2016年03月23日

早苗「CPのプロデューサー君(武内P)ってかっこいいじゃない」楓「どやぁ」

加蓮「CPのプロデューサーってかっこいいよね」凛「」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447574640/



莉嘉「Pくんってかっこいいよね!」美嘉「」【※武内Pもの】

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454068376/





上記二つの別Ver.です

別に続いているわけではないので読む必要はありません



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1458041208



注意事項



・アニメ基準



・武内Pもの







※ ※ ※







ワイワイ、ガヤガヤ――





早苗「ちょっと不器用なところもあるけど、怖い顔でそれだと逆に愛嬌もあるし」



楓「照れ顔を見せてくれた時は意識が飛びかけましたよ」ニコニコ



早苗「あの歳でシンデレラプロジェクトなんっていう大きな仕事任せられて、さらに大成功させちゃうし」



楓「私は初めから成功するって知ってましたよ〜」フンスッ



早苗「いやー、お姉さんがアイドルで恋愛禁止じゃなければ唾つけておくんだけどなーアハハハハ」



楓「うふふ。笑えない冗談ですね」



早苗「……ところで楓ちゃん」



楓「んっ……んっ……ハァー。はい、どうしました?」



早苗「なんでさっきからプロデューサー君を褒めてるのに、楓ちゃんが自慢そうにしてんの?」





高垣楓

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片桐早苗

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楓「……私、そんなに嬉しそうでしたか。あ、お皿こっちにください。下げますから」



早苗「ほいっと。うん、まだ三合目に入ったばかりなのに、かなりできあがった時並にニコニコしてるから」



楓「んふふ〜。私がデビューしたての頃にお世話になった人ですから、褒められているのを聞いたらついついですね」



早苗「あー、そういえばそうだったっけ? 何? ひょっとして担当だった時に何かあったり?」



楓「さあ、どうでしょうね? ただ私が言えるのは、あの人はとても誠実な人ということです。フフ」



早苗「それもそっかー。けどね、最近ちょっと彼を見ていて不安に思うこともあるのよ」



楓「不安……ですか? あ、早苗さんビールどうぞ」



早苗「ありがとー☆ ん、それでね。確かにプロデューサー君はアイドルに手なんか出さないだろうけど――」



楓「はいどうぞ」トクトクトクッ



早苗「アイドルが彼に手を出してそう『ガチャン』ってわーわー!」



楓「」



早苗「ん……あんまり入ってなかったらおしぼりで十分ね。って楓ちゃーん! 帰ってきなさーい!」フキフキ



楓「えっ……? あ、アレ……? ひょっとして私、こぼしちゃいましたか?」



早苗「その通りよ。どうしちゃったの? 何だか今日酔いが回るの早くない? 体調が悪かったりとか……」



楓「すみません……」



早苗「や、そんな落ち込まなくても。ほら、タイのお刺身大丈夫だから食べなさい」



楓「……体調不良でタイ、超不漁」



早苗「表に出ろ」

楓「きゃー、早苗さん怖い」



早苗「ったく、心配して損した」



楓「ふふ、すみません。――――で」ズイッ



早苗「お、おう」



楓「アイドルの方がプロデューサーさんに手を出してそう……とはどういうことですか?」



早苗「ああ、その話ね。だって彼が担当しているアイドルの子たちって皆10代で、一部のちびっ子を除けば恋に恋している時期でしょ」



早苗「何もあの子たちが恋愛禁止を軽々しく破るなんて言ってるわけじゃないのよ? けどあんなにおいし、もとい魅力的な男がそばに居たら恋は盲目という事態にだって……ね?」



楓「プロデューサーさんが魅力的に思えるのはある程度歳が近い女性ではないですか? 早苗さんのように」



早苗「んー、そりゃあたしが学生の頃は、10歳年上なんてもうオジサンみたいなものだったわよ。けど30ぐらいの先生をアリって言ってた同級生もいたし。それにね……」



楓「それに……?」



早苗「見ちゃったのよ。先週のオフの日なんだけど――」







※ ※ ※







ジュピター『声の〜、届かない迷路を越えて♪』



早苗(まあまあ。ビルの巨大スクリーンで、少年たちが胸元をさらしながら踊るのを映すだなんて。眼福眼福♪)



早苗(ん? あのでっかい男と一緒にいるのは……)



