2015年12月02日

P「事務所が臭い?」

P「いったい誰の仕業だ?」



真美「亜美だよ……」



P「また亜美がおかしくなってしまったのか……」





真美「おかげで昨日双海家も臭かったんだよ!なんとかしてよ!」



P「なんとかって言われても……」



真美「な、なんとかしてくれたら……ま、真美の胸、触ってもいいから……」



P「全力で消臭しようじゃないか」



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P「で、臭いって言ってもどんな臭さなんだ?」



真美「よく分かんないんだけどね、なんか亜美が匂いフェチになったみたいなの」



P「ほうほう。それはまた」



真美「“男が3日間履きっ放しの靴下で牛乳を拭いた匂いフェチ”らしいんだよね」



P「それはキツい。言葉だけでも臭い」



真美「それで、その臭いの元を手に入れたらしくて」



P「3日間履き続けた靴下を亜美に渡した奴がいるのか……」



真美「それを家や事務所に持ち込んでるんだよね!そりゃもう臭くて臭くて」



P「とりあえず確かめてみないことにはな」



真美「事務所へレッツラゴーだね!」

P「おお……。外からでも臭うな……」



真美「くさぁい……」



響「あっ、プロデューサー!真美!」



P「響!無事か!」



響「今来てみたらなんなのこの臭さ!?」



P「みんなは?臭いで気絶でもしたか?」



響「ううん。なんか臭いに感動しちゃってて……」



P「は?」

亜美「スーーーーーーーーっ!ハァァァァァァ!デリッシャアアアアアアアス」



春香「はぁ……。昔お父さんに連れられて行ったアイドルのライブの会場の匂い……」



千早「母親が作ってくれたカレーの匂いだわ……」



真「空手の稽古を終えた後の道場の匂い……」



伊織「お兄様がお土産にくれた高級ブランドのバッグの匂いね……」



雪歩「家の匂いですぅ……」



やよい「昨日の晩ご飯の匂いですー!」



貴音「故郷の匂いがします……」



あずさ「これが運命の人の匂いかしら〜」



律子「初めてメガネを買ったメガネ屋さんの匂いだわ……」



小鳥「靴下を3日間履きっぱにしてそれで牛乳を拭いた匂いに似てるわぁ……」

響「ね?」



P「みんな、頭、おかしい……」



P「ハッ!そうだ!美希の姿が見えないぞ!」



真美「ミキミキならあそこだよ」



美希「Zzz……」



P「寝てる!?アイツすげぇ!」



真美「ミキミキが一番おかしいかも……」

P「とりあえずあの匂いの元を断たないとな」



真美「そういえばひびきんはなんで平気なの?」



響「実は今風邪引いてて鼻詰まってるんだ……」



P「こら!体調管理には気をつけろっていつも言ってるだろ!」



響「ご、ごめん!気をつけるさー」



P「よしよし」



真美「そうじゃないでしょ!まずはあの靴下を回収しないと」



P「うっ……。でも近づいただけでも吐きそうだぜ」



響「自分が行く。鼻詰まってて匂い分かんないしさ!」



P「そうか!頼んだぞ!」

響「み、みんな!ちょっといい?」



全員「くんかくんかくんかスーハースーハー」



響「こ、こうなったら無理矢理にでも取ってやるさ!」



響「うおおおおおおおお!」パシッ



響「取ったげ、ゲロー!」オロロロロ



真「返せよ!」バキィッ



響「ぐはっ」



ポトッ



美希「うーーん……。はにぃ……」ガクッ



響「鼻詰まってても結構キツい……ぞ……」ガクッ



響・美希 [再起不能]

P「クソォ!」



真美「ど、どうしよ兄ちゃん……」



P「俺に任せろ」



真美「でもひびきんの二の舞に……」



P「大丈夫だ。策はある……!」







P(その後、知り合いの事務所から応援を呼び、ちゃんとした方の匂いフェチの子や凄く幸運な子、冒険が好きな子に行かせてみたが戦果はあがらなかった)





