2016年01月07日

モバP「たまには飛鳥といちゃいちゃしよう」

P「そうしよう」



P「まずは飛鳥の好感度を最大にしなくては!」



ガチャッ





飛鳥(親愛度1200/300)「やぁ、おはよう」



P「おはよう」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447761728



P「ところで、飛鳥」



飛鳥「なんだい?」



P「今日も可愛いな」ニコッ



飛鳥(親愛度90000/300)ズキューン



飛鳥「……お世辞はいいよ、衣を着せる必要はないさ」



P「本心だぞ」



飛鳥(親愛度90000^300)バキューン

…………

……



P「今朝のアプローチで親愛度は2ぐらいあがっただろう」



P「この調子で親愛度MAX目指すぞ!」



P「あと250くらいだろう!」



ガチャッ



飛鳥「ふぅ……レッスンは己を見つめる鏡、成長のバイブルだね」



P「おぅ、お疲れ様」

P「あ、そうだ、飛鳥」



P「好きだ、つきあってくれ」



飛鳥「」



飛鳥「はい」



二人は幸せなキスをした

―第一章・小波―



あれは、飛鳥とつきあってから三日目のこと。



いつものように事務所へと向かう俺に、1人の少女が話しかけた。



「P、奇遇だね」



ぎこちない笑みを浮かべる二宮飛鳥は、さりげなく近寄り、さりげなく隣を歩き始めた。

「飛鳥、流石に外でいちゃいちゃするのはまずい」



「だから、手を繋いで歩くぐらいでいいか?」



「構わないさ、キミの温もりが繋がるだけでも」



キュッと繋いだ手は、女子特有の柔らかさがあった。

「女子寮と事務所はそんなに離れてないから、通勤で一緒になることが少ないよな」



「そうだね、今日はたまたまキミに会えてうれしいよ」



「……もう着いちゃうな」



「……うん」



事務所の扉を開けても、まだ二人だけの時間は続いた。



「一番乗りだな」



「ボクは二番かい?」



「どっちでもいいよ」

「飛鳥、手、冷たいな」



「ボクは冷え性だからね」



「俺が来るの待ってたんだろ?」



「……たまたまさ」



「きっと身体も冷えてるんだろ?」



「おいで、暖めてあげるよ」



そう言うと、飛鳥は身体をこちらに預け、冷えた体を暖めた。



ふわりと香る女子特有の匂いが、心地よかった。

飛鳥は、腰に回した手が少し動く度に、どこか切なそうな声を漏らしていた。



くすぐったい、とは少し違うような。



「どうした?」



さりげなく臀部をなぞると、可愛い喘ぎ声が聞こえる。



「だ、誰もいないとはいえ……ちょっと過激すぎないか……?」



「そうだな……自粛しよう」



その後は、CHRがくるまで、ただ抱きしめあっていた。

時折キスを交えながら。

好きを重ね合った。

―二章・ラグナロクは空に消え―



P「いやぁ〜やっちまったぜ!」



P「飛鳥とちゅっちゅしてたらCHRに見つかって5-7で撃たれるとは!はっはっは!」



P「飛鳥は抵抗していなかったし……合法だと思ったんだけどなぁ」



P「そろそろ飛鳥が帰ってくるな……ちゅっちゅは控えて、抱きしめるぐらいにしよう」

ガチャッ



飛鳥「ふぅ……お疲れ様」



P「お疲れ様」チュッ



飛鳥「んっ……なんだか最近、トレーナーさん達のレッスンがハードになった気がするよ」



P「飛鳥を成長させたいんだろ」ムギュッ



飛鳥「好意的な解釈をしておく方が得策だろうね」ムギュギュッ