アーニャ「私……ああいうの好みじゃありません」



武内P「ジュピターのことですか?」



アーニャ「ダー。以前共演して……ンー…ニチェボー…決して悪い人たちじゃなく、友人としてなら申し分ないと思います」



アーニャ「ただ私は、男の人は優しさと同じくらい逞しさが大切だと思います。彼らは少し、細すぎます」



武内P「そうでしたか。アナスタシアさんぐらいの年齢なら、彼らのような体型が好きなことが多いと思っていました」



早苗(ああ、やっぱりCPのプロデューサー君とアーニャちゃんじゃない。サングラスと帽子してても、銀髪とクールな雰囲気でわかっちゃった)



早苗(というかあの二人が並ぶとアレね。北欧の令嬢とSPって感じね)







アナスタシア

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アーニャ「フフ。プロデューサーに、また一つ私のことを知ってもらいました」



アーニャ「私は、プロデューサーの手……大きくゴツゴツしてて、とても好きです」ギュッ



武内P「あ、アナスタシアさん?」



アーニャ「シトー?」



武内P「いえ、その……アイドルである貴方が、男と手を握っては」



アーニャ「今日は、人通りが多くてはぐれてしまいそうです。ルゥカパジャーチィェ……手を握りましょう」ニコニコ



武内P「は、はあ。ですがこの握り方はですね……」



早苗(恋人つなぎいいいぃぃぃ!! 完ッ全んっっっにアウトオッ!! アーニャちゃん可愛すぎいいいぃぃ!! 耐えろプロデューサー君ッ!!)



アーニャ「ダー。どうしましたプロデューサー?」



武内P「アナスタシアさん。この握り方は、大切な……とても大切な人とする握り方です。私などとしてはいけません」



早苗(よくぞ言った! あたしが男だったらお持ち帰り――――)











アーニャ「プロデューサーは私の大切な人では、ないの……ですか?」グス



武内P「」



早苗「」











アーニャ「イズヴィニーチェ……ごめんなさい、私……勝手にプロデューサーと仲良くなれたと思い込んで」



武内P「ち、違います! こ、これはですね……」オロオロ



アーニャ「これは……?」



武内P「アナスタシアさんは私にとってとても大切な存在でして……ただ、アナスタシアさんが私をそこまで信頼してくれていたとは思わなかったもので」



アーニャ「プロデューサーは……私のことを、大切に想ってくれているのですね?」



武内P「はい、当然です!」



早苗(言質!? 今言質とったわよこの子!? 偶然? 偶然よね!?)



アーニャ「では、大切な人との握り方……プロデューサーとしてもいいですよね」



武内P「え、ええ……」



アーニャ「フフ。では行きましょうか」ムニュウ



武内P「その……アナスタシアさん。その握り方は手を絡めるだけでもよいのでして」



アーニャ「ダー。そして、こうやって体を預けるようにする方がより正しいんですよね。フフ、プロデューサーはたくましいから、安心して体を預けられます」



早苗(あててんのよ……)

※ ※ ※







早苗「――――ということがあってね」



楓「……」トクトク



早苗「楓ちゃん? おーい楓ちゃーん?」



楓「んっ……んっ……ふぅ」



楓「フフ、フフフフフフ。今日はお酒が勝手に進んじゃいます」ニコ



早苗「そ、そう? ってもう空!? アンタさっきこれ飲み始めたばかりでしょ」





ピンポーン





楓「早苗さんも何か注文します?」



早苗「ん、じゃあ串の盛り合わせとチーズオムレツ……じゃなくて」





コンコン、ガラガラ



<失礼します





楓「熱燗のお代わりと、串の盛り合わせとチーズオムレツお願いします」





<熱燗のお代わりと、串の盛り合わせとチーズオムレツですね。かしこまりました。





早苗「ちょっと楓ちゃん。アンタね……」



楓「熱燗を頼んだらアカンのですか?」



早苗「今日のペースはアカンでしょ」



楓「あ、ちょっとメールしていいですか」



早苗「はいはい、いいわよ」



楓「……それでですね早苗さん」メルメル



早苗「あによ?」グビグビ



楓「ひょっとして……他にもプロデューサーさんがアイドルとイチャイチャする話ってありますか?」



早苗「まああるっちゃあるわよ。まあイチャついていたというか、イチャつかれたというか」



楓「ぜ ひ 聞 か せ て く だ さ い 」グイ



早苗「お、おう……」





<熱燗のお代わりお持ちしましたー











※ ※ ※







早苗「アー……」トボトボ



茜「早苗さんおはようございます! ボンバーッ!!!」



早苗「さえずるな小娘」ギロッ



茜「!!?」



早苗「アー、頭に響いたぁ」







日野茜

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茜「早苗さん、今朝は早くから仕事なのに飲んだんですか!!?」



