2016年03月15日

モバP「楓さんも怒ったりするんですか?」


無償ジュエル10連でSSR楓さんが遊びにいらしてくださいました

女神様への感謝奉納用SSだよ



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457160331







楓「えっ?」



P「あ、いえ、ふと思っただけなんですが」



楓「怒る……」



P「そういえば見た事無いかもしれないな、と思いまして」



楓「うーん……確かに、最近は怒った記憶がありませんね」



P「どんな時に怒るんですか?」



楓「そうですね……ええと……」



P「はい」



楓「…………例えば。お風呂を覗かれたりしたら、流石に怒るかもしれませんね」



P「…………あっ」





楓「プロデューサー」



P「はい」



楓「そういえば。スカウトされた時の話ですけれど。プロデューサー、覗」



P「申し訳ありませんでした……誠に……申し開きも無く……」



楓「……」



P「……」





楓「まぁ、過ぎた話ですから」



P「すみません」



楓「周りのみなさんは良い方ばかりですから。怒る機会がありませんよ」



P「楓さんもとても良い方ですよ」



楓「ふふっ、ありがとうございます」



P「……」



楓「プロデューサー?」



P「あ、はい」



楓「どうしたんですか?」



P「いえ、ええと」



楓「?」



P「……ちょっと、楓さんの怒ったところが見てみたいな、と思っただけで」



楓「……」



P「いえ、本当に思っただけですから」



楓「私は今、とても怒っています」



P「えっ」



楓「高垣楓、ぷんぷんです。おこです。」



P「……」



楓「こらっ。ダメですよ、プロデューサー……めっ」



P「……」



楓「……」



P「楓さん」



楓「はい」





P「その、非常に素晴らしいのは確かなんですが、何か違うような気もします」



楓「すみません」



P「いえ」



楓「じゃあ、プロデューサーが私を怒らせてはどうでしょう」



P「えっ」



楓「見たいのでしたら、私も協力したいですから」



P「いえ、しかし」



楓「さっき、見たいって言ってませんでしたか?」



P「その、まぁ」



楓「じゃあ、やってみましょう」



P「……」



楓「……」



P「……楓さんの、ばーか」



楓「……」



P「……」



楓「プロデューサー」



P「怒りましたか」



楓「今度、私と一緒にレッスン受けましょう」



P「俺、そんなに見込みありですか」



楓「いえ、逆です」



P「しかし、怒らせると言われても…………あ」



楓「?」



P「流石にこれなら怒るでしょう……楓さん」



楓「はい」



P「楓さん、お幾つですか?」



楓「そろそろ27になります」



P「……」



楓「……」



P「……そうでしたね」



楓「はい。事務所の公式サイトにも載っていますね」



P「載ってましたね」



楓「はい」



P「……あ、楓さん。そういえば」



楓「何でしょう」



P「誕生日プレゼント、ちゃんと用意してますから。楽しみにしててくださいね」



楓「あら……ふふっ、はい♪」



P「……いえ、そうではなくてですね」



楓「そうでしたね」



P「もっとこう、怒るような……あ」



楓「思い付いたみたいですね」



P「いや、しかし流石にこれは……もうセクハラの域に」



楓「怒りそうじゃないですか」



P「でも」



楓「まぁまぁ」



P「……楓さん」



楓「はい」



P「スリーサイズ、教えてください」



楓「81、57、83です」





P「……」



楓「……」



P「そうでしたね」



楓「はい。事務所の公式サイトにも載っていますね」



P「載ってましたね」



楓「はい。あ、そういえばプロデューサー」



P「なんでしょう」



楓「バスト、ほんの少しだけど大きくなりました」



P「…………そう、ですか」



楓「はい」



P「……そうですか」



楓「はい」



P「分かりました。これだけはすまいと思ってましたが、仕方ありません」



楓「おお」



P「楓さん」



楓「はい」



P「体重は、どのくらいで?」



楓「……」



P「……」



楓「……は、さっ、流石に恥ずかしいで、す……」



P「あ、その、ごめんなさい」



楓「……」



P「……」



楓「…………内緒、ですからね?」



P「え? あ、耳、はい」



楓「…………ぐらい……です」



P「……は、えっ?」



楓「最近はその、少し、お腹が」



P「え、いやいや171でしょう何ですそれ羽か何かですか。きちんと食べてますか」



楓「え、はい」



P「美味しいお店教えますから幾らでも奢りますから、お願いします死なないで」



楓「えっと、はい。死にません」



P「お願いします」



P「なら、頑張って楓さんを馬鹿にします」



楓「はい」



P「楓さんの……」



楓「……」



P「楓さんの……」



楓「……」



P「…………」



楓「……」





P「すみません、ちょっとけなす点が見つからないです」



楓「優しいですね、プロデューサー」



P「楓さんには負けます」



楓「ふふっ」



P「分かりました。俺の負けです」



楓「よく分かりませんが勝っちゃいました」



P「いつか怒らせてみます」



