2014年04月15日

モバP「幸の果て」

・SS初投稿です。

・アイドルマスターシンデレラガールズの白菊ほたるのSSです。

・第6回ドリームLIVEフェスティバルでのユニット「ミス・フォーチュン」が題材です。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396969010





ちひろ「ふんふふ〜ん……♪」



モバP「おはようございますちひろさん。……あ、ファンレター確認してるんですか?」



ちひろ「あ、おはようございますプロデューサーさん。そうなんですよ、見てください」



モバP「これはこれは……中々壮観な量ですね」



ちひろ「淡白過ぎませんかね……」



ちひろ「そうそう。ここだけの話、ほたるちゃんと茄子さんのユニットを希望する声が多くてですね」



モバP「あぁ、ほたると茄子のユニット希望ですか。……まぁ多いでしょうね」

ちひろ「やっぱりプロデューサーさんも考えてたんですね!?」



ちひろ「ファンレターにも『ほたるちゃんと茄子さんのコンビが見たい!』って多いんですよ!」



モバP「それ書いたのちひろさんじゃないでしょうね?ってか顔近いです」



ちひろ「あ、ごめんなさい」



モバP「いや、俺だって二人が揃ったときユニットを考えてましたよ。ただ……」



ちひろ「ただ?」



モバP「……いえ、今なら大丈夫でしょうし。そうですね、次の機会に組ませてみますか」



ちひろ「やった!きっとファンの皆さんも喜びますよ!」



モバP「取り敢えず二人に話しませんと」



―――――



ほたる「わ、私と茄子さんがユニットですか……?」



モバP「えぇ、二人も見たと思いますがファンからの要望が多くてですね」



モバP「次にあるこのライブイベント、ここで組んでもらおうと思って」



茄子「ほたるちゃんと組めるなんて嬉しいですねー♪」ギュッ



ほたる「きゃっ!な、茄子さん……私も嬉しいです……茄子さんといると幸せになれそうで……」



モバP「……っ。お二人ともユニットを組むことに関しては大丈夫そうですね」



ほたる(あれ?)



モバP「それでユニット名ですが、ちひろさんが嬉々として考えてくれまして」



ほたる(今……一瞬Pさんの表情が)

茄子「あら、ちひろさんが?」



モバP「ユニット組みますって言った瞬間凄い喜んでましたからね……。ほたる?どうかしたか?」



茄子「ほたるちゃん?」



ほたる「ひゃう!?ご、ごめんなさい!」



モバP「……まぁ俺もいいと思いましたし、何より俺にはネーミングセンスがないので。お二人の意見も聞いてみたいと思いまして」





ユニット名『ミス・フォーチュン』





ほたる「み、ミス……」



茄子「フォーチュン……」



モバP「Miss Fortune. 幸運の女神ってところですかね」



ほたる「ま、待ってください!幸運の女神なんて……その、私には合わないんじゃ」



モバP「……ほたる、お前なら大丈夫だよ。ほたるのファンたちにとっては立派な幸運の女神なんだ」



モバP「このユニット名に間違いはない。それはきっと、このユニットを見てくれたファンが証明してくれる」



ほたる「Pさん……」



モバP「……二人とも、ユニット名はこれでいいですか?」



ほたる「……はい!」



茄子「うふふ♪私も精一杯頑張りますから、一緒に頑張りましょう?ねっ、ほたるちゃん?」



ほたる「は、はい……!よろしくお願いします!」



モバP(……ほたる)

―――――



帰り道



茄子「ユニットライブ楽しみですねー」



ほたる「そうですね……」



ほたる(勘違い、だったのかな)



茄子「? ほたるちゃんさっきもぼうっとして、何か気になることでもあるんですか?」



ほたる「い、いえ……その……私の不幸が茄子さんの幸運を吸い取ってしまったらどうしようって……」



ほたる(あの時のPさん……)



茄子「そんなことないですよ〜。というかむしろ、私からほたるちゃんにあげちゃいます〜♪」ギュッ



ほたる「ふぇっ!?」



ほたる(表情が険しかった……)