早苗「……あたしは悪くない」プイ



茜「え!? じゃあ誰が悪いんですか!?」



早苗「タコよ」



茜「た……タコ!?」



早苗「昨日は日曜だったじゃない」



茜「はいっ!! 学校が休みだったので一日中仕事に頑張れました!!! 今日も祝日だから頑張れますね!!!!」



早苗「お願い茜ちゃん……もうちょっと声落として」



早苗「でね、出勤のために着替えながらテレビつけてて……日曜の朝だからまあ釣り番組やってるじゃない」



茜「やってますね! 網でバーッとやる方は楽しそうですが、釣り竿でジーッと座る方は無理です!」



早苗「まあ見るためじゃなくて聞くためにつけてたんだけど、チラッと画面を見た時に目が合ったのよ」



茜「釣り竿とですか!?」



早苗「タコとよ」



早苗「ちょうど画面が変わってタコのアップになったときに見たみたいで、これ以上ないぐらいのタイミングだったわ」



早苗「おかげで昨日一日は何をやってても頭の片隅にタコがいてね。美波ちゃんがプールで泳いでいる時なんか、あの子に絡みつこうとするタコが見えるぐらいだったわ」



茜「ホラー映画じゃないですか!」



早苗「ホラーって……ああ、ホラーに濡れ場はつきものか」



茜「???」



早苗「ともかく昨日はそんな調子で、トドメと言わんばかりに駅前にある居酒屋の水槽にいるヤツと目が合ってね。朝早くから仕事があることなんざ知ってたけど、平気へっちゃら覚悟しちゃってね」



早苗「酒が飲める人間にひたすら声をかけたけど、急な話だったから菜々ちゃんしか捕まんなくて。まあ二人でけっこう夜遅くまで盛り上がっちゃったわけ」



茜「菜々ちゃんは私と同い年ですよ! ダメじゃないですか!」



早苗「……………………うん、大丈夫だから」



茜「大丈夫なんですか!? だったら大丈夫ですね!」



早苗「はぁ……ってアレは」





武内P<スタスタスタ





早苗(ああ、彼の番号知ってたら声かけてたのになぁ。お酒強いのかな――って!?」



茜「ボンバーーーーーーーーッ!!!」



武内P「!!?」





ズザザザザアァッ!!





早苗(上手い……ッ!? 茜ちゃんのタックルの衝撃を、タイミングよく左足を後ろにスライドさせて緩和させた!)



早苗(明らかに慣れ――――あ、彼そういえば茜ちゃんの元担当か)

茜「おはようございますプロデューサーッッッ!!! 五日ぶりです! 元気でしたか!!?」グリグリグリ



武内P「ひ、日野さん。おはようございます。とりあえずいったん離れましょう」



早苗(うわぁ……頭をプロデューサーくんの胸元にこすりつけちゃって。なんだかまだ一歳になる前のゴールデンレトリバーみたい)



早苗(いやらしさやスキャンダルより先に微笑ましさを感じるのは、茜ちゃんとプロデューサー君の人柄かしら)



武内P「日野さん。こういったことをしてはならないと、前にも言いましたよね?」



茜「ご、ごめんなさい……」シュン



茜「久しぶりにプロデューサーと会えたと思ったら、頭の中が真っ白になっちゃって」



早苗(久しぶり……? 五日ぶりでこんなになるって……え、ちょっとやばくない?)



武内P「は、はあ……その、以前から疑問に思っていたのですが、私に抱きつくのはそんなに楽しいことなのですか?」



茜「当 然 で す ッ ! ! ! ! ! 」



早苗「グアッ」キーン



茜「プロデューサーに包み込まれるように抱きしめられると、胸の奥からジンジンと熱いモノがこみ上げてくるんです!!!」



茜「たとえどれだけ難しい仕事をする時でも、プロデューサーの熱を思い出せば何だってできるんです!!!」



茜「プロデューサー以外じゃこんな気持ちになれないんですっっっ!!!!!」



武内P「」



早苗(ん……んん? この子今、ひょっとしなくとも告白しちゃったんじゃ)



