2016年05月11日

幸子「プロデューサーさんをギャフンと言わせたい!」

モバP(以降P表記でごぜーますよ)「ギャフン」



幸子「」



P「…」カタカタカタカタカタカタカタ





幸子「」



P「…」カタカタカタカタカタカタカタカタ



幸子「」



P「…あっ」カタカタカタッターン



P「幸子、次のライブお前人間大砲で登場する事になったからな」



幸子「ぎゃふんっ!?」



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幸子「なんて事があったんですよ!」プンスカプン



輝子「お、おう…」



小梅「あ、荒ぶってるね…」



幸子「何なんですかあのプロデューサーさんは!いつもいつもリアクション目当ての体当たりロケばっかりやらせて…お陰でカワイイカワイイボクが最近では「イモトの後継者」とか呼ばれ始めてるんですよ!?」



輝子「お、落ち着け…どうどう、さっちー」ポムポム



小梅「…あ、え、えびせんあるけど…食べる?」



幸子「いただきます。……ようふるにふぇふね、ふぉふふぁふぃふぃふぁいふぉふぁ」モキュモキュ



輝子「な、何言ってるのか全然わかんねえ…フヒヒッ」



小梅「お口の中、空っぽにしてからお話し…ね?」



幸子「…んぐっ。これは失礼しました。…要するに、ボクが言いたいのは」



幸子「どうにかしてあの残念なプロデューサーさんにギャフンと言わせてやりたい!」



幸子「と、いう訳です。あ、えびせんもう少し貰いますね」ボリボリ



小梅「で、でも…ギャフンって、言ってくれたんだよね?」



幸子「言ってくれたじゃダメです!言わせたいんです!思いがけず口から出させたいんです!」



輝子「で、でも…ギャフンって、実際声に出して言う人…いるか?」



小梅「うん…下手したら、一生口にしない言葉かもよ…?」



幸子「うぅ〜……!そんなことありません!こうなったら絶対言わせてみせます!」ガタッ



幸子「待っていてください、すぐにあの偏屈陰険性悪敏腕盆暗プロデューサーに吠え面かかせてきますから!」ドタバタ



小梅「えっ、あっ……も、もういっちゃった…」



輝子「な、何気に悪口の中に褒め言葉が混ざってなかったか…?」



あの子「せわしねぇや」



小梅「…ね、ねぇ」



輝子「フヒ?」



小梅「さ、さっちゃん…何時間ぐらいで、な、泣きながら戻ってくるか賭ける?」



輝子「そ、そうだな……じゃあ、2時間ぐらいに、2千ペリカ」



小梅「私は…1時間に、あの子の魂を賭けよう」



輝子「グッド」



あの子「え?」











幸子「さーて、正面からいってもあのプロデューサーさんの事だから好き勝手に人の事おちょくって弄り倒して弄んだ挙句美味しいオヤツ食べさせてくれてオシマイでしょうからね」



