2016年02月07日

モバP「大人組と同じ高校だったら、ねえ」

アイドルマスターシンデレラガールズのSSスレです。

性描写があるかもしれませんので苦手な方はご注意ください。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449302133



『わんこ後輩 水木聖來編』









P「ふあぁ……ねむぅ」



P(普段より20分は早い出発を強いられ、寝ぼけ眼のまま歩き出す)



P「はー、週末には修理に行かないとなあ」トボトボ



P(普段は自宅から駅まで自転車で向かい、電車で学校まで行くのだが――肝心の自転車がパンクしてしまったからだ)



P「いくらくらい掛かるんだろ……おや?」



わんこ「!」ピクッ



わんこ「」タッタッタッ





P「こっちきた……はやっ」







わんこ「!」ピタッ



わんこ「」ジーッ





P「……と思ったらおりこうさんに座ったな。いったいどこから……首輪は、してるな」



わんこ「」スリスリ



P「ん?……おーおーずいぶん人懐っこいな」ナデナデ



わんこ「」クンクン



わんこ「」ハムハム



P「わあっ、くすぐったいぞコイツぅ」





             「あ、あんなトコにいたっ!! こらー!」

わんこ「」ホムホム



聖來「わわっ、こらわんこダメだってば! ほらストップすとおっぷ!!」ドドドド



わんこ「」ペロペロ



聖來「もー! だーめー!!」







聖來「ごめんなさい……さっきまで普通だったのに、急に走り出しちゃって」



P「いやー気にしなくていいよ」ベトベト



聖來「ほら、わんこもごめんなさいしなさい!」



わんこ「」フリフリ



P(ごめんなさいはしてないな)



P「ま……まあ好かれてるみたいだし」



聖來「……許してくれるの?」



P「気にしないでいいよ、それに、俺も犬は好きだから」



聖來「…………ホント? わんこのこと、好き?」



P「ああ、元気があっていいじゃないか」ナデナデ



わんこ「」フリフリフリフリ



聖來「…………よかったぁ。そう言ってもらえると嬉しい! 本当にありがとう!」



P「よし、それじゃ俺はこの辺で……」



聖來「あっ、待って! その制服って……もしかして同じ学校? きっとそうだね! アタシは水木聖來、転校してきたばっかりなの! あなたは名前、何ていうの? 何年生?」



P「うん? 俺の名前はP、2年生だよ」



聖來「2年生? じゃあせんぱいだね! これからよろしく!」



P「ああ、ところで……」

聖來「?」



P「そろそろ出ないと間に合わないんじゃないのか? その……着替えもまだみたいだし」



聖來「えっ? ああっ! もうこんな時間! じゃあPさん、またねー!!」タッタッタッ



わんこ「」タッタッタッ



P「……朝から元気な子だったな」ベトベト









――――昼休み





P「……さーて学食に」



         「あっ、いたいたぁ! おーい! Pせんぱーい!」



P「ん?」



聖來「おーいおーい!」フリフリ



P(教室の入り口ですごい目立つことしてきてる!)



P「あっ、今朝の……えーと、水木さんだっけ?」テクテク



聖來「うん! セイラでいいよ、せんぱいっ!」



P「ああ、ありがとう。で、どうかしたか?」



聖來「今朝のお礼をって思って! 今からお昼? だったら一緒にいこいこ!」グイグイ



P「お、お礼されるようなことは、なんかしたっけ?」



聖來「いいからいいからー!」グイグイ



P「えーと、聖來さん、引っ張らないで大丈夫だって」



聖來「あっ、てへへ、ごめんね! わんこにするみたいにしちゃった!」



P(まだ会ったばかりなのに、ずいぶんと距離の近い……あのわんこも飼い主に似たということかな)



聖來「でねでね、いつもどこで食べてるの? 食堂はすっごい混んでたけど、さっき通りがけに空いてるベンチ見つけちゃってパンとかどうかなーって……」







――――あー、今日は私たちと食べよ? のあさん、そんなに落ち込まないで。

聖來「アタシもわんこも散歩が大好きで、いいルート見つけちゃうとつい長くなって……」ハムハム



P「転校してきたばっかりなんだっけ。通りで、今まで見かけなかったと思ったよ。しかし……どっちにしろ、あの時間帯だと遅刻ギリギリじゃないか?」



聖來「んー、確かにそうかも……あっ、でもでも、せんぱいもいつもあの時間に登校してるんでしょう?」



P「いつもじゃないよ。普段は自転車でもう少し余裕もって行けるけど、パンクしちゃっててな。やっぱり歩きだとあれくらいの時間には出て行かなきゃ厳しいみたいだ」



聖來「そっかー、二重で残念……」ハムハム



P(二重?)モグモグ



聖來「ごっくん……あっ、そうだ! じゃあわんこのこと、朝は家族に頼んで、アタシは夜に行くことにしようかなー」



P「確かにそのほうがゆっくり散歩できるだろうな。でも、大丈夫か? わんこがいるとはいえ……」



聖來「ん? 心配してくれるんだぁ……んー?」



P「?」



聖來「それってもしかしてぇ……そういうことなのかな?」



P「どういうことかな?」



聖來「つまり……『心配だからセイラの散歩に付き合ってやるぜ』っていう、そういうことなのかな?!」ズイッ



P「……いやそうまでは考えてなかったよ」



聖來「もー、そこは嘘でもハイっていうもんだよ? オトコノコなら!」ムー



P「そっちは、今朝会ったばっかりのヤツをそこまで信頼できるのか?」



聖來「うん! だってウチのわんこが気に入った人だからね、間違いないよ」ハムハム



P「わんこは信頼されてるなあ」



聖來「と、いうワケで……ボディーガード、お願い、せーんぱい!」

 

