2016年02月25日

大石泉「絶えて桜のなかりせば」






「ねぇ!ふたりとも!わたし、アイドルになりたいんだ!いっしょにアイドルになろうよ!」













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―――――事務所―――――





土屋亜子「ふぃ〜、今日のレッスンもきつかったな〜!」



村松さくら「きつかったねぇ……」



大石泉「こら、これくらいでへばらないの」



さくら「イズミン、体力あるね……!」



泉「そんなわけないでしょ、ペース配分を考えてるだけよ。2人共最初から飛ばしすぎなの」









亜子「そんなこと言うても……ねえ?」



さくら「うんうん!気合入っちゃうよねえ!」



亜子「なんてったって!念願の!」



さくら「ニューウェーブ初ライブが決まったんだもんねぇ!」



亜子「気合入れるなって方が無茶やでいずみ!」



泉「はぁ……空回りしちゃ仕方がないでしょ?」









さくら「まあまあ、ペースとかなんとかはまた明日にして!一緒にご飯食べに行こう?」



亜子「お!ええな!ええな!どこ行こっか?」



さくら「加蓮さんに美味しいハンバーガーのお店を教えてもらったんだけど、どうかな?」



亜子「おおっ!決まりや!ね、いずみ?」



泉「まったく……行くなら早く支度し……ってそうだ!さくら!宿題やったの!?」



さくら「へ?……しゅくだい?」









泉「ほら、明日までに提出の英語のプリント!」



さくら「……そ、そんなのあったっけ?」



亜子「やっとらんの!?ほら、先週の授業で出されたやつやって!」



さくら「……はっ!」



泉「はぁ……『一週間もあるから大丈夫だよぉ!』って言ってたのはどこの誰かしら……」



さくら「うう……」









さくら「か、帰ったらやるから!」



泉「前もそう言って、帰ったら疲れて寝ちゃったって、結局私が見せたでしょ!?」



さくら「そ、そうだっけ……」



泉「今日は寄り道はなし!帰って宿題やりなさい!」



さくら「そんなぁ〜!あ、アコちゃーん!」



亜子「さくら、今日は諦めよ?いずみ、けっこう怒っとるで?」コソコソ



さくら「はぁい……」









―――――翌日・学校―――――





亜子「いずみ、おはよー」



泉「おはよう。あれ?さくらは?」



亜子「それが、まだ来てないんよね。いつもはこの時間には教室にいるのに……」



泉「まさか……寝坊?……電話した方がいいかな」



亜子「うーん……あと5分待っても来なかったら……ってあ!噂をすれば!」



さくら「お、おはよう!イズミン、アコちゃん!」ゼェゼェ









亜子「どしたんそんな息切らしてー?寝坊?」



さくら「う、うん!昨日、宿題のプリントやったまま寝ちゃって、気づいたら朝になってて、だからまだ3割くらい終わってなくって……!」



泉「終わってないの!?帰ってすぐにやらないからでしょ!?」



亜子「ま、まあまあいずみ、ほら、さくら、アドバイスしたげるから、残ってるとこ終わらそ?今日はそのプリントから当たるらしいから、とりあえず埋めとかなきゃ!」



泉「まったく……」



さくら「ごめんねぇ……」









―――授業―――





先生「――――の構文を使い、ここは―――となる」



先生「じゃあこの問題、そうだな……村松、正しい前置詞はどれになる?」



泉「!」



亜子「!」



さくら「は、はぁい!」ガタッ









泉(さくら……)



亜子(確かあそこは自力で解けていたはず……)



