2016年01月11日

的場梨沙「アホ毛が気になる」 佐藤心「うん?」

梨沙「シュッ! ドッ! ババッ!」



梨沙「食らえ、これが俺の全力だ!」



梨沙「フンっ! 笑止! その程度受け止めてくれるっ!」





梨沙「うおおおおおっ!!」



梨沙「ドオオオオオオン……!!」







梨沙「やっぱり漫画の読み聞かせって難しいわね……」



仁奈「時々読めねー漢字があるから、梨沙おねーさんに読んでほしかったですよ」



仁奈「でも、なんだか余計わかりにくくなったでごぜーます」



梨沙「でしょうね」



梨沙「わかんないところがあったら教えてあげるから、残りは自分で読みなさい」



仁奈「はーい」





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仁奈「梨沙おねーさん。ここは……」



梨沙「どれどれ? ああ、これは――」





心「おーっす☆ 優しいお姉ちゃんやってんなー、梨沙ちゃん♪」



仁奈「はぁとおねーさん、おはようですよ!」



心「おはよう☆」



梨沙「べ、別に。このくらい普通よ、普通」



心「普通にお姉ちゃん的な行動がとれるってこと?」



梨沙「違うわよっ。普通の……とにかく、普通っ! オトナのレディー的に普通!」



心「もう、素直じゃないなあ♪」



仁奈「素直じゃねーですか?」



梨沙「アタシはいつだって素直よ。自分にショージキに生きてるし!」



仁奈「ところで」



梨沙「うん?」



仁奈「この漫画の人、敵の時は強かったのに、味方になったら弱いですよ」



心「あー、それはあれだ。漫画あるあるネタだから気にしてもしょうがない」



仁奈「あるあるでごぜーますか」



梨沙「あるあるよね、あるある」



梨沙「どいつもこいつも仲間になったら頼りないんだから……」





心「はぁともなんか漫画読もうかなぁ♪ 余ってるやつない?」



梨沙「余ってるのなら……これとか?」



心「サンキュ☆」ピョコッ



心「おっ、これ前本屋で見かけてちょっと気になってたやつだ♪ ラッキー☆」ピョコピョコ



梨沙「………」ジーー



心「……ん、なに?」



梨沙「ハートさんのそれ」



心「それ?」



梨沙「頭のてっぺんの出っ張ってる髪の毛」



仁奈「これのことです?」クイ



心「やん♪ アホ毛つかんじゃらめぇ♪」



仁奈「あほげ?」



梨沙「そうそう、それそれ」



梨沙「そうやってピョコンと跳ねてるやつのこと、アホ毛って言うんだった」





梨沙「そのアホ毛、なんか生き物みたいだなーって思ったのよ」



心「生き物?」



仁奈「でごぜーますか?」



梨沙「ハートさんって、基本リアクション激しいでしょ? 動きが大げさっていうか」



梨沙「だから、喜んでる時とか怒ってる時とか、頭の上でぴょこぴょこ動いてるのよ。アホ毛が」



梨沙「それ見てたら、時々ほんとに生きてるみたいに見えるって話」



仁奈「はぁとおねーさんの髪の毛が、生き物……」



梨沙「みたいって話よ。ほんとにそうってわけじゃないわ」



心「さあ、それはどうでしょうねぇ?」



梨沙「え?」



心「ひょっとしたら、ホントにこのアホ毛は生きているのかもしれません」



心「むしろこの身体はただの道具で、はぁとの本体はアホ毛なのかもしれません」



仁奈「おお……なんだかすげーですよ」



梨沙「いやいや、そんなわけないでしょうが」



心「実は、シュガーハートとはこっちのアホ毛が持っている心なのです」



仁奈「おー」



心「こっちの身体の持ち主――佐藤心という人間の心は、普段ははぁとの手によって封印されているのです」



仁奈「ふーいんされていやがりますか」



心「そう。はぁとは宇宙のシュガー星からやってきた宇宙人で、今はこの女の身体を借りているのです」



仁奈「な、なんとっ!」



仁奈「そ、それじゃあ……そのアホ毛をハサミで切ったら、どうなりやがりますか?」



心「……ふっふっふ。知りたいですか?」



仁奈「ごくり……し、知りたいですよ」



心「このアホ毛を切り落とすとどうなるか。それは……」



仁奈「それは!」





心「暴走して、お前のことをこんな風に襲っちゃうぞー☆」コショコショコショ