P「まあ、聖來さんがいいなら俺は構わないけど……」



P(朝よりはまだ付き合えるし)



聖來「もう、セイラでいいってば! せんぱいなんだし、これから長い付き合いになるんだし!」



P「ははは……じゃあよろしく、聖來」



聖來「うん! よろしくね、Pせんぱいっ」

――――――――――――――――――――――――――――――――







P「はっ、は――、お待たせ」



聖來「もう、Pせんぱいおそーい!」



わんこ「」フリフリ



P「悪い悪い、ちょっと別用があってな」



聖來「――ふふっ、分かってるって。ありがとね、忙しいのに、いつも無理させちゃって」



P「いや、好きでやってることだからさ……おーよしよし」ナデナデ



わんこ「」フリフリフリフリ



聖來「うーん♪ わんこもご機嫌だね、じゃあしゅっぱーつ!」





P(聖來と他愛も無い会話をしながら、時にはわんこも相槌を打ちながら、散歩ルートをたどる)







聖來「――そしたらね、先生教室から飛び出すくらい驚いちゃって! もちろん悪戯した本人は大目玉だったけど、おかしかったぁー!」





P(水木聖來――転校してきた1年生。顔立ちは大人びているが、その内面は年相応どころかむしろ幼い)



P(無邪気でパーソナルスペースが狭くて喜怒哀楽がはっきりしていて、年相応というよりももっと幼く感じる。趣味は犬の散歩――とは本人の弁だが、犬に関するすべてが趣味なんだろう)





聖來「あっ、じゃあ今日はこっちの道通ってみようか! ちょっと薄暗いから、せんぱい、しっかり守ってねー!」





P(飼い犬の名前はわんこ――じゃなくて、名前を付けないままでいたらいつの間にか成長してしまったらしい)



P(『我輩は犬である。名前はまだない』――といったところだろうか)





聖來「うわぁ……ドキドキしちゃうね、こういうの。お化け屋敷みたいで」





P(……とかいいながら、届いてくる声音は明らかに面白がっていた。日中見つけた経路を試しているのかもしれない)



P(好奇心旺盛なのだろう。そして、彼女なら独りでも行きかねないと考えると、付いていて良かったと思う)

聖來「はい公園到着ー。ふーぅ、茂みが多くてドキドキしたね! それじゃいつもの……始めよっか!」





P(そんな聖來だが、わんこ以外だとダンスも好きらしい。わんことの触れ合いのために部活や教室にいくつもりはないそうだが、それでも彼女の身のこなしはそこいらの経験者を凌駕しているように思えた)



P(秋も終わりかけの、夜の公園――BGMは歌う聖來自身、観客は一人と一匹、スポットライトは街灯と月)





聖來「――、――、――、――――――――♪」





P(そのひとときだけは――彼女はこの地方都市の澄んだような濁ったような夜空を飛び越えて、キラキラした都会の夜が誰よりも似合うような気がしてくる)



P(このヘンテコな時期に転校して来る前は、そういう場所に住んでいたのだろうか)







聖來「――ふぅ、どうだった?」ニコッ



P「――すごい、よかった」



P(もっとふさわしい褒め方があるだろうに、そんな陳腐な言葉で聖來は子供みたいに喜んでくれる)



わんこ「わんわん」フリフリ



P「わんこもそう言ってるみたいだ」ナデナデ



わんこ「」フリフリ



聖來「あ……あはははっ! もうっ!」ケラケラ



P(ダンスが終われば――すぐにいつもの表情に戻る。そのことに少し、安心する)



P「ほら、汗拭いて。風邪引くぞ」



聖來「ふー、いつもありがとっ、えへへ――あーっ!」



P「ど、どうした?」



聖來「そういえば新しい曲持ってきたんだった! ほら、聞いて聞いて」



P「ああ、ありがと」



P(何気なしにイヤホンの片方を渡してくるのは、やっぱり無防備だよなあ――男子の心に響く)スポッ

聖來「ほら、もっと寄らないと――今度はコレで振り付け考えてるの。どう?」ポチポチ





P(聴き慣れないメロディに聞いたこともないリリックを、聖來は追いかけて口ずさむ)



P(耳元を掠める吐息と、鼻先をくすぐる女子特有のいいにおいが、温かみになって)





P「――良いと思う。やっぱり、センスいいね、聖來は」



聖來「えへへー! もうっ、こそばゆいなー」



わんこ「」ワンワン



P「ほら、わんこもそうだって」ナデナデ



聖來「またー? えへへ!」



P「なー」ナデナデ



わんこ「」フリフリ



なでなで、なでなで、



聖來「えへ、へ………」



わんこ「」クゥーン



なでなでなでなで、



聖來「…………」コクン



P「なあ、聖來」ナデナデ



聖來「ん! な、なにー?!」フキフキ



P「聖來は前も、こんな風で踊ってたのか?」



聖來「えと、ええと、踊ってたといえば踊ってたけど……見せるような相手はいなかったかなぁ。ほら、小学校までならともかく、中高って放課後も土日もみんな忙しいじゃん? たまに遊びに行けても買い物かカラオケか……」



