2016年03月10日

みちる「一面の強力粉世界」






モバマス・大原みちるのSSです。

アイプロ前日譚。











SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457248220









事務所・休憩所







みちる「……」モグモグ



みちる「……」モグモグ



みちる「…………」



みちる「……」モグモグ







P「何ソワソワしてるんだ?」



みちる「あ、お疲れ様です。えへへ」







みちる「だってノルウェーですよ、ノルウェー! 楽しみですね!」



P「あー、まあそうだよな。海外のお仕事だもんな。準備は大丈夫か?」



みちる「はい! 荷物とかはたぶん大丈夫です! あと、少しでも向こうの情報を知っておこうと」バッ



P「うわ、付箋いっぱいだな」



みちる「滞在時間あまり長くないって聞いてますし、大事にしないと!」



P「気合い入ってるんだな」ナデナデ



みちる「えへへ! ……パン食べます?」



P「ん、ああ、もらおうかな」



みちる「はーい」ゴソゴソ









* * * * *







もぐもぐ。

フゴフゴ。







P「ちょっとそれ、見せてもらっていいか?」



みちる「え? えーと……まあ、はい、いいですよ!」



P「?」







パラパラ







みちる「えっと、このへんとか! ほら街並みもキレイですよ!」フゴフゴ



P「……おお、ベルゲンの家々か。ノルウェーはオーロラだけじゃなくて街も素敵だな」



みちる「でしょう! アクセサリーとか雑貨のお店も結構あるし、市場なんかも充実してるって書いてあります!」



P「これは撮影の合間も楽しみかもしれないな」



みちる「そうですね!」フゴフゴ



P「まあでも注目はやっぱり」



みちる「パンですね!」



P「だよなぁ」



みちる「北欧でも特にパン食が有名で! 日本とは違ってフラットブレッドのような乾燥したやつが主流らしいんですけどそれ含め、やっぱりその、あたしといえばパンですし!」



P「そうだな、そうだな」ナデナデ



みちる「えへへ」











杏「オーロラかぁ。なんだっけ、”鉄のカーテン”だっけ」



比奈「”光のカーテン”でしょ」



杏「そう、それそれ」



心「物騒な間違え方はやめろ」



杏「てへぺろ☆」









* * * * *







P「この日はみんなで街を周って、あとこのへんの時間はたぶん余裕あると思うぞ」



みちる「そうですか! じゃあえっとこのパン屋と、あとこっちのお店も! 街の中心からも近いんですけど……行きませんか?」



P「おう、いいよ」



みちる「ありがとうございます!楽しみですね!」パアア



P「ふふっ、そうだな」







P「ん、こっちの付箋と”レイナちゃん”ってメモは?」



みちる「あ、そのへんはあんまり見ちゃだめです!」







“肇ちゃん 好きそう”



“レイナちゃん 誕”



“幸子ちゃんの”







P「……ああ、一緒に行くみんなの好きそうなものとかもチェックしてるんだな」



みちる「えっと、はい、まあそんな感じで」エヘヘ



P「隠さなくたっていいじゃないか、素敵なことだ」



みちる「なんか照れくさいじゃないですか!」



P「付箋にメモ書き、赤マーカーまで入れて、やる気満々だな」



みちる「や、やめてくださいよー」













P「でもちょっと意外だな。みちるがこう、みんなに気を配ったりしてるの」



みちる「そうかもです。でもその、えっと、せっかくだしみんなとも仲良く、いい時間にしたいなーなんて」



P「うんうん」







みちる「肇ちゃんは焼き物とか好きだって聞いて、一緒に回れるところあるかなとか」



みちる「レイナちゃんはちょうど誕生日が5日なので、何かプレゼントとかしたくて」



みちる「あと、幸子ちゃんは、合流が遅くて街を回れないみたいなんで、その、何か買っておいてあげたいなと」







P「……」



みちる「……変ですかね?」



P「みちるがパン以外のことにここまで一生懸命になるとは……」ホロリ



みちる「あはは! あたしを常にパンのことしか考えてない子みたいに思ってましたか?」







杏「(思ってた)」



心「(まあ思うよな)」







みちる「まあだいたいそうですけどね! あはは!」







比奈「(本人も自覚あったみたいっス)」



心「(しゃーない)」







みちる「でもあたしだって、みんなとの時間とか、そういうの、大切にしたいなと思うこともあるんですよ。ふふ」



P「……そっか」



みちる「はい」









* * * * *







P「ん、この光ポイントっていうのは?」



みちる「光ちゃんに相談したんですよ。レイナちゃんのプレゼント何がいいかなって。そしたらすっごい語ってくれまして。”麗奈はね、根は優しいいい子なんだ。ただちょっとイタズラが過ぎるというか。でもね、実は素直で……”って。ずっと語ってました。結局プレゼント何がいいかは決まりませんでしたけど」



