレちゃったか……」



智絵里「内緒にはできませんでした……」



奈緒「あたし達も知ってたけどな」



加蓮「そうだね」



凛「ごめん智絵里……。前日に2人に相談してて……」



智絵里「そ、それはしょうがないと思います」



凛「でも約束守れなかったのは事実だから……」



加蓮「内緒だなんて、凛にもそういうところあるんだね」



智絵里「じゃあ…… お仕置きします!」



P「お仕置き!?それなら教えてやるけど凛の弱点は脇腹だ!」



奈緒「お、智絵里の弱点は足裏だぜ」



智絵里「く、くすぐったりなんかしません!」



智絵里「お、お仕置き!いきます!」



智絵里「え、エスコートしてくれる凛ちゃんが可愛い!」



凛「!?」



智絵里「クローバーのペンダントが似合うか不安な凛ちゃんが可愛い……!お父さんにちょっと呆れた態度の凛ちゃんが……か、可愛い……!中学校のアルバムを見られて恥ずかしがる凛ちゃんが可愛い……です!」



凛「ち、智絵里……。その辺で……」



智絵里「ま、まだまだですっ!凛ちゃんの可愛いところをみんなにも知ってもらうんです!」



凛「そ、それはアイドル活動で少しずつ伝えていくから!」



智絵里「えへへ、約束……増えちゃったね?」





今度こそ終わり。



20:30│緒方智絵里 
相互RSS
Twitter
更新情報をつぶやきます。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: