2016年05月11日

二宮飛鳥「………」 佐城雪美「………」

飛鳥「………」



雪美「………」ジーー



飛鳥「………」





雪美「………」ジーー



飛鳥「………」









飛鳥(見られている。すごく見られている)



飛鳥(原因は……おそらく、ボクの膝に乗っているコイツか)





ペロ「にゃ」



雪美「………」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1461251893



飛鳥(10分ほど前だったか……部屋に入ると、デスクワークに励んでいるPと、床をゆっくり歩きまわっている雪美の猫がいた)



飛鳥(飼い主が席を外しているからか、どうにも手持ちぶさたな様子に見える彼……いや待て。そもそもペロはオスだったか、メスだったか)



飛鳥(……まあ、今回猫の性別はさしたる問題じゃない)



飛鳥(暇そうにしているペロを見て、ボクは先日読んだ雑誌に掲載されていた『猫のかわいがり方』を実践したくなったのだ)



飛鳥(なぜかって? ボクが暇を持て余していて、向こうもそれは同じだった。それ以上の理由は必要だろうか)



飛鳥(あえて一言で表すとすれば……気まぐれってやつさ)





飛鳥(雑誌にあった通りの接し方を試してみたところ、ペロはあっさりとボクに心を許した)



飛鳥(ほかに興味を抱く対象がなかったということもあるのだろう。とことことボクの膝の上に乗り、そのまま丸まって休み始めた)



飛鳥(そしてそれとほぼ同時に飼い主が部屋に戻ってきて、今に至る)











雪美「………」



飛鳥「………」



雪美「………」



飛鳥「………」





ペロ「ふにゃあ」←安らぎの表情





雪美「………!!」



飛鳥(何に衝撃を受けているんだ、彼女は)



ペロ「にゃにゃ」



飛鳥「こら、エクステに触れるのはダメだ。何人たりとも、何猫たりともアンタッチャブルだ」



ペロ「にゃぁ」←触りたそう



雪美「………!!!」



飛鳥(何に衝撃を受けているんだ、彼女は)



飛鳥(そもそも、なぜボクらは先ほどからわざわざ正座で向き合っているのだろう)





飛鳥「………」



雪美「………」





雪美「………」ヒザポンポン



ペロ「にゃ?」



雪美「………」ヒザポンポン



ペロ「にゃにゃ」トコトコ



飛鳥「あっ……」



ペロ「にゃ」←雪美の膝に乗る



雪美「………」





雪美「………」フンス



飛鳥「………」



飛鳥(これは……アレか。ひょっとして、ボクに対抗心を抱いていたのか)



飛鳥(飼い主としてのプライド……寡黙な子だと思っていたけど、案外子どもっぽいところもあるのかもしれない)





飛鳥「……あー、その。悪かったね、キミのペットを勝手に借りて」



雪美「………」フルフル



雪美「飛鳥……この子をかわいがってくれていた……うれしい……」



飛鳥「そう言ってくれると、こちらとしても――」







梨沙「ただいまー。ちょっとペロ、こっち来なさいよ。アンタこういう羽とか好きでしょ?」



ペロ「にゃにゃっ!」シュタッ



雪美「………!?」



梨沙「わ、ホントに食いついてきた。猫ってどうしてキジの羽が好きなのかしら」



飛鳥「獣の匂いに反応しているとは、よく言われているね」



梨沙「ふーん。本能が刺激されるってヤツ?」



ペロ「にゃふー」



梨沙「おー、よしよし。アンタってば飼い主と違って落ち着きがないわねー」ナデナデ



飛鳥「さすがに動物の扱いは手慣れているね」



梨沙「別に慣れようと思って慣れたわけじゃないわ。動物たちが勝手に寄ってくるんだもん」



梨沙「モテるってつらいわね!」ニコニコ



飛鳥(その割に笑顔だが……まあ、梨沙は置いておこう)





雪美「………」ソワソワ



飛鳥(あっちはソワソワしているな……)



雪美「………」ヒザポンポン



ペロ「にゃにゃっ!」



梨沙「あはは、ほらほら、ここまで手が届く〜?」



雪美「………」



雪美「………」ヒザバンバン



ペロ「にゃー!」



梨沙「うわっ、アンタ思ったより身軽ね。さすが猫」



雪美「………」



雪美「………」オロオロ



飛鳥(すごく仲間に入りたそうにしている……)



飛鳥(もしかすると……さっきのボクとのやり取りも、対抗心云々ではなく、単純に寂しかっただけか……?)