仁奈「うひゃっ! く、くすぐったいですよー!」キャッキャッ





梨沙「なーにやってるんだか……子どもねえ」



梨沙「まあいいわ。アタシは漫画の続きを」





心「吸収合体♪ ニナーハート誕生!」



仁奈「ターゲット、ろっくおん!」



心「梨沙ちゃんをくすぐって巻き添えにしろー♪」



梨沙「なっ! ちょ、やめなさ……んひゃぁっ!?」



梨沙「やったわね、このーっ!」



心「わー、怒った♪」



仁奈「あははっ!」





ワイワイキャッキャッ



梨沙「はー……遊び疲れた」



仁奈「疲れたですよ……」



心「ちょっとはしゃぎすぎたねー。これからレッスンなのに……」



梨沙「まったくよ、もうっ」プンスカ



心「………」



梨沙「なに」



心「いや……梨沙ちゃんのそれも、アホ毛かなあと思って」



仁奈「梨沙おねーさんも、てっぺんの髪がはねてるですよ」



梨沙「あー……これ、アホ毛なの? ただのくせっ毛だと思ってるんだけど」



心「ビミョーだね。多分人によって判断違うんじゃないかな♪」



仁奈「うれしいとピョコピョコしやがるですか?」



梨沙「さあ? 自分の頭は普段見れないし」



心「うーん……あ! でもこの前、梨沙パパが迎えに来てくれた時は元気よく動いてたぞ☆」



仁奈「おーっ! じゃあアホ毛でいやがりますね!」



梨沙「どんな基準よっ!」



心「あはは……にしても、プロデューサー来ないね」



仁奈「飛鳥おねーさんもこねーですよ」



梨沙「そういえば、二人ともまだいないわね……てことは、またあそこなんじゃない?」



心「あそこって、屋上?」



仁奈「飛鳥おねーさんは屋上大好きでごぜーます」



梨沙「ホントにね。夏でも冬でもかまわずいるんだから」



仁奈「仁奈も屋上行きたいですよ!」



心「よーし♪ じゃあ梨沙ちゃんの予想が当たってるかどうか、確かめに行ってみよう☆」





梨沙「飛鳥には、アホ毛ないわよね」トコトコ



心「そだね」スタスタ



仁奈「ぴょこぴょこしねーですか」トテトテ



心「かなぁ。うれしい時に跳ねる髪はないと思うよ」



梨沙「そうね」



梨沙「でも、飛鳥は飛鳥で、うれしい時のサインはあるわよ?」



心「え、そうなの?」



梨沙「うん。もしかしたら、屋上で見られるかも」







屋上





仁奈「あっ、Pと飛鳥おねーさんですよ! 二人でおしゃべりしてるでごぜーます」



心「むむむ、距離が近い……ちびっと嫉妬しちゃうぞ」ジーー



梨沙「そんなことより、ほら」



心「そんなことだとぉ!」



梨沙「しーっ。気づかれるでしょっ」



心「あ、すんません」



梨沙「………」ジーー



梨沙「やっぱり、プロデューサーと話してると楽しいみたいね。うれしいのサイン、出てるわよ」



仁奈「どれですか?」



心「……あっ」



心「もしかして……エクステ?」



梨沙「正解♪」



梨沙「飛鳥はうれしい時、右手でエクステをいじる癖があるのよ」





P「―――」



飛鳥「―――」イジイジ





仁奈「おー、イジイジしてるですよ」



梨沙「ちなみに、機嫌が悪い時は左手でいじるわ」



心「マジ? 時々エクステいじってるのは知ってたけど、そんなはっきりとした基準あったんだ……」



心「ある意味、アホ毛よりわかりやすいね♪」



梨沙「でしょ?」



仁奈「んー……仁奈はうれしい時、ぴょこぴょこしたりイジイジしたりしねーです」



仁奈「したほうがいいのかなぁ」



心「いやいや。別にこれ、しなきゃいけないとかそういうことじゃないから」



梨沙「そうそう。それに、サインなんてなくても、仁奈がうれしい時はすぐにわかるわ」



仁奈「?」



梨沙「だって、うれしい時は思いっきり笑顔だし!」



梨沙「それだけあれば十二分よ」



仁奈「………」



仁奈「えへへ、そうでごぜーますか?」



梨沙「アタシが言うんだから、間違いないわ!」



仁奈「わかったですよ! 仁奈、思い切り笑いやがります!」



心「……うんうん♪」



心「なにはなくとも笑顔が一番! ってな☆」





おしまい





20:30│佐藤心 
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