2016年02月26日

モバP「みくが膝の上から降りてくれない」




―――







みく「〜〜♪」





P「……なぁみく」



みく「なーに、Pチャン?」



P「たしかに俺は、誕生日だから今日はなんでも言うこと聞くと言った」



みく「うん」



P「でもこれじゃ仕事ができない。分かるか?」



みく「甘ーいアメをアイドルにあげるのも、立派なプロデューサーのお仕事にゃあ」



P「そうかな?」



みく「そうだよ。ごろにゃん♪」



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P「…………」



みく「…………」





P「……退く気はないのか」



みく「え? ないよ?」



P「そうか」



みく「うん、だって誕生日だもん」



P「そうだな。改めておめでとう」



みく「にゃふ〜、ありがと♪」

P「ケーキ、美味かったか?」



みく「うん! あんなに甘くて美味しいケーキ、初めて食べたにゃ!」



P「そっか。そりゃよかった」



みく「どこで売ってたの? みくの好みにドストライクだったにゃあ」



P「口に合ってなにより。……そうだな、駅前の路地を行ったところにあるんだ、店」



みく「ふーん……? あんなところにケーキ屋さん、あったかにゃ?」



P「あったんだな、それが」

みく「また食べたいにゃー……。来年もお祝いしてくれる?」



P「おう、みくさえよければ」



みく「大歓迎にゃ! えっへへ、今度はPチャンにも食べさせてあげるね!」



P「うーん、それは勘弁。恥ずかしくて死ぬ」



みく「今の密着してる状況よりマシにゃ」



P「……まぁそうだな。で、退く気はない?」



みく「ないにゃあ?」



P「うーむ……」

みく「退いてほしい?」



P「できれば。誰かが帰ってくる前に」



みく「ふむふむ。じゃあこうするにゃ」



P「どうするにゃ」



みく「1回、ぎゅーって抱きしめてくれたら退いてあげる。それならいーい?」





P「本当に1回?」



みく「…………保証できかねるにゃあ」



P「ダメじゃん」

みく「だって、だって。Pチャンにぎゅってされたら……みくは、みくは……!」



P「い、いったいどうなるんだ……!」





みく「きっと安心して眠っちゃうにゃあ」



P「あぁドキドキするとかじゃないのか」



みく「なに言ってるの、既にもう心臓バックバクだよ? 正直破裂寸前にゃ」



P「じゃあ破裂の前に退きなさいな」



みく「絶対いやにゃ」



P「んもう」

みく「みくは自分を曲げないよ」



P「死ぬかもしれないのに?」



みく「Pチャンの腕の中で死ぬのなら本望にゃ……ばたり」



P「よし、死んだか」



みく「……『よし』はさすがにひどいと思うにゃあ」



P「生きてるじゃないか」



みく「百万回生きたみく」



P「なんだそのドヤ顔」

みく「こほん。みくはね? Pチャン」



P「どうした」



みく「百万回生まれ変わっても、Pチャンのこと忘れないよ」



P「大した根性だな」



みく「うん。百万回の人生、全部Pチャンのもとでアイドルになるの」



P「猫もストーカーする時代か」



みく「にゃっふふー。みくの肉球は音も立てずにPチャンを捕捉するのにゃあ♪」



P「ふふ、そうか。じゃあ俺も、百万回みくをプロデュースしなきゃな」



みく「うん、よろしくね!」

P「で、今は何回目の人生なんだ?」



みく「さぁ? 誰もそんなこと分かんないにゃ」



P「そりゃそうだ」



みく「あと百万回、膝の上に乗せてくれたら思い出すかも?」



P「1日1回だとして、何年かかるんだそれ」



みく「待って、計算してみる……えっと、1年を365日として――」



P「ほら、電卓」



みく「ありがと。……んーと」







みく「約2740年」



P「2740年」

みく「…………」



P「…………」



みく「化け物かにゃ?」



P「どうあがいても無理だな」