茜「プロデューサー? どうしたんですかプロデューサー!?」



武内P「え、ええ……」



早苗(しかも告白した自覚がないとか)



武内P「……」チラッ



早苗「……」コクン



早苗「茜ちゃん。タイム」



茜「ハーフタイムですか!?」



早苗「いや、10分もかからないから」ササッ

武内P「片桐さん、今のはひょっとして……」ヒソヒソ



早苗「いやー、良かったわねプロデューサー君。朝っぱらからあんなにカワイイ子に告白されちゃって。ただし無自覚」ヒソヒソ



武内P「やはりそうでしたか……しかし無自覚なようでしたら、日を置いて改めてアイドルは恋愛禁止と遠回しに諭せば」ヒソヒソ



早苗「いや、無自覚なんだから『当然です、アイドルですから!!!』って感じで自分に当てはめずに終わっちゃうわよ」ヒソヒソ



茜(プロデューサーと早苗さんが肩を寄せ合って話してる……ただそれだけなのに、なんでだろう――)



武内P「ではどうすれば……」ヒソヒソ



早苗「とりあえずしばらくは様子を見て……」ヒソヒソ



茜(二人のそんな後ろ姿を見てると、なぜか胸がズキズキしてきて……)



早苗(とはいえ、様子なんか見ても結果はわかって――)





キュッ





武内P「ひ、日野さん……?」



早苗「え?」



茜「す、すみません……その、二人が私に背を向けて話しているのを見たら……なんだか悲しくなってきて」



早苗(普段元気いっぱいの女の子が目じりに涙をためながら、服の裾を弱々しく握る。さらに上目遣い)



早苗(この子はプロデューサー君を萌えkorosu気なのかな? かな?)



武内P「いえ……何も謝ることなどありません」



茜「エヘヘ。ありがとうございますプロデューサー!」



早苗「……うん、もう手遅れだこれ」



早苗(このままじゃいつ暴発するかわかんないし、何より茜ちゃんのことを考えたら、年上で同性のお姉さんが教えてあげるべき……か)

※ ※ ※







早苗「――――ってなことがあってね」



楓「……」トクトク



早苗「楓ちゃん? おーい楓ちゃーん?」



楓「フフ、フフフフフ。ちゃーんと聞こえてますよ。あーおかしいし、お酒はおいしいし」



楓「あら、もう空になっちゃいました」





ピンポーン





早苗「楓ちゃん……やっぱり今日何だか変よ」



楓「やーですねえ、もう。やたらお酒がおいしい時なんて誰にだってあるじゃないですか」



早苗「そうだけどさ、むしろ飲まなきゃやってられないっていう風に見えるんだけど」



楓「ところで……今の話はいつのことで、早苗さんは茜ちゃんに胸のドキドキの正体について教えたんですか?」



早苗「今の話は二週間近く前のことで、茜ちゃんには三日か四日ぐらい前に教えてあげたわよ」



早苗「何だか最初は不思議そうな顔してたけど、合点がいった途端に顔が湯気が出そうなくらい――あ、出てたわね実際――赤くなっちゃって」



楓「……まさか、プロデューサーさんに告白するように煽ったりは」



早苗「しないわよそんなこと。ただ恋愛禁止なアイドルという道を自分で選んだことを踏まえて、それでも彼に想いを伝えたいと考えるならぶつけちゃいなさい。しっかりと考えた上での決断なら、お姉さんは応援してあげるって言っただけよ」



