2016年05月09日

凛「プロデューサー、膝枕してよ」

P「…え?」



凛「だから膝枕してほしいって言ってるの」



P「…何だって?」





凛「鼓膜が腐ってるの?」



P「甘い雰囲気から一転して毒々しいな!」



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凛「だってプロデューサーがしつこく聞き返してくるから…」



P「ご、ごめん。凛から膝枕を要求される日が来るなんて思ってもみなかったからさ、思わず我が耳を疑ってしまって…」



凛「プロデューサーってさ、よく仕事中に事務所の子を膝の上に乗せてるよね」



P「乗せてるというか乗られてるというか…」



凛「きらりから逃げ疲れた杏だったり、お絵描きして遊ぶ薫だったり、昼寝する幸子だったり、膝の上の女を引っ換え取っ替えしてるじゃん」



P「嫌な言い方だな!」



凛「まぁジャリどもを膝の上に乗せてたところで仕事に支障はないんだろうけどさ」



P「やけに刺々しくない!?杏とか一応お前より年上なんだからな!?」



凛「私を膝の上に乗せたまま仕事できる?」



P「まぁ凛の場合、さっき例に挙がった子達よりは背丈あるし、ちょっと邪魔かもな…」



凛「邪魔とまで言われるとは心外だね。発言の撤回を求めるよ」



P「何で今日のお前そんなに面倒くさいの?」



凛「出るとこ出てもいいんだよ」



P「なぁ」

凛「とにかく膝の上に乗せられないなら、せめて膝枕してよ」



P「よく分からないんだけど、もしかしてお前…杏達に嫉妬してる?」



凛「…は?してないけど」



P「…正直な気持ちを言えば、最近凛と過ごす時間が取れなくて悪かったと、俺は思ってる」



凛「…プロデューサー?」



P「凛は俺が初めてプロデュースしたアイドルだ。事務所の中では一番長い時間を一緒に過ごしてきたし、最も信頼している仲間の一人だと思っている」



凛「…ふーん」



P「けど、他の子のプロデュースで忙しくなってからは、放任してしまっているところもあったと思う。信頼という言葉を免罪符にして…」



凛「…」



P「凛も売れっ子になった。それに伴って色んな悩みや不安を抱えていたと思う。それをケアできなかったのは俺の責任だ」



凛「…もういいよプロデューサー。言いたいことはだいたい分かった」



P「凛…」



凛「プロデューサーの言う通り…私、杏達に嫉妬してたのかも。だから寂しく感じて構ってもらいたかったんだ…ウジ虫以下だよね」



P「そこまで卑屈になる必要なくない!?」

凛「さっき言ったことは忘れて。私らしくなかった」



P「…待ってくれ、凛。ちょっとこっちに来てくれないか」



凛「何?」



P「最近忙しくて疲れてないか?俺の膝で良かったら貸すよ。俺がそうしたいんだ」



凛「…もう、恥ずかしいなぁ」



P「嫌か?」



凛「…ううん。それじゃあ…失礼するよ」



P「…どうだ?首、痛くないか?」



凛「大丈夫だよ…フフッ」



P「むぅ、なんかこそばゆいな…それに何ていうか…軽い」



凛「頭が軽いってなんか心外だな」



P「そ、そうじゃなくて!杏達も軽い方なんだけど、全体重が乗っかるのと比べると、頭だけだとすごく軽く感じるんだよ」



凛「慌てなくても冗談だよ」



P「からかうよなぁ…それに髪が当たる感じがなんかムズムズするんだ…人に膝枕するなんて初めてだからなぁ」



凛「そっか、初めてか…フフッ…ねぇプロデューサー。いつもは恥ずかしくて、思っても口にできないんだけどさ」



P「どうした?」



凛「チャック空いてるよ」



P「いや言って!?そういうことは気付いたときに!」



凛「冗談だよ…いつもありがとね、プロデューサー」



P「こちらこそ。いつもありがとう、凛」



未央「おっはよーございまーす!」



凛「邪魔が入ったね」



未央「いい雰囲気だったのは分かるけど、少しはオブラートに包んで!?」

P「お、おはよう未央…その…この状況については、あまり深く突っ込まないでくれ」



未央「ふーむ、どうしようかなぁ…膝枕!私にもしてくれるなら、考えてもいいよ!」



P「…別にいいけど、そんな良いものじゃないぞ?」



未央「やったね!ま、しぶりんもプロデューサーに甘えたくなるときくらいあるよね!」



凛「いいから!こんな早い時間に来たってことは自主レッスンでしょ、行って来なよ!ニュージェネのライブ近いんでしょ!?」



未央「他人事じゃないからね!?しぶりんも出るんだよ!?…まったく、それじゃ先行ってるからね!」



凛「…みんなプロデューサーの膝の上狙ってるんだね。あたしだけプロデューサーとの仲に託けて、こんなことねだるのズルかったかな」



P「気にするなって。みんなを元気付けられるなら、俺の膝なんかいくらだって使ってもらって構わないよ」



凛「…ありがと。プロデューサーの足が200本くらいあれば、全アイドル一斉に膝枕できるのにね」



P「それ絵的にメチャクチャ気持ち悪くないか?」

P「ところで凛、いつまでこうしてるんだ?見られたのが未央だったからまだ良かったけど、清美なんかに見られたときのことを思うと気が重いんだけど…」



凛「動きたくても動けないんだよ…なんだか心地よくて…ねぇプロデューサー、耳の後ろかいて」



P「何で?かゆいのか?」



凛「耳の後ろかくの、ハナコにやってあげると喜ぶんだよ。ハナコがどんな気持ちなのか知りたくてさ。お願い」



P「…ほら、どうだ?」



凛「自分がホモサピエンスであることを再確認したよ。犬とは喜ぶところが違うんだね」



P「えらく悟ったな」



凛「同じような感じで、次は首やって。そこもハナコが喜ぶところなんだ」



P「なんか要求がエスカレートしてきてないか…ほら、これでいいのか」



凛「あ、これ好きかも…」



P「おい凛、目を閉じるな。聞いてるのか?…まさかもう寝ちゃったのか?寝たら死ぬぞ凛!凛…おーい!」

凛「ん…あれ?私…」



P「目が覚めたか?」



凛「もしかして私寝てた?…しかもその間、ずっと膝枕の体勢でいてくれたんだ…」



P「気にするな」



凛「いや、仕事しなよって思って」



P「やかましいわ!」



凛「冗談だよ。ごめんねプロデューサー」



P「いや、本当に気にするな。それで、気分はどうだ?」



凛「うーん…なんかすっきりしたし、そろそろ私もレッスンに行ってくるよ」



P「うん、頑張ってな」



凛「ねぇプロデューサー…」



P「どうした?」



凛「膝枕、またお願いしてもいいかな」



P「うん、いつでも言ってくれ」



凛「じゃあ週5で頼むよ」



P「多いな!」



おしまい



22:30│渋谷凛 
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