さくら「……」



泉(……)ドキドキ



亜子(……)ドキドキ



さくら「……」



さくら「い、in……?」



泉(……)ドキドキ



亜子(……)ドキドキ



先生「正解だ、よくわかったな、座っていいぞ」



さくら「は、はいっ」ホッ



泉(……)ホッ



亜子(……)ホッ









―――放課後―――





亜子「いやぁ〜危なかったけどなんとか切り抜けたな!さくら!」



さくら「えへへぇ〜!2人のおかげだよぉ!」



泉「本当は1人の力でなんとかしなきゃいけないんだけどね……」



さくら「つ、次は必ず……」



泉「はいはい、そのセリフも聞き飽きたわ……」









亜子「さくらが当てられた時はどうなることかと思ったけど」ピピピ



亜子「ってあれ、メールや」



泉「私にも」ピピピ



さくら「わたしも!」ピピピ



泉「ってことは事務連絡ね。亜子、読んでくれる?」



亜子「ほいほーい。なになに……『トレーナーさんの都合により、明日のレッスン開始時間を13時から9時に変更します。やむを得ない用事がある場合は連絡をしてください』やって!」



泉「なるほど……」









泉「私は平気だけど」



亜子「アタシもええで!さくらは?」



さくら「うん、用事はないよ」



亜子「じゃ、大丈夫ですって送っとくな」



泉「ありがと」



さくら「……」



泉「……?」









泉「さくら、どうかした?」



さくら「え!?い、いや、なんでもないよ!ただ……」



亜子「ただ?」



さくら「朝、起きれるかなって……」



亜子「ありゃ」



泉「はぁ〜……あのね、さくら、それはアイドルとかそれ以前の問題よ?」



さくら「そ、そうなんだけど……」



泉「今日は早く寝ること!いい?」



さくら「はぁい……」









―――――夜・さくら自室―――――





さくら(はぁ……今日もイズミンとアコちゃんに迷惑かけちゃった……)



さくら(いつもより早くベッドに入ったけど寝れないよぉ……)



さくら(明日も迷惑かけちゃったらどうしよう……)



さくら(もし2人に見捨てられちゃったら……)



さくら(……)