楓「そんなこと言われたら告白しちゃうんじゃ……」



早苗「あの子まだ自分の考えが全然まとまってないのよ。昨日だってプロデューサー君と廊下で出くわしたと思ったら、顔真っ赤にして全速力で逃げちゃってさ」



楓「茜ちゃんらしいですね」



早苗「アンタも茜ちゃんに気をかけてあげてね。同時期にプロデューサー君の担当だったんでしょ」



楓「それはそうですけど……」





<失礼します





楓「あ、コレのお代わりお願いします」



楓「……すみません。ちょっと電話してきていいですか」



早苗「いいわよー。あたしもちょっと手を洗ってくるから」

――



――――



――――――――







早苗「お待たせーって!?」



楓「フフ、フフフフフ。どうしたんですか突然」



早苗「顔赤っ!? ちょ、楓ちゃん私がちょっと外している間にまたお代わりしたでしょ!」



楓「フッ……元警官の早苗さんの目は誤魔化せないようですね」



早苗「誤魔化す気がそもそもあったのかと。まあ誰と電話したのかしんないけど、機嫌が直ったようでなにより」



楓「いやですね。元から上機嫌でしたよ」



早苗「え〜。ヤケ酒一歩手前って状態だったじゃない」



楓「ちょっとした勘違いですよ。プロデューサーさんがアイドルに手を出されてそのままズルズル行くなんてこと、あるはずないのに」



早苗「あ、でも……」



楓「でも……何ですか?」



早苗「いや、そのねえ……今日ちょっと、シャレになんないものを見たかもしんなくて――――」







※ ※ ※







早苗「収録の準備が遅れたから控え室で待機って……一人じゃ退屈だなぁ」



早苗「このままじゃ中途半端に眠りこけそうだし、コーヒーでも買ってこよっか」





テクテクテク





早苗「あら、あれって……」



武内P「申し訳ありません。もうしばらく待たなければならないようです」



「そんな! プロデューサーさんが謝らないでください」











卯月「私なら平気ですから!」







武内P「そう言っていただけると助かります」



卯月「……プロデューサーさん♪」



武内P「はい、なんでしょうか?」



卯月「フフ。プロデューサーさん♪」ニコニコ



武内P「……島村さん?」



卯月「ごめんなさい。私がプロデューサーさんを呼んだら、プロデューサーさんが返事をしてくれるのが嬉しくって」



武内P「それは……」



卯月「プロデューサーさんが忙しいってことは、十分承知しています。私たちだけじゃなくて、今じゃ二期生の子たちも見ているんですから」



卯月「けど……養成所にいた私に会いに来てくれてから、プロデューサーさんと顔を合わせるのがいつの間にか当たり前になってしまって」



卯月「仕方ないってことも、こんなこと言ったらただプロデューサーさんを困らせるだけってこともわかってますけど……こうやってゆっくりと話す時間が無くなったのがさみしくって」



武内P「島村さん……私は、貴方たちのことを……」



卯月「そんな顔しないでください。直接顔を合わせる機会が減っただけで、プロデューサーさんが私たちのことを十分考えてくれていることは承知してます」



卯月「ホワイトボードに書かれた予定表……電話やメールでの連絡……メモの書き置きに差し入れ……一つ一つは小さな、けど一年間プロデューサーさんと一緒にいた私たちなら読み取れる気配りが、いたるところに込められているのがわかるんです」



卯月「確かにさみしいけれど、私たちみんなプロデューサーさんを信頼してますから!」



武内P「島村……さん」



卯月「だからそんな顔をしないでくださいよ。私たちがプロデューサーさんを信頼しているってこと、気づいていなかったんですか?」



卯月「じゃあいい機会ですから、私がプロデューサーさんをどれだけ信頼しているか教えちゃいますね」



武内P「そ、それは……」



卯月「時間はまだたっぷりあるから聞いてもらいます」ニッコリ

卯月「私、毎日プロデューサーさんに感謝しているんです」

 

卯月「オーディションに落ちた私を拾ってくれたこと」



卯月「CPの皆と出会わせてくれたこと」

 

卯月「挫折しかけた私を優しく待ち続けてくれて、また手を差し伸べてくれたこと」

 

卯月「こうしてゆっくりとお話をすることはめっきり減ってしまいましたが、ほんのささいなことでも、プロデューサーさんが私たちのことを一生懸命に考えてくれていることが伝わってくるんです」 



卯月「プロデューサーさんが見てくれている。がんばろうって思えます」



卯月「私は――――誰よりもプロデューサーさんを信頼しています」

武内P「島村さん……っ」



卯月「あ、けど今日みたいに偶然時間ができちゃった時は構ってくださいね。信頼しているのと、構ってほしいのは別問題ですから」



武内P「……ええ、喜んで」



卯月「ふふ」



早苗(ん? んん?)



早苗(うっかり今の見ちゃったけど……何だか良い話っぽかったけど……実際良い話なんだけど)



早苗(何なのこの口から砂糖吐きそうなぐらいこの甘ったるい空間は!?)



早苗(ここロビーよ? 人の目につく場所なのよ? 私しか見てなかったけど、卯月ちゃん貴方アイドルなのよ!?)



早苗(今のだってなんだか告白に近いようにも……ん、これはあたしの考えすぎかな?)



早苗(そこんとこどうなのよ卯月ちゃん。茜ちゃんと違って自覚があって、恋愛禁止だから今みたいに遠回しに告白したとか?)