P「まー部活でグループ固まっちゃうこと多いだろうしな」



聖來「あー、カラオケ、カラオケねー……」



P「――おっと、じゃあそろそろ帰るか」







聖來「――ねえ、せんぱい?」

P「なあ、よかったのか?」



聖來「メンバーズカード……はいコレっ、機種はD●Mで……ん? なにがー?」



P「いやその……俺なんかと来て」



聖來「どういう意味かなー? あ、3時間以上ならフリータイムの方が安いだって! どうするー?」



P「じゃあそっちで……だからさあ、ほら、ヘンな噂になったりしないか?」



聖來「アタシは別にいいけど♪ ソッチは、困っちゃったり?」クスッ



P「――まあ、大丈夫だけど」



聖來「ふぅーん」ジトー



P「な、なんだよ……」



聖來「その割には? アタシが『たまたま』せんぱいの教室の前を通りかかる時にちょっと覗いてみたら、大抵誰か女の子と話してない?」



P「それは、たまたまじゃないかな?」



聖來「しかも違うヒトと」



P「たまたまですね」



聖來「なんで敬語?」







P(狭い部屋の中で聖來はいつも以上にはしゃいで、テーブルやソファの位置をずらしてやらなきゃいけないほどだった)



P(でも乱反射する光と伴奏を従えて歌い踊る聖來は、本物のアイドルのように見えた)



P(歌詞の英語が不自然じゃない日本人ってあんまりいないよな)





P「いやーカッコいいもんだなー。普段とは大違いだ」パチパチ



聖來「うふふっ、ソレどーゆー意味かなー? 普段は可愛いってコトならまあ許してあげるっ!」



P「――そうだよ(イケボ)」



聖來「っ?! も、もう、そうだったらフツーにほめてくれればいいのに! まったく素直じゃないんだからっ」



P「はは、褒めてほしいなんてわんこみたいなこと言うんだな」



聖來「わ、わんこ?!」



P「ん? だって聖來のわんこ、ことあるごとにハナをすり寄せて甘えてくるじゃないか」

聖來「んま、まあ、そうだね」



P「そして撫でてやったらいつまでも尻尾振り続けるから、『少なくとも腕がちぎれるまではやるべきだ』なんてどっかのビーグル犬みたいなこと考えてそうで……」



聖來「あははっ、そ、そこまでは考えてないと思うけどなー! あー、踊ったから暑い!」パタパタ



P「おっと、次の曲入れとかないと……」ポチポチ



聖來「まったく、もう………………あーノド乾いちゃった」チュー



P「………………」ポチポチ(とりあえず履歴100を漁る音)



聖來「………………」ゴクン



P「………………」ポチポチ(PV付きの多さに驚く音)



聖來「………………ねえ、せんぱい」



P「んー?」ポチポチ(メジャーなアーティストだけど実はアニメ主題歌な曲を探す音)





聖來「……ナデナデ、してみる?」



P「え?」





P「ん? わんこを、か? いつもさせてもらってるじゃないか」



聖來「じゃなくて、その、ええと…………」モジモジ



聖來「あ、ア……アタシを」



P「………………え?」



聖來「だ、だから……わんこみたいって言うんなら、その……その辺も、似てるかもよ? っていうか、なんていうか……」



P「………………」







聖來「わんこ、いつもナデナデしてもらって……正直その、うらやましい、から」カァッ



P「………………」ゴクッ







――――――――――――――――――――――――――――――――





P(今、俺の隣には、目を閉じてナデナデされるのをじっと待つわんこ――ならぬ聖來がいる)



P(緊張していて、でも期待も同じくらいあって、それを隠しきれずに呼吸を荒くしているのが、とても――可愛らしい)







P「……じゃあ、触るぞ」



聖來「うん…………んっ」





――ぴとっ



聖來「…………っ」フルッ



P(……頭に手を置いただけで、他に形容も出来ないくらい滑らかな髪の質感が分かる……それに)サワサワ



聖來「は……んっ、ふふっ、ふ……ぁ」ピクッ



なでなで、なでなで、



P(髪の線が擦れ合うたびに信じられないくらい良い匂いがして……)



聖來「はふー、んっ、あは……やさし、せんぱい……」トクンッ



P(強張っていた聖來のカラダがどんどんほぐれて、弛緩していくのが分かる……リラックスしきってるんだな)



なで、なで、なでなで、なでなで――



聖來「ふーっ、はふ……んっ、んっ、ん――」



P(……髪を、梳いてみようか)



――さしゅっ、



聖來「――きゃん!」



P「ご、ごめん……ひっかかったか?」



聖來「ち、違うの……ちょっとビックリしちゃっただけ……だから」





聖來「……続けて、いいよ?」

さしゅっ、さしゅっ、さしゅ――さしゃっ、しゃ……っ、





聖來「ふー、ふーっ、ふ……ぅ、ん…………っ」ピク…



聖來(Pさんの指、髪を絡めて滑り落ちる度に……ひとつずつ、アタシのカラダ、緩まされちゃってる……)



聖來(わんこ、いつもこんなキモチだったんだぁ……安心しきって、身もココロも委ねちゃってくの、わかるよ……)





なでり、なで、なで、なで…………



P(ナデナデを繰り返していると、ふと――聖來の白い喉が目に入った)



P(そういえばわんこ、ココも撫でてやると喜ぶっけ)





……ぴたっ、



聖來「ん……っ?」ピクッ!



