2014年04月23日

モバP「そう言えば志希はどんな研究してたんだ?」

志希「ん? どうしたの急に?」 



モバP「いや、ふと気になってな。もっとも、俺みたいな素人が聞いたところでまったく分からないくらい難しい内容なんだろうが」



志希「そんなことないと思うけど? とゆーか、それじゃまるであたしが説明ベタみたいじゃない?」





モバP「あ、悪い悪い。そんなつもりじゃなかったんだ」



志希「じゃあ聞きたい? そりゃやっぱり聞きたいよね〜?」



モバP「ああ、聞きたい聞きたい。是非聞かせてくれ」



志希「にゃっはっはー♪ もーキミは仕方ないなー♪」



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志希「あたしが研究してたのはねー! ずばり、『再昇華チオチモリンの吸時性』についてだよ!」



モバP「うっ……いきなり難しそうな言葉が出てきたぞ」



志希「にゃははー♪ それについてはこれから説明していくからさー!」

志希「まずは、チオチモリンって物質についてからだねー」



モバP「ああ、頼む。なるべく簡単にな?」



志希「一応きーてみるけどー、チオチモリンって今までにきーた事ある?」



モバP「いや、ない。初めて聞いた名前だ」



志希「うんうん、そうだよねー♪」

志希「んーと、まずこの物質はRosacea karlsbadensis rugoってゆー低木からしか採れないんだ」



志希「少なくとも14個のヒドロキシ基と2つのアミノ基、それにスルホ基を1つ持っていて……」



モバP「ちょっ、ちょっと待て。いきなり専門用語だらけになったぞ」



志希「え〜? でも今の話なら高校の化学で習うんじゃない?」



モバP「……そんな昔のことは忘れたよ」

志希「もー……じゃあもっと簡単にざっくりゆーと、チオチモリンって分子を構成しているパーツは大体分かってるんだけど、全体でどーゆー形なのか、それはまだよく分かってないんだー」



モバP「へー。ということは、志希はそれがどんな形なのかを研究していたのか」



志希「それは別のチーム! あたしが研究してたのはもっと別のこと!」



モバP「あ、そうなんだ」



志希「うん、そーなのー♪」

志希「でも構造は分からなくても、チオチモリン分子には面白い性質があってねー♪ チオチモリン分子の一部が四次元的に広がっているみたいで、他の化合物には見られない特別な……」



モバP「志希……」



志希「あー、はいはーい……。まあ、その四次元的な構造があるから、チオチモリンは水にすっごいよく溶けるんだよ!」



モバP「ふーん……って、え? それだけか?」

志希「もちろんただそれだけじゃないよー! チオチモリンが特別なのはちゃんと理由があってねー♪」



志希「なんと、あまりに水に溶けやす過ぎて、水に入れる前に水に溶けてしまうのだー♪」

モバP「ん? いや、なんか変なこと言わなかったか? 水に入れる前に溶けるって意味が分からないぞ?」



志希「つまりねー♪ こういうことー♪」



モバP「おい!? 志希!?」



志希「ん〜〜♪ 抱きつこうと思った時にはもう抱きついてる、みたいなー♪」



志希「嗅ごうと思った時にはもうハスハスしちゃってるんだよね〜♪」



モバP「ちょ、こんなとこ誰かに見られたらヤバいだろ! 分かった、分かったから」

志希「にゃふふー♪ あー、あともーひとつあるかなー?」



モバP「ん?」



志希「入れようと思ったら、もう出てる〜?」



モバP「俺はそんなに早くねえよ?!」

志希「にゃははー♪ まあ速いっていっても、そこには男女差があるからねー!」



志希「キミとあたしなら、やっぱりあたしの方が速いのかなー?」



モバP「ちょっ、だから志希さん、そんなスリスリしないで! ていうかそういう話もやめて!?」



志希「そういう話ー? 何のことー?」



志希「もっちろんチオチモリンが水に溶ける速さの話だよー♪ 面白いことに男性より女性が実験した方がよく溶けるんだよねー♪ ところでキミはいったい何を想像してたのかなー? あたし気になるなー?」

