2016年01月04日

塩見周子「 New Animal 」


モバマスssです



書き溜めあり





複数P設定



マイペースに投下していきます



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事務所



ガチャ



塩見周子「こんにちはー」



千川ちひろ「こんにちは。まだPさんは戻ってきてませんよ」



周子「あれー? そうなん? じゃあいいやPさん来るまでのんびりしとこー」



ちひろ「えーっと周子ちゃんの今日のスケジュールはっと……」



周子「今日は午後からレッスンだよーその前にこの前受けたオーディションの結果をPさんが持ってくるからそれの確認を先にするけどね」



ちひろ「そうでした……ごめんなさい今ちょうどバタバタしてて……」



周子「大丈夫だよ! ちひろさんは自分の仕事しなって」



ちひろ「ありがとうね。あ、そこにお菓子があるから適当につまんでて下さいね」



周子「はーい、お! これあたしの好きな奴じゃん。もーらい」ヒョイ



周子「………」



ちひろ「……」カタカタッターン



周子「……そういえば、髪の毛も伸びてきたなー」



ちひろ「あら、そういえばそうね。あ! 前から思っていたんですけどモデルの○○って子居るじゃないですか」



周子「あぁー居るねー 今凄い売れている子でしょ? その子がどうしたの?」



ちひろ「大した話では無いんですけど周子ちゃん、その子の髪型も似合うんじゃないかと思ってまして」



周子「確かに。ちょっとパーマかければそれっぽくなるかもね」



周子「あーいやでも、いいや。ちひろさんには悪いけどいつものしゅーこちゃんの髪型にするよ。ちひろさんこそイメチェンとかしないの?」



ちひろ「私は、あまりそういうのなれていなくて……」



周子「ふーん。まぁちひろさんはかわいいからきっとどんな髪型も似合うよ」



ちひろ「そうですかぁ」テレテレ



周子「そーそー似合う似合う」



ガチャ



モバP「戻りましたー!」



ちひろ「おかえりなさい。周子ちゃんが待ってますよ」



周子「もーPさん遅ーい! しゅーこちゃん待ちくたびれちゃったぞー!」



モバP「悪い悪い、色々と立て込んでてな。ほらオーディションの通知持ってきたぞ」



周子「Pさんはもう見た?」



モバP「いや、まだだ。一緒に見ようと思って」



周子「そ、じゃあちゃっちゃと見ようか」ガサッ



モバP「……」



周子「……」



モバP「……まぁ次頑張ろう」



周子「うーん。オーディションって楽しくおしゃべりしてればなんとかなると思ったけど、なんとかならなかったね! じゃあレッスン行ってくるから、Pさんも仕事がんばるんだよー」



モバP「……ああ任せろ」



ちひろ「残念でしたね。でも周子ちゃんもあまり凹んでないようですし次も頑張りましょう。ね?」



モバP「あ、いや。まぁそれはそうなんですが。あいつ物凄く悔しがってましたね」



ちひろ「えぇ!? そうだったんですか? 私にはとてもそうには……」



モバP「実質周子ともう一人の受けた子の一対一だったんです。まぁ天秤は向こうに傾いてしまった訳ですが」



モバP「そういうのって自分の全てを否定されたような気分になっちゃうもんなんですよ 悔しくない訳が無いじゃないですか」



ちひろ「周子ちゃん…」



モバP「ま、今日のレッスンはトレーナーさんに任せます。彼女ならなんとかしてくれるでしょう」



ちひろ「Pさんはどうするんですか?」



モバP「僕はそのあとのケアを、ね。今の周子に必要なものを揃えてきます。映画の撮影も始まることですし忙しくなりそうなんでちひろさんもご協力お願いしますね」



ちひろ「え!? あ、はいよろしくお願いします」

ヴォーカルレッスン室



周子「〜〜〜♪」



トレーナー「よし!一旦休憩にしましょう」



周子「ふぅ、疲れたーん」



トレーナー「……周子ちゃん。間違っていたならごめんね もしかしてだけど何か悩みでもあるの?」



周子「んー? やっぱり分かっちゃう?」



トレーナー「はい、いつもと様子が違っているようだったので」



周子「そっかそっか。ばれないようにしてたんだけどな……」



トレーナー「大丈夫、お話なら聞くよ」



周子「ありがとう……ゴザイマス」



トレーナー「良いのよ。私と周子ちゃんの仲なんだから」



周子「まぁ、オーディションに落ちちゃったってだけなんだけどね。でも多分受かったであろうもう一人の子はずっとアイドルを夢見て小さい頃からレッスンを頑張ってきたんだって」