CHR「こらー!」プンスカプンスカ

P「……」ムクムク



飛鳥「あ……」



P「飛鳥……仮眠室に行かないか?」



飛鳥「……うん///」



CHR「ゲェー!?なにしようとしてるんですかッ!」



CHR「まだ14歳ですよ!飛鳥ちゃんは!(倒置法)」



P「しょうがないじゃないか、もっこりですよもっこり」



P「劣情をねぇ……抱いてしまう……」



ちひろ「貴様!死刑でファック殺だぁ!」バキューン



P「コルトォ!?」

P「逃げるが勝ちだぜ!」



ちひろ「まちやがれゲスP!」バキューンバキューン



P「はははは!」ダダダダ



ちひろ「くそっ!あたんね!外に逃げやがった!まてぇぇぇ!」



ガチャッ

バタン



飛鳥「……」



P「……残像が役に立ったな」



P「飛鳥……仮眠室いこうか」



飛鳥「また、マッサージをしてくれるのかい?」



P「あぁ」

―第三章・水と油―





「しかし、キミは常に仕事しているね」



キーボードをカタカタと鳴らしながら二宮飛鳥の話を聞く。



「常に仕事していないよりはいいだろ?」



「それもそうだね」



クスリと笑うと、スクリと立ち上がった二宮飛鳥は、俺の背後にまわると、唐突に肩をもみ始めた。



女子特有の匂いが鼻を擦る。

「どうした?親孝行は親にしてあげた方がいいぞ」



「労っているのさ、疲れた人の肩を揉むのは定番で定石だろう?」



ありがとうと素直に礼を言い、二宮飛鳥の好意の行為を受ける。



「一つだけ文句を言ってもいいか?」



「一つだけなら」



「エクステが擽ったいな」



ディスプレイに写った二宮飛鳥は、少しニンマリとした笑みを浮かべた。

しかし、巧いな。

絶妙に凝りを解されていく。



「マッサージの間、暇だろう?キミの好きな色を教えてくれるかい?」



唐突に色を問われるとは思っていなかった俺は、咄嗟に白と答える。



「白……か、潔白、淡白、何色にでも染まる色」



「キミらしいと言えば、キミらしいのだろうね」



すると、手を止めて何かを考え始めた。



マッサージはもう終わりらしい。

「延長料金を払えるほどの手持ちは無いな、ありがとう、気持ちよかったよ」



「それじゃ、次はボクの番だ」



ドカリと俺の膝に座った二宮飛鳥からは、いい匂いが香った。



まいったな、只じゃなかったのか。

タダより怖いものは無いとも言うし、ここは料金を払うとしよう。



仕方なく、キーボードをカタカタとならしていた指を止めて、二宮飛鳥の肩を揉むのだった。

―第五章・セプテンバーノスタルジー―





P「あひぃ〜飛鳥の太ももさすりてぇ〜」

P「さするか、そうしよう」



P「おーい飛鳥ー」



飛鳥「……なにやら不穏な気配がするんだけども」



P「気のせいじゃないか?気のせいだよ」



飛鳥「なんだ気のせいか」

P「ん?飛鳥、太ももにチョコレートついてるぞ」



飛鳥「え?今日はチョコレートを食べてないけど……」



P「舐めてやろうか」



飛鳥「ま、まって、食べてないからついてるわけ……あっ」



…………

……



P「美味しかった」

―第六章・アブソリュート―





「お疲れ様です。プロデューサーさん」



千川ちひろに労われる。



「生憎、ドリンクは買いませんよ?」



ただでさえ脳が血液とドリンクの区別がつかなくなりそうだと言うのに、これ以上摂取するわけにはいかない。



「これはサービスですよ」



「私はパブロフの犬ではないので、ドリンクを出されても反射的に財布は出しませんよ?」