P「クソォ!ダメか!」



真美「兄ちゃん……」



P「しょうがない……。俺が行く」



真美「待って兄ちゃん!」



P「うおおおおおお!」パシッ



P「取った!これを窓から投げ……ぐっ!」

真「返セ!返セ……!」



伊織「返してよぉ……」



やよい「ご飯……」



P「は、放せ!お前たちは悪夢にうなされてるんだ!」





P「くっ……もう俺も意識を失いそうだ……。こうなったらこいつらごと飛び降りるしか……」



P「ぬぐぐぐぐぐぐぐ」



P「どぅあああああああ!」



パリーン



真美「兄ちゃああああああああん!」

P「いてて。ふぅ……なんとか無事みたいだ……」



P「3人は……気を失ったか」



P「どうやらアイツらも追ってこないらしい。まさか知能にまで影響があるのか……?」



P「とにかくこれをどこか遠くに……」



亜美「行かせないよ」



P「亜美!」



亜美「返してもらうかんね」



P「わ、渡すか!……いてて、う、動けん」



亜美「無様だね兄ちゃん」

P「クソ……せっかくこれで真美のおっぱい揉み放題だと思ったのによぉ……」



真美「兄ちゃん……」



P「ま、真美……。無事か?」



真美「兄ちゃん、もういいよ。それ、亜美に渡しちゃってさ、2人で逃げよ?」



P「だ、ダメだ……!それじゃおっぱいが……」



真美「胸くらいならいくらでも触らせてあげるから!逃げようよ!」



P「真美にそんな顔させるなんて……俺はプロデューサー失格だな……」



真美「もう、無理しなくていいかんね……」



亜美「え?独り占めしたかったんじゃないの?」



P「違うわ!」



真美「あっ、元気になった」

P「と、とにかく逃げよう!」



真美「う、うん!」



亜美「逃げるって、どこに逃げるのさ」



P「どこって……。いろいろあるぜ。俺の家とかな!」



亜美「無駄だよ」



P「なんだと?」



亜美「亜美達の家はもちろん、兄ちゃんの家含めて近隣の民家やホテルには全部あの臭いが蔓延ってる!兄ちゃん達も早く気持ちよくなろう?」



春香「ライブ会場の匂いですよ〜」



千早「ほら、カレーの美味しそうな匂い……」



雪歩「畳の香りと硝煙の香りが混ざったようないい匂いですよ……」



貴音「この匂いを嗅いで一緒に私の故郷を感じてほしいのです」



あずさ「もしかしてプロデューサーさんの匂いかもしれないわ〜」



律子「この匂いを嗅ぎながら選ぶメガネはずっと大事にできますよ」



小鳥「独り暮らしの不安感だって拭えちゃいますよー」



響「ロケで食べたドリアンもこんな匂いだったけど味は良かったぞ!」



美希「はニぃ……」

P「響……美希……。それに俺が呼んだ他事務所の子達まで……!」



真美「そんな……」



P「くっ……!行くぞ真美!」ダッ



真美「あっ!兄ちゃん!」



P「クソッ!クソッ!」



真美「兄ちゃん……」

P(あれから俺達は逃げ続けた。電車に乗って遠くまで逃げたがそこら中に臭いは拡散されていて逃げ場は無かったが、いつか辿り着く楽園を信じて逃げ続けた)



