2016年03月15日

美希「おはようなの、伊織」伊織「おは……え?」


美希「?」



伊織「ああ、うん……お、おはよう……」





美希「?伊織ったら変なカンジなの」



伊織「……」



美希「いっしょにレッスン室いこ?伊織」



伊織「……そうね」





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美希「ぐへぇ〜、トレーナーさんキツすぎなの……」グデー



伊織「だからってソファーに寝転ばないでよ……」



美希「レッスンしたらお腹すいたの……」



伊織「そうね、そろそろお昼どきだわ」



美希「伊織はお弁当?」



伊織「……うん」



美希「そっかぁ。ミキはお外で食べてくるね?いってきま〜す」



伊織「はいはい、いってらっしゃい」



ガチャ,バタン…



伊織「……」





伊織「……ねぇ小鳥。今いい?」



小鳥「ん〜?作業しながらでいい?」カタカタ



伊織「ん、簡単なことだから」



伊織「美希って、いつも私のことなんて呼んでるっけ?」



小鳥「ん〜、だいたいデコちゃんじゃない?」カタカタ



伊織「やっぱり?」



小鳥「え?うん」カタカタン



小鳥「よしっ、一段落ついたぁ」



伊織「お疲れ様」



小鳥「お買い物行ってくるけど、なにか欲しいものある?」



伊織「んー、別に……あっ」



小鳥「?」



伊織「あったわ、買ってきてほしいもの」













美希「ただいま帰還なの〜」



伊織「ん。おかえり」



美希「伊織何読んでるの?」



伊織「……こないだ出た雑誌の確認よ。私とアンタが載ってるやつ」



美希「ふーん。ミキはもちろんキラキラしてるけど、伊織もなかなかなの!!」



伊織「……当たり前でしょ」



美希「うんうん!さすが伊織なの!」



伊織「……」





伊織「……ねぇ」



美希「ん?」



伊織「今日は、デコちゃんって呼ばないの?」



美希「うん」



伊織「なんでよ?」



美希「……」



美希「だって」



美希「だって、ミキは伊織のことが好きだからなの」



伊織「……」



美希「伊織はデコちゃんって呼ばれるのイヤって言ってたでしょ?」



伊織「……」



美希「だから、好きな人が嫌がることはしたくないって、ミキ思うからなの」



伊織「……」



伊織「……なるほどね」





伊織「……」



伊織「私もアンタのこと、ううん、美希のこと好きよ」



美希「やったぁ!うれしいの!」



伊織「……」



伊織「別に、いいわよ。デコちゃんでも」



美希「……えっ?」



伊織「美希が呼びたいように呼んでいいわ。デコちゃんでも、伊織でも」





美希「で、でも……」



伊織「でも?」



美希「……デコちゃんって呼ばれるの、イヤじゃない?」



伊織「そりゃ、最初はイヤだったけど……」



伊織「でもね、私だってわかるわよ」



伊織「私のことバカにしてるからデコちゃんって呼んでるわけじゃないってことくらい」



美希「……うん」



伊織「だから、いいんじゃない?あだ名で呼びあうのも、信頼しあってるっぽくて」



伊織「それに、私のことを気遣って、今日の美希は変な感じで嫌だわ」



伊織「私も美希のこと好きだから、美希にはありのままの、私が好きな美希でいてほしいのよ」





美希「うん……。ありがと。デコちゃん」



伊織「でも、信頼しあうのはいいけど、過度の馴れ合いはダメよ」



伊織「トップアイドルを目指す上では、私たち仲間だけど、同時にライバル同士だから」



美希「もちろんなの!ミキ、負けないよ!」



伊織「ふふん、私だって負けないっての」



美希「あっ、でも……」



伊織「どうしたの?」



美希「デコちゃん自身は、なんて呼んでほしいの?」





伊織「……なんでもいいわよ、そんなの」



美希「えー?ミキ的には、デコちゃんの意思をソンチョーしたいってカンジなの」



伊織「……そういうアンタはどうなのよ?」



美希「?」



伊織「なんか呼んでほしい呼ばれ方とかないの?」



美希「うーん……」



美希「……」



伊織「なによ、やけに長考するわね」



美希「……やっぱり名前で呼んでもらえるのがいいけど、『アンタ』って呼び方もデコちゃんっぽくて捨てがたいの……」





伊織「なによそれ。いいのよ?あだ名とかでも」



美希「でも、あだ名で呼んでもらうならデコちゃんに考えてもらいたいの」



美希「自分であだ名を考えるのはなんか違うってミキ思うな」



伊織「ふーん。そういうもんかしら?」



伊織「あだ名……あだ名ねぇ……」



伊織「うーん……」



美希「ふふっ、デコちゃんもけっきょく考え込んでるの!」



伊織「うるさいわね……」



ガチャン



小鳥「ただいまー」



伊織「おかえりー」



美希「おかえりなのー」





伊織「どう?例のものあった?」



小鳥「ちょっと遠くまで行ったけどね。冷蔵庫入れとく?」



伊織「ううん、大丈夫。今食べるわ」



小鳥「了解。それじゃお皿取ってくるわね」



美希「なにか食べ物買ってきたの?小鳥」



小鳥「ふふっ、それはねー……」



パカッ



美希「わぁっ……!」



美希「イチゴババロアなの!」





小鳥「伊織ちゃん、『もしかして美希、何か嫌なことがあったのかも』ってすごく心配してて」



小鳥「それで私に買ってきてって頼んだのよ」



美希「デコちゃんありがとうなの〜!ミキすっごくうれしいの!」ギューッ



伊織「暑苦しいから抱きつかないでよ……」



伊織「まぁ、あんまり重大なことじゃなくてホッとしたわ」



美希「でも、デコちゃんがミキのこと心配してくれたのがすっごい感動なの〜!」



伊織「……」



伊織「まぁ、そんなに喜んでくれたならよかったわ」



伊織「食べながら、あだ名会議でもしましょ?」



美希「うん!とびっきり可愛くてラブラブなあだ名を考えるの!!」





おしまい



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