なで、なで……さしゅっ、しゅっ、しゅる……っ、



聖來「はん……ぁ、ふぁっ、は――あっ、んは…………っ!」フルッフルッ



聖來(あ……ダメ、これぇ、ダメェ……! かみのけ、撫でられるだけだったら、まだ、耐えられたのに)



くりくりっ、くり……っ、しゅる、すゅるっ、しゅ…………ぅ



聖來(Pさんの手で転がされて、アタマのなか蕩けて、なにも考えられなくなっちゃう……ぅ)



しゅっ、しゅる――さしゅるっ、ふぁさっ、さら……ぁ、



聖來「ふぁっ、はぁ――、はぁっ、はあ――、ふはぁっ、あぁ、ん…………んんっ!」ビクッ!



聖來(Pさん、なでるのうますぎだよぉ……まるでホントに、わんこになっちゃったみたいに、ナデナデ以外のこと、どーでもよくなっちゃって……)







聖來「……せんぱい、せんぱぁ……い」トロン



P「聖來……」ギュッ









Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!!!







P聖來「ッ!!!!!」ビクッ

――ガチャッ



《お時間十分前ですが延長はいかがなさいますか?》





P「あ――なしで、いいです」



聖來「…………」ドキドキドキドキ





P(その後、カラオケ店を後にした俺たちはロクに会話もできないまま、それぞれの帰途についた)



P(互いに視線を差し合って、それが重なってしまうと慌てて逸らすという不毛な遣り取りを繰り返しながら)



P(ただ、これで終わったとはとても思えなかった)





――――――――――――――――――――――――――――――――





P(翌日、学校で聖來は俺の元を訪ねてこなかった)



P(気になりつつも、放課後は元から予定していた手伝いをこなし――やがて下校時刻になっていた)



P(蛍光灯の切れた靴箱は薄暗く、そこから覗く校庭は真っ暗闇に沈み、吹き込んでくる風は冷たい)



P「……陽が落ちるのが早くなったな」――カサッ





――ガサッ





P「ん? なんだこれ……メモ紙」ガサゴソ



P「……………………」







――――――――――――――――――――――――――――――――      





帰りの電車内、ポケットの中で何度もメモ紙を折り、広げ、つまんだ。



手汗が滲んでもまだ続け、あと二駅の急行に苛立ちながら、窓の外に見えない聖來を探していた。

――――――――――――――――――――――――――――――――





P「ハァ…………はぁ……っ」



聖來「……えへへ、おっそーい」



P「まさか、今まで待ってたのか?」



聖來「必ず、来てくれるって思ったから」



P「……ホントにわんこみたいだな」



聖來「忠犬セイラ――わあ、昔のアニメにありそう!」



P「バカなこと言ってるんじゃ……あれ? そういえばわんこは?」



聖來「先に帰らせちゃった。ここでじっとしてても寒くてしょうがないからね――今日のお散歩は、家と公園の往復だけだったから不満気だったよ」



P「そりゃ悪いことしたな――でも、そしたらお散歩も間に合わなかったか」



聖來「………………終わってないよ」



P「……聖來?」





聖來「………っ」ギュッ



P「――――!」





聖來「わ…………わんわん」





聖來「おさんぽ……したい、わん」ギュー



P「――――――――――――――――――――――――――――――――っ」ギューン

P(その夜以降、聖來は俺の『わんこ』になった)





――――アタシは賢いわんこだから、ちゃんと言うこと聞けるよ。でもさんぽしたり、構ってくれないと……拗ねちゃうから。えへへ♪



――――しっぽフリフリ、えへへ、どう? わんこの踊りだよ。ホントのわんこみたいでしょ? せんぱいと遊んでもらって、嬉しいってしぐさだよ。



――――もうさよならかぁ……早いなあ……でも、わんこの散歩は毎日してあげなきゃだから、ね?





P(この間休みの日に買い物したときは)





――――ねえ、見てみて、犬耳カチューシャだって。おもちゃコーナーにこんなのあるんだね……え? あ、アタシが付けてるの……見たいって――――どうしても?



――――や、やっぱりちょっと恥ずかしいけど……でも、なんかすごくしっくりくる…………買っちゃう?



――――く、首輪?! 首輪はさすがにおいて……ないね! うんうん! ……くびわかぁ





P(そしてその晩――)





――――ねえ、ど、どうかな……? 似合ってる? ほ、ホント? え、えへへ……嬉しいけど、恥ずかしいな……すっかりせんぱいのわんこだね……アタシ。



――――ベルトじゃ、やっぱりちょっと長いけど……んっ。これで、首輪っぽいかな? わんわん!



――――お手、おすわり、がまん、なんでも出来るよ♪ だから……いっぱいナデナデしてほしいなっ。







――――ねえせんぱい。わんこってね





ぎし…………っ





――――こうしておなか見せて寝転がったら、なんでもしていいっていうポーズなんだよ。フクジューしてるんだ、ごしゅじんさまに。





――――ねえ、せんぱい?