幸子「ここは一つ、どう仕掛けるかよく考えないといけませんね……」



凛「何してるの?」



幸子「ぎゃふんっ!?」



凛「わっ、そんなビックリしないでも」



幸子「い、いきなり気配も無く後ろから肩を叩かれたらビックリですよ!」



凛「別に気配隠したりしてないよ。幸子がそれだけ夢中でプロデューサーのこと見つめてたんでしょ」



幸子「ひ、人聞きの悪いことを言わないでください!」



凛「違うの?こんな物陰からコソコソと……乙女か」



幸子「乙女ですよ!ボクも凛さんも!この事務所の娘はほとんど!」



凛「で、何してるの?ストーキングなら千枝ちゃんに聞くといいよ」



幸子「違いますし誰をどんな理由で紹介しようとしてるんですか!」



幸子「ツッコミしか出来ないから話が進みません!!」







ちひろ「何やら賑やかですねぇ。全部聞こえてるのに」カタカタカタカタ



P「若いうちはあれぐらい元気なほうが健全ですよ」パチンッ パチンッ



ちひろ「達観してますねえ。あ、この資料お願いします」



P「ちょっと待って、今バルバトス作ってるから」パチッ



ちひろ「それじゃしょうがないですね。ってバカぁ!」

幸子「かくかくしかじか」



凛「りんりんしぶりん」







凛「うん、大体わかった」



幸子「世界の破壊者並みの理解力ですね」



凛「幸子はプロデューサーにギャバンって言わせたいんだね」



幸子「話聞いてました?」



凛「とりあえず「若さってなんだ」「愛ってなんだ」って聞いてみたらいいと思うよ」



幸子「凛さん、お願いだから一旦ボクに振り向いて下さい。そして少しは躊躇ってください」



凛「って言うか、あのプロデューサーをギャフンと言わせるなんて無理じゃない?」



幸子「よかった、一応話は通じていたんですね」



幸子「やっぱりそうですかね…あの人ノリは良い癖に妙に隙が無いと言うか時々チートと言うか…」



凛「ふふ、幸子には荷が重そうだね」



凛「いいよ、私に任せて」



幸子「えっ?いやボクが言わせたいんですけど…」



凛「付き合いの長い私ならプロデューサーの口からギャフンと言わせたり愛してるとか結婚してくれとか言わせたりなんて朝飯前だよ」



幸子「いやいや付き合いの長さならボクも凛さんと割と変わらないんですけど…って何する気ですか一体!」



凛「まぁ、そこで見ててよ。…ねぇプロデューサー」トテトテ



幸子「あっ、ちょ、ちょっ待っ…!フットワーク早っ!」







凛「プロデューサー、今ちょっといいかな」



P「悪い、見ての通り今忙しいんだ」カチャカチャ



凛「プラモ作ってるのに?」



P「プラモじゃない、グシオンリベイクだ」パチッ パチッ



ちひろ「プラモじゃねーか」

P「ちょっと待っててくれな。あ、ちひろさん接着剤乾くまでコレ持ってて下さい」



ちひろ「ちょっ、おま」



P「んで、どうした?凛」



凛「うん、大した事じゃないんだけどさ」チラッ





幸子「ボクが自分の力でギャフン言わせたかったところですが、凛さんのあの自信に満ちた態度、「3代目様の実力をそこでしっかり見てな」と言わんばかりのあの顔…」



幸子「お手並み拝見させてもらいますよ、凛さん」グッ



幸子「あ、ずっと覗き見してたから喉乾きましたね…ちょっと伊右衛門でも買ってきましょう」トタトタ







凛「…」



P「何だ?言いにくいんだったらちひろさんに席外してもらうか?」



ちひろ「扱い悪くないですか?誰かさんが仕事中に作ってるプラモ持ってあげてる天使ですよ?」



凛「ううん、それはいいんだけど…いざとなるとちょっと勇気がいるね…」



P「…?」



凛「…うん、あの、さ…」



P「うん?」





凛「今、付き合ってる人がいるんだ」



P「」ブーーッ!



ちひろ「」プーーッ!





幸子「」ブーーッ!