卯月「それでですね、凛ちゃんがですね――」







※ ※ ※







早苗「――――ということがあってね。あの二人がもし隠れて付き合ったとしても、あたしは驚かな――――楓ちゃん?」



楓「んっ……んっ……」



楓「プハァー……フフ」



楓「フフフフフフフフフフフフフフフ」バタン



早苗「ちょ、今日ちょっと飲み過ぎよ!?」



楓「何言ってるんですか早苗さん。まだえっと……6合飲んだだけですよ」



早苗「ちなみに30分以内に飲んだ量は?」



楓「3合……ですかね?」



早苗「だからそのペースはアカンって」



楓「だって……だって……」

携帯<♪〜♪〜





早苗「ほら、携帯鳴ってるわよ」



楓「いいです……今出たくないから」





コンコン





早苗「あら? もう注文したのは全部届いてるのに……楓ちゃん、あたしがいない時にまた頼んだり――――」



楓「嘘つき嘘つきでも一度も私に嘘なんかついたことないけど卯月ちゃんとの距離は前々から怪しかったしあの人は嘘なんかつかない信じてるし信じたいでもでも――――」ブツブツ



早苗「……アカン」





ガラガラ





武内P「失礼します」



早苗「プロデューサー君!?」



楓「……ッ」ピク



武内P「突然申し訳ありません。ここに高垣さんは――――高垣さん!?」



楓「」突っ伏し



武内P「大丈夫ですか高垣さん? 今すぐ水を」



楓「プロデューサーさん……」スウゥッ



武内P「電話での様子がおかしかったので来てみれば……高垣さん、楽な姿勢でいいので――」



楓「正座」



武内P「……………………はい?」



楓「せ・い・ざ」ポンポン



武内P「し……失礼します」



早苗(壁が必要な予感)

武内P「その……興奮されているようですが、いったん水を飲んで落ち着かれた方が」



楓「興奮? そうですね。確かに私興奮してます。なぜだかわかりますか?」



武内P「い、いえ」



楓「私には……私には、気づかれたらいけないから、会社内ではなるべく接触しないようにって言うくせに……ッ」



武内P「高垣さん!? 片桐さんが聞いてますから!」



早苗「ビールうめぇ。明日の朝には記憶が無くなってるパターンだこれ」グビグビ



楓「見ざる」



早苗「聞かざる」



武内P「い、言わざる?」



楓「私には言うのに……私がアイドルを辞めるまではって理由でキスまでなのに、付き合ってる私としたことがないようなこと他のアイドルたちとして!」



楓「私だってプロデューサーさんと恋人つなぎして街を歩き回りたいです! 皆が見ている前でプロデューサーさんに抱きついたりしたいです!」



楓「あの二人実は隠れて付き合ってるんじゃないかって噂されたいのに!」



楓「うっ……ううぅ……」



楓「えーーん、うぇーーーん! プロデューサーさんのバカバカバカ」ポカポカ



武内P「高垣さん……」

早苗「あー、飲んだ食った。あたしお勘定済ませて帰るから、楓ちゃんのことよろしくね」



武内P「片桐さん?」



早苗「だいだいの事情は察したから、今日はたまりにたまった不満をちゃんと聞いてあげなさい」



早苗「プロデューサー君にも事情があったことは知ってるけど、付き合ってる女をここまで不安にさせたら情状酌量の余地は無しってことで」



武内P「……ご迷惑をおかけしました」



早苗「べっつにー? 楓ちゃんが幸せならこのぐらい何てことないし」



早苗「それじゃ……あ、もう一つ言っておくことあった」



武内P「何でしょうか?」



早苗「ゴムは――――着けなさいよ」



武内P「なっ――――!?」



早苗「じゃーねー♪」





ガラガラ





早苗(……よし、聞き耳を立ててる奴はいなさそうね)



早苗(後はプロデューサー君が楓ちゃんをなだめて、楓ちゃんの部屋か自分の部屋に連れて帰るのを見張ればOK)



早苗(どのぐらい時間かかるかな? お姉さん確かに元婦警だけど、交通課だったし今お酒入ってるんだけど……)



早苗(あやめちゃん呼びたいけど、この時間に呼べないしなあ……楓ちゃん、今度おごってもらうからね)

