2016年04月10日

武内P「城ヶ崎さんと飲むことに」 莉嘉「お酒じゃなくてジュースだよ☆」

アニメ最終回後の設定です



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455269099



武内P「撮影、お疲れ様でした」





莉嘉「どうどう? 今日のアタシ、いい感じだった?」



武内P「はい。城ヶ崎さんらしい明るさが伝わってくる、いい撮影でした」



莉嘉「だよねー☆ アタシも、自分で今日はイケてたって思ったもん!」





莉嘉「あ、そうだ。ねえねえPくん」



武内P「なんでしょう」



莉嘉「久しぶりに一緒にお仕事できたんだし、この後二人でお茶でもしない?」



武内P「お茶、ですか。撮影を予定よりも早く終えることができたので、時間に余裕はありますが」



莉嘉「じゃあいいよね! よし、決まり☆」



莉嘉「やった、Pくんとデートだ!」



武内P「城ヶ崎さん。できれば、デートという言葉は控えていただけると……」



莉嘉「ん? 秘密ってこと?」



武内P「秘密というより、デートという表現自体が適切ではないと」



莉嘉「へへへ〜、Pくんと秘密のデート♪ なんかロマンチックな響きだねっ」



武内P「………」



イラッシャイマセー





莉嘉「ここのカフェねー、新メニューのフルーツジュースがあるんだ☆」



莉嘉「一緒に飲もうよ」



武内P「ええ」



店員「ご注文お決まりでしょうか?」



武内P「はい。このスペシャルフルーツジュースをふた――」



莉嘉「カップル用ひとつで!」



武内P「!?」



店員「スペシャルフルーツジュース、カップル用ですね。かしこまりました」



莉嘉「お願いしまーす☆」



武内P「あの……」



店員「わかりました。特急で用意してきますね」フフッ



武内P(行ってしまった……)



莉嘉「アタシがアイドルの莉嘉だってわかんなかったみたいだね。やっぱり変装はメガネと帽子がいい感じ♪」



武内P「城ヶ崎さん。カップル用とは、いったい」



莉嘉「え? Pくん知らないの? カップル用っていうのは、大きいグラスに入ったのを二人で一緒に飲むんだよ」



武内P「いえ、それは知っています。なぜ、私達がそれを飲むことに」



莉嘉「だから、一緒に飲もうって言ったじゃん」



武内P「それは、同じメニューを頼むということでは……」



莉嘉「え? だから二人で同じ物を頼んだよ?」キョトン



武内P「………」



莉嘉「えへへ、早く来ないかな〜」ニコニコ



莉嘉「ねえねえ、アタシ達どんな関係に見られてるかな? もしかして、カップルと思われちゃったりしてるかも!」キャー



武内P「それは、困りますね……」









店長「元気のいいお客さんだな」



店員「そうですね。きっとお父さんと仲良しなんですよ」ウフフ



店長「そうだな。仲良し親子だ」





店員「おまたせしました! スペシャルフルーツジュース、おふたつです」





莉嘉「もー! なんでカップル用キャンセルしちゃったのー!」ブーブー



武内P「立場上、自分はそのようなことをするわけには……すみません」ペコリ



莉嘉「………」ハッ



莉嘉「あ、わかった。Pくんさては恥ずかしいんだなー?」



莉嘉「アタシみたいなキュートなJC相手じゃしょうがないね。うん、そういうことなら許してあげるよ☆」ニコニコ



武内P「は、はあ……」



武内P「とりあえず、いただきましょうか」



莉嘉「いただきまーす」チューチュー



莉嘉「うん、おいしい!」



武内P「そうですね。いろいろなフルーツが、ほどよく混ざり合って調和を生み出しています」



莉嘉「あ、今のちょっとグルメリポーターみたい♪」



莉嘉「でも、ほんとおいしいね」



莉嘉「闇を照らす一筋の輝く光、みたいな味がする!」キリッ



武内P「………」



莉嘉「どうどう? 今の蘭子ちゃんっぽくない?」



武内P「そうですね……方向性は、似ているかと」



莉嘉「でしょ? アタシねー、今チューニ病の勉強してるんだ」



武内P「勉強を、ですか」



莉嘉「せっかく今、中二なんだし、やってみようと思って」



莉嘉「蘭子ちゃんにいろいろ教えてもらってる途中」



莉嘉「アタシの考えた必殺技はね、えっと……ちょっと待って。今メモ見るから」ガサゴソ



莉嘉「あったあった! スーパーダークメテオファイヤーだ! どうかな? アタシ的にはまあまあいいと思うんだけど」



武内P「ええ。なかなか強そうな技だと思います」



莉嘉「でしょー? これでアタシも立派なチューニ病だね☆」



武内P(……何かが根本的に違うような)