幸子「ぺぺっ!折角買ってきたお茶ぶちまけちゃいましたよ!何をほざいてるんですかあの3代目アホデレラガールは!」



幸子「…はっ!ま、まさかコレが凛さんの作戦…?」



ちひろ「ちょっ、ちょちょちょ!今何て?」



凛「今付き合ってる人がいるんだ、って」



P「えっ、島村何とかさん?それとも本田さん?神谷何某さん?はたまた北条加蓮?」



凛「何で加蓮だけバッチリ言うのさ」



凛「同性じゃないよ。私そういう趣味無いよ?」



P「えっ」



ちひろ「えっ」



凛「えっ?」



ちひろ「いやいやいやいや、それはそれで問題ですけどそうじゃなくてもそれはそれで大問題ですよ!?」



P「マジかぁ…マジかぁ…」



凛「…」





幸子「あ、あれが3代目シンデレラガールの演技力…」



幸子「プロデューサーさんとちひろさんが俯いた隙に何てあくどい笑顔を浮かべてるんですかあの人は…」







P「…本気、なのか?」



凛「…うん」



P「そうか…」



凛「…」



ちひろ「り、凛ちゃん?まがりなりにもあなた達はアイドルなんですよ?」



凛「…ゴメン」



P「そっか…」



凛「…」







凛(さぁさぁどうするのプロデューサー?大事なアイドルがどこの馬の骨とも知らない男に取られちゃうよ?私のこと心配?落ち込んでくれた?嫉妬なんてしてくれるのかな「凛は俺のものだ誰にも渡さん!」とか言ってくれたらもうどうしようプロデューサー時々強引だから本気で迫られたりしたら抵抗できないかもね仕方ないよねふーんまぁ悪くないかな)ニヘヘ





幸子(プロデューサーさん達が俯いてるからって何ちゅう顔してるんですかあの人は…。ああもう、涎!涎垂れてます!)

P「…なぁ、凛」



凛「」ピクッ



凛「…なに?」



P「…相手は、どんな奴なんだ?」



凛「ふへっ?」



P「いや、凛みたいな娘を射止めた男は、どんな男なのかなって、さ。よかったら教えてくれないか?」



凛「えっ、えっ…?は、反対しないの?」



凛「アイドルだよ、私。ファンを裏切ってるんだよ?」



P「凛ぐらいの年頃で恋愛感情を持つななんて無茶な事は言わないさ。実際恋愛を全面禁止したりしてないだろ?」



凛「あ、いやそうだけど…」チラッ





幸子(助けを求めるような視線が来ましたーーー!でもごめんなさい、ボクは何も出来ません!)





P「同じ業界の関係者か?」



凛「えっ、いや違…」



P「じゃあ同じ学校の人か?」



凛「うん?あー、えっと…うーん……同級生…?」



P「凛の同級生か…」ハァ



凛(ふぅ、危ない…何とか乗り越えた…さすが私アドリブも完璧だね)



