2014年05月03日

杏「お尻の舞」


P(……このプロダクションで働いてもう何年も経つ)



P(色んなアイドル達と会って、彼女たちと共に高みを目指してきた)





P(邪気眼とか、宇宙人とか、多彩な個性を持つ彼女達と衝突したことは数知れないけど)



P(今はやっと俺も……信頼のおけるパートナーになれたと思う)



P(そして俺だけじゃない、彼女達もこの数年で皆成長していった、自分と向き合って新しい自分へと向かっていった)



P(プロデューサーとしてこれほど嬉しいことはない、彼女達の成長が俺の喜びだ)



P(……だけど)



P「……」



















杏「……zzZ」



P「……」



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P「こら杏てめええええ!! 何寝てんだクソニートがああああああ!!」



杏「わっ! な、なに!? なんなの!?」



P「お前どうした! 午後からレッスン入れてたろうが!」



杏「えっ、あれ……プロデューサー何怒ってんの?」



P「当たり前だろ! もう時間見てみろ!」



P「トレーナーさんから杏が来てないって連絡が来て探しに来てみれば……事務所のソファーでのうのうと……!」



杏「じ、時間……えーと……」



杏「……あー」



P「……何か、弁解はあるのか!」



杏「……」



杏「てへぺろ?」



P「おらあっ! 尻だぜ杏! 教育してやる!」



杏「ちょ、ちょっと待って! 体罰は禁止だぞ!」



P「知るか! もう我慢の限界だ!」



杏「わああ! 謝る、謝るってばー!」





…………







杏「はぁ、はぁ……」



杏(まいたかな?)



杏「……」



杏「……ふぅ、もう大丈夫か」



杏(怖かった……捕まったら酷い目にあってたよ)



杏(以前もこんなことあったけど、あの時は何されたんだっけ……)



杏(ええと……あ、そうだ、頭グリグリされたんだ、痛かったなぁ)



杏(グリグリ……)



杏(プロデューサーの大きな手が……杏の頭の両側にあって……)



杏(……プロデューサーも男の人だから……力強い手、杏の力じゃ離れてくれなくて……頭の両側から圧迫されて……杏は何も考えられなくなって……)



杏(……)



杏(……無理矢理グリグリされたの、凄かった)



杏(……今回捕まってたら、何されてたんだろう)



杏(そうだ、あれだ、お尻出せって言われてたんだっけ……普通に考えるとお尻叩かれてたのかな)



杏(それとも、お尻『出せ』なんだから……プロデューサーが杏を脱がして……)



杏(……そ、そんなことないか、うん……そんなこと……ないよね)



杏(あのお人好しに出来るのはせいぜいお尻叩いてくることだけぐらいだよ、うん)



杏(……)



杏「……お尻叩き、かぁ」



P「はぁはぁ……くそっ、逃げられた」



杏「……!」



杏(え、ドア越しにプロデューサーの声が聞こえる……!)



ちひろ「あれ、プロデューサーさんどうしたんですか息切らして」



P「ああ、ちひろさん……杏を見ませんでしたか?」



ちひろ「杏ちゃん?」



P「ええ、ちょっと今追いかけっこしてまして」



ちひろ「……あぁ、なるほど、またサボったんですか」



P「その通りです」



ちひろ「杏ちゃんも困ったもんですねぇ」



P「なんか昔と比べて仕事に多少前向きになってる気はするんですが……肝心のやる気がついてきてないんですよね」



P「あんなに手のかかるアイドルはあいつくらいしかいないですよ……はぁ」



ちひろ「あはは……って、笑っちゃいけないですね、お疲れ様です」



杏「……」



杏(逃げたと思ったのにこんなに近いとこにいたんだ……早く、気付かれないうちにもっと遠くにいこ……)



P「いえいえ……ったく、あいつは……」



P「いっつも迷惑かけてきやがって……何回おれがお仕置きしたと思ってるんだ」



P「もしかして……あいつ……」



杏「……?」



P「Mなんじゃないか?」



杏「!?」



ちひろ「Mって……そんなこと言うのは杏ちゃん可哀想ですよ」



P「いやでもですね、あいつはなんだかんだ賢いんだからもう少し要領よくやれると思うんですよ」



P「それなのにあんなにわざとらしくサボったり失敗するのは……叱られたりすることが快感になってるんじゃないかと」



杏(え……え、え……)



杏(プロデューサー……何、言ってるの……杏はそんなの違う……)



ちひろ「もう、変なこと言わないであげてくださいってば」



P「だけどあいつ、今日俺がお仕置きしてやる!とか尻だせ!とか言ったら一瞬目に期待の色が……」



杏(なっ……!)