飛鳥といちゃつきすぎて、今月はもう給料が無い。

定期預金があるのが救いか。



「気を確かにもってください」



まったく、日頃の行いというものだ。

とはいえ、給料日を前日にして無一文はかなりキツいものがある。



前借りは絶対にさせてくれないだろう、彼女の財布に出力する機能はついていない。



「と、いうわけでだ」



「ボクに米を分けてもらいにきた訳かい?」



話がわかる。こういう善良な者に会計を託したいぐらいだ。



「それなら、あがっていいよ。ボクがご飯を作ろう」



駄目だ、善良過ぎる。

こういう善良な者を嫁にしたいぐらいだ。

「ありがとう」



質も量も申し分ない食事を終え、部屋の隅に座らせていただく。



優しさが、心に温もりを与える。



昨日と一昨日のもやしの味を思い出し、来月こそ給料を残そうと誓った。



まぁ、飛鳥と交流する回数を減らせばいいだけなのだが。

「暇かい?暇ならトランプでもどうかな」



「付き合おうか」



カードを混ぜながら、言葉を混ぜる。

と言っても、他愛もない会話だが。



「罰ゲームは必要かい?いや、必要だね。キミは手を抜きそうだ」



「何を根拠に」



「ボクと遊ぶことに全力を使って給料を使い切るキミの姿が根拠だ」



どうやら、日頃の行いらしい。

二宮飛鳥は顔に出る。

これが今回の教訓だ。

―第七章・今七章でいいんだっけ?八章だっけ?―



P「飛鳥ーたまにはゲームでもやろうぜー」



飛鳥「かまわないよ」



…………

……



P「お待たせ、AC北斗の拳しかなかった」



飛鳥「格闘ゲームかい?……てっきりエッチなゲームをやらせてボクを目覚めさせるのかと思ったよ」



P「その手があったか!」



飛鳥「妄言さ、忘れてくれないか」

ジョインジョイントキィ

ジョインジョイントキィ



P「!?」



飛鳥「!?」



P・飛鳥(ど、同キャラだと……!?)

ナギッナギッ



ペシッペシッ



ハァーン



テーレッテー



…………

……

P・飛鳥「流石に100戦もしたら飽きた……」



飛鳥「P、別のはないのかい?」



P「うーん……あるにはあるが……」



飛鳥「そっちがいいな、時には変移も必要さ」



…………

……

アァーンアァーンイクイクゥーイッチャウニャー



飛鳥「……!/////」



オゥイエーアーシー



P「」ニヤニヤ

P「あ、あとペルソナもあったわ」



飛鳥「そっちを先に出してくれないか!?/////」



P「どうした飛鳥、内またでモジモジして」



飛鳥「……うぅ」



飛鳥「Pのいぢわる……/////」



P「ぐっは可愛い!!」



飛鳥「ちょ、やめ、どこさわっ…」



飛鳥「あっ…!」

―第八章・あなたは―





「お花を摘む、という表現があるけれど」



二宮飛鳥は、俺に向かってそう言った



「で、急にそんな話をしてどうしたんだ?」



あいにく俺は仕事がある、暇ではないのだ。



とはいえ、話し相手ぐらいには仕事をしながらでもなることはできる。



折角の飛鳥からの誘いだ、話を聞いてみようか。

「トイレに行きたい女性が秘めたる言の葉を仄めかす。なかなか詩的な表現だとは思わないかい?」



回りくどく、痛い感じに話を続ける二宮飛鳥。



まったく、今飲んでいるのがレモンティーでなければ喜んで話をするというのに。



「急に下世話な話をしてどうしたんだ?」



「なに、ただの世間話さ」



もう少しマシな話題は無かったのか?