みく「頑張ればいけるにゃ!」



P「妖怪じゃないか」



みく「猫又みくにゃんにゃあ」



P「俺は人間でいたいぞ」

みく「百万回は無理でも、できる範囲でお願いしたいにゃあ」



P「膝に乗せないって選択肢は?」



みく「……あってもいいけど、泣いちゃうよ? 道端の子猫チャンみたく泣くよ?」



P「…………無いようなもんか」



みく「えへへー。だからPチャン好きにゃ♪」



P「へいへい」

みく「Pチャン。これからもみくのこと、よろしくね」



P「うん」



みく「また今日みたいなワガママ、言っちゃうかも」



P「いいよ。みくが幸せなら」



みく「あ、あう……。み、みくもPチャンが幸せになるなら、なんだってするにゃ!」



P「じゃあ退いてくれ」



みく「それは無理な相談にゃ」



P「無理かー」

みく「みくの幸せは、Pチャンの膝で丸くなって眠ることにゃ。譲れないよ!」



P「ちり紙みたく丸めてやろうか」



みく「グシャグシャになっちゃうにゃ……。もっと優しく扱ってにゃ、女の子なんだよ?」



P「女の子はみだりに男性の膝に座らないぞ」



みく「にゃあにゃあ、みくはかわいいかわいい猫チャンだにゃあ♪」



P「どうしろってんだ」



みく「女の子扱いと猫チャン扱い、いーとこ取りしてほしいにゃ」



P「難しいことを……」

みく「簡単だよ。Pチャンが、みくのこと大事にしてくれるだけでいいの!」



P「大事に、ねぇ」



みく「だから、いつも通りでいいのにゃ。いつものPチャンが、みくは好きだから」



P「……好き好き何度も言わないでくれ。照れる」



みく「みくも恥ずかしいけど、誕生日だから特別大サービスにゃ。……もっと言っていい?」



P「ダメ」





みく「Pチャン大好きにゃあ!」



P「ダメって言ってるだろ!」

みく「みくは気まぐれな猫チャンだから、今日はPチャンの言うこと聞いてあげなーいっ♪」



P「おー、そうかそうか……。ならこっちも考えがある」



みく「にゃ?」



P「実は、ケーキの他にも用意してた物があったんだけど……言うこと聞かないってんなら、いらないよな?」



みく「え、え? なんのこと?」





P「ハンバーグ」



みく「え」



P「しかも手作り」



みく「にゃっ……!?」

P「いらないなら俺1人で食べちゃおうかなぁ?」



みく「――――」



P「なぁみく? いらないのか?」





みく「にゃ、にゃあ……にゃ、にゃぅ、にゃお……!?」



みく「にゃう! にゃーにゃ、ふにゃあっ、にぃー、にぃー!」





P「……ショックで人語が話せなくなってしまったようだ」

みく「ぐすっ」



P「食べたいんだな?」



みく「にぃ……」



P「言うこと聞く?」



みく「にゃ……。うん、きく」



P「よし。……じゃあ今晩、内緒で寮に持ってってあげるから。おとなしく待っててな」



みく「うん、……うんっ! 楽しみにしてる、待ってるにゃ!」

P「ふふ、切り札を用意しててよかった」



みく「手作りハンバーグなんて、言うこと聞かざるを得ないにゃあ……。Pチャン、策士にゃ」



P「切り札ついでに教えておこう」



みく「へ?」



P「バースデーケーキ、あれな……」



みく「うん」





P「あれも手作りだ。どこにも売ってないぞ」



みく「にゃ――!!?」

P「いやぁ、あそこまで喜んでくれて俺も嬉しいよ」



みく「にゃあ、にゃあ……!」



P「あれ? みく?」





みく「にゃう、にゃー! ふにゃーお! にゃんにゃんにゃー♪」





P「あぁ、また言語能力が……。というかいい加減ほんとに退いてくれないか? もう脚が痺れて……」



みく「みゃーう、にゃう〜♪」スリスリ



P「ダメだ聞いちゃいない……。しょうがないなぁ、もう」ナデナデ…







みく(Pチャンの膝の上は、ずーっとみくのものにゃ♪)







おわり



17:30│前川みく 
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