杏(プロデューサー本当何言ってるのさ! 杏は期待なんか全然して……!)



杏(……全然、して……)



杏(……杏は)



杏(……)





…………







P「……で、結論やっぱあいつはMなんです」



ちひろ「もう、そんなおふざけしてると杏ちゃんに嫌われちゃいますよ?」



P「はは、まぁそうですね……実際これは半ば冗談交じりの愚痴みたいなもんです、あいつが余りにもニートだから……」



ちひろ「それってあまり良い冗談じゃ……って」



ちひろ「……杏ちゃん?」



P「え!」



杏「……」



P「おっ、お前なんで俺のとこに……さては観念したか?」



杏「……うん」



P「よーし、そうか……ちゃんと反省してるか?」



杏「……」



P「……まぁいい、次はこんなことないようにしろよ……ほら、今からでも遅くないからレッスン行ってこい」



杏「……」



P「どうした?」



ちひろ「杏ちゃん?」



杏「……叩かないの?」



P「え」





P「叩くって……その、お尻か?」



杏「うん」



P「いや……それはもういいから……」



杏「……叩いて」



P「へ?」



杏「杏のお尻、叩いて」



P「」



ちひろ「」



P「どどどどういうことだ杏?」



杏「……杏、わかんないから」



P「何がだ?」



杏「だから! プロデューサーが杏のことMだって言ったじゃんか!」



杏「杏は! Mなんかじゃない! Mなんかじゃないけど……!」



杏「……なんだかもう、わかんなく、なってきた……」



P「……」



杏「だから……杏は杏がどうなのか確認したい……叩いてよ、杏のお尻」



P「……」



P「……ち、ちひろさ…」



『営業行ってきます』



P「……」



P(逃げやがった)



杏「プロデューサー、早くしてよ」



P「っ!」



杏「杏はほら、もう覚悟出来てるから……自分がMかどうか、はっきりさせる覚悟が」



P「あ、杏……今お前はちょーっとだけ混乱してるだけなんだ、時間が経てば冷静になるから……今はほら、落ち着いて……」



杏「プロデューサーは杏のお尻叩きたくないの?」



P「そ、そんな俺を変態みたいに……」



杏「杏は……叩かれたい」



P「待ってお前本当どうした」





杏「い、痛いのが好きだから叩かれたいってことじゃないからな! 杏は杏がどうなのか確かめるために叩かれたいってだけで! そんな意図はない!」



P「いや、それにしても……」



杏「……プロデューサー」



P「……」



杏「……」



P「本気、なんだな」



P「……はぁ、分かった……レッスンサボったついでだ、叩いてやる」



P「だけどこれはお仕置きだ、本気で叩きに行くから覚悟しろよ」



杏「……うん」



P「さぁ、じゃあ俺の膝の上に横になれ」



杏「う、うん……こう?」



P「落ちそうで危ないから、もうちょっと俺の方に体よせて」



杏「……よっと」



P「そうそう、そんな感じ……じゃあ行くぞ?」



杏「……いいよー」



P「えいっ」パシッ



杏「ひゃっ……!」



P「……どんな感じだ?」



杏「……あれ」



杏「あんまり痛くない……」



P「い、いやそりゃあ、流石に加減を……」



杏「……」



P「……」



P「いいのか?」



杏「うん……本気できてよ」



P「……」



P「……おらあっ!」バシン!



杏「ぁうっ!」



杏「……あぅ……ん……」



杏「これは……うん、いた……いたい……」



P「……」



P「……」バシン!



杏「っ!」



P「……」バシン! べシン!



杏「ま、待って……待ってプロデューサー……!」



P「わ、分かった」バシン!



杏「んぁっ!」



P「……」



杏「……」



杏「……な、なんで急に何回も叩いたの?」



P「いや……お尻叩きって基本そういうもんじゃないか?」



杏「でも、最初の時、優しく叩いた時のは一発だけで声かけてくれたのに……」



P「……いや」



P「うん……」



杏「……」



P「……杏」



杏「な、なに?」



P「これはお仕置き、なんだよな?」



杏「え、うん……多分」



P「だからな……その」



P「パンツ脱げ」



杏「へ?」



P「お尻を叩くんだ、それならパンツ脱ぐのが常識だろ?」



杏「ど、どうしたのさプロデューサー……そんな……え?」



P「あと……一歩なんだ」



杏「……?」



P「あとちょっとで、俺も何かが分かる気がするんだ……だから」



P「パンツを……脱ぐんだ」



杏「……」



杏「……分かった……お仕置きだから、しょうがないよね」





…………







杏「ほら! 脱いだぞ!」



P「……」



杏「み、見ちゃダメだからね! あくまで叩かれるために脱いだだけだから!」



P「……綺麗だ」



杏「だから! 見るなー!」



P「見てないぞ」



杏「う、嘘つけ! じゃあなんでそんな言葉が……!」



P「いや、綺麗なのはそこにある観葉植物のことだ」



杏「で、でも……」



P「だいたい、お前は今俺の膝の上でうつ伏せなんだ、俺がどこ見てるか分かりはしないだろ?」



杏「……」



杏(……そうだよ、プロデューサーがどこ見てるか、杏から見えない)



杏(本当に……本当に観葉植物見てるのかも……だけど)



杏(……)



杏(杏は今……杏の大切なところ、見られてるの……見られないの……?)