凛「ごめんね、プロデューサー…」



P「いや、謝られるような事じゃない。恋愛感情なんて誰に何を言われたって止められるものじゃないしな」



P「それに、俺には凛の事をとやかく言える資格は無い」スッ



凛「…?プロデューサー、それは?」



ちひろ「薬指に………指輪っ!?」



P「……うん」







P「結婚しました」





凛「…」





凛「……」













凛「ぎゃふん!」

幸子「見事なまでに返り討ちにされましたね3代目さん…」



凛「」チーン



幸子「もしもーし、意識はありますか凛さーん?プロデューサーさんの結婚って嘘ですよ?あの指輪もハムスターの首輪ですって」ユサユサ



凛「」チーン



幸子「ダメだこりゃ」



幸子「うーん、やっぱり手強い…凛さんの演技も最初から見透かされてたみたいですし」



幸子「さて、ボクはどう仕掛けるべきか…うむむむ…」



ありす「何をしてるんですか?」ツンツン



幸子「ぎゃふんっ!?」



ありす「わっ、ビックリするじゃないですか」



幸子「お、驚いたのはこっちです!いきなり後ろから人をつつかないで下さい!」



ありす「何度も声をかけました。夢中で私のプロデューサーさんを見つめていたから気が付かなかっただけでは?」



幸子「む、夢中で見つめてなんていませんよ!人聞きの悪いことを」



ありす「では何をしていたのですか?監視するならマキノさんに頼めば高性能のカメラを割安で提供してもらえますよ」



幸子「ここの事務所にマトモなアイドルはボク以外いないんでしょうか!?」











ちひろ「それにしてもプロデューサーさん、よくさっきの凛ちゃんの話が演技だってわかりましたね。私完全に騙されましたよ?」



P「いや、俺も最初は本気でビビりましたよ」



P「でもこっちのビックリした顔見てめっちゃ目が笑ってたのに気づきまして」



P「そもそも幸子とよくわからない相談してましたしね」



ちひろ「あ、それもそうでしたね。あ、接着剤乾きましたよ」



P「どうも。じゃあ次このケンプファー持ってて下さい」カチャカチャ



ちひろ「私はプラモ制作のアシスタントじゃねーよ」

幸子「かくかくしかじか」



ありす「ばなばなりすりす」





幸子「把握しました」



幸子「皆さん状況理解力高くて助かります」



ありす「用は幸子さんはプロデューサーさんにギャレンと言わせたい訳ですね」



幸子「ナズェ!?」



ありす「お任せください。それぐらいの事、この346プロが誇るストロベリー・ジーニアスことクール・タチバナに掛かれば造作もありません」



幸子「どっちの異名も初耳ですけど!?」



ありす「プロデューサーさんとは自分で言うのも何ですが信頼関係も強いですし、ギャフンと言わせる事も4年も待てないから今から婚約だけでもしてしまおうかとか言わせてしまう事もこずえさんの手を捻るより簡単な事です」フンス



幸子「いやいや何言ってるんですかっ!こずえちゃんが可哀想でしょ!今頭の中で腕捻られて「いたいのー」とか言ってる光景思い浮かべちゃいましたよ!罪悪感が凄い!!」



ありす「では、早速いってまいります。5代目シンデレラガールの実力をご覧あれ」トテトテ



幸子「まだ決まってませんよ!5代目はボクですってフットワーク早いなぁもう!」







ありす「プロデューサーさん、今少しいいですか?」



P「んっ?どうした橘さん。ちょっと今手が離せないんだ」シュッシュッ



ありす「プラモ作っているようにしか見えませんが」



P「フルスクラッチだよ」



ちひろ「家でやれや」



P「…よし。ちひろさん、ちょっとこれにエアブラシかけてきて下さい」



ちひろ「だから仕事して下さいよ」



P「スタドリ買いますから」



ちひろ「ウェザリングはどうします?」



P「足元汚しもお願いします」



ちひろ「がってん」スタスタ



P「…俺が買うとは言ってないがな」



P「はいよ、手が空いたぞ。どした橘さん」



ありす「ありすです。頑として貴方が名前を呼んでくれないありすです」



P「うん。何か用か?橘さん」



ありす「ありすです」



P「たちばにゃん」



ありす「あり………それはそれでちょっとアリですけど、ありすです」



P「たちばにゃん、良いと思うんだけどなぁ…りすりす」



ありす「それは二人きりの時にお願いします、ありすです」



P「え、用事って名前で呼べって話?」



ありす「…」ムムゥー







幸子「あ、駄目だこれ。勝ち目無い」

P「どうしたりすにゃん。そんなハムスターがしこたま頬にエサ詰め込んだような顔して」



ありす「ありすです。ありすという元の名前の原型がなくなってしまっても諦めません、ありすです」



P「何かキャッチフレーズみたいになってるぞ」



ありす「プロデューサーさんが何度言っても名前で呼んでくれないからでしょう!」フカーッ!



P「いや、だってそれはりすにゃんが最初「馴れ馴れしく名前で呼ぶな、橘と呼びなさいこの豚」って」



ありす「誰かと記憶混同させていませんか!?」









時子「ぷちゅんっ」



時子「…この感じ、また豚が何かやってるわね…」ズビ…









P「まあまあ、落ち着けりすにゃん。あ、パウンドケーキ食べるか?」



ありす「ありすです。りすにゃん可愛いですけど橘さん家のありすです」



ありす「頂ます」



P「お茶も淹れるなー。ロイヤルミルクティーしか無いけどいいか?」コポコポ



ありす「至れり尽くせりです」モフモフ



P「ついでにネコ耳もつけておくなー」スポッ



ありす「ご丁寧にどうも」ニャンッ



P「おお、文字通りりすにゃん完成」



ありす「はふはふ……あ、お茶おいしい…」ハフゥ









ありす「…はっ!?い、いつの間にか頭にネコ耳が!?」



P(おばか可愛い)





幸子(おばか可愛い)