真美「あっ、兄ちゃん!」



P「ここはあんまり臭わないな……」



真美「そうだね。スーパーは大丈夫だった?」



P「ああ、でもほとんど臭いが移っててとてもじゃないが食えそうになかった。無事なのはこれだけだ。まったく、袋に入っててもすり抜けて臭いが移るなんて厄介だよな……」



真美「食パンと……牛乳……。ねえ兄ちゃん」



P「ん?」

真美「真美達さ、逃げ続けて今日で3日目なんだよ」

P「そうだな……。着替えもせず……ん……?」



真美「兄ちゃん、3日間靴下履きっ放しでいてくれてよかったよ」



P「ま、まさか……!やめろ真美!」



真美「ずっとこの時を待っていたんだよ!牛乳が手に入るその時を!」



P「クソッ!真美も既に感染していやがったのか!」



真美「もう3日も我慢してたんだよ。そろそろ禁断症状が出るところだったよ……」



P「くっ……万事休すか……」



??「見つけた!君!君ィ!」キィー



P「しゃ、社長!?」



高木「真美君はもうダメだ!君だけでも車に乗るんだ」



P「は、はい!うわ車内もくっさ!」



高木「我慢したまえ」



ガチャ ブロロロロロ

P「助かりました……。社長はご無事だったんですね」



高木「ああ。3日前に音無君から緊急事態だとメールを貰ってね。その時は音無君も無事だったようだが、私が駆け付けた時にはもう……」



P「そうだったんですか……」



高木「その後あの場に居なかった君と真美君と我那覇君を探して車を出したんだ」



P「3日間も探していてくださったんですか」



高木「ああ。君だけでも無事でよかったよ」



P「でも真美が……」



高木「真美君は女性だから仕方がないさ。どうやら特定の男性はあの臭いの影響を受けづらいらしい」



P「どうしてそんなことを……?」



高木「詳しくは961プロで話そうじゃないか」



P「961プロ!?」



高木「今はそんなことを言ってる場合じゃないだろう?」

キッ



冬馬「遅かったじゃねーか765のオッサン」



高木「すまない。彼を連れてきたよ」



P「冬馬!お前も無事だったのか!」



高木「詳しくは中で話そう。お腹も空いているだろう?中に食べ物がある」



冬馬「いいから早く入れよ。あ、足元気を付けろよ」



P「お、おう」



冬馬「今着てる服も洗濯してやるから。着替えも用意してある」



P「至れり尽くせりだな……」

黒井「来たか765プロのヘッポコプロデューサー」



P「く、黒井社長!こ、この度は助けていただき……」



黒井「まあそう硬くなるな。冬馬、お茶と何か温かい食事でも出してやれ」



冬馬「チッ……。何で俺が……」



P「あの、どうして高木社長や黒井社長……それと冬馬や俺は無事なんでしょう?」



黒井「高木はそんなことも説明しとらんのか」



高木「すまん。黒井の方が分かっているみたいだし、二度手間になるよりはと思ってね」



黒井「まあいい。では私から説明してやろう」

黒井「まず男性はあの臭いの影響を受けにくい」



P「ああ、それはさっき社長から……。でもどうしてなんですか?」



黒井「それを今から説明すると言っているのだ。それはズバリあの靴下の臭いだ」



P「3日間履き続けたっていう靴下ですか?」



高木「ああ。私も黒井も昔は家にも帰らず色んな場所を駆け回っていたからね。靴下を3日も替えなかった経験があったんだ。3日なんてものじゃないかな?とにかくあの臭いにも耐性があったんだよ。君にもそういう経験があるんじゃないかい?」



P「確かに。家に帰らないで着替えもしないでってことは何回か……。って、え?それだけですか?」



黒井「そうだが?」



P「えっ、じゃあ牛乳を拭いた臭いって言うのは……」



黒井「それくらい大抵の人間が経験しているからある程度耐性はあるだろう。しかしその臭いが混ざることで麻薬のように嗅いだ人間に快楽を与えるらしい」



高木「牛乳を拭いた臭いを経験していない人間にはその効果が倍になって表れるみたいなんだ」



黒井「現に961プロに所属していた玲音はその経験がなかったようでな……」



冬馬「そりゃもう酷い中毒っぷりだったぜ」



P「そうだったのか……」

P「そういえば961プロ所属といえば北斗や翔太はどうしたんですか?」



黒井「奴らは単に靴下に対する耐性がなかっただけだろう」



高木「伊集院君も御手洗君もオシャレだからねぇ」



P「ということは冬馬は……」



冬馬「うるせぇ!ラーメン食わせねぇぞ!」



P「えー、クリームシチューがよかった。というか今更なんですけどこの事務所匂いませんよね?」



冬馬「換気扇がちゃんと回ってんだよ。弱小765プロとは違ってな」



P「そんなもんウチの事務所にだって……。それにその辺の建築物にだってあるだろ」



冬馬「その辺の安物の換気扇じゃあの臭いが臭すぎて悲鳴上げちまうんだよ。ほら、ラーメンお上がりよ」



P「おっ、サンキュー!でもそのセリフは翔太に言ってほしかったぜ」

冬馬「でもよ、さっきの理屈ならずっと臭い嗅いでりゃ耐性が付いて目も覚めるハズだろ?」ズルルルル



高木「そうもいかないみたいだね。さっき黒井が麻薬のようと言っていたがあれは実際に麻薬なのかもしれない」チュルチュル



P「どういうことですか?」ズズズズルルル



黒井「あの臭いに慣れてしまうと更なる臭さを求めてしまうということだ……。見ろ!レンゲでミニラーメンが出来たぞ!」



P・高木「可愛い〜!」



冬馬「キモいぜ……」ズルルルル



P「じゃあみんなはもう元には戻らないんですか?」



高木「いや、そうでもないんだ」



黒井「一度あの臭いを地球上から消し去り、ほとぼりが冷めるまであの臭いが出ないようにすれば可能だ」



冬馬「ヤク中にリハビリさせるみたいなもんか」



P「なるほど……」

冬馬「でも地球上から臭いを消すなんてできるのかよ?」



黒井「それは我が961プロの系列会社に独自に開発させたこの装置を使えばいい。その名も“コス木李衣菜”!」



P「ネーミングはともかく961プロって芸能事務所ですよね!?」



黒井「フッ……。このスーパーセレブ黒井崇男ともなれば文房具から宇宙開発まで様々な分野の開発を支持していても可笑しくは無い!な、何だその顔は、文句でもあるのか!?」