楓「ふふっ、じゃあ、勝ったご褒美が欲しいですね」



P「え? うーん……」



楓「あっ! 美味しいお店で、奢ってくれるのなんて良いかもしれませんね♪」



P「あ、楓さん。それなんですが、今後は控えましょう」





楓「…………えっ?」



P「二人でお酒を飲んだりするのは、そろそろ」



楓「え…………」



P「楓さんは今や事務所の看板を背負う大人気アイドルになりました」



楓「…………」



P「そんなアイドルが、その、男と二人きりで飲むのは、非常によろしくないので」



楓「……あ…………」



P「俺も残念ですが……妙な記事など書かれては事務所にも影響が出てしまいます」



楓「……」



P「あ! お一人とか、アイドルのみんなと一緒に飲む分には何も問題ありませんから! 安心してください」



楓「……」



P「流石にお酒禁止なんて言われたら、幾ら楓さんでも怒りますよね、それこそ。ははは」





楓「……」











楓「……………………」









 ― = ― ≡ ― = ―



P「…………」



肇「あの、プロデューサーさん」



P「…………え、ああ、肇か……元気でやってるか?」



肇「はい。おかげ様で、とても楽しく」



P「そうか……アイツも口数は少ないけど良いやつだから、一緒に頑張ってな」



肇「はい。いえあの、私の話はいいのですが、プロデューサーさんはどうされたんですか」



P「……どうって、何が」



肇「私の目には今にも死んでしまいそうな様子に見えます」



P「仕事ならほら、ちゃんと出来てるし」



肇「その点この事務所の人たちは皆さん本当に凄いですよね」



P「だから別に俺はどうもして」



肇「楓さん、こんな事を言っていますけど」



P「……! あ、楓さん! 別に俺は」



肇「嘘です」





P「……」



肇「……」





P「別に、どうもしてないから」



肇「奈緒さんでも、もう少しましな嘘をつけますよ」





肇「楓さんと何かあったんですね」



P「何で楓さんに限定するんだ」



肇「あなたをここまで左右出来るのは、昔から楓さんだけです」



P「そんな俺を楓さん馬鹿みたいな」



肇「…………」



P「どうした?」



肇「いえ、別に」



P「……分かったよ。そうだよ、楓さんだ」



肇「まさかとは思いますが……喧嘩でもされたんですか」



P「いや、喧嘩と言うか……楓さんに嫌われたかもしれない」



肇「…………?」



P「いや、何言ってるんだコイツみたいな目で見られても」



肇「何言ってるんですかあなたは」



P「言われた」



肇「有り得ないですよ、だって楓さんは……」



P「だって?」



肇「…………いえ、うん。有り得るかもしれません」



P「どっちなんだ」



肇「胸に手を当ててよく考えてください」



P「肇が厳しい」



肇「それで、具体的には」



P「楓さんを怒らせちゃったらしくて……ほとんど口を聞いてくれなくなった」



肇「怒る……?」



P「ああ」



肇「優しさがお洒落してモデル歩きしてるような楓さんが」



P「多分」





肇「嘘はよくないです」



P「いや、嘘じゃないんだけども」





楓「……おはようございます」



P「あ、おっ、おはようございます楓さん!」



肇「……」



P「今日はですね」



楓「11時にiテレスタジオで収録。15時からKANTO-FMで打ち合わせですね」



P「…………あっ、はい」



楓「準備してきます」



P「はい……」



肇「……」



P「……」





肇「分かりました。夢です」



P「残念ながら寝ても覚めなかったんだ」





アーニャ「どうしましたか?」



肇「あ、アーニャさん。実はかくかくしかじかでして」



P「楓さんを怒らせてしまったらしいんだ」



アーニャ「……?」



P「いや、何言ってるんだコイツみたいな目で見られても」



アーニャ「о чем ты говоришь?」



P「すごい、何故かロシア語がわかる」



肇「心当たりは無いんですか?」



P「それが思い当たらなくてな……」



アーニャ「順番に、思い出しましょう」



P「うーん……」



肇「何か、少しでも変わった事があれば」



P「ヒールが折れて背負って帰ったアレは……違うか」



肇「……」



P「駄洒落を飛ばしたら予想外に受けたのも……悔しそうではあったけど」



アーニャ「……」



P「アレか、服屋で試着した服を褒めたら中身を褒めてくれって言われた一件かな……でも随分前だし」



アーニャ「プロデューサー」



P「ん?」



肇「私達も怒っていいでしょうか」



P「何で」



P「後は二人で飲むの控えようって話とか……他には……」



肇「……ちょ、ちょっと待ってください」



P「え?」



肇「それ、どういう話なんですか?」



P「いや、単に楓さんも人気出て来たし俺と二人で飲むのは色々と良くないねって話」



アーニャ「……アー…………」



肇「…………」



P「何だろう……持ってくる仕事が多過ぎるとかかな……」



肇「馬鹿デューサーさん」



P「……」



肇「馬鹿デューサーさん」



P「あの、肇……ひょっとしてそれ、俺?」



アーニャ「バカデューサーは、おばかさんですね」



P「俺だった」



肇「何で最初に言わないんですか」



P「え、いや、確かに飲む回数は減るかもしれないけど……飲み自体を禁止はしてないし」



肇「その減る回数が問題なんですってば」