P「おー、似合う似合う」カシャッ



ありす「ちょっ、撮らないでください!」



P「ほら隠さない。はいこっちに目線下さーい」カシャッ



ありす「あ、はい」



ありす「って、だから撮らないでください!」



P(と言いつつポーズとってくれるありすマジ芸能人の鏡)カシャカシャ



ありす「シャッターがどんどん加速している気がするんですけど!」



P「気のせいだよー」カシャカシャカシャカシャ



P「はい、両手を猫の手にしてー、頭の上で、はいポーズ」



ありす「はいっ」



ありす「って!だからっ!」



P「その場で一回クルッと回ってみようか。あ、スカート気を付けてなー」



ありす「はいっ」クルリンッ



ありす「どうですか?」



P「うんカワイイ」カシャカシャカシャ



ありす「それは良かったです。喜んで貰えてなによりですって違いますよね!?」



P「はい次はこの肉球グローブをつけてー」スポッ



ありす「わっ、モフモフです」



P「左右に交互に手招きしながら軽くステップ踏んでみようか。はいっ、1、2、1、2」



ありす「ええと…こ、こんな感じですか?」ニャンニャン フリフリッ



P「いいよいいよー、その調子で右に左に、にゃんにゃんにゃんって」REC



ありす「はいっ」ニャンニャン









幸子(な、なにが起こっているんですかコレ…)REC

P「いいぞいいぞー、ノッてきたな橘さん。いや、りすにゃん!」Rec



ありす「ありすですっ絶賛にゃんにゃん中のありすですっ」フリフリッ



P「その調子だー、ほらカメラを意識してー目線下さーい。ほらほらもっと笑顔で。あざとく、媚びるように!」



ありす「はいっ。こうですかにゃ?」ゴロニャ



P「エキサイティング!」Rec





晴「うぃーっす」ガチャッ





ありす「にゃんにゃんにゃにゃにゃんっ」フリッフリッ



P「りすにゃん!りすにゃん!」Rec



ありす「にゃーおにゃおにゃおにゃんにゃんにゃにゃにゃんっ」フリッフリッ



P「りすにゃん!りすにゃん!」





晴「」





ありす「りすりすにゃんにゃんりすにゃんにゃ…………?」



ありす「…」



ありす「……」チラッ



晴「」



ありす「…」



ありす「……」ダラダラ



晴「」







晴「お疲れっしたー」ガチャッ







ありす「ぎゃふんっ!?」


幸子「結局ありすさんは何がしたかったんでしょう…可愛かったですけど。…まぁボクのカワイサは殿堂入りレベルですけどね!」



幸子「あ、プロデューサーさん早速さっきの映像をニコ動に上げてますね…うーむ、やはり手強い」



幸子「迂闊に仕掛けると先程のポンコツ3代目さんやイチゴパスタの権化さんの二の舞になってしまいそうですし…」



幸子「誰か、今度はポンコツじゃない、頼れる人が来てくれないですかね…」



まゆ「入り口のドアの前で何をしてるんですか?」ツンッ



幸子「わっひゃい!」ビクッ



まゆ「わっ、驚きますよ」



幸子「驚いたのはボクですよ❕−もう、どうして皆さん人を背後から突くんですかねぇ!」



まゆ「そんな事言われても」



幸子「…」



まゆ「?」



幸子「しかもまたポンコツさんですし」ボソッ



まゆ「あの、聞こえてますよ?」



まゆ「それで、ありすちゃんは何をしていたんですかぁ?」



まゆ「随分とまゆのプロデューサーさんに熱視線向けていたみたいですけど」



幸子「ち、違いますよ誤解です!決してまゆさんが思っているような事ではありませんのでご心配なく」



まゆ「心配なんてしてませんよぉ」



幸子「だったらその手錠とロープとアイマスクとコアラのマーチは何なんでしょう」



まゆ「うふふ」



幸子「あれ、答えてもらえない?」







ちひろ「プロデューサーさん、出来ましたよ」トタトタ



P「おお、上手上手」



常務 「君達は勤務中に何をしているんだ」



P「あ、常務見てください。この人仕事もせずにプラモ作ってます」



ちひろ「おい」

幸子「かくかくしかじか」



まゆ「まゆまゆうふうふ」





幸子「と、言」



まゆ「全てを理解しました」



幸子「早い!」



まゆ「つまりプロデューサーさんをビックリさせて結婚すればいいんですねぇ」



幸子「そしてほとんど話が伝わっていない!」



まゆ「任せてください。その程度まゆに掛かればこずえちゃんの腕をひねるより簡単ですよぉ」



幸子「その例え今ブームなんですか!?やめてください可哀想ですよ‼また想像しちゃったじゃないですかー!「いたいのー」とか言ってるこずえちゃんに罪悪感がオメガドライブなんですけど!」