周子「ならしょうがないかなって。ほらその子が頑張ってきた間あたしは実家でぬくぬくと過ごしてきた訳だし。だからきっと悔しいって思っちゃいけないのかなって思ってて」



トレーナー「そんなことないよ。周子ちゃんだって頑張ってる! 私だってプロデューサーさんだってちゃんと分かってるよ」



トレーナー「だから今日はいっぱい悔しい〜! って思って次、またリベンジしよ? ね?」



周子「明ちゃん……ありがとう……なんか急に真面目な話になっちゃって、こんなのしゅーこちゃんのキャラじゃないって」



トレーナー「じゃあ今の話は私と周子ちゃんの内緒って事で」



周子「ほんま頼むわ〜じゃあ内緒。ね」



「流石に変装しないとまずいだろ」



「って言っても、あたしだってまだデビューしたばっかだよ? 大丈夫だって!」



「いや、ダメだこういうのは意識とかそんな感じのやつが大事だったりするんだ! 取り合えずこんなものしかないけど。ほれ」



「うわ、このサングラス微妙にダサい……プロデューサーさんってあんまりセンス無いね」



「う……本当か?なら、ちゃんとお前の好みも勉強しておくから」



「じゃあさ、今度一緒に服を買いに行こうよ。しゅーこちゃんの好みも知れてあたしは服を買ってもらえてwinwinだね!」



「俺が買うのか……あれ? これwinwinなのか? ん? 」



「あんまり細かいことは気にしないで良いんじゃないかなー?」





周子(……あれから結構経ったんだね〜そりゃこのサングラスもボロボロになるわ)





ガチャ



モバP「おーす。周子居るか?」



周子「……! はいはーい。ここに居るよーどしたの?」



モバP「ほれ、次の仕事だ」



周子「えーっとなになに……お! 雑誌の表紙の撮影ね〜面白そうじゃん」



モバP「だろ? 取り合えず映画の撮影前の軽い息抜きだと思って」



周子「ふーん、なら後でお菓子おごってよー?」



モバP「程ほどにしておけよ?」



バタン



撮影スタジオ



周子(いつもよりはやく着いておけって何かあるんかな?)



高垣楓「あら、周子ちゃん! こんにちは」



周子「あ、こんにちは。楓さんもここでお仕事だったの?」



楓「はい、調度今終わった所で……周子ちゃんはこれからかしら?」



周子「そうなんだけど、Pさんに早く来いって言われてて……撮影始まるまで暇でさー」



楓「なら、私と一緒にお喋りでもしましょうか」





周子「そういえば楓さんってモデルやってたんでしょ? モデルのお仕事ってどんな感じだったの?」



楓「撮影のお仕事はアイドルになってからのお仕事とそれほど変わらないと思います。でも、そうですね。モデルは服や装飾品が主役ですから、なるべく自分を出さないように努めました」



周子「それじゃあ今と逆だね〜」



楓「ふふっ。そうかもしれませんね、アイドルになってから今までの勝手と違うわけですからモデル時代の感覚は忘れようと……捨てようとしていたんですが…」



周子「ふむふむ」



楓「プロデューサーさんが『今の楓さんが居るのはモデルをやっていた楓さんを含めての25年があったからです。だから今までの自分を否定しては駄目です』って言ってくださって。お陰で私は過去の自分の事も好きでいられます」



周子(過去の自分……あたしはどうだろ……好きになれるかな……)