      なんでも、していいよ



―――――――――――――――――――――――――――――――





聖來「えへへ、久しぶりに制服なんて着ちゃったー! でもオトナなアタシにはちょーっとキツかったかなー?」



P(違和感なかったというべきか否か……)



聖來「でも、制服のコスプレわんこのコスプレを上乗せするなんて……Pさんってば欲張りなんだから」



P「欲張りさ、だって――」



聖來「?」



P「俺は聖來のすべてがほしいのだから…………(イケボ)」



聖來「…………あーはっはっはっはっは!!」ケタケタ



P「ひどくない?」



聖來「だって、だってー、えへへへ――」





――ぎゅうっ





聖來「いまさら――――もう全部あげてるじゃん」ピトッ





P「――聖來」



聖來「――Pさん」







比奈「あー次つぎ、次ッスー」







※この物語は荒木比奈先生がお送りしております

『世話焼き後輩 持田亜里沙編』







P(今朝も今朝とてサイクリング後の満員電車コースをこなし、たたき出されるようにして駅に降り立つ)



P「今日もなんとか遅刻せずにすんだぞ……」



P(もう既にへろへろになっているわけだが、これから一日が始まるかと思うと、一歩足を踏み出すのさえ憂鬱になってしまう)



P「はーぁ、やる気でないなあ……」





???「……んっ? なんだか元気のない子を発見! よーし……っ」コソコソ





P「むにゃむやむ……」



                 「おはようございますウサー!」



ぼふっ!!



P「ごふっ?!」



P(背後から掛けられた声に振り返るや否や――モフモフの感触が視界を塞いだ)



もふもふ、  



P「うわっぷ、ちょっ、待て待て……っ」



もふもふもふもふもふっ!!



P「やめ、やめて……ちょっと、亜里沙!」



亜里沙「うふふっ、おはようございます、Pくん!」ワシワシ

P「ああ、おはよう……って、なんだっていきなり、ふわあ……」



亜里沙「もう、いつにもまして眠たそうにしてたから、ついつい、ね?」テヘッ



P「……どうせいつも眠たそうですよ」



亜里沙「昨日も夜更かししてたの?」



P「テレビが見てたらついつい……」



亜里沙「……決して、お勉強のしすぎってことじゃないんだよね?」



P「はい」



亜里沙「うん、知ってた」クスッ



P「……そういう亜里沙こそ今頃登校なんて、俺といい勝負じゃないか」



亜里沙「家を出たのはずっと早かったんだけど、途中で会った子どもたちとお話してたから……あ、Pくん」ズイッ



P「へ? え、なに?」タジッ



亜里沙「そのまま動かないで……じっとして?」サワッ



P「あ、うん……?」



P(こういう時、亜里沙の距離感近いよなぁ)ドキドキ



亜里沙「襟が立ってます……うふふ、おっちょこちょいね」



P「ああ、襟、襟ね……いきなり何かと」



亜里沙「……はい! キレイになりましたー! 朝はゆとりを持って、身支度をきちんとしないと、ね?」

P「はは、面目ない……で、あのさ」



亜里沙「んんー? どうしたのかな?」



P「そのPくんっての、そろそろ止めないか? ほら、俺のほうが年上なワケだし」



亜里沙「ふーむ、確かにそうですねぇ……」



P「そうそう」



亜里沙「でもしっかりしてるのはわたしの方だと思うんだけど……どうでしょうー?」



P「そう言われると弱いなぁ……」



亜里沙「でしょう?」クスッ



P「いやでも」



亜里沙「さあ、ありさおねえさんについてきてくださいね、うふふ!」タッタッタッ



P「はあ……敵わないなあ」







P(彼女は持田亜里沙。幼馴染で、歳は俺のひとつ下になる)



P(しかし、持ち前の面倒見のよさとしっかり者の気質、更に出会ったころは俺よりも身長が高かった、というような諸々の条件が重なり、亜里沙は自然と、俺のお姉さん役を自負するようになっていた)



P(それは学年が上がり、身長差が逆転し、中学生になっても――高校生になっても変わらず、今でも何かにつけて、俺の世話を焼こうとしてくる)



P(ありがたいんだけど、いつまでも子ども扱いしないでほしいというのが本音だ……まあこのあたりは俺がずぼら過ぎるのも悪いんだけど)

P(そして、もうひとつ彼女を特徴付けているのが……)





P「で、あのさあ」テクテク



亜里沙「なんですか?」テクテク



P「それ……いつまでも大事にしてくれるのは嬉しいけど、持ち運ぶのは不便じゃないか?」



亜里沙「そんなことありません! こんな風にカバンにくくりつけてれば大丈夫。今朝みたいに子どもたちに興味持ってもらえるし……それに」





亜里沙(ウサコ、大人になったら幼稚園で大かつやくするウサー)パクパク





亜里沙「……って、ウサコちゃんも張り切ってるし。うふふ!」



P「…………そりゃあ、頑張ってもらわなきゃなあ」





P(いつだったか俺がプレゼントした、うさぎのパペットを常に持ち歩いているのだ。あれからもう相当経つと思うが、きっちりと手入れしているのか汚れなどは見当たらないし、今でも自作で洋服を増やし続けているようだ)



P(そしてパペットを引き連れた亜里沙は近所の子供たちにとって格好の遊び相手であり、彼らの相手をしてあげるのが彼女の日課となっているのだった)



P(将来のための予行練習と言えなくもないだろうけど――純粋に好きなんだろうな、子供の相手が)