杏(もし……見られてるんだったら……)



杏「……」



P「なんか息荒くなってないか杏」



杏「な、なんでもない……」



P「そうか、じゃあ……せいっ!」ベチン!



杏「あうっ!」



杏「は……ぁ……」



杏(え、何……これ……)



杏(肌に直接だと凄い……凄い……体が、ビリって……)



P「……」



P「そいっ!」バチン!



杏「っ!」



P「オラオラオラオラ!」ベチンベチンベチンベチン!



杏「……んっ、あっ、あっ……ぅあっ!」



P「まだ、まだ行くぞ杏……その艶っぽい声を……お前の声をこの俺に聞かせてくれ!」





…………







杏「……ん……あ……はぁ」



杏(何回……何回叩かれたんだろ)



杏(もう、わかんない……頭が鈍くなって……何も考えたくない)



杏(……でも、お尻は……熱い、ジンジン……してる)



P「……杏、また叩くからな」



杏「!」



P「ふっ!」



杏「……っ!!」



杏「……」



杏「……?」



P「……」サワッ



杏「ゅうっ!?」



P「……」ナデナデ



杏「あ……ふ……プロデューサー?」



杏(杏今、お尻……撫でられてる?)



P「……」ナデナデ



杏「……んっ!」



杏(なんで……お尻を撫でて…なんで……)



杏(……なんで……叩かれてないのに……)



杏(ジンジンしてたとこ……撫でられると……声、出ちゃうよ……)



P「……」ナデナデ



杏(こんなの……こんなの、もうだめ……)



杏(こんなことされたら……杏は……)



杏(……杏、は)





…………







杏「……」



P「……」ナデナデ



P「……眠ったか」



P「……」



P「杏……自分のこと、分かったか?」



P「お前の中の答えがどうなのか分からないけど……お前のおかげで俺は分かったことがあるよ」



P「もし、お前がMなら……俺は―――――――」





…………







杏「うぅ、めんどくさい……」



ちひろ「あら、杏ちゃんおはよう、今日は早いのね?」



杏「あ、ちひろさんおはよー……プロデューサーは?」



ちひろ「プロデューサーさん?」



杏「うん」



ちひろ「……」



ちひろ(杏ちゃんは覚えてないみたいだけど……プロデューサーさん、下半身丸出しの杏ちゃん膝に抱えてたの早苗さん達に見られて……)



ちひろ(……)



ちひろ「……プ、プロデューサーさんは今日は来てないみたいよ?」



杏「……そっか」



杏「……」



杏「じゃ、ちひろさん……レッスンいってくるねー」



ちひろ「え」



杏「なにさ?」



ちひろ「いや……え、杏ちゃんレッスン行くの?」



杏「うん」



ちひろ「……サボらないの?」



杏「……今日は別にサボる必要、ないかなって……そんな気分だから」













おわり



おまけ







P「杏、最近真面目だな」



杏「誰のせいさっ!」



P「誰のせいなんだ?」



杏「そ、それは……」



杏「だって最近プロデューサー、鞄の中……鞭とか蝋燭とか入ってて……なんか怖い」



杏「……あれに使うんでしょ?」



P「そりゃもちろん、お仕置き用に使う」



杏「……」



P「まぁそれは置いといて、最近真面目な杏にご褒美をやろう」



杏「飴?」



P「これだ」



杏「……何そのハチマキ見たいなの」



P「目隠しだ」



杏「はい?」



P「杏は比較的ソフトだからな……段階を追ってこっち側に来てもらおうと……さ、行くぞ」



杏「こっち側ってなんだっ! 待って! 離して!」



P「しょうがない、そんなに嫌がるならやめとくか」



杏「……え?」



P「どうした」



杏「い、いや……連れてかないの?」



P「嫌がってたらご褒美にならないからな」



P「でも……そうだな、嫌がるならお仕置きには……使えるかもな」



杏「……」



P「杏、今日のレッスンは二時からだ、遅刻したら……分かってるか?」



杏「……」



杏「……うん」



おわり



08:30│双葉杏 
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