「男性の場合、まぁ世間一般よりもキミの場合を聞きたいのだけれど」



「俺がなんて仄めかすかって?」



「そう、イグザクトリィ」



はて、なんていっていただろうか。



「急に聞かれても思い出せないな、アイドルが滞在する事務所で「トイレにいってきます」だなんて公表する趣味はないが」



「無言だと思うぞ」



と言うと、二宮飛鳥はピクリとこめかみ――こめかみってパンを食べても動くらしいな、なにがこめかみだ、ガムでも噛んでいろ――を動かし、俺に顔を向け、言った。



「わかった、それなら教えてあげるよ。キミは「野菜を収穫してきます」と言っていたんだ」



はてはて、俺に家庭菜園の趣味は無いのだが。



「……ふむ、無意識にそんなことを宣っていたのか」



「そこで、だ。キミの新しい隠語をボクと一緒に決めないかい?」



たしかに、野菜は恥ずかしい。



もしも情事の時にうっかり言ってしまったものなら、なんだ胡瓜でも使うのかと勘違いされてしまうかもしれない。



そんなことはないだろうけど。



「飛鳥の案を聞かせてくれ」

「いきなりボクの案かい?」



「そうだね……人は必ず同じことを何度も繰り返してしまう、それは過ちも、逆も然りさ」



なるほど。



話の導入かと思いきや、その長ったらしい言葉が案だったようだ。



「却下だ」



「キミにはユーモアが足りていないのかもしれないね、冗談に決まっているだろう?」



目は本気だったぞ。

「花は女性らしさを醸し出しているのだろう」



「男らしさを出さなければいけないのか?」



男らしさねぇ……



「ライフルでも構えてくるよ、とかか?」



「男性はみな銃器が好きなのかい?」



「嫌いな奴はいないんじゃないか?」



疑問型に疑問型で返しあう。会話としてはこれでいいのだろう。

「マグナムを構えてくるだと直接的過ぎるし、良いんじゃないか?」



「ばっ……」



少しお下劣な話をしてみたら、予想外なことに二宮飛鳥は顔を真っ赤にした。



「き、キミはデリカシーも足りてなかったのかい……?」



レモンティーの怨みだよ、と呟き。

俺は業務に戻った。



しかし、水に流して貰いたいものだ。

トイレだけに。



「さて、仕事も終わった」



そう言った俺を、二宮飛鳥はチラリと見た。



「暇なら、カフェにでも行かないか?いいコーヒーが飲める場所を知っているんだ」



行こうか、と呟き立ち上がった二宮飛鳥を連れて。



たまには贅沢もいい、インスタントばかりでは舌が痺れてしまうからな、と俺は事務所を後にした。

―第九章・無限―



P「そろそろ飛鳥の乳首を触りたいなとか考えるお年頃」



P「どうするべきか」



P「さりげなく……だな」

P「ここはだるまさんが転んだシステムでいこうか」



-----だるまさんが転んだシステムとは



じわじわと手を近づけていき、バレる直前に手を止めることで乳首への警戒心を解いていくスタイルだ!



あー乳首さわりてー。



引用『月刊・乳首の気持ち』





P「いくぜ!」

スー



飛鳥「……」



スススー



飛鳥「……P」



ピタッ



飛鳥「ボクを膝に乗せたと思ったら……キミの手はボクのなだらかな双丘を触りたかっただけなのかい?」



飛鳥「だれがなだらかだ!これからだよ!」ゲシッ



P「いたっ!膝はやめてくれ」

飛鳥「触りたいなら正直に言ってくれればいいのに」



P「……はぇ?」



飛鳥「好きな人に揉まれると大きくなる、俗説とはいえ信じるも信じないもボク次第だ」



飛鳥「キミに揉まれるなら、悪くはないかなって」



P「……いいのか?」



飛鳥「おいで、P」



飛鳥「ボクを弄り、弄んでよ」

P「よ、よし……」



ガチャッ



ちひろ「ただいま戻りましたイチャツイテンジャネエ」



サワッ



飛鳥「!?」



飛鳥(ぴ、P、直接かい!?)ボソボソ



P(だってちひろにばれちゃうっしょ?)ボソボソ



クリッ



飛鳥「いっ!?」



ちひろ「ん?」

ちひろ「今よォ〜なんだか聞いちゃァいけねェような声が聞こえた気がしたんだが〜?」



ちひろ「まさか、まさかとは思うがよォ〜?」



ちひろ「『乳首』を触ってる訳じゃァねェよなァッッ?」



P「メッソーもございませんッッ」



飛鳥「んぐっ……!ち、ちがうよ」



クリッ



飛鳥「ぃ……っ!」

ちひろ「……まぁいいでしょう」



ちひろ「私は少し席を外します」



ちひろ「くれぐれも変なことをしないようにお願いしますね」



P「変なこと?」



ちひろ「そうです。ち、ちゅう……とか」



ちひろ「駄目ですからね!駄目ですからねー!///」



ガチャッ

バタン



P「だってさ、あす



チュゥー



飛鳥「んっ……ちゅ……」

飛鳥「はぁ……はぁ……」



P「あ、飛鳥……?」



飛鳥「Pが悪いのさ……ボクだってもう鸛を信じていない」



飛鳥「だから、ボクを……食べる……?」



P「たべりゅ」



ガチャッ(窓が開く音)