飛鳥(表情だけでは読み取れない……雪美、キミはなかなかにややこしい子だ)



飛鳥「………」



飛鳥「ボクが言えた義理じゃないか……」フッ



梨沙「なんで急に笑ってんのよ」



雪美「………」キョロキョロ



飛鳥(? あたりを見渡している……)



雪美「………ない……おもちゃ……」



飛鳥(そうか。猫が喜びそうなものを探しているのか……それで興味を引こうというわけだね)



飛鳥(しかし、見た感じこの部屋には役に立ちそうなものは何も)



雪美「………!」



飛鳥「ん?」



雪美「………」ジーー



飛鳥「………」



雪美「……飛鳥」



飛鳥「なんだい」



雪美「エクス」



飛鳥「ダメ」



雪美「………」





雪美「エク」



飛鳥「ダメ」



雪美「………」





雪美「え」



飛鳥「案外頑固だな、キミも……ダメなものはダメ」



雪美「………」ショボーン



梨沙「うふふっ♪」



ペロ「にゃふふ」





雪美「………」



雪美「………」スッ



飛鳥「……雪美」



雪美「………?」



飛鳥「なぜ、おもむろにスカートに手をかけているんだ」



雪美「………チラリズム……?」



飛鳥「どこでそんな単語を……いや。この事務所は心当たりが多すぎるな」ハァ



雪美「……ダメ……?」



飛鳥「そもそも、猫相手にやるものじゃない」



雪美「………知らなかった」



飛鳥「よく覚えておくといい」



雪美「うん……でも、どうすれば……」





梨沙「あ、そうだ。雪美ー、羽もう一本あるからアンタも来なさいよー」フリフリ



雪美「………」



雪美「………!」キラキラ



雪美「………!」フンス





飛鳥「………」



飛鳥「あぁ、やっぱりだ」



飛鳥「雪美が鼻息を荒くするのは、自慢やプライドの表れなどではなく……単に喜びが漏れ出ているだけ」



飛鳥「またひとつ、理解った気がするよ」





ペロ「にゃにゃにゃっ」



梨沙「やっぱり同じおもちゃを持ってると、アンタのほうに寄っていくわね」



雪美「ふふ………」ヨシヨシ



飛鳥「………」





飛鳥「梨沙。三本目は」



梨沙「え? ないけど」



飛鳥「………そうか」シュン



梨沙「………」



梨沙「使う?」



飛鳥「………」



飛鳥「使う」



梨沙「まったく、欲しいなら最初からはっきり言いなさいよねっ」



雪美「……素直……じゃない……」



飛鳥「キミには言われたく……まあいいか」フッ



ガチャリ





晴「おーい、梨沙。サッカー付き合ってくれよ」



梨沙「あ、晴。んー、どうしよっかなあ」



晴「頼む! ひとりじゃリフティングと壁当てくらいしかできないんだよ」



梨沙「しょうがないわねー。じゃあちょっとだけ付き合ってあげる!」



晴「さすが梨沙! そう言ってくれると思ったぜ」



梨沙「はいはい。じゃ、行くわよ」



晴「飛鳥と雪美もやるか?」



飛鳥「ボクは遠慮しておくよ」



雪美「私も……やめておく……」



晴「そっか。やりたくなったら中庭に来てくれよな」





バタン





飛鳥「………」



雪美「………」



ペロ「にゃふー」



雪美「……ふふ」



飛鳥「……キミは、本当にペロと仲良しなんだね」



雪美「そう……初めての、友達だから……」



飛鳥「友達か」



雪美「はじめは……この子だけだったけど……今は、友達……たくさん……うれしい」