P「ええ……?」



アーニャ「プロデューサー。楓とショーロォク……お酒、もっと飲みましょう」



P「いや、アナスタシアさん。それを控えようって話で」



肇「楓さん、このままではどんどん元気が無くなっていきますよ」



P「えっ」



アーニャ「大変ですね?」



P「大変ヤバい」



肇「変な記事になるよりもマズいですよね?」



P「すごくマズ……ん……? そんなにマズいか……?」



肇「激ヤバです」



アーニャ「ヤバいよヤバいよ」



P「いや妙な噂とか記事になる方が」



アーニャ「ヤバイヤーバイ」



肇「鬼ヤバです」



P「何だかヤバい気がしてきたぞ」



肇「その調子です」



楓「……」



肇「あ、楓さん」



アーニャ「今です」



P「えっ」



肇「ほら、早く」



P「えっ、えっ?」



アーニャ「ダヴァイダヴァイ!」



楓「……?」



P「…………か、楓さん!」



楓「…………何でしょう」







P「終わったら、俺と飲みに行きましょう!」







楓「……」



肇「……」



アーニャ「……」



P「……」



楓「……分かりました。早くお仕事、行きましょう」



P「……っ。は、はい……」



肇「……」



アーニャ「……」







楓「…………楽しみに、してます」



P「……!!」



 ― = ― ≡ ― = ―



P「……乾杯」



楓「……乾杯」



P「……」



楓「……」



P「楓さん」



楓「……」



P「怒って……ますよね」



楓「……」



P「……」



楓「……確かに、怒っていました」



P「……ですよね」



楓「でも」



P「……」



楓「また、こうしてプロデューサーとお酒が飲めて」



P「……」





楓「凄く、嬉しいです」



P「俺も、嬉しいです」





楓「じゃあもう一度、仲直りの乾杯という事で♪」



P「えっ? ……もう空っぽですか」



楓「だって、お酒がこんなに美味しいんですもの♪」



P「ちょっと待ってください、俺も今これ飲みますんで」



楓「待てません、貸してください」



P「え、あの、楓さ」



楓「…………ふぅっ。あぁ、おいし♪」



P「……それ、グレンフィディックのストレート……ダブル……」



楓「美味しかったですよ?」



P「いやそういう事じゃ……まぁいいか」



楓「ふふっ」



P「……楓さんが楽しそうで、何よりです」



楓「プロデューサー」



P「はい」



楓「大丈夫なんですか?」



P「……まぁ、決して良い事でないのは確かですが」



楓「ふむ」



P「ファンの皆さんも俺も、元気の無い楓さんを見るのは、何より辛いので」



楓「ふむふむ」



P「これぐらいのリスクは、飲みます」



楓「いい飲みっぷりですね。という事で、もう一杯♪」



P「……うぇっ!? も、もう空ですかっ」



楓「まま、どうぞ一献」



P「こっちはもういっぱいいっぱいですって!」



楓「え? 『もう一杯、もう一杯』……? 流石はプロデューサー♪」



P「言ってな、ああぁあふれる零れる!」



楓「ほら、もうグラスがいっぱいいっぱい〜」



P「上手い事言ってないで止めてくださ、あぁ!」



楓「お酒も旨くて、私も上手い♪」



P「あああぁぁ!」



楓「あぁ……良い気分です」



P「……でしょうね、本当に」



楓「プロデューサー」



P「はいはい、何ですか」



楓「プロデューサーは、こうしてまた、二人の飲みに誘ってくれましたね」



P「そうですね」



楓「……」



P「楓さん?」



楓「……と、言う事は、ですね」



P「はい」







楓「私がどうして怒ったのか…………分かり、ますよね?」







P「はい」



楓「…………っ」



P「すみません、楓さん。なかなか気付けずにいて」



楓「……もう。本当にですよ。プロデューサーはちょっと鈍感過ぎます」



P「……怒ってます?」



楓「怒ってるって言ったら、どうします?」



P「え、うーん……」



楓「……ふふっ。冗談ですよ、プロデューサー」



P「楓さん」



楓「どうしました?」







P「――それくらい好き、だったんですね」





楓「…………っ!? えっ、あ、その」



P「気付けなくて、本当にすみませんでした。でも、今なら分かります」



楓「えあの、えっと、今このままの流れで、ですか!? あの、私、まだ心の準備が」



P「これは、きっと今度こそ、勘違いなんかじゃありません」



楓「ぷろっ、プロデューサー……っ! あの、私、わたし……」



P「楓さん」



楓「は、はいっ」



P「貴女が皆さんと、賑やかにお酒を飲むのが好きなのは知っています」



楓「……」



P「でも、こうして俺と二人で飲むのを、もっと嬉しく思ってくれているようで、その、つまり」



楓「……」







P「…………楓さん」



楓「…………はいっ」











P「――静かに飲むのが、大好きだったんですね」















楓「…………………………………………」















P「楓さんが目すら合わせてくれなくなった…………」



肇「ダメデューサーさんと呼びますね」



アーニャ「付き合いきれんわ」







おしまい。







23:30│高垣楓 
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