さくら「どうしよう……」









―――――翌日・レッスンルーム―――――





トレーナー「はい!それじゃあレッスンを……ってあれ?村松さんは?」



亜子「そ、それが……」



泉「すみません、まだ来ていないんです。携帯にも連絡がなくて」



亜子「多分、寝坊やと思うんですけど……」



トレーナー「そう……じゃあ、村松さんが来るまではストレッチと基礎レッスンをしておきましょうか」



亜子「は、はい」



泉「すみません……」









―――20分後―――





さくら「す、すみませぇん!!!」ハァハァ



亜子「さく」

泉「さくら!!!」



さくら「ご、ごめんなさい!」



泉「遅刻しちゃダメって言ったのに!トレーナーさんにも迷惑かけて!」



トレーナー「ま、まあ、時間変更も突然でしたし、まだレッスンも初めの方ですから……」



泉「でも!」



さくら「ごめんなさい……ごめんなさい……」



亜子「ほら、さくらも落ち着いてな?まずはストレッチから……」



さくら「うん……」









トレーナー「はい!1・2・3・4!そこでターン!はい!右!左!」



トレーナー「ストップ!」



さくら「……」ハァハァ



泉「……」ハァハァ



亜子「2人共……」ハァハァ



トレーナー「どうにも合いませんね……キリも良いですし、今日はここまでです。次回は遅刻しないようにね?」



さくら「……はい」



泉「ありがとう……ございました……」



亜子「あ、ありがとうございました!」









―――――事務所―――――





亜子「い、いやぁ〜、き、今日は上手くいかんかったなあ〜」



泉「……」



さくら「……」



亜子「な、なあ、今日は宿題も出てないし、何か食べ行かへん?」



泉「そんなことしてる余裕があるの……?」



さくら「……」ビクッ



亜子「いずみ……」









泉「そんなことしてたら、さくらはまた明日遅刻するかもしれないじゃない」



さくら「……ごめん」



亜子「いずみ!言い過ぎ」



泉「言い過ぎ!?事実でしょ!?もうライブも近いのに!」



亜子「そんな怒鳴らんでも……」









泉「いつもそうじゃない!さくらは!こっちの気も知らないで振り回して!」



さくら「……」



亜子「……」



泉「さくらが『アイドルやろう』って言ってきたから始めたんだよ!?なのに……」



さくら「イズミン……ごめん……」









泉「謝ってダンスが上手くなるの!?違うでしょ!?」



亜子「いずみ、落ち着いて」



泉「落ち着いてるわよ!そんな中途半端な覚悟じゃ、ライブなんてできるわけないでしょ!?」



泉「本気でやるつもりがないなら!」





泉「アイドルなんてやめちゃいなよ!!!」





さくら「!!!」









さくら「……」



さくら「なんで……なんでそんなこと言うの……?」



亜子「え?」



さくら「イズミンの……」





さくら「イズミンのばかぁぁぁ!!!!!」ダダダダ

ガチャ

バタン





亜子「ちょ!?さくら!?どこ行くん!?」











亜子「い、いずみ!言い過ぎやって!追いかけなきゃ!」



泉「平気よ、ちょっと頭を冷やしたら帰ってくるでしょう」



亜子「せやかてあの言い方は……」



泉「いつか怒らなきゃいけなかったの!」



亜子「さくらやって悪気があったわけやないし……」



泉「でも!」









ガチャ

鷺沢文香「お疲れ様です……?どうかしましたか?」



文香「泉さんと亜子さんが言い争っているのは初めて目にしますが……」



亜子「あ、文香さん!」



泉「別に、何でもないです」



文香「そんなはずはありません、何かあったのでしょう……?」



文香「遠目にですが、さくらさんが走っているのも目撃しました」



亜子「!」



文香「第三者だからこそ……何か力添えができるかもしれません……。話してみてはくれませんか……?」



泉「……」



亜子「……」



泉「ふぅ……」



泉「実は……」









文香「なるほど……さくらさんにそんなことを……」



泉「でも……さくらが……」



亜子「……」



文香(ふむ……)









文香「“世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし”」



亜子「へ?」



泉「……?」



文香「“在原業平”という名前を聞いたことはありますか?」



泉「き、聞いたことくらいは……」



文香「この詩は彼が詠んだとされるものです」









文香「これは桜の花についての詩です。では、桜はいつ咲くか、わかりますか……?」



亜子「そりゃあ、春……ですよね?」



文香「では、今年の桜は何月の何日に咲きますか?」



泉「……そんなのわかりません。毎年違うんですから」



文香「その通りです……だから、私たちは春が来る度に、“いつ桜が咲くのか”と胸躍るのです」









文香「では、散る日時はわかりますか?」



泉「……」フルフル



文香「そうですね、いつ咲くのかわからないように、いつ散るのかもわかりません」



文香「つまり、春の人の心は、桜が咲くまでは“いつ咲くのか”咲いてからは“いつ散るのか”と、騒ぐばかりなのです……」









文香「先ほどの在原業平の詩の直訳は『もしこの世に桜が存在しなければ、春を過ごす人の気持ちは穏やかなものだったろうに』となります」



亜子「……」



泉「……春に桜はいらないということですか?」



文香「……いいえ、その反対です」



泉「……」









文香「在原業平は桜を愛していたのです……。今の直訳を逆説的に取ると、『春の人の心をこれだけ動かせる桜はやはり素晴らしいものだ』となります」



文香「ただ咲き、ただ散る。ただ花として当たり前のことをするだけで人々の心を動かすことができる……。そんな桜の魅力を存分に表した名歌と呼べるでしょう……」



文香「さて……お二人はどう思いますか……?」



亜子「……」



泉「……」



文香「春に桜は必要ありませんか……?たとえ、それによって何か気をもむこととなっても、振り回されることになっても……」



文香「お二人は、そんな桜に魅力を感じたからこそ、共に歩く決意をしたのではありませんか……?」



亜子「!」



泉「……!」









文香「桜の開花を間近で見ることができる……そんな特等席にいるのですから、手放してしまってはもったいないですよ……?」



亜子「文香さん……」



泉「……そうだ、なんで私は……」



泉「さくらとだから……3人だからって決意したのに……」



泉「私は……私は……!」



文香「……まだ間に合いますよ」



泉「!」



文香「伝えたい言葉があって、伝えたい人がいるのなら、遅いなんてことはありえません」



泉「……」



泉「ありがとう……ございます……!亜子!行こう!」



亜子「うんっ!」









ガチャバタン

ダダダダダダ





文香(羨ましい……限りです……。私にも……いつか……)



