2016年01月24日

藤原肇「Pさんは何がお好きですか?」


P「どうした、急に?」



肇「いえ、ただの雑談ですよ。事務所まではもうしばらく掛かりますし」





P「道路の空き具合からすると……後2時間くらいか」



肇「風景を楽しむのも悪くはありませんが、どうでしょうか」



P「断る理由も無いさ」



肇「ふふ、ありがとうございます」



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P「それで、好きな物だったか」



肇「ものでも、ことでも」



P「…………」



肇「……ふ、ふふっ! 難しく考え過ぎですよ、Pさん」



P「そうだな……甘い物は、好きだな」



肇「ケーキ、お好きですよね」



P「ツラとナリに似合わず、な」



肇「いいじゃないですか。私は可愛いと思いますよ?」



P「男に可愛さは要らない」



肇「私も、好きです。ケーキ」



P「可愛いと思うぞ」



肇「ありがとうございます……なんて」



P「楓さんはケーキ……っと」



楓「すぅ、くすぅ……」



肇「お休み中、ですね」



P「中々にタイトなスケジュールだったからな、無理も無い」



肇「タオルケット、掛けておきますね」



P「頼む。……それと」



肇「はい」



P「…………スカートの裾も直してあげてくれ。目によろしくない」



肇「…………はい」



P「……」



肇「……」



P「悪いな」



肇「いえ」



P「……」



肇「……」



肇「Pさんは」



P「ん」



肇「綺麗な女性は、お好きですか?」



P「そりゃあ、嫌いな男なんてそうは居ないだろう」



肇「楓さんは、綺麗だと思いますか?」



P「そりゃあ……そりゃあ、もう、誰が見てもとびきりの美人だろう」



肇「私は、どうでしょうか」



P「……」



肇「……」



P「肇は、とても綺麗な…………アイドル、だと。俺は思う」



肇「…………そう、ですか」



P「ああ」



肇「……」



P「……」



楓「その調子」



P「…………ん?」



楓「……くぅ」



P「……」



肇「……確か、登山もお好きなんですよね」



P「ああ」



肇「山頂というのは、やはり静謐な場所なんでしょうか」



P「そうだな。静かで澄んでいて、誰の邪魔も無い」



肇「素敵ですね」



P「ひょっとしたら、一人きりになれる場所を求めて登ってるのかもな」



肇「……」



P「肇?」



肇「今も、登りたいですか?」



P「今か? そうだな」



肇「……」



P「今は、いいさ。どうしても目の離せない奴が一人居てな」



肇「私も登山、始めてみようかな」



P「……」



肇「良い考えでしょう」



P「……悪くないかもな」



肇「一人きりではなく、二人きりかもしれませんが」



P「……悪くないかも、な」



肇「Pさん」



P「ん?」



肇「他には、ありませんか?」



P「他? そう言われてもな。多趣味な訳でもない…………あ」



肇「……」



P「……すまない、肇。大事なのを一つ、忘れていた」



肇「…………教えてください」



P「この仕事が、プロデュースが大好きだ」



肇「……」



P「夢に憧れる人をこの手で助けて、舞台に載せる手伝いが出来る」



肇「……」



P「ウチのアイドル達はみんな一生懸命で、やり甲斐は際限無しだ」



肇「……」



P「碌でもない事しかしてこなかった俺にでさえ……夢を、見せてくれる」



肇「……」



P「俺は、この仕事が大好きだよ」



肇「…………Pさん」



P「ああ」







肇「他には、ありませんか?」





P「…………え?」







肇「……」



P「……いや、今のは恥ずかしながら中々に良い台詞を吐けたと思うんだが」



肇「そうですね」



P「肇、何だか怒ってないか?」



肇「怒ってません」



P「怒ってるよな」



肇「……」



P「……あー、すまない。何かお気に召さないような」



肇「身近な」



P「ん?」



肇「とても、とても身近な。つい、忘れてしまいそうになるくらいに身近で」



P「……?」



肇「そんな、好きな何かは、ありますか?」



P「どういう意味だ、はじ……め…………」



肇「……」



P「…………あー……」



肇「……」



P「……」



肇「……」



P「…………肇」



肇「はい」



P「……」



肇「……」



P「…………肇は、何が好きなんだ?」



肇「……」



P「……」



楓「……」



肇「…………釣りが、好きです」



P「…………そうか。そうだったな」



P「どんな所が良いんだ?」



肇「そうですね、登山に通じるものがあるかもしれません」



P「そうなのか?」



肇「せせらぎに耳を澄ませて、静謐な空気を楽しんで、誰の邪魔も無くて」



P「なるほどな」



肇「……あ、でも」



P「どうした?」



肇「好ましい人と共に釣り竿を並べるのも、とても楽しかったです」