※ ※ ※







ガチャ





武内P「高垣さん、着きましたよ。クツを脱ぎましょう」



楓「うにゅ〜」



武内P(ここが高垣さんの部屋……初めて来てしまったが大丈夫だろうか。見られてはいないと思いますが……)



楓「プロデューサーさぁん」



武内P「は、はいっ」



楓「脱 が せ て く だ さ い」



武内P「…………はい?」



楓「なんだか遠近感がおかしくて……クツ、脱がしてください」ペタン



武内P「そ、そういうことでしたか」



楓「そういうこと? どういうことだと思ったんですか?」クスクス



武内P「しし、失礼します」



楓「んっ……」



武内P(考えるな、感じるな。ただクツを脱がせるだけのことです)



楓「そこ……くすぐったい……やん」



武内P(反応したらいけない! 目線も上げたらいけない! スカートの中が見えてしまう)



武内P「ふう……高垣さん、終わりましたよ」



楓「ん」



武内P「……高垣さん?」



楓「んっ!」



武内P「その……腕を伸ばされてどうしたのですか?」



楓「抱っこ!」



武内P「」

楓「一度腰降ろしちゃったから、もう立ち上がれません。お姫様抱っこしてください」



武内P「そ、それはその……」



楓「アーニャちゃんや茜ちゃんのワガママは聞けるのに、恋人のワガママはダメなんですか?」グス



武内P「そんなわけありませんっ」



楓「ではお願いします。ここにずっといたら風邪引いちゃいます」



武内P「わかり、ました……」スッ



楓「フフ、フフフ。すうぅって体が浮きました。プロデューサーさん頼もしいですね。優しくって頼もしくて、大好きです」スリスリ



武内P「た、高垣さん!?」



楓「茜ちゃんがこうするのもわかります。プロデューサーさんの胸ってすごく安心できます」



楓「茜ちゃんがしていいのなら……恋人の私も当然していいですよね?」



武内P「……着きました。降ろしますよ」



楓「はぁい」



武内P「水でも持ってきましょうか?」



楓「ん」ポンポン



武内P「……隣に、座ればいいのですか?」ドサ

楓「えいっ」ギュッ



武内P「い、いけません高垣さん!?」



楓「何がですか〜? アーニャちゃんがプロデューサーさんにしたことをしてるだけじゃないですか?」ムニュウ



武内P「そ、そうですが……その」



楓「それとも……私と恋人つなぎ、したくないんですか?」



武内P「そういうわけでは……」



楓「そうですよね。こんなに元気になっちゃってますし」ジーッ



武内P「〜〜〜〜〜ッッ!!?」



楓「ねえ、プロデューサーさん……」



武内P「これ以上はいけません高垣さん。ここから先は、貴方が適切な時期にアイドルを辞めてからでなければ」



楓「信頼……したいんです」



武内P「信頼?」



楓「今だって信頼してます。プロデューサーさんは私を裏切る人なんかじゃないってわかっています」



楓「けど貴方は優しいから、他の子たちに押し切られてしまうんじゃないかって……今日みたいに不安に思うことがあるんです」



楓「だから、今以上に貴方を信頼できるように、誰よりも貴方を信頼できるように……貴方の温かさを、直接ください」



武内P「……私がいたらぬばかりに、高垣さんに苦しい想いをさせてしまいました。申し訳ありません」



武内P「今夜だけです。今夜だけ……私は自分の立場を忘れます」



楓「プロデューサーさん……ッ!!」











――ここから何があったのか語るまでも無いだろう。

何故なら、おそらくは誰もが想像する通りの結末なのだから。



ただ一つだけ語るとすれば。

二人とも近藤さんを持ち歩いたりしないということだけ――











楓「ゴム無しで、ごむんなさい。ふふっ」











〜おしまい〜

お・ま・け 









※>>16より





早苗(ん? んん?)



早苗(うっかり今の見ちゃったけど……何だか良い話っぽかったけど……実際良い話なんだけど)



早苗(何なのこの口から砂糖吐きそうなぐらいこの甘ったるい空間は!?)



早苗(ここロビーよ? 人の目につく場所なのよ? 私しか見てなかったけど、卯月ちゃん貴方アイドルなのよ!?)



早苗(今のだってなんだか告白に近いようにも……ん、これはあたしの考えすぎかな?)



早苗(そこんとこどうなのよ卯月ちゃん。茜ちゃんと違って自覚があって、恋愛禁止だから今みたいに遠回しに告白したとか?)