莉嘉「お姉ちゃんね、最近またお仕事増えてるみたいなんだ。アタシも負けないようにしなきゃ」



武内P「大学へ進学されて、以前よりも大人としての魅力が増したように感じられます」



莉嘉「だよね☆ でもお姉ちゃん、時々JKのころに戻りたーいって言ってるよ」



武内P「そうなのですか?」



莉嘉「そうなのですっ」



莉嘉「『カリスマJKアイドルという単語の響きは、二度と帰って来ないんだよねー』って、一ヶ月に一回は言ってると思う」



莉嘉「カリスマJDアイドルじゃダメなのかな?」



武内P「おそらく、彼女なりのこだわりがあったのだと思います」



莉嘉「ふーん、そうなのかな」



莉嘉「でも、過ぎたことをずーっと気にしててもしかたないよね☆」



莉嘉「JKのままでいつまでもいるなんて、できっこないんだから」



武内P「そうですね」













菜々「へくちっ」



菜々「うー、最近冷えてきましたねー」



ベテトレ「安部ー、聞いてるかー」



菜々「は、はいっ!」





莉嘉「ねえPくん、アタシはどう? 前と比べて、セクシーになった?」



武内P「はい。城ヶ崎さんと出会ったのは去年のことですが、着実に魅力的になっていると思います」



莉嘉「えへへー、照れちゃうなー☆」



莉嘉「アタシまだまだ成長期だから、これからどんどんおっきくなっていく予定だし♪」



莉嘉「いつかお姉ちゃんよりもナイスバディーになっちゃうかも!」フフーン



武内P「あなたはこれから、身体も心も様々な成長を経験する時期です」



武内P「変化に戸惑うこともあるかもしれませんが、それらを糧にしていければ、必ず城ヶ崎さんにとってプラスになるでしょう」



莉嘉「……変化、かあ」



武内P「……なにか、心当たりが?」



莉嘉「実は、そうだったりして」



莉嘉「最近、クラスの男子の態度がよそよそしくなってきたっていうか」



莉嘉「昔は普通に肩叩かれたりしてたんだけど、今は遠慮するようになった気がするんだよねー」



武内P「それは……ある意味、当然かと」



武内P「中学生というのは、多感な時期です。子どもから大人へと、徐々に変わっていく……性別の違いも、はっきりとしてくる頃です」



莉嘉「そんなものなのかなぁ」



莉嘉「仲良くしてくれる子もいるんだけど、そういう子の態度も、なんか中学入ったころとは変わってきた感じでさー」



莉嘉「夏休みに一緒にカブトムシ捕まえに行った時も、ミョーに遠慮してたし」



莉嘉「なんていうか……メンドーなんだね。なーんにも考えずに一緒にいられる時期は終わっちゃったのかな」



武内P「それが、男女の違いというものです」



武内P「ですが、違いがあるからこそ、新たに生まれるものもあるのだと思います」



莉嘉「それって?」



武内P「それは……今後の人生で、城ヶ崎さん自身が見つけることになるでしょう」



莉嘉「えー、なにそれ? アタシは今知りたいんだってばー!」



武内P「そう言われましても。自分も、言葉で説明するのは難しいので……」



莉嘉「むー……」ムスッ



武内P「申し訳ありません」



莉嘉「………」ムムム





莉嘉「じゃあ、ひとつだけ約束っ」



武内P「約束、ですか」



莉嘉「うん」



莉嘉「他の男の子の態度が変わっていっちゃうのは、しょうがないけど……」



莉嘉「せめて、Pくんだけは変わんないでよね☆」ニカッ



莉嘉「じゃないと食べちゃうぞ☆ がおー☆」



武内P「………」



武内P「……わかりました。約束します」



莉嘉「うむ、ならばよしっ♪」



莉嘉「じゃあ指切りしよ! 指切り」



武内P「はい」



莉嘉「ゆーびきりげーんまん、うそつーいたら――」



莉嘉「ところで、ちょっと聞きたいんだけど」



武内P「なんでしょう」



莉嘉「さっきの話。Pくんは、アタシがお姉ちゃんよりナイスバディーになる可能性、どのくらいだと思う?」



武内P「どのくらい………」ウーム