ガチャ

宮本フレデリカ「おっつー!今ね!今ね!アコちゃんとイズミちゃんがすっごーい勢いで走って行ったんだけど、文香ちゃんなんでだかわかる!?」



橘ありす「フレデリカさん!いきなり大声出しすぎです!話し合いとかしてたらどうするんですか!」



文香「あら、二人とも……ふふっ……そういう気分だったのではないでしょうか」



フレデリカ「ふーん?そういうものなのかな?ありすちゃん!私たちも走る?」



ありす「橘です!今レッスン終わったところなのに何で走らなきゃいけないんですか!」



フレデリカ「つれないな〜」



ありす「そういう問題じゃないです!」



文香「お二人は仲がいいのですね……」



ありす「なっ!そんなわけないじゃないですか!」



フレデリカ「文香ちゃんも気づいちゃったかー。この前なんて、一緒に電器屋に行ったんだよ!」



ありす「あれはフレデリカさんが無理やり連れて行ったんじゃないですか!」



フレデリカ「ありすちゃんったら、文香ちゃんがデザインした商品を即決で買ってて……」



ありす「わー!!!わー!!!うるさいです!!!」



文香「ふふふ……」









フレデリカ「今度は文香ちゃんも一緒に、どこか行こうね♪」



文香「私……ですか……?お邪魔では……」



ありす「そんなわけないじゃないですか!むしろフレデリカさんが邪魔ですよ」



フレデリカ「ワオ!ツンデレ!」



ありす「デレてない!」



文香「……」



文香(私にも……いたのですね……)



フレデリカ「どーしたの?」



文香「いえ……では、どこへ行きましょうか」



フレデリカ「えっとねー!まずは今日の夕飯かな!」



ありす「まったく、無計画なんですから……」



文香(ふふ……)









―――――数分前・河原―――――





さくら「……」ハァハァ



さくら(飛び出してきちゃった……)



さくら(しかも……イズミンにひどいこと言って……)



さくら(で、でも、イズミンもひどいよね!)



さくら(アイドル……やめちゃえなんて……)