P「つまりそれは俺の世話も含まれてるってコトか? だったらかなり微妙な気持ちだな……」



亜里沙「どうしました?」キョトン

P「ああいやこっちの話……で、今朝はどんな子と遊んでたんだ? 俺なんかよりも早々と登校した亜里沙せんせーが時間を取らせられるなんて、よっぽどの問題児だったのかな?」



亜里沙「ううん? とっても素直で可愛い男の子ですよ? っていうか、Pくんほどの問題児は中々いないわよ♪」



P「うぐぐ……」



亜里沙「ああ……でもね? そのコったらとってもおませさんで」クスクス



P「ふんふん」



亜里沙「『おおきくなったらありさせんせーとけっこんするんだー!』って、会うたびソレばっかり言ってくるの!」



P「お、おう……そしたら亜里沙はどう返すんだ?」



亜里沙「ん? キミが結婚できる歳になって、その時にわたしが貰われてなかったらお願いね! って、そんなカンジかな……あはは、成長した姿は見たいけどね」



P(まあ、真剣に捉えるワケもないか……)



亜里沙「ああ――そういえばPくんもむかーし、言ってくれたこと、あったよね?」クスッ



P「ええっ?! な、なにを――」



亜里沙「それはもちろん、わたしとけっこ……」





キーンコーンカーンコーン、





P「あ、あー! もう、けっこう時間ギリギリだったんだな! それじゃ!!」ピュー



亜里沙「え? あら……ちょ、ちょっと!」



P「靴箱まで来ておいて遅刻決定なんてシャレにならないぞー急げよー」



亜里沙「……も、もう! じゃあ、また後でねー!」ヒラヒラ





P「……はあ、朝から恥ずかしさで死ねるところだった」ダラダラ

P(そう、忘れるわけもない――いや忘れていたわけだが)



P(俺は幼い頃、亜里沙に『お嫁さんにしてあげる』なんて発言を幾度となくしでかしちゃっているのだ)



P(もちろん子供ならではの告白に違いないので今となっては時効と呼んで差し支えないだろうが……それでも過去からの不意打ちはキく)



P(その時の亜里沙の反応も、さっきの少年に対するソレと変わらなかったハズだ。すなわち、結婚できる歳になったら、というものだったと思う)



P(あの時は果てしなく遠いように思えた年月も、もう、間もない)





P「時間が経つのは、早いもんだな……」





P(失った時間の大切さは、教室への滑り込み失敗という形でもって一層思い知らされることになる)









のあ「…………やっと、来た」ボソッ



P「え――?」グッタリ



のあ「…………」プイッ

――――――――――――――――――――――――――――――――





P「はあ、やっと家に辿り着いた……今日も手伝い大変だったなあ」



P「あー、晩飯何も無かったんだった……」



P「でも……めんどくさいな……ふぁぁ」ゴロン



P「ねむ……ああ、買いにいかないと……」ムニャムニャ



P「……zzz」





――――――――――――――――――――――――――――――――



          ぴんぽーん、



          ぴんぽーん、



               ……ガチャッ、





                  「もしもしー? 入るよー?」



                  「Pくーん、Pく……あっ」





――――――――――――――――――――――――――――――――





P「…………うーん」



P(んー、どうやら寝てしまってたみたいだ……ねむいが、腹も減ったし、起きないと)ゴソゴソ



ふにょん、



P(んん? なんかやわらかい感触が……それにあったかくていいにおいで……こんなクッションあったかな)フニフニ





亜里沙「やんっ」





P「?!」ガバッ



亜里沙「あら、起きちゃった……うふふ、Pくん、よく眠れた?」



P「あ、亜里沙?! どうして……」ゴシゴシ



亜里沙「おすそ分けもってきたんだけど、戸締りしてなかったから、注意しようと思ってお邪魔したの。そしたら……」



P(あ、カギ閉めてなかったか……またすぐ出かけるって思ってたからな)



亜里沙「うふふっ、寝顔、可愛かったよ。つい添い寝しちゃった」ナデナデ



P「これはこれはどうも……それにしても、その」



亜里沙「んー?」ナデナデ



P「……ちょっと無防備じゃないか?」



亜里沙「玄関のカギも掛けないまま、うたた寝しちゃうPくんには言われたくないなー」



P「うぐぐ……そうじゃなくてだな」



亜里沙「?」



P「幼馴染とはいえ、仮にも男のベッドの上で添い寝なんて」



亜里沙「……くすっ、そういうこわーいオオカミさんはどこにいるのかなー」クスクス



P「……むっ」



亜里沙「ウサコちゃん食べられちゃうウサー」クスクス



P「…………とうっ」



ぐいっ、



亜里沙「え……っ?」



とさ……っ、

P「……たとえば、例えば、こんな風に押し倒されたらどうするんだ?」ガシッ



亜里沙「あ…………っ」





P「…………」



亜里沙「…………」



P「…………」



亜里沙「…………」



P「…………」



亜里沙「…………」







亜里沙「……え、ええと、あんまりおねえさんをからかっちゃダメ、だよ?」



P「……さんざん俺をからかっといて言う台詞かよ、まったくもう。はいはい、俺が悪かったよ。よいしょ……はい起きた起きた」ゴソゴソ



亜里沙「あ、うん」コクコク



P「でも、ホント、少しは気をつけてくれよ? 亜里沙は少し警戒心がなさ過ぎるからなあ」



亜里沙「うん、ありがとう」コクコク



P「じゃあそこまで送ってくから」



亜里沙「あ、大丈夫。ひとりで帰れるから」コクコク



P「いいからいいから」



亜里沙「いえいえ結構」コクコク



P「いえいえ御遠慮なく」





――――――――――――――――――――――――――――――――





P「…………」テクテク



亜里沙「…………」テクテク



P(……やりすぎた)ガビーン

亜里沙「……ねえ、Pくん」



P「んっ?」



亜里沙「…………ごめん、なんでもないや」



P「…………ああ」



P(もの凄い罪悪感)ドヨーン





P(とはいえ、昔のままだったこの距離感は、どの道修正しとかなきゃいけなかったからなあ)