―――――



レッスン場 昼



モバP「どうですか?二人の様子は」



ベテラントレーナー「やぁ、お久し振りだね。二人とも凄くいい感じに仕上がっているよ」



モバP「二人とも力はありますからね」



モバP「ほたるは前々からアイドルとしてのレッスンはしてきた。茄子さんは筆舌に尽くしがたい天賦の才がありますし」



モバP「贔屓目もありますが、二人のユニットは見ていて安心できます」



ベテトレ「同感だ。それに最近の白菊くんはとてもいい表情をしてくれるようになった。あの笑顔は他には出せないだろうね」



モバP「笑顔、か……その通りですね。……ん、それじゃあ俺はこの辺で」



ベテトレ「そんな窓越しにチラッと見ただけで、彼女たちと顔を合わせていかないのか?」



モバP「それは山々ですけど……あまり口を出してもしょうがないでしょう。彼女たちは子どもじゃありませんから」



ベテトレ「おや、父親気取りかい?」



モバP「そうですね。娘みたいなものです。それじゃあ失礼します」



ベテトレ「……カッコつけしいだな。全く」

―――――



事務所 夜



モバP(今日のレッスンを見る限り、心配は杞憂か)



モバP(ほたるは今岐路に立っている……ような気がする。あくまで予感だが)



モバP(茄子さんと一緒にさせるのは正解かな……あの人と一緒にいて悪い方に転ぶとは思えないが)



モバP(一度ほたると話したほうがいいのかもな……自分の不幸について)



モバP「……いや、でもなぁ」



ほたる「あ、あのー……」



モバP「うわっ!?な、なんだほたる……いたのか」



ほたる「ひぇぅ!?す、すみません……忘れ物を取りに」



モバP「な、なんだそうか。一体何を忘れたんだ?」



ほたる「あ、さっき見つかったので大丈夫です……それよりプロデューサーさん」



ほたる「……さ、最近お疲れじゃないですか?」



モバP「そうか?自分ではそんなつもりないんだがな……」



ほたる「ずっと私たちのために夜遅くまで働いてくれていましたし、それに……」



ほたる「……うぅ」



モバP「あぁもう。心配かけたな、悪かったよ」



モバP「そうだな、ほたるにも心配かけちゃ悪いしな。今日はもう仕事は終わりにして家に帰って休むことにするさ」



ほたる「じゃ、じゃあ……ご一緒に帰りませんか?」



モバP「ん、寮まで送ってくよ。それじゃあ準備するから少し待っててくれ」



ほたる(……聞けなかったな。あの表情のこと)



ほたる(私の、気のせいだったのかな……きっとそうですよね)