さくら「どうしよう……」









双葉杏「……こんなとこで何してんの」



さくら「!……杏さん!」



杏「……ケンカ?」



さくら「っ!?い、いえいえ、なんでも……ないです……」



杏「そんな腫れた目で言われてもねぇ」



杏「ま、怒るとしたら亜子より泉かな。何したのさ」



さくら「あ、あの……実は………」









杏「ふーん、さくらが悪いね」



さくら「うっ……」



杏「泉に迷惑かけて、泉が怒ったんでしょ?それじゃ謝るしかないじゃん」



さくら「それは……そうなんですけどぉ……」



杏「……」









杏「さくら」



さくら「は、はい……」



杏「さくらはさ、3人で、肩組んで、ヨーイドンで同時に一歩踏み出してこの世界に入ったんでしょ?」



さくら「……」



杏「じゃあ今、さくらの一歩と他2人の一歩は一緒になってる?ちゃんと3人並んでる?」



さくら「……」



杏「杏が見るにさ、泉と亜子がちょっと前を歩いてると思うんだ。さくらは引っ張ってもらうのを待ってる。でも、それは甘えって言うんじゃないのかな」



さくら「甘え……」









杏「3人を最初に見た時はさ?さくらが2人を引っ張ってるんだと思ってた。みんな、そう見えてると思う」



杏「でも、意外に、さくらは2人に引っ張ってもらってるんだよ」



杏「例えば、最初に2人をアイドルに誘った時、断られたらどうしてた?」



さくら「それは……1人でも……」



杏「本当に?2人を引っ張るつもりで、実は背中を押して欲しかったんじゃないの?」



さくら「……」









杏「アイドルなんてさ、顔も知らなかったやつとユニット組むこともあれば、何年も続いたユニットがある日突然なくなることもあるんだよ」



杏「そんな中、最初から知り合い同士で活動できるなんてとてつもないアドバンテージなのに、甘えるなんてもったいないよ」



杏「引っ張るとか、引っ張られるとか、そんな関係じゃないのがニューウェーブでしょ?」



さくら「!」



杏「迷惑かけたなら、それを、その差を埋めなきゃ」



さくら「杏……さん……」









杏「あー……たくさん喋って疲れたー……」



さくら「あ、ありがとうございました!」



杏「はいはい、早く行きなー」



さくら「はいっ!」タタタタタタタ



杏「杏のガラじゃないなぁ……まったく……」









緒方智絵里「あ、いた!杏ちゃん!」



三村かな子「お〜い」ブンブン



杏「んー」



智絵里「どうしたの?こんなところで」



杏「ちょっと悩める子羊にアドバイスをねー」



かな子「どういうこと?」フフフ



智絵里「なんだかんだ、面倒見がいいよねっ」



杏「どーでもいいよ。それより、疲れちゃった。事務所までお願いー」



かな子「はいはい」



智絵里「明日もお仕事、頑張ろうね!」



杏「まあ、それなりにね……」









亜子「な、なあ、目星はついとるんー?」



泉「全然!」



亜子「ええ!?」



泉「でも、走らなきゃ!とにかく!」



亜子「あてずっぽうなんー!?」









さくら(と、とにかく事務所に戻ろう!そして謝らなきゃ!)



さくら(って、事務所どっちだっけ〜!?)



さくら(えーっと、この道だっけ?)



さくら(あれ〜?)









泉「亜子!あそこの十字路は、どこに行くんだっけ!?」



亜子「ええ!?っと……左は行き止まり!真っすぐは公園で……右が川や!」



泉「じゃあ右に曲がろう!」



亜子「ちなみに根拠は!?」



泉「ない!」



亜子「もう!」









さくら(そうだ!この道は通った!)



さくら(このまま行って、あそこの十字路を左だ!)



さくら(そうだそうだ!事務所に帰れそう!)









泉(あそこを右に、あそこを右に……!)







さくら(あれを左、左、左!)







泉「ここを右!」

さくら「ここを左!」



バッ!!!



泉「あっ!!!」

さくら「うわっ!!!!」



亜子「ちょ!ってさくら!?」









泉「……」ハァハァ



さくら「……」ハァハァ



亜子「……」ハァハァ



泉「さ、さくら……ごめ」

さくら「ごめんなさい!イズミン!アコちゃん!」



さくら「わたし!いつも2人に迷惑かけて!それなのに全然反省しなくて……っ!」



さくら「これからは!本当に!絶対に頑張るから!だから……」



さくら「これからも3人でアイドルがしたい!!!」









さくら「……」



亜子「さくら……」



泉「さくら、私も、ごめんなさい。さくらのこと、全然わかってなかった」



泉「3人だからここまで頑張ってこれたのにね」



さくら「イズミン……」



泉「こちらこそ……これからもよろしくね」









さくら「イズミーーーン!!!!」バッ



泉「わっ!いきなり抱き着いて……ビックリするじゃない……まったく……」



さくら「ほら!アコちゃんも!」



亜子「せやなぁ!」ダキッ



泉「あ、亜子まで……」



亜子「まあまあ、ええやんええやん!」



さくら「ええやんええやん♪」



泉「もう……」フフフ



さくら「2人共、これからもよろしくね!」









―――――後日・レッスンルーム―――――





トレーナー「はい!1・2・3・4!そこでターン!はい!右!左!」



トレーナー「ストップ!」



トレーナー「いいですね!この前とは比べ物にならないくらいです!この調子ならライブも期待できそうですね」



さくら「わぁい!」



泉「油断しちゃダメよ?」



亜子「でも、褒められていずみも嬉しいやろ?」



泉「べ、別に……」



亜子「素直じゃないなぁ」



さくら「次行きましょー!」



トレーナー「はいはい」









トレーナー「それにしても、本当に息がぴったりですね……なにかあったんですか?」



亜子「ううん!でも……」



泉「ええ、桜の魅力を、もう一度見つけただけですよ」



さくら「?」



泉「ふふっ……さくらはそのままで……ね?」



さくら「うんっ♪」





おわり









08:30│大石泉 
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