P「ひょっとして伊織の真似ですか?」



黒井「わ、悪いか!先程から貴様がその……元気がなさそうだったのでな。元気付けてやってもいいと思ってだな……。ち、違う!私の前でそんな不景気そうな面を見せられるのが」



P「ハハハッ、似てませんよ。それに元気がないわけじゃありませんよ。ただちょっと考え事してて……」



冬馬「考え事?」

P「さっき家にも帰らず仕事してたことがあるって言ったじゃないですか」



冬馬「それがどうしたんだよ」



P「俺、その後家に帰ってから洗濯した覚えがないんですよね。そういう日に限って毎回毎回」



冬馬「不潔すぎるだろ!」



P「あ、いや。そうじゃなくて。帰っても『服綺麗だから夜にまとめて洗濯すればいいか〜』って」



冬馬「そんな訳ないだろ!ずっと洗ってないんだから綺麗なわけ……」



高木「そういうことか……!」



P「社長?何か分かったんですか?」



高木「ああ。この事件の根源とも言うべき靴下の出処が分かったよ」



高木「君の話を聞く限りでは、最初に臭いを布教し始めたのは亜美君だったね?」



P「はい。俺も真美から聞いただけですけど……」



高木「疑問には思わなかったかね?その亜美君が男が3日間も履き続けた靴下をどこで入手したのか」



P「そりゃ思いましたよ……。ハッ、まさか!」

高木「その通り。亜美君は君から靴下を盗み出していたんだよ。君が深夜残業続きの時に限って……ね」



P「いえ、それだと説明不足です。きっと盗み出していたのは真美です。真美があの臭いにしばらく耐えられたのもそれで説明がつきます」



高木「亜美君がたまたまそれで牛乳を拭いてしまったのか……」



冬馬「そうか……。双海の奴がアンタの気づかないうちに着替えさせてたんだな!だから久々に家に帰っても服が綺麗だったのか……」



P「なんてこった……。今回の事件の原因は俺じゃないか……」



高木「いや、そもそも君が残業しなければこんなことには……。君にばかり仕事を押し付けていた私の責任だ」



黒井「こんなところで泥を被り合っていても仕方がないだろう。ケリを付けに行くぞ」



高木「すまない黒井……。ありがとう」

冬馬「この装置をなるべく高いところで起動させればいいんだな?」



黒井「事務所の屋上では少し高さが足りないな」



冬馬「ならスイカツリーはどうだ?」



P「よし。社長、車お借りしますね」



高木「ああ、武運を祈る」



P「行くぞ冬馬!」



冬馬「おう!」

クンカクンカクンカクンカ スーハースーハー



冬馬「な、なんだよこれ……」



P「き、きっとあの臭いがしないこの場所が気に入らなくて換気扇を壊しに来てるんだ」



冬馬「うげっ、ゾンビかよ……」



P「とにかくこいつらを振り切らないと……」



冬馬「でも何万人居るんだよこれ!ジュピターのライブより多いぜ……」



P「何とか別の場所に意識を向けさせることができれば……」



冬馬「クソッ!でもどうすれば……」





??「おにぎり波〜!」



プゥゥゥン

冬馬「こ、この匂いは……!」



P「磯の香りだ……」



冬馬「普段なら『磯臭ぇー』って言ってたかもしれないが助かったぜ。おかげで奴らの注意があっちに向いた」



P「でもどこから……。って、美希じゃないか!」



美希「ハニー!」



P「美希!無事だったのか!」



美希「ミキがハニーの匂いで気絶するわけないの!とにかくこいつらはミキが引きつけるの!ハニーと冬馬は行って!」



P「すまん!恩に着る!」

冬馬「着いたぜスイカツリー!」



P「登ってみたいとは思っていたがまさかこんな形で登ることになるとはな……」



冬馬「じゃあエレベーターでとっとと登っちまおうぜ」



P「いや、エレベーターは危険だ。エレベーターにも臭いは蔓延してるだろうから、今あんな密室に居たら俺達まで中毒になる危険がある」



冬馬「じゃあ階段しか手段はないのかよ!」



P「そういうことだな!登るぞ!」

P「ハァ……ハァ……。冬馬、ちょっと……待ってくれ……」



冬馬「まだ半分だぞ!だらしねぇなぁ……」



P「俺は……お前ほど……若くないし、ダンスも……やってないんだよ……」