ちひろ「残念ですがそこまでですよ」



P「え、ここ8階……」

飛鳥「だめ、これはボクのだ」



P「誰がモノやねん」



ちひろ「いいですか?14ですよ14」



P「正論はやめてください」



飛鳥「愛の前に、壁はないのさ」



P「胸は壁みたいだけどな」



ゲシッ



P「いたっ!?」



ちひろ「ぐぬぬ……」

P「わかりました、だったらゲームで決着をつけましょう!」



ちひろ「受けて立ちますよ……!」



…………

……

ジョインジョイントキィ

ジョインジョイントキィ



ちひろ・飛鳥「!?」

――Fin――

☆★☆おまけ☆★☆



もうまとめサイトにまとめられていたので、おまけを書きまっする。



たまには本気で書くので滅茶苦茶読み辛いです。筋肉バスター。



なお、AC北斗の拳は出ません。あしからず。

「キミは、なにを考えているのか」



唐突な飛鳥の語りだしを、さて今日も仕事を始めようという熱意の傍らで耳に通した。



「ボクの初めてを奪ったというのに」



唐突なカミングアウトに驚愕しつつ、そういった行為をした記憶を引きずり出そうとするが、生憎在庫切れである。脳が入荷していないということは、寝ている間にでもしたのだろうか。いや、奪ったと言っているから、等と考察している俺に飛鳥は続いて言葉を流した。



「俗に言う初カレ、というものさ」



俺の心が汚れているわけでは無いだろう。誰だってそう考える。決して、俺の心が汚れているわけでは無い。断じて。



「ボクを手に入れ、キスをし、挙げ句の果てには愛撫までした」



連日の行動を思い出し、あぁ、俺は汚れていたのかと考え直す。困ったな、早苗さんがこっちをみている。絶対許さなえという風に。



「くだらないギャグを考えているところを申し訳ないけれど、ボクと結婚してくれるつもりなのかい?」



二つの驚愕の事実が露呈した。まず、俺の心の中を読まれたということ。次に結婚まで考えていたということ。そして俺がその時の為に結婚指輪を買っておいたと言うことだ。



「キミとなら永遠を共にできると思っている。これが好意なのだろう?」



「俺も飛鳥となら死ねるさ」



やたら重い思いをお互いに放ち。俺は付け加えることにした。



「結婚は考えている。だからその時まではプラトニックな恋をしようとしているのさ」



「プラスチックの間違いじゃないのかい?」



連日の行為から考えると、確かにそちらの方が妥当だ。

ちなみに、何故俺と飛鳥がこんな話をしているのか、という議題に対して解答は一つ。

今度の仕事で飛鳥がウェディングドレスを着るからだ。



「純白のドレスは、女性はみんな憧れるものだよ」



「そういうものか?だったら飛鳥は敢えて憧れないんじゃないのか?」



やれやれ、といったように首を振りやれやれ、と言った飛鳥は、



「ボクは天の邪鬼ではない。心に嘘はつかないさ」



「それに、キミのタキシードの隣は、幸せの権化さ」

と言った。



「似合ってるじゃないか」



純白に身を任せた二宮飛鳥を見て、俺は素直な感想を告げた。



「それだけかい?もっと誉めてくれてかまわないよ?」



「天使かと思ったよハニー」



「キミが褒めることに慣れていない事を、ボクは理解したよ」



そんなことはない。あらぬ誤解をされては困るので、即座に訂正しよう。



「愛した女性の最高に可愛い姿を見て、いつも通りに褒めることができる奴がいるとしたら、そいつはツタンカーメンかハゲさ」



うっかりハゲにまで喧嘩を売ってしまったが、飛鳥は16文字目あたりで顔を赤くしていたから、問題はないだろう。



「飛鳥、ちょっとだけ上を向いてくれ」



初めはきょとんと不思議がっていた二宮飛鳥だったが、すぐに俺の要望を受け入れてくれた。



「そのまま手を組んで……そうそう、後は目を閉じてくれ」



全ての要望を受け入れた二宮飛鳥は、まるで神様に祈りを捧げるような、美しい姿をしていた。



「今度の仕事では、そのポーズで一枚、写真を撮ってもらうといいさ」



俺は神を信じてはいなかった。だが、二宮飛鳥が目の前にいる奇跡が神の仕業だと言うなら、俺は即座に信じるだろう。

靴の音が木霊し、二宮飛鳥は俺が近づいたことに気づいたのだろう。そのままの姿勢で目を開け、俺のことを見上げた。



「P、ボクはどこにもいかないよ。御霊は、キミの側にある」



こいつは、どれだけ俺のことを理解しているのか。いや、そんなことはもう関係無い。俺は、好意を伝えるために、二宮飛鳥の唇に唇を重ねた。

神様。あんたに、この女神はもったいない。

だから、俺が貰うぞ。



08:30│二宮飛鳥 
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