P「はは」



みちる「仲良しって、いいなって思いました」ニコー



P「そうだな。……みちるだって、最近はいろんな子と交流あるだろう?」



みちる「はい、おかげさまで! 法子ちゃんとか晶葉ちゃんとか、他にもいっぱい。楽しいですよ!」



P「そっか、だからこそ、かな?」



みちる「はい。まあ、そういう感じです」



P「何かあれば相談に乗るし協力もするから、言ってくれよ?」



みちる「もちろん! 頼りにしてます!」







みちる「あ、そうだえーっと……」モゾモゾ



P「?」



みちる「……トロムソの街で、撮影後にプロデューサーと一緒に回りたいところがあるんですけど、いいですか?」



P「いいけど、何かあるのか?」



みちる「えっと……プロデューサーにも日頃のお礼をしたいって思ってて」



P「え、そんなのいいのに」



みちる「いえこれはやらせてください! それで、その」



P「うん」



みちる「買い物とかご飯とか行けるところをいくつか見ているので……えっと、一緒にぜひ!」



P「……うん。時間も取れると思うし、俺なんかでよければ、いいよ」



みちる「ホントですか! わーい、じゃあ計画しときますね!」



P「ふふ、楽しみだな」



みちる「約束ですよ!」ニコー









* * * * *







P「えーとトロムソっていうと、これにも載ってるかな……」



みちる「あーっその、プロデューサー! あたしそろそろ行かなきゃいけないんでこれで! ごめんなさい雑誌も」バタバタ



P「えっ、あ、うん、はい」



みちる「すみません、それじゃ失礼します! お疲れ様です!」ドタバタ







バタン







P「……?」







ガチャ







みちる「パン忘れた! えっと、あったこれ! あ、塩パンひとつあげます、どうぞ! それじゃ!」







バタン







P「……どうしたんだ一体」









* * * * *







法子「あ、プロデューサーお疲れ様! ドーナツ食べる?」



P「……ん、ああ法子お疲れ様。えっと、今は塩パンがあるから大じょ」



法子「塩パンかー! ならこっちのドーナツが合うよ! はいどうぞ!」



P「……法子のドーナツは何にでも合うんだなぁ」



法子「もちろん! だってあたしの選んだドーナツだよ?」











心「ああいう強さ見習いたいもんだわー」



杏「はぁとさんのごり押しも似たようなもんだよ」



心「今ごり押しって言ったかお前」









* * * * *







みちる「……ふぅ。あぶなかった」







ペラッ







“トロムソ”



“極夜の街の景色はとても幻想的でカップルにおすすめ!”



“二人で甘いひとときを過ごしちゃおう!”







みちる「(しっかりマーカー入れてたし……あぶなかった)」



みちる「……」///







ガブ



モグモグ







みちる「……ふふ」モグモグ











「はやくノルウェー行く日にならないかな」







みちる「!?」



裕子「そう、思っていますね?」



雪美「ノルウェー……うらやましい……」







みちる「え、ユッコさん? ……と雪美ちゃん?」モグ



裕子「そうです! 歌って踊れる超能力美少女サイキッカー堀裕子です!」ババーン



みちる「ちょっと肩書き多すぎないですか」



裕子「多くてダメってことはないからいいんです!」



雪美「ユッコ……かっこいい……」キラキラ



裕子「ほらね! 雪美ちゃん、もっと言ってくれていいんですよ!」









* * * * *







みちる「……それで、ユッコさんと雪美ちゃんはどうしたんですか」



裕子「海外レポのお仕事とうかがいまして」



雪美「ノルウェー……いいな」



みちる「え、はい」



裕子「うらやましいなと! 私たちも行きたいなと!」



みちる「えっ」



裕子「だけどそれは無理ですから。ですからおみやげよろしくお願いしますね!」



雪美「できたら……私も……」



みちる「え、あ、はい、それはもちろん」



裕子「みちるちゃんご存知ですか」



みちる「フゴッ?」



裕子「3月5日は麗奈ちゃんの誕生日ですよね。一緒にノルウェーお仕事の」



みちる「はい、えっと」



裕子「その約一週間後、3月13日はわたくし!堀裕子の!誕生日なのです!」ババーン



雪美「お祝い……しなきゃ……!」







みちる「……あ、ああ! なるほど!」



裕子「わかりましたか!」ムフー



みちる「わかりました! おみやげ期待しててください! 雪美ちゃんもね!」



裕子「わーい!」



雪美「うれしい……!」







ワイワイ









* * * * *







みちる「ユッコさんと雪美ちゃんって交流あったんですね」フゴフゴ



ユッコ「最近ですね。なんせ雪美ちゃんはペロさんと喋れるみたいなので! サイキッカーの素養がありますよ!」



雪美「ユッコ……このあいだ私の目の前でスプーン折ってみせてくれた……すごい力……」



裕子「そういうことです!」



みちる「(それ腕力じゃないのかな)」



裕子「海外は不安もあるでしょうけど、大丈夫! 信じる力とハートがあれば、きっとなんとかなりますよ!」



みちる「あ、ありがとうございます! ……パン要ります?」



裕子「いただきます!」



雪美「……ありがとう」



みちる「どういたしまして!」フゴフゴ



裕子「おいしいですね」モグモグ



雪美「♪」モムモム











心「”しゅがーはーとが、あなたのハートをブレイクショット!”ってキャッチフレーズ考えたんだけどどうよ?」



杏「はぁとさんがコークスクリュー当ててるイメージしか浮かばないけど」



比奈「たしかに相手の心臓は止まりそうっスね」



心「やめろ」









* * * * *







みちる「♪」



みちる「♪ ♪♪」







ジー







みちる「……うん、 OK!」







あら、ばっちり決まってるわね。



そうだな、今日もかわいいぞ!







みちる「えへへ! ありがとう!」







気をつけてね。



ちゃんと連絡するんだぞー。







みちる「はーい! 行ってきまーす!」









* * * * *







さあ行こう。



目指すはいざ、北欧の大地。







予報では、向こうは結構な雪だとか。



一面の銀世界?



いや、きっとあたしには、



それは一面の強力粉の世界。



なーんて。



ふふっ。







おいしいとか。



たのしいとか。



うれしいとか。



そういうのをいっぱい、いっぱい、



みんなとできますように。







みちる「お待たせしましたー!」





おわり



23:30│大原みちる 
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