モバP「あーもうっ! 分かった分かった! ほら、上着貸してやるから! だから離れよう、な?」



志希「うー……1週間?」



モバP「1日」



志希「5日間!」



モバP「3日」



志希「……仕方ないなー! 今回はそれで妥協してあげるよー」

モバP「まったく……間違っても他のアイドル達の前でこんなことするなよ? ただでさえ怪しい目で見られてるんだから」



志希「もー、いくらあたしだってそこまで無分別な変態だったりしないよー?」



志希「それに、これでキミの匂いを再現できれば、そう頻繁に摂取しなくてすむようになるかもしれないしー♪」



モバP「はぁ……もう頼むから満足することを覚えてくれよ……」

志希「それはあれだね、えっと、むーりぃー……?」



モバP「似てねぇな」



志希「ひどー!」



モバP「っと、よし、じゃあそろそろ閉めるか」



志希「あ、ちょっとー! まだあたしの研究の話が終わってないよー!」



モバP「ちっ、騙されなかったか」

志希「それでねそれでねー♪ さっきもちょこっと話したけどチオチモリンの溶け方は面白いんだよー♪」



モバP「どう面白いんだ?」



志希「一種の未来予知みたいな現象が起こるんだよねー! どれくらい溶けるかは、実験する人とそのときの状況によるんだー!」



モバP「はいはい、わかりやすく頼むな?」

志希「つまりー、実験する人が『よし、絶対に溶かすぞ』と強く思うと、よく溶けるんだよ。すごいときはスプーンを持っただけで溶けちゃうんだよー!」



志希「逆に、『溶かそうかなどうしようかな』って迷いがあると、あんまり溶けなくなるんだよ。これってすっごい面白いよねー♪」



モバP「ああ、うん。確かにすごいな、うん」

志希「もー! さっきから真面目にきーてないよね、キミー!」



モバP「いやいや、ちゃんと聞いてるさ。当然だろ」



志希「へー? とてもそーはみえないけどねー」

志希「まー、あたしがやってた研究が進めば、いずれそーゆー態度が通じなくなる時代がくるかもねー」



モバP「え?」



志希「ほら、チオチモリンが溶ける溶けないは、実験者の溶かそうとする意思の具合で変わってくるって言ったでしょ?」



志希「これを応用できれば、キミがどれくらいあたしの話を聞きたいと思っているのか分かるようになっちゃうかもねー♪」

モバP「そ、それは困るな」



志希「あれー困っちゃうのー? なんでなんでー?」



モバP「ああ、そんなことになったら……俺がどんなに志希の事が好きなのかも分かっちゃうってことだろ?」



志希「ぶはっ!」

志希「い、いきなりキミは何を……」



モバP「仕返しだ、仕返し。まったく、大人をからかった罰だよ」



志希「……あーもー、またそーやって誤魔化してー!」



モバP「はいはい、大人はズルいもんだ」



志希「あたしだって大人だよ?」



モバP「そうだな、うん。志希はもう大人だ」

モバP「さ、もう事務所閉めるから、出る準備をしてくれ」



志希「……あ、うん。じゃあ向こうの戸締まり見てくるねー!」



モバP「頼んだぞー」



モバP「こっちはよしっと……おっと、上着はあいつに貸す約束だったな」

志希「こっちは大丈夫ー!」



モバP「ありがとな、ほれ!」



志希「はい! ってキミの上着?」



モバP「三日間貸す約束だったろ? まだ外は寒いから着ていけよ」



志希「え、やだよ?」



モバP「やだって、お前……」

志希「だって着たらあたしの匂いが移っちゃうでしょー! ホントーは今すぐ密閉容器に保管したいくらいなんだよー?」



モバP「あーはいはい」



志希「あ、ちょっと!?」



モバP「ほら……こうすれば、内と外で匂いが混ざんないし、暖かいだろ」



志希「ぁ……あすなろ…………♪」

モバP「さ、ちょっと歩きにくいど、一緒に車まで行こうか」



志希「うん……」



おわり



08:30│一ノ瀬志希 
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