P(……やり方はマズかったけど)





――――――――――――――――――――――――――――――――





キーン、コーン、カーン、コーン、





P「すべりこみセーフ……ふぅ」



P(はあ……昨日は気まずかったなあ。おかげで遅刻ギリギリまで時間ずらして登校することになった)



P(いや昨日もギリギリだったけど)



P(でも、いつまでもそうしているワケにもいかない……昼にでも会って、言うこと考えておかないと)テクテク







亜里沙「はぁ、はぁ……あ」バッタリ



P「…………あ」バッタリ







亜里沙「…………」



P「…………」







P(まさか亜里沙も同じタイミングなんて――!)ガビーン

P「お…………おはよ」ドキドキ



亜里沙「う、うん……おはよう」ドキドキ



P「……今日も遅いな、遅刻すんなよ?」



亜里沙「そっちだって……二日続けて遅いじゃない」



P「いやいや、今日は早く起きたんだって」



亜里沙「じゃあなんで今頃登校したの?」



P「それは……」





P(墓穴だコレ)





P「じゃ、じゃあまた……後で」スッ



亜里沙「あ…………まっ」







亜里沙「待って!!」







P「…………!」





亜里沙「その、あの。後で――」







                 ――今日の放課後、あいてる?

きいっ、きい、





亜里沙「昔と一緒じゃ――ないんだね」



P「――ああ」





きいっ、きい、





亜里沙「ずうっと――Pくんのおねえさんだと思ってたんだけどな」



P「…………」



                               

亜里沙「最近、みんな訊いてくるの。Pくんとどんな関係なの、って」



P「なんて答えるんだ?」



亜里沙「なんて答えるでしょう? ふふっ」





P「――『ただの幼馴染』」



亜里沙「せいかーい」



P「えらくアッサリと……」



亜里沙「だって」





亜里沙「そういう風に我慢してきたもん」





きいっ、





P「…………」



亜里沙「……………………」





――――――――――――――――――――――――よっしゃー、イチバンのりー!!





P(近所の子か……)





亜里沙「…………ちょっと、こっち」



P「え? ど、どうした?」



亜里沙「いいからいいから」グイグイ

――――――――――――――――――――――――――――――――ミンナソロッタカー?



――――――――――――――――――――――――――――――――オー!!





P(亜里沙は、一本の立ち木の裏側に俺を引っ張っていった)



P(木の幹は太く、こちらが気づかれる可能性は低いだろう)



P(『あの時』みたいに)





亜里沙「ふう、相変わらず人気者ね、あの子」



P「ああ、あの男の子がその――」



亜里沙「正解ウサー」クスッ



P「隠れる必要はあったのか?」



亜里沙「だって、私はみんなのお姉さんなんだから。Pくんと一緒にいるところ見ちゃったら、きっとがっかりするもの」



P「……そうかな」



亜里沙「そうよ。ここなら、見つからないわ――ふう……ぅ」



P「? どうしたんだ?」



亜里沙「ちょっと、待ってて――ふー、はー」







亜里沙「うん、できた、覚悟」







ぎゅう――っ、





P「――――っ!!」

亜里沙「――ホントは、済ませてきたはずだったんだけどね。ふふっ」ギュウ…

P(亜里沙の声は、俺の心臓に押し当てられた唇から、血潮のように全身へ伝播した)



P(改めて――小さな体だと思った。互いの顔は、見えていない)





亜里沙「ねえ、ここ、覚えてる?」



P「――ああ、覚えてる」



P(忘れるはずもない)



亜里沙「そう、よかった」クスッ





亜里沙「初めてキスした場所で――けじめ、つけたかったから」





P「あり、さ…………?」



亜里沙「ずっとね、思ってたんだ。『イマ』がずうっと続けばいいって。昔にした約束は――」



――ぎゅっ、



亜里沙「――約束は、Pくんのお嫁さんになる約束は、遠くに在るままで。私はいつまでも『お姉さん』で、Pくんはいつまでも私のそばでちょろちょろしてて」



亜里沙「何も変わらないまま、何も決まらないまま、過ぎていけばいいって思ってた」



P(でも、そうはならない)



亜里沙「でも、そうはならないね。Pくんは私よりおっきくなってて、私が面倒みる必要なんかホントはなくて。そして――」



亜里沙「Pくんはもうすぐ18歳になって、約束は――『こどもの頃のお話』になっちゃうの。だから、その覚悟」

P「亜里沙……」



亜里沙「薄々気づいてはいたの。でも、Pくんに注意されたとき――いっきに現実味が、ね」



P「――昨日の?」



亜里沙「うん……Pくんにとって、私はもう心配される側で、『お嫁さんにする』なんて無茶を言うような相手じゃなくなってたんだ。当然、約束も、今となっては時効なのかなって」



