2015年12月17日

北条加蓮「Pさん、私もうダメかも……」


モバP「…………え、なっ……ど、どうした、加蓮」



加蓮「……」





P「加蓮……?」



加蓮「ごめんね、Pさん」



P「……」



加蓮「私、また病気に、なっちゃったみたい」



P「……っ!」



加蓮「本当に、ごめんね」



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P「じょ、冗談はよしてくれ」



加蓮「……」



P「よしてくれよ、なぁ」



加蓮「冗談だったら良かったのにね」



P「……嘘だろ」



加蓮「……嘘だったら良かったのにね」



P「……」



加蓮「……」



P「どんな病気、なんだ……?」



加蓮「……分かんないんだ」



P「分からない……って。それは、そんな」



加蓮「……」



P「……何でだよ。何でだ」



加蓮「たぶん、心臓の病気」



P「心、臓……?」



加蓮「いつからかな。急に胸が痛むようになったんだ」



P「……」



加蓮「何だろう。変だな、おかしいなって。気付いた時にはもう手遅れでさ」



P「……」



加蓮「私、思わず笑っちゃったよ。お医者さんでも分からない病気って。宝くじでも買ったら当たるかな」



P「……やめろ」



加蓮「あーあ。これで私も、不治の病に冒された薄幸の美少女に逆戻りかぁ、なんて」



P「やめろ」



加蓮「……ごめん」



P「……すまん、言い過ぎた」



加蓮「……ううん。ごめんね」



P「すまない」



『――なるほど。詳しくお聞かせ願えますか?』



『……ふむ』



『個別の事例について、もう少し細かくお願いします』



『……なるほど。その時あなたの体調は――』





『――申し訳ありません。私の手には、負えません』



『おそらく名の知れた病院でも、海外の名医にも難しいでしょう』



『医学にも限界はあります。残念ながら、それはどうかご承知頂きたい』



『ですが、希望を捨てないでください』



『結局の所、貴女がどうなるのかは……』



『……これは、医学の徒として吐いてはいけない言葉なのは重々承知の上ですが……』





『最後まで、神のみぞ知る事なのです』





加蓮「私は……もう神様のくれた時間なんて……」



P「……」



加蓮「……とまぁ、こんな感じ。いわゆる匙を投げた、ってやつかな」



P「……加蓮」



加蓮「何? Pさん」



P「教えてくれ」



加蓮「……何を?」



P「どんな風に辛いんだ」



加蓮「……Pさんに話した所でどうにもならないよ」



P「そんなもん分からないだろう」



加蓮「楽しい話じゃないよ?」



P「それでも俺は知らなきゃならない」



加蓮「どうして」



P「俺は、加蓮のプロデューサーだからだ」



加蓮「……」



P「俺じゃなくたっていい。凛でも奈緒でもちひろさんでも」



加蓮「……」



P「肩を支えるぐらい出来なくて、何が仲間だ」



加蓮「……」



P「……」



加蓮「……ありがとう、Pさん」



P「ああ」



加蓮「ありがとう」



P「ああ」



加蓮「最初の最初は、たぶん去年のライブの後」



P「そんな前から、か」



加蓮「あの時に、ちゃんと言えてたら……」



P「……」



加蓮「……ごめん、話を戻すね」



P「……ああ」



加蓮「大成功で興奮したまま家に帰って、凛とかPさんとメールしたよね」



P「ああ。夜遅くまでやり取りしてたな」



加蓮「どうしてかね、ちょっと胸が痛んだの」



P「……」



加蓮「ライブでちょっとはしゃぎ過ぎたかなって。その時はそう思ってた」



P「……」



加蓮「きっと、その時がはじまりだったんだ」



P「続けてくれ」



加蓮「それからは段々頻度が増えてきて。最近は、しょっちゅう」



P「……加蓮」



加蓮「…………今も、本当は少しだけ……ううん。けっこう、痛い」



P「……」



加蓮「……続けるよ」



P「ああ」



加蓮「運動が原因かなって思ったんだ」



P「なるほど」



加蓮「レッスンとかするし、やっぱり私も無理をしてるのかなって」



P「確かにそれなら説明は付くな」



加蓮「でも、違った」



P「……」



加蓮「こうやって奈緒やPさんと雑談してる時。メールの返信を考えてる時」



P「……」



加蓮「お仕事終わりに車で送ってもらう時。お風呂で一日の出来事を振り返ってる時」



P「……」



加蓮「痛むの。ここの、奥が」



P「……加蓮」



加蓮「息が詰まって、ドキドキして……きゅうっと、なってくるしく、てっ」



P「加蓮っ!」



加蓮「きゃっ……! Pさんっ!?」



P「……」



加蓮「は、離してってば……!」



P「イヤだ」



加蓮「……苦しいよ、Pさん」



P「そうか」



加蓮「……もっと、そっと抱き締めてよ」



P「すまん」



加蓮「……」



P「治るのか、治らないのかも俺には分からない」



加蓮「……うん」



P「でも、辛い事や苦しい事を一緒に悩む事なら出来る」



加蓮「……うん」



P「まだシンデレラにだってなれちゃいないんだ」



加蓮「……うん」



P「そんな、訳の分からない病気なんかに加蓮を渡して堪るか」



加蓮「うん」



P「加蓮。俺を、みんなを信じてくれ」



加蓮「うんっ」



P「加蓮。絶対お前を離したりしないからな」



加蓮「……うんっ!」



P「……っておい、加蓮」



加蓮「え?」



P「顔真っ赤じゃないか! まさか……!」



加蓮「……い、いやいやいや! 大丈夫だよっ!」



P「何が大丈夫なもんか! 待ってろすぐに……!」



加蓮「こっ、これは本当に違うからっ……!」



P「これはって何だ! 他にも病気を隠して――」



加蓮「……〜〜っ! もうっ!」







凛「プロデューサー。私も何だか胸が苦しいんだけど」



奈緒「ただの胸焼けだろアタシもだよコンチクショウ」





 ― = ― ≡ ― = ―



「綺麗……」



「今まで色んな夜景を見てきたが、ここは特別凄いな……」



「ね。宝石箱をひっくり返したみたい」



「気に入ってくれたか?」



「うん。ありがとうね、あなた」



「まぁ、五年目の記念日だしこれくらいはな」



「……くしゅんっ!」



「大丈夫か? 山の上にこの格好じゃ少し寒かったか」



「ううん、大丈夫」



「そうか?」



「あなたが居るでしょ? あっためてよ」



「…………ほら」



「……ふふっ。あったかーい♪」



「……最近は、どうだ?」



「ん?」



「いや、その、例の……病気の方は。辛くないか?」



「ううん、心配しないで。だいぶ良くなってきたよ」



「そうか、良かった……」



「でもまだ油断出来ないかな。完治はしてないみたいだから」



「そうなのか?」



「うん。今でも気を抜くと、すぐ胸がドキドキし始めちゃうの」



「なかなか治らないな……」



「ひょっとしたら、本当に不治の病かも」



「加蓮……」



「でも、大丈夫だよ」



「……そうか?」



「うん。だって――」



「お、おい、加蓮――」





「…………んっ」



「……っむ」









「――ずっと、あなたが隣に居てくれるから…………ね?」







「…………」



「Pさん?」



「…………お、おう」



「大丈夫?」



「大丈夫。心配無いさ」



「本当に?」







「ああ。少し…………ドキッとしただけだ」



おわり



23:30│北条加蓮 
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