卯月「……」











へ そ 下 辺 り が む ず が ゆ い











卯月(プロデューサーさん! プロデューサーさんっ!! ああ、どうしてそんなに申し訳なさそうな顔するんですか!? もっとその顔見せてください!!!)



卯月(プロデューサーさんは悪くなんかないのに! 最善に近い方法で私たち皆の面倒を見ようとしているのに、まず責めるのは自分自身なんですね!?)



卯月(どうしてそんなに優しいんですか? どうしてそんなに魅力的な顔をするんですか? 我慢できなくなってしまいます。我慢しなくていいって意味ですか? そう受け止めますよ!)



卯月(今の私とプロデューサーさんとの意味深に思える会話は、しっかり早苗さんに見てもらえました)チラッ



卯月(近い内に楓さんの耳に入ります。アーニャちゃんや茜ちゃんの件と間をおかずに楓さんが知るのが最良の形ですし、その確率が高いです)



卯月(これがきっかけで不仲になって別れる……というのもありだけど、それじゃあ旨味が少ないです)



卯月(プロデューサーさんと楓さんは付き合っているけど肉体関係は無い。時子様が楓さんは処女って断言してくれました)



卯月(けど今回の後押しがきっかけに肉体関係を持てばどうなるか――――わかりますか?)



卯月(肉体関係になった男女が同じ職場にいれば、どれだけ隠そうとしても誰かが絶対に気づきます)





※プライバシー保護のため仮名を使わせてもらいます





○クロス「プロデューサーさんと楓さんの間に漂う空気……男女のもの!」



ソ凛「私ほどの蒼の心の持ち主でも、そこには何の怒りも……怒りも無かった!」ギリギリ



猛烈に食うもの「あの女の匂いがするよッ!!」ジュルリ



カリスマ処女「はあ……オフの日が重なったのに誘えなかった。ま、まあアイツのことが好きな物好きなんてアタシぐらいだから、のんびりいこっか★」

卯月(……もし気づかなくても私が気づくように誘導します)



卯月(そして堅物で生真面目なプロデューサーさんがアイドルと関係を持ったという事実が、一部のアイドルたちに知れ渡ることに)



卯月(知って諦める? 絶望する? まさか!)





※プライバシー保護のため仮名を使わせてもらいます





Cuアイドル「略奪愛……ロックだね!」



イモト二世「……フフーン♪ カワイイボクは寛大ですからね。妾の一人や二人許してあげましょう。何せボクはカワイイ正妻ですから!」



クマモン「禍々しき霊気をまとう汝には、女神の清澄な空気はかえって毒となる。魔王である我と共にあるべきだ」



冥界の魔術師「…あと三年……待ってくれなかったプロデューサーさんには…悪夢と淫夢を、プレゼントしなきゃ……」



花言葉は“私のものになれ”「私は絶対譲らない……もう、遠くには行かせない」





卯月(アイドルのままでもプロデューサーさんと付き合える可能性への喜びと嫉妬が、絶望を凌駕します)



卯月(そうしてプロデューサーさんへのアプローチが激しさを増していく)



卯月(そうなると楓さんもプロデューサーさんが浮気するのではないかと気が気でなく、時には辛く当たるでしょう)



卯月(プロデューサーさんに強引に近づこうとするアイドルたち。癒しになってくれるはずの楓さんからも疑われる)



卯月(プロデューサーさんの精神は追い込まれます)



卯月(でも私はそんなことしません。強引に近づきもせず、疑ったりもしません)



卯月(私はただ、プロデューサーさんを最後に独占できさえすればいいんですから)



卯月(私はアイドルたちとの関係に悩み苦しむプロデューサーさんを癒します)



卯月(苦悩に満ちたその顔を、間近で観察します)



卯月(皆からのアプローチに困り、興奮し、興奮した自分に恥じ、楓さんとの仲が崩れていくことに悲しむプロデューサーさんを特等席で鑑賞しながら、私への好感度もバッチリ上げられるように――――!)



卯月(島村卯月、がんばります!)















楓(――――なんてことを考えているんでしょうね)



武内P「スー……スー……」



楓「フフ。可愛らしい寝顔」



楓「大丈夫です。このことが知られて他の子たちが貴方に迫っても、ちゃんとフォローしますから」



楓「卯月ちゃんにも負けない自信があります。だから――」



楓「高垣楓が、いたがきました。ふふっ」











〜おしまい〜



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