―――――



後日 事務所



モバP「やっぱり杞憂だったか……いい笑顔してるな二人とも」



ちひろ「何が杞憂なんですか?」



モバP「!?ち、ちひろさん?急にやめてくださいよ!」



ちひろ「えへへ、お仕事が一段落ついちゃったのでつい。それにしてもこの前のライブは大盛況でしたね!」



モバP「えぇ……まさかここまで反響があるとは思いませんでしたよ。二人とも凄いですね」



ちひろ「それこの前の写真ですか?あー、茄子さん綺麗だなー羨ましいです。そういえば、杞憂っていうのは?」



モバP「……ほたるのことです」



ちひろ「ほたるちゃんの?」



モバP「えぇ。具体的に言うとほたると茄子さんの組み合わせが気がかりで」



ちひろ「あぁ……ライブ中に何か事故がとかそういう?茄子さんがいるなら大丈夫だと思いますけどねぇ」



モバP「違います。……その、俺が心配だったのは、ほたるが茄子さんに依存し過ぎることです」

ちひろ「……?」



モバP「ほたるはその、どうも何かに依存してしまう傾向がある気がするんです」



ちひろ「と、いうと?」



モバP「俺の憶測かもしれませんし、彼女への悪口になるからあまり言いたくなかったんですが」



モバP「最初に出会った時のほたるは不幸そのものに依存していた気がします」



ちひろ「……不幸に、ですか?不幸が、ではなく?」



モバP「不幸にです。俺がほたるに起こったことを経験していない人間だから言えるのですが」



モバP「その、酷い話ですが……ほたるの第一印象は自分の身の回りの不幸をアイデンティティとしているのかなと」



モバP「俺としてはあまりそういうのを個性として持つのはどうかなと思ったんです」



モバP「ですが彼女はまだ13歳。それまでに彼女自身がそう思ってしまうことがあったのもきっと事実です」



モバP「だから俺は、不幸じゃない彼女自身の輝きを彼女自身に見つけて欲しかった」



モバP「ほたるをプロデュースしようと思ったのはそこがキッカケだったんです」



ちひろ「ふむふむ……」

モバP「……二回目に思ったのは花火祭りでのグラビア撮影のときです」



ちひろ「去年のお仕事でしたね。ほたるちゃんが今までにないような笑顔を見せてくれて話題になった」



モバP「えぇ、そうです。あの時のほたるは輝いてました。それにこうも言ってくれましたよ」



モバP「『プロデューサーさんのお陰で、以前より自然に笑顔が出来るようになりました』」



モバP「凄く嬉しかったです。あの時ほどこの仕事をしていてよかったと思ったことはありません」



ちひろ「素敵じゃないですか……羨ましい。でも、とにかく不幸だーという感じではないですよね?」



モバP「そうですね。開運のお守りを買ったり、色々と自分から動いて幸せになろうとしていました」



モバP「そのせいか、グラビアの撮影もとてもうまくいきましたしね」



ちひろ「じゃあいいじゃないですか!」



モバP「……それで終わりならいいんですよ、仕事の終わりのときにこう言われたんですよ」



モバP「『私の居場所は…プロデューサーさんが作ってくれる…』……って」



ちひろ「え?いや、可愛い台詞じゃないですか」



モバP「……こう考えられませんか?ほたるは、俺に依存している……」



ちひろ「いやいやいや!それだけの発言じゃあ……実際プロデューサーさんはアイドルの居場所を作ってあげるのが仕事ですし」



モバP「『一番幸せを運んでくれるのは…きっとプロデューサーさんです…』」



モバP「『私わかったんです…今まで不幸だったのは、プロデューサーさんと逢うために運を使い果たしていたのかも…なんて…』」



ちひろ「な、なんですかそれ?」



モバP「グラビア撮影前に縁日を散策していたときに不意に言われた台詞です」



モバP「……ほたるは、今を幸せに感じているのは俺のおかげだと思ってます」



モバP「本当は、ほたる自身の力なのに」



ちひろ「……えーと、そう!それはそれだけプロデューサーさんを信頼してるということですよ!」



ちひろ(と言ったけど……うーん。そう言われるとそうかもしれない……)

ちひろ「それで、次の依存先が茄子さんになるかもしれないと。それが心配で?」



モバP「えぇ、茄子さんの超人的な運を求めて依存してしまわないだろうかと」



ちひろ「なるほど、それでユニットを今まで渋ってたんですね……」



モバP「ですがそれも心配に終わりました。レッスンを見学したり、ライブでのほたるを見てわかりました」



モバP「彼女はもう、昔のほたるじゃありません」



ちひろ「……そりゃそうですよ。あんなに素敵に笑ってくれる子が疫病神なわけありません」



モバP「その通りです」



ちひろ「あ、でも」



モバP「?」



ちひろ「プロデューサーさんは知ってますよね?ほたるちゃん、先日のライブバトルで負けてしまったときのコメント」



ちひろ「話を聞いてると、ちょっと引っかかる台詞ですよね?」



モバP「……え、知りません。その時別件の電話がかかってきて、一時的に席を外したんです」



ちひろ「……本当ですか。えーっとですね。確かこう言ったんですよ」

―――――



翌日



ほたる「話ってなんでしょう……ま、まさか私また何か……」



モバP「……」



ほたる「あ、あの……Pさん?」



モバP(知りたくなかった)



モバP「……ほたる」



モバP(例え無意識に出た言葉だったとしても、俺はほたるにあんなことを言って欲しくなかった)



モバP「……ライブ。惜しかったな」



ほたる「は、はい……すみません……」



モバP(いや、言わせたのは俺なのか……?)



モバP「いいんだよ。ほたるも茄子さんもよく頑張っていた」



モバP「それで話というのはな」



モバP(分からない)



モバP(ほたるが、不幸を他人のせいにするなんて)

―――――-



ちひろ「ほたるちゃん、確か『今朝、黒猫が通ったんです……それで』ってコメントしたんです」



ちひろ「その時は何も感じませんでしたが、今の話を聞いてると変だなーって」



ちひろ「……ほたるちゃんって、不幸は全て自分のせいだと思い込んでましたよね?」

終わり





08:30│白菊ほたる 
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