武内P「すみません。自分はそういったことには詳しくないので、なんとも」



莉嘉「もう、そーいう理屈っぽいことじゃないの!」



莉嘉「Pくんは、アタシとお姉ちゃんのどっちの味方かってこと!」



武内P「それは、もちろん城ヶ崎さんですが」



莉嘉「どっちも城ヶ崎なんですけどー」プクー



武内P「ですから、あなたのほうです」



莉嘉「そっかそっか。ならいいけど」



莉嘉「でも、前からずーーーっと思ってたんだけど……『城ヶ崎さん』じゃ紛らわしいよね」



武内P「おふたりが一緒にいる時は、下の名前で呼ばせていただいていますが」



莉嘉「そういう時だけ名前で呼ばれるとこっちがびっくりするの!」



武内P「はあ……」



莉嘉「なので! もういっそ普段から下の名前で呼べばいいと思いまーす☆」



武内P「下の名前で、ですか? それは」



莉嘉「というわけで、はい復唱! 莉嘉ちゃん!」



武内P「……莉嘉さん」



莉嘉「ぶっぶー! 莉嘉ちゃん、です!」



武内P「すみません……さすがに『ちゃん』は少し呼びづらさがあります」



莉嘉「もー、しょうがないなあPくんは」



莉嘉「いいよ。それなら『莉嘉さん』で許したげる♪」



武内P「そうしていただけると、助かります」





莉嘉「ねえねえ、ちょっとアタシの名前呼んでみてよ」



武内P「莉嘉さん」



莉嘉「えへへー☆」ニコニコ



莉嘉「もっかい!」



武内P「……莉嘉さん」



莉嘉「えへへー☆」ニコニコ



莉嘉「もっかい――」



後日





蘭子「ぷ、プロデューサー……」



武内P「神崎さん。おはようございます」



蘭子「うむ、煩わしい太陽ね(おはようございます)」



蘭子「時に……そろそろアナタに、我が真名を呼ぶ権利を与えようと思っているのだけれど」



武内P「真名ですか……?」



蘭子「うん、うん」ドキドキ



武内P(真名とは、いったいどれのことだろう……)



蘭子「………」ワクワク



武内P「……ブリュンヒルデ、のことでしょうか」



蘭子「……え?」



蘭子「………」プップクプー



蘭子「紅蓮の炎に焼かれよ!(ばかばか! もぉしらない!)」ダダダーッ



武内P「か、神崎さん? ……行ってしまった」



武内P(機嫌を損ねてしまったようだが……あれが真名ではなかったのか)







凛「鈍感」



武内P「渋谷さん……おはようございます」



凛「おはようございます」



武内P「それで、鈍感というのは」



凛「プロデューサー、最近莉嘉のこと名前で呼んでるでしょ」



武内P「はい。本人が、お姉さんのほうと混同するとのことでしたので」



凛「まあ、理由はどうでもいいんだけど……要は、それと同じことを蘭子にもしてあげればいいだけだよ」



武内P「というと……下の名前で呼ぶということですか」



凛「うん」



武内P「ですが、なぜ」



凛「ほら、わかったらとっとと行く! 蘭子、見失っちゃうよ」



武内P「は、はい」









凛「……まったく」ハァ



奈緒「りーん、なにしてるんだー」



加蓮「早く来ないと置いてっちゃうよー」



凛「あ、うん。今行く」



凛(がんばれ、プロデューサー)



数日後





蘭子「煩わしい太陽ね!」



武内P「おはようございます。蘭子さん」



蘭子「うむ!」←ご満悦







凛「……よかった。なんとかなったみたいだね」







みく「Pチャンおはようにゃ」



李衣菜「おはようございまーす」



美波「おはようございます、プロデューサーさん」



武内P「おはようございます。前川さん、多田さん、美波さん」



みく「今日は寒いにゃあ」



美波「そろそろ冬だからね」









凛「………」



凛「あれ?」





おしまい





12:30│城ヶ崎莉嘉 
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