まゆ「ではいってきますねぇ。幸子ちゃん見てて下さいね、まゆの手腕を」テチテチ



幸子「そして皆さんフットワーク軽いなぁもう!」







P「ちひろさん連れていかれちゃったな…」カチャカチャ



P「よし、ドーベン・ウルフ完成。調子に乗って魔改造しちまったなぁ」





まゆ(うふ…気づいてません気づいてません…)ヒタヒタ



P「いくら何でもビーム砲48個は付けすぎたかな。ハリネズミみたいになっちまった」



まゆ(ふふ…Pさん、すぐ後ろにまゆがいますよぉ?)



P「さて、次は何作るか……あ、駄目だ。ちくわしか残ってねぇや」



まゆ(やっぱりここは定番の手でいきましょうかねぇ)



P「うーん、どうしよう。気分転換に仕事でもするかな」



まゆ「わっ!」



P「ひゃんっ!」ビクンッ

まゆ「うふ…ビックリしましたかぁ?まゆですよぉ」



P「」



まゆ「こんなに近づいても気づいてくれないなんて…まゆ傷つきますよぉ?」



P「」



まゆ「…Pさん?」



P「」



まゆ「Pさん、お返事貰えないのは寂しいですよ?…Pさん?」



P「」



まゆ「お、怒っちゃいましたか?ま、まゆそんなつもりは無かったんです。ただ…」ユサユサ



P「」ドサッ



まゆ「…え?」



P「」チーン



まゆ「………」



まゆ「え?」



P「」チーン



まゆ「あ、あわわわっ!Pさんがっ、Pさんがっ!」



まゆ「ちくわを握りしめたまま倒れましたよぉ!?」







幸子「あばばばばばば…え、えらいこっちゃ…」アワアワ



幸子「と、とにかく救急車、救急車…!119番って何番でしたっけ…!」5.5.5

まゆ「あわわわわ…ど、どうしましょうどうしましょう…」アワアワ



P(お気付きかもしれないが当然演技でございます。もちろんまゆが近づいてきたことも察知してましたよプロデューサーですもの)チーン



まゆ「えっと、えっと…た、確かこういう時はまずは呼吸の有無の確認でしたね…!」



P(息止めまーす)



まゆ「……っ!こ、呼吸がありませんよぉ!?」



まゆ「た、大変です…!ハッ、し、心臓の音は…!」



P(心臓止めまーす)



まゆ「………っ!心配も停止してますよぉぉ!!?」



P(く…く…こ…こいつは…きついぜ… …い…いかん このまま意識を失うとマジに…

い…いっちまうぜ…… 笑い話にもならねえ このままてめーのスタンドで心臓を止めて死…死んじまったら…)



まゆ「そ、そうです!息をしていないのでしたら人工呼吸をすれば…!」



P「」シーン



まゆ「Pさん…必ず助けますから…!」



P「」シーン



まゆ(これは人命救助これは人命救助これは人命救助これは非常事態これは不可抗力駄目です舌入れちゃおうかななんて考えたらこれは人命救助まゆはガッツかない娘まゆは控えめな娘まゆはクンクンしない娘…)