クンカクンカクンカクンカ スーハースーハー



冬馬「げっ!なんで!?」



P「たぶんさっき美希のおにぎり波を浴びたから……。お、俺達は僅かに磯の匂いがしてるんだ……。それが気に食わないからって追ってきてるのさ」



冬馬「チッ!ここは俺が食い止めるからアンタは行きな!」



P「で、でも!俺より冬馬が行ったほうが……」



冬馬「体力限界のアンタが足止めしても役に立たねぇだろ!」



P「くっ……!せめて30分は持たせてくれよな!」



冬馬「任せな!」

P「ふっ……ハァ……着いたぞ!展望台!」



P「弁償は黒井社長とか伊織がしてくれるはず!オラァ!」パリーン



P「これで……これで終わりだ!」



ブォォォォォォン ウィィィィィン



P(真美……みんな……。やっと終わるよ。これで元に戻るんだ……)









P(あれから3年の時が流れた。“コス木李衣菜”の効果は絶大で、この世から“男が3日間履きっ放しの靴下で牛乳を拭いた臭い”は一瞬にして消え去った。禁断症状に苦しみ命を落とした人も数千人いたが、3年目にしてようやく世界が修復されつつある)



P(最近ではあの出来事をフィクションとして描いたM・U氏の小説もベストセラーになるほどで、それくらいに世界は落ち着いている)



P(ちなみにあの臭いの中毒になった者の中で臭いを覚えてる人間は少ない。765プロのみんなも例外ではなく、全員が綺麗さっぱり忘れていた)

P「美希!見舞いに来たぞ!」



真美「やっほーミキミキ!元気してた?」



美希「ぶー」



P「どうした?」



美希「頑張ったのはミキなのに真美と結婚するなんてあり得ないの!そんなに見せつけてくれちゃって……。ミキなんてこんな大怪我までしたのに……!」



P「ハハハ……でも目覚めてくれて本当に良かったよ。2年は寝たきりだったもんなぁ」



真美「ホントよく寝られるよね」



美希「その寝てる間にハニーは真美のおっぱい揉みまくって婚約とか、ハニーなんて大っ嫌いなの!」



P「まあまあ……。あまとう印のラーメンおにぎり買ってきたから」



美希「やったー!ハニー大好きなの!」

真美「ミキミキ、元気そうだったね」



P「ああ、あの調子ならもうすぐ復帰もできるだろうな」



真美「仕事熱心なのはいいけど、たまには帰ってきてよね!」



P「なっ!ちゃんと帰ってるじゃないか!」



真美「今日でもう3日帰ってないことになるんですけどー?」



P「すまんすまん。今日は帰るからさ!って真美が俺のアパートに出入りしてるのもおかしいけどな!」



真美「いいじゃん。夫婦なんだからさ!美味しいご飯作って待ってるかんね!」

P「帰ったぞー」



真美「おかえり!ごめん!ご飯今作り始めたとこ。着替えて待ってて!」



P「はいはい」



真美(今日は兄ちゃんの好物のクリームシチューだよん)



真美(おっと、牛乳零しちゃった……)



真美「雑巾雑巾……あれー?……タオルとかでいっか」



真美「あれ?タオルも無い……。兄ちゃんの部屋は何も無いなぁ……」



真美「兄ちゃーん!何か拭くものなーいー?兄ちゃーん?トイレかな?」



真美「もう服脱ぎっ放しにして!あ、でもちょうどいいや!これでいっか。どうせ洗濯するし」



真美「でもこれで拭いたらキッチンにバイ菌が……。3日も洗ってないヤツっしょ?ヤバすぎるっしょ!



真美「……いいや、どうせ兄ちゃんの部屋だし」



真美「拭き拭きっと」





プゥゥゥン

真美「この臭い……」トクン

P「ふぅ。すっきり」



P「真美、飯できたかー?」



真美「ふへ……うへへへ……」



P「ま、真美……?」



真美「兄ちゃん……真美思い出したよ……。あの時兄ちゃんはこれで気持ちよくなれなかったんだよね?」



P「そ、それって……。まさか……!う、うわあああああああ!」



真美「待ってよぉ!今度は絶対絶対絶対逃がさないかんねえええ!兄ちゃああああああああん!」







終わり



21:30│双海真美 
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