P「……そうか」



肇「はい」



肇「それからもちろん、陶芸も」



P「だろうな」



肇「土を捏ねていると、自然と集中出来て心が落ち着くんです」



P「ああ。出来上がった器を見れば分かる。肇らしいと、そう自信を持って言えるよ」



肇「まだまだお恥ずかしいばかりの出来映えで」



P「そんな事は無い。どれも大切に使わせてもらってるさ」



肇「ありがとうございます。器も、きっと喜ぶと思います」



P「いつもありがとうな、肇」



肇「いえ、好きでやっている事ですから」



P「それにしては見事な出来映えだと思うが」



肇「まだまだこれからです。陶芸の道も、アイドルの道も」



P「そうだな……ところで肇、前から気になっていたんだが」



肇「はい」



P「どうしていつも同じ物を二つくれるんだ?」



肇「好きでやっている事、ですから」



楓「ふふっ」



P「……」



肇「……」



楓「……」



P「…………そうか」



肇「はい」



P「他には――」



肇「アイドルが、大好きです」



P「……肇」



肇「私、アイドルになれて良かったです」



P「……」



肇「応援してくれる皆さん。アイドルのお友達。個性であふれそうな人たち」



P「ああ」



肇「そして、こんな私を一生懸命にプロデュースしてくれる人」



P「……」



肇「こんなに素晴らしい経験が出来る私は、きっと世界一の幸せ者ですね」



P「…………肇」



肇「はい」



P「勘弁……してくれ。運転の、途中なのに、危ない」



肇「……ふふっ。ごめんなさい、Pさん」



肇「――そろそろ都内に入りますね」



P「……」



肇「……」



P「…………肇」



肇「はい」



P「他には、あるか?」



肇「…………他、とは?」



P「好きな…………何か、だ」



肇「はい。とびっきり、大好きなのが」



P「……」



肇「何度も何度もアピールしないと伝わらないくらい鈍くて、心配になるくらい一生懸命で」



P「……」



肇「私の欲しい言葉をなかなか贈ってくれなくて、それでも、大好きなのが」



P「……」



肇「Pさん」



P「ああ」



肇「他には、ありますか?」



P「他、ってのは?」







肇「好きなものでも、好きなことでも――好きなひとでも」







P「……」



肇「……」



P「少し、待ってくれ」



肇「はい。幾らでも、待ちます」



P「……」



肇「……」



P「……」



肇「……」







P「肇――」 楓「――いえっ! もう一献! ドンと来いです!!」











P「……」



肇「……」



楓「――あら? ここにあったバランタイン17年は…………あっ」







P「……」



肇「……」



楓「……」







肇「……」



P「……」



楓「肇ちゃん」



肇「はい」



楓「ひょっとして、謝った方がいいかしら」



肇「恐らくは」



楓「ごめんなさい」



肇「…………もうっ。もう少しだったのに」



P「……ふぅ…………」



楓「次こそ成功させましょうね」



肇「はい」



P「……」



楓「どうかしましたか?」



P「……いえ」



楓「ところでこれから飲みに行きませんか?」



P「もう少しで事務所着きますから大人しくしててください」



楓「はーい」



肇「……」



P「……」



楓「〜♪」



P「肇」



肇「…………え、あ、はい」



P「もう一つあった」



肇「へっ?」



P「最近、陶器が好きになったんだ」



肇「……は、はぁ」



P「だから、その……好きだから。二つ……」



肇「……?」



P「……」



肇「……」







P「…………いつか。二つだけじゃなくて……もっと、欲しくなるかもしれない」







肇「……」



P「……」



肇「…………ぁ、ぇ? えっ…………?」



P「……」



肇「…………っ!? うわ、わぁっ……!!」



P「……」



楓「プロデューサーさん」



P「……何ですか、楓さん」



楓「飲酒運転はダメですよ?」



P「飲んでませんよ」



楓「あら? でも不思議ですね。お顔が真っ赤」



P「楓さん」



楓「肇ちゃんも、未成年飲酒なんてダメよ?」



肇「……の、飲んで…………ない、です……」



楓「あら? でも不思議ですね。お顔が真っ赤」



肇「う、うぅぅ〜……っ!!」



P「……」



楓「ふふふー。プロデューサーさん?」



P「…………何ですか」



楓「そのまま伝えてあげた方が、よっぽどラクだったと思いますよ?」



P「……」



楓「全くもう。プロデューサーさんもスキですねぇ♪」



P「……」



肇「……」







P「ええ。大好きです」





肇「…………ぎゃふん」



おわり



12:30│藤原肇 
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