亜里沙「答えが出るのがこわいの。関係が変わるのが、怖いの。ずっと――微温湯に浸かっていたかったんだけど。やっぱりダメだね」



P(徐々に震えていく亜里沙の声音は、俺の胸元が濡れていく速度に綴れていた)



亜里沙「他愛もないことなのに、本気にしちゃ、いけないのに――」





亜里沙「期待、しちゃうんだもん…………!!」





P(公園の誰にも気づかれていないから、声は小さかったのだろう)



P(でも今の俺には、どんな大音声よりも響き渡る叫びだった。過去現在の亜里沙の葛藤が、互いを呪いのように縛った)





P(呪いならば――解き放たなければならない)





亜里沙「だから、もう、ありもしないことに期待するくらいなら……いま、断ってくれれば」











P「好き勝手言うんじゃねーぞ」









ぎゅっ!!

亜里沙「あ……んんっ、P、く……ん?」



P「黙って聞いてれば――これが、俺の答えだ」ギュー



亜里沙「あ、あの、これ……って、その――」



P「お互い、勘違いしてたみたいだな。『約束は昔の話だ』って」



亜里沙「…………!」



P「18歳まであと1年――あと1年までまでこぎつけたんだ」





P「……今更、放すものか」ギュウッ



亜里沙「P、くん……っ」ポロ、ポロ





亜里沙「ばかぁ……私、ありさお姉さん、人気ものっ、なんだよ? みんな……ひっく、みんなからぁ、こくはく、されてるんだよっ?」



P「……知ってる」



亜里沙「あと1年……どうなるか、知らないんだからね……っ、うっ、んんんっ、ん……」グスッ



P「じゃあ、予約だ――亜里沙」



亜里沙「あ…………ん」





――ちゅうっ、



亜里沙「んむ……ぁ」



亜里沙「んっ、んちゅっ、はむっ、ん――はぁんっ、ん……………………ぷは――ぁ」トロ…ぉ





P「……これで、足りるか?」



亜里沙「ふぁ、はぁ、はぁ、はっ、あ……ふぅ、は……ぁ」トクン…っ



ぎゅう〜〜〜〜〜〜っ、



亜里沙「たりないの、もっと……もっとぉ、シて――きゃ……ぁ」

P(俺は勢いに任せ、亜里沙の小さな体を木の幹にはりつけにしながら、『予約』を繰り返した)





――――はぁん、んちゅっ、んっ、あむっ、んん………………ぷはっ、あ、ああ……っ、



――――も、もう、どさくさにまぎれて、分かるんだからっ、その……むね、さわっちゃ……んっ、んんっ!!



――――んっ、んむっ、あんむ…………、や、やらぁ……ひざ、だめ……ぇ、あしひらいちゃうから、だめ、なんだから……ぁ、





P(その日はお互い真っ赤になって別れたけど――翌日からも毎日、『予約』は続いた)





――――お、おはよう……、P、せんぱい……、な、なに? なにか、ヘンかな……? 『外では』、いつもどおりが、いい? ふぅん――



――――だ、だめだよ、こんなトコ、運動部がすぐ……んんっ、ぁむ! んあっ、はぇろちゅ……ぅ、Pく、せんぱい ……ぃ!! 



――――ぷはっ、はぁ……ん、ふふ――私ね、みんなに言いたいんだぁ。Pくんは……はじめてキスした人で、これからも、Pくんだけだって……んっ、んちゅっ、ん……っ







P(外での関係はいままでと変わらず――でも、二人きりになれば)





――――ね、ねえPせんぱい? こっち、来て? うん、ベッド、のっていいから――――それっ!



ぽふんっ、



――――えへへ、こうして甘えてみるのも、新鮮かも。お姉さんじゃない私、Pせんぱいしか、知らないんだから――んっ、ふぁ……っ、



――――あっ、あっ、だぁめ、もっとぎゅーって、んん…………、でも、制服、シワになっちゃうね……



しゅる……っ、







              こんなの、ウサコちゃんにも、見せられないね……っ、ん、ああん…………っ





――――――――――――――――――――――――――――――――







亜里沙「ん〜、はじめてお会いしたときは、お互い社会人だったから他人行儀なところもありましたねえ」



P「うんうん」



亜里沙「でも、打ち解けていくうちに、おっちょこちょいだったりしてるところも分かってきて、おふざけもできるようになって♪」



P「ははは、面目ない……」



亜里沙「――――でもいまは、二人だけのときは、先生でも、お姉さんでもない、私を見せられるから……私たちが高校生だったら、まさにこんな風だったかも知れないですね」ギュゥッ



P「亜里沙――」



亜里沙「Pくん、いいえ……Pさん」トクン…っ





比奈「でも告白しときながら他のヒロインも同時に相手するの大変そうっスね」





P「え、これ同時進行なの?」



比奈「ギャルゲー風だとっスね」



P「どうしよう、俺はまるでゴミくずじゃないですか――ハッ!!」



亜里沙「…………」ゴゴゴゴ



P「い、いや、俺は悪くねえ!! 俺は悪くねえ!! 俺は――」





亜里沙「そこに跪きなさい!」









比奈「今現在、まさにこんな風っスからねえ〜。やれやれ」





のあ「……ちゃんちゃん」



おわり



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