2016年03月28日

若林智香「野球好きと熱血乙女と」


―――――事務所―――――





ガチャ



若林智香「おはようございますっ」



姫川友紀「あ!おはよー!」



日野茜「おはようございます!!!」



智香「もう2人とも来てたんですねっ」



友紀「ううん!あたしたちもちょうど今」

茜「30分くらい前には着いてましたけど全然大丈夫ですよ!!!」



友紀「……」



智香「……」



友紀「……野球見てるとね、30分くらいあっという間に過ぎるからね、ホントに今来たと言っても過言ではなくて」



智香「別に友紀さん悪くないですけどね!?」









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智香「そ、それより、これからユニットとして、よろしくお願いしますね!」



茜「はい!3人で頑張りましょう!よろしくお願いします!!!」



友紀「そうだね!まあ、何回か組んだことあるし、改まって言うのも変だけどね」



茜「でも挨拶は大事です!!!」



友紀「うん、別に挨拶をおろそかにしたいわけじゃないけど」



茜「挨拶しましょう!!!」



友紀「う、うん……」



智香「今日の友紀さんなんだか弱くないですか」



茜「挨拶です!!!」



智香「追い打ちやめよう!?」









友紀「いやぁ……、最近、野球界に暗いニュースが多くってさ〜、ちょっとネガティブになってるのかも」



智香「ああ……、確かに、ファンには辛いかもしれないですね。そんな時こそ応援!って言いたいですけど、開幕もまだですからね……」



友紀「そうなんだよね。この開幕を待つ時間が例年より辛くてさー」



茜「でも野球と言えば“一球に賭ける”スポーツですよ!前を向いてないと!その一球も見逃してしまいますよ!!!」



友紀「『賭ける』って使わないでほしいな」



茜「は!友紀さんの表情が暗く!?よし!円陣組みましょう!!円陣!!!円陣は声出しに“懸かって”ますからね!!!」



智香「わざと言ってないかな!?」









友紀「でもまぁ、開幕さえすればこんな気持ちも吹っ飛ぶよね」



智香「そうですよ!チームを応援して、自分も元気になっちゃいましょう!」



茜「そうです!前向きに“駆けて”行きましょう!たとえ川が道を阻んでも、橋を“架けて”行きましょう!!!」



友紀「はぁ〜〜〜〜…………」



智香「友紀さーーーーん!!!!」









智香「あ、茜ちゃん!ダメだよっ!」



茜「?」



智香「心底わかっていない!?」



友紀「生まれ変わったら東京ドームになりたい」



智香「ほら友紀さんちょっと壊れてる!」









智香「と、とにかく!元気出していきましょう!」



茜「はい!!!!!」



友紀「……うん」



智香「なんか元気が吸い取られてません!?」



茜「そんなことないです!!!」



智香「どうして加害者側が答えちゃうのかな?」



友紀「生まれ変わったら神宮球場になりたい」



智香「チームはブレちゃだめですって!!!」









茜「友紀さんはどうして元気がないのでしょうか……。心配です……!」



友紀「タチ悪いタイプのいい子だね」



智香「悪意よりも刺さりますよね」



茜「宝くじが当たれば元気になりますか!?」



友紀「連想ゲームでの人殺しが趣味なのかな」



智香「擁護が難しいレベルになってきましたね」









茜「は!そうです!こんなこともあろうかと、志希さんから『元気になれる薬』をもらっているんです!」



友紀「なんでそんなマサイ族にコンタクトレンズあげるみたいなマネするのかな」



智香「わ、悪気はないはずです……」



茜「友紀さん!どうぞ!」



友紀「ちょっとまって結構ピンチなんじゃないのコレ」



智香「あ、茜ちゃん!」



茜「志希さんと私を信じてください!」



智香「それ不安を煽ってるだけだからね!?」









茜「あ……すみません……。嫌がる人に無理矢理はよくないですよね!」



智香「わかってくれてよかったっ!」



友紀「ロボットに感情が芽生えた瞬間を見た気分だよ」



智香「もうちょっと言い方ありません!?」









智香「……でも結局、その薬ってなんなのかな?」



茜「えっと……志希さんによれば『脳がカクセイするビタミン剤』らしいです」



友紀「」ピクッ



智香「そ、それ以上は」



茜「略してカクセイざ……」



友紀「グハァ!!!!」



智香「友紀さーーーーん!!!!!」









茜「ど、どうしましたか!?」



智香「もはや茜ちゃんが殴ったも同然だよ!?」



友紀「生まれ変わったら日産スタジアムになりたい」



智香「野球場ですらないじゃないですか!?あとその異常なまでの建築物への執着はどこから来るんですか!?」



茜「えっと……117」ピポパ



智香「それでわかるのは友紀さんの吐血推定時刻だけだよ!?」









茜「でも、都さんと早苗さんに『人が倒れたらまず時間をチェック』と教わったんです……!」



智香「あの2人は人が死ぬことを前提に動いてるの!?」



友紀「い、生きてるけど……」



智香「だ、大丈夫ですか!?安静にしててください!」



茜「そうですよ!!!はっ!!!こんな時こそ“カクセイするクスリ”、略して“KK”を!!!」



友紀「」チーン



智香「茜ちゃん!!!!!」









友紀「生まれ変わったら仏陀になりたい」



智香「なんで急に悟りを開いたんですか!!!」



茜「智香ちゃん!こういう時こそ応援です!」



智香「こういう時には治療だよ!?」



友紀「なぜ人は争うのか……?」



智香「スポーツ全否定!?」









智香「ちょ、友紀さん!戻ってきてください!」



茜「ドゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル」



智香「そのドラムロールは素なの!?煽り!?」



友紀「……はっ!?あたしは何を……?」



智香「よかった!」



友紀「茜ちゃんのドラムロールまでは覚えてるんだけど」



智香「何一つとして失ってないじゃないですか」



茜「ジャン!!!!」



智香「今さら!?」









茜「なにはともあれよかったです!!!」



友紀「え?吐血とかひっくるめて『なにはともあれ』でまとめたの?本気?」



茜「後ろなんて振り返っちゃダメです!!」



友紀「それひき逃げ犯の発想だからね?」



茜「挽き肉!?」



智香「もう発想の飛躍についていけないよ!?」









智香「……あれ?そういえば、どうして集まったんでしたっけ?聞かされてないんですけど……」



友紀「あ、そうそう、ユニット名についてなんだけど、プロデューサーが言うには『チアフルボンバーズ』で仮決定らしくて、一応3人で話し合ってみてって言ってたよ」



茜「チアフルボンバァァーーーーズ!!!!素晴らしいですね!!!」



智香「前半やけに早口じゃなかった!?」



友紀「もうボンバーが持ちネタみたいになってるじゃん」









智香「私はいいと思いますっ!友紀さんはどうですか?」



友紀「うん、『熱い応援』っていう私たちのウリをよく表してるよね」



茜「かーらーのー!!??」



友紀「あたしのこと嫌いなら教えて欲しいな」



茜「大好きです!!!!」



友紀「振り上げたこぶしが行き場を失ったよ」



智香「ほんとにいい子なんですけどね」









友紀「さて、元気な2人とお仕事をするんだから、あたしも元気出さなきゃね……!」



智香「でも、あまり無理はしないでくださいね?」



友紀「だいじょぶだいじょぶ!開幕さえすれば!」



茜「そうですね!野球がやってる時の友紀さんはきっと無敵です!!!きっとこのユニットも成功しますよ!!!賭けてもいいです!!!」



友紀「グハァァァァァ!!!!」



智香「茜ちゃん!!!!!」











おわり









08:30│若林智香 
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