楓「大丈夫ですよ。周子ちゃんは素直でいい子ですから」



周子「え……? 今あたし声出てた……?」



楓「ふふっ。内緒です。プロデューサーさんが迎えに来てしまったので私はこれで……撮影頑張って下さいね」



周子「うん。ありがとう 楓さんもお仕事頑張ってね」



楓「あら、周子Pさん こんにちは」



モバP「あぁ、こんにちは お仕事お疲れ様です」



楓「急にスタジオの予約が埋まっていたのでプロデューサーさんと何だろうってお話していたんですよ」



モバP「この頃、周子が堅くなっていたのでその息抜きに……と」



楓「そうだったんですか、久々に周子ちゃんとお話できて楽しかったです」



モバP「それは……良かったですね」



楓「ふふっ。狙い通りって悪い顔してますよ。めっ!です」



モバP「え!?あ、はいすみません」



楓「冗談ですよじょーだん。また何か面白そうな事が有ったら呼んでくださいね?」



モバP「はい! 必ず! 今日はありがとうございました」



周子(オーディションだっていっぱい落ちたから、あたしに羽は無いって何となく分かってきたしー。大変だなーって思ったことは大抵スルーしてきたし)



周子(でもアイドルを辞めるって選択肢はいつでも出てこないんだよねー)



周子「好きなんだろうなぁ……多分。うん。ごちゃごちゃ考えすぎてたかもね。出来ない言い訳を積み上げてたら何もできないもんね」



周子「うん。あたしはあたし。過去もこれからも何をやっても!」



スタッフ「塩見さーん!スタンバイお願いしまーす!」



周子「はーい! 今行くよーん!」



事務所



一ノ瀬志希「ふーん? それで撮影でアドリブかましまくったんだぁ」ハスハス



周子「わはは、ちょ。首を嗅ぐのはやめてくすぐったいから!」



モバP「まぁ、監督からは大絶賛で次からも自由に撮らせるのも悪くないなって言われたんだけどねー」



志希「相変わらずリスキーな事をするよね〜あたしのプロデューサーだったらすぐに怒っちゃうよ。だ、か、ら、リスクは少ない方がいい〜なんて」ハスハス



モバP「志希Pは寛容な方だぞ。それに、志希だってやり方なんて変えるつもりは無いだろ?」



志希「ん〜?ばれちゃった〜?」ハスハス



周子「お、お願いだから!そんな犬みたいに鼻をくっつけて嗅がないで……!」



モバP「お前達もそろそろ映画の撮影が始まるからそっちの方もよろしくな」



志希「タイトルなんだっけ?」



モバP「桜舞姫。志希の好きなみくにゃんも居るぞ」



志希「おぉ〜! それは楽しみ! やる気が出てきました!」



撮影現場



モバP「やっぱりその格好は似合うな」



周子「んー? まぁ。実家に居た頃から着てたしねー結局、和装って落ち着くわー」



モバP「悩みの方は大丈夫か?」



周子「あら、ばれてた?」



モバP「まぁ、お前のプロデューサーだからな」



周子「うーん。悩みって程でも無いけど……そうだね。あたしはあたし的な?」



モバP「そりゃあ周子は周子だろ」



周子「いやーそうなんだけどさ! 誰かになりたい訳じゃなくてあたしは塩見周子なんだって。あたしがあたしを信じて好きでいないときっとファンの人達の気持ちも分からないじゃん。て」



スタッフ「撮影準備入りまーす」



周子「っていうことなんで行ってくるよ!」



モバP「あぁ。いってらっしゃい」



周子(折角好きになろうって決めたんだから世界がなんと言おうと塩見周子で居続けていたいよね)



周子(だから今だけはあたしである為の審査員はあたし以外に誰もいらないって思いたいんだ)



周子(あたしらしく新しい。newしゅーこちゃんをよろしゅーこ。なんてね)



周子「さぁて、お仕事頑張りますよーっと」





モバP(ん、休憩に入ったか)