飛鳥「いいこと、なんだろうね。ボクは友達を作るのが苦手だから、なかなか気持ちは理解らないけれど」



雪美「……私も苦手。でも……みんな……優しいから」



飛鳥「うん……そうだね。ボクもキミのように純粋なら、あるいは」



雪美「………」



雪美「私と飛鳥……友達……じゃない……?」



飛鳥「ははは。そう問われると参るな……」



雪美「………」



雪美「……この子と、友達になる……?」



ペロ「にゃ?」



飛鳥「ペロと、かい?」



雪美「とてもいい子……友達になれる……きっと」



飛鳥「動物と友達になる、か。確かに、心を通じ合わせることができるなら、それも可能かもしれない」



飛鳥「でもボクがやっても、自分の言葉を勝手に押しつけるだけ。相手が言葉を理解できないことをいいことに、横暴な友情を築くだけになるだろうさ」



雪美「………」キョトン



飛鳥「なんてね。こんなこと、キミに言っても仕方が」



雪美「……ペロ……言葉、わかる……よ?」



飛鳥「………」



飛鳥「ははっ……そうだったな。これは失礼」





雪美「お手洗い……いってくる……見ていて」



飛鳥「あぁ。キミの友達の面倒は見ておくよ」



雪美「ありがとう……」トテトテ







飛鳥「………」



ペロ「にゃ」



飛鳥「猫は気まぐれで、群れることを嫌うと聞くけれど。キミは、ずっと彼女の支えであり続けているようだ」



飛鳥「……そういう性質の人間でも、誰かに翼を与えることはできるのかな」



ペロ「にゃー?」



飛鳥「………ふふ」



飛鳥「なんてね。雪美に乗せられたけれど、こんなことをキミに言っても仕方がないか」





飛鳥「……いや、仕方がないにゃ?」



ペロ「にゃにゃっ」



飛鳥「……キミは元気だにゃー」フフ









梨沙「………」



飛鳥「………」



飛鳥「!?」



梨沙「仕方がないにゃ?」ニヤニヤ



飛鳥「!?」



梨沙「元気だにゃ?」ニヤニヤ





晴「おーい、梨沙。忘れ物、ちゃんと見つけたのか?」



梨沙「今行くにゃー」タタタッ



飛鳥「………」





ダダダダダッ!!





梨沙「うわ、本気で追いかけてきた! 逃げるわよ晴!」



晴「は? え? なんで?」



飛鳥「………」ダダダ



梨沙「しかもペロ抱えたまま走ってるし! なんで!?」



晴「よ、よくわかんねえけど……脚の速さなら負けないぜ!」



だだだだーー!!







雪美「………」←トイレからの帰り



雪美「………ふふ」





雪美「飛鳥……友達……たくさん」







おしまい



おまけ



後日





心「だからさぁ、そこのディレクターが厳しくてさぁ〜」



ペロ「………」



心「ほんと、はぁとのハートもくたくた……ペロちゃん、どうしたいいかな?」



ペロ「にゃ……」



心「……うん、うん」



心「そうだよね。茨の道なのはやる前からわかってたんだし、今さら投げだすなんてありえないよな!」



心「うん、元気出たぞ♪ はぁと復活☆」



心「やっぱりペロちゃんは理想のカウンセラーだな♪ ため息ひとつせずにはぁとの愚痴を聞いてくれるし」



ペロ「にゃ?」



心「うちにお持ち帰りしてもいい? ていうかお持ち帰りさせろ☆」ギューッ



ペロ「にゃにゃっ!?」









雪美「………」オロオロ



飛鳥「あれは冗談だから、気にしなくていい」





おまけおわり







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