P「…はっ!?」



まゆ「んー…」



P「うわぁまゆの顔近っ!ストップストップ!まゆストーーップ!俺生き返ったから!99日のタイムリミットとか無しに生き返ったから!」ガシッ



まゆ「んにゅっ」



まゆ「…っ!Pさん…Pさぁん!」ギュッ



P「グェッ、ど、動脈が…」



まゆ「Pさん、PさんPさん…!あのまま死んじゃうかと思いましたよぉ…!」ビェェーン



P「う、うん分かった、分かったから。もう大丈夫だから…」



P「だからまゆ一旦離して…」ギチギチ



まゆ「Pさぁん…Pしゃぁん…!」グスグス



P「ま、まゆ…ギブ、ギブ…」パンパンッ



まゆ「うう…ぐすっ、ぐすん…ぎゃふん…」スンスン



P「」チーン

幸子「まゆさんも返り討ちですね…いや、あれはある意味相打ちとも言えますけど」



幸子「やはり他の人では駄目ですね。ボク自らあの性悪陰険凄腕天才プロデューサーをギャフンと言わせてみせましょう!」



芳乃「褒め言葉が混ざっておりますー」



幸子「でもどうしましょうかね…真正面から仕掛けても背後から驚かせても失敗していましたし…」



幸子「うーむ…」



幸子「…」



幸子「…あれ、今誰かいました?」



芳乃「こちらですー」ツンツン



幸子「みゃんっ!?」ビクンッ!



芳乃「あやー」



芳乃「突然大きな声はー、びっくりしますー」



幸子「ビックリしたのはボクですってば!何ですか?この事務所のアイドルは音もなく人の背後をとる訓練でも必須なんですか!?」



芳乃「如何なされましたかー?随分とかの者にご執心な目を向けておいででー」



幸子「そんな目してませんよ!カワイイ愛くるしいキュートでポップでラヴリーなお目めじゃないですか!」



芳乃「自画自賛が凄まじきかなー」









常務「ほう、最近のプラモデルはよく出来ているな」カチャカチャ



P「プラモじゃないです。ガンプラです」



常務「何か違うのか?」



P「別物ですよ。クイックルワイパーと前川みくぐらい違いますよ」



常務「掃除用具とアイドルほどの違いがあるのか…知らなかったな」



ちひろ「真に受けないでください。この人の言うことは4割デタラメで3割ハッタリで2割冗談で4割妄想ですから」



P「全部足すと10割超えますがな」

幸子「かくかくしかじか」



芳乃「のんのんほーほー」







幸子「と、言う訳です」



芳乃「ではー、行ってまいりますー」トタトタ



幸子「意外にも一番フットワーク軽っ!」







P「いやあ、怒られるかと思ったけどガンプラ上げたら許して貰えた。意外」



P「しかし常務にキュベレイは似合いすぎるだろ…」



P「ん?芳乃が近くにいる気配が…」キュピーン



芳乃「そなたーそなたー」トテトテ



P「どうした芳野。警視庁捜査一課9係は毎週水曜だぞ?」



芳乃「訊ねておりませんがー」



芳乃「そなたー」



P「ん?」



芳乃「そなたの撮り溜めしていた番組をー、全て消してしまいましてー」



P「」



芳乃「申し訳ありませんー。ろくがよやくをー、失敗しましてー」



P「……え?…マジ?」



P「スーパーヒーロータイム、全滅?ディケイドから撮ってたんですけど…」



芳乃「跡形もなくー」



P「」







P「ぎゃふん!」









幸子「意外とチョロかったですね!」


P「マジか…いやマジか……」



P「ま、まあ、DVDとブルーレイも揃えてるしな…うん」



芳乃「あー、そなたーそなたー」



P「ど、どしたよ芳乃…」



芳乃「ゲームのデータも、飛びましてー」



P「ぎゃふんっ!」



芳乃「ハーゲンダッツもー、頂いてしまいましたー」



P「ギャフン!」



芳乃「育てていた塩麹もー、カビカビにー」



P「ギャフンッ!?」







幸子「…何だか可哀想になってきました…」







芳乃「そなたのパソコンのー、隠しフォルダの猫画像集も消してしまいましてー」



P「ギャフン!」



芳乃「ジャンプと間違えてー、週刊ポストを買ってきてしまいましてー」



P「ギャフンッ!」



芳乃「宇宙刑事ー」



P「ギャバン!」



芳乃「わたくしー、実は14歳なので非合法でしてー」



P「ギャフンッ!!」



芳乃「この距離ならバリアは張れませんのでー」



P「ギャレン!」



芳乃「このガンプラはー」



P「ギャプラン!」