周子「Pさんおつかれー」



モバP「お疲れ様」



周子「ちょっと長めの休憩らしいからさ、お散歩しようよ」



モバP「その格好でか?」



周子「この格好でだよ。ほら、自転車も借りてきたし……ね?」



周子「うーん。うららかうららか」



モバP「折角自転車を借りたのに袴が邪魔で乗れないなんてな」



周子「まーまー こうして自転車を押しながら歩くのも乙ってもんよ まさにハイカラ」



モバP「こうしてゆっくり歩くのもたまには良いかもな」



周子「でしょでしょ? いやー分かってくれて良かったよ……っておや?」



モバP「雨だな……とりあえずそこの桜の木の下で雨宿りさせてもらおう」



周子「晴れてたのにまさか急に雨が降って来るなんてね」



モバP「珍しいことも有るんだな」



周子「春時雨ってやつだね。狐の嫁入りともいうー Pさんが意地悪ばっかりするとキツネシューコちゃんはどこかへ嫁いじゃうかもね」



モバP「頼むから悪い冗談はやめてくれよ」



周子「Pさんがあたしと一緒に京都に来てくれるなら考えてあげるよ」



モバP「京都?」



周子「ここも綺麗だけど地元にも負けず劣らず夜桜の名所があるんだー。案内してあげるよ」



モバP「なら実家の方にも顔を見せなきゃな」



周子「それは……うーん。じゃあそれもPさん同伴で」



モバP「俺がか?」



周子「そっ。狐の嫁入りだね」



モバP「へ?」



周子「ん?」



周子「ねぇ、やっぱりシンデレラガールって凄いもんなの?」



モバP「お? やっと周子に目標ができたのか?」



周子「いやいや そんな大それた事じゃないけどさ。みんなそれになろうって頑張ってるからどんなんや? って思って」



モバP「まぁ、そりゃ有名になって仕事は増えるだろうな」



周子「そんだけ?」



モバP「なってみればわかるさ」



周子「うわ、逃げたな。でもあれだよね〜夢ってさ叶った瞬間に夢じゃなくなる訳じゃん? なんかむなしいよねって」



モバP「そんなことないだろ。殆どの子はそれでも手を伸ばすし……それに叶った瞬間にまた新しい夢が出来るもんだよ」



周子「ふーん? ならさ、Pさんの夢ってどんなだったの? 昔の話とか全然聞かないし」



モバP「俺? そうだなぁ…昔はプロ野球選手になりたかったな〜でも肩をやっちゃってな。なら選手の背中を押せるトレーナーになろうって色々としてるうちにプロデューサーになった」



周子「だいぶはしょったね」



モバP「今度ゆっくり話すよ。でもほら夢が叶おうと破れようと新しい夢が出来るってことだよ」



周子「そっか。話してくれてありがとうね」



モバP「そんなお礼を言われるようなことはやってないけどな」



周子「いいのいいの、やっぱりPさんはあたしのプロデューサーだなって思っただけだから」

モバP「お? おう」



周子「……」



モバP「……どうした?」



周子「あたしには無いと思ってた羽があったんだって、多分それはPさんが授けてくれた羽だよね 」



周子「それにPさんが追い風になってくれるなら背中を預けてもっと自由に駆けて飛んで行くから」



周子「もっと上を目指して手を伸ばしてみたいんだ!」



モバP「……周子」



周子「なんて……役に感化されたまじめなまじめなしゅーこちゃんなのでした」



周子「それに……」



モバP「それに?」



周子「……Pさん。今凄いこと気づいちゃった」



モバP「なんだよ勿体振って」



周子「……時計見てみて」



モバP「ん……!?やべっ!もう休憩時間終わっちゃうじゃねーか」



周子「Pさん自転車漕いでよ! あたしは後ろに乗るから」



モバP「おう、少し飛ばすぞ捕まってろよ?」



周子「うん、間に合わなくてスタッフさんに怒られるときはPさんも一緒だからね?」



モバP「へ? 何か言ったか?」



周子「なんでもないよ」



モバP「まずいぞ……とにかく急いで……いや、夕美Pに連絡して……あるいは……」



周子(それに……いつまでも授かりっぱなしは良くないから……マトモには飛べなくてもいつか自分の羽を見せるから)



周子(その時は隣に居て一緒に進もうね)





周子「まぁ、まずはあの青の一番星を目指してみますか」





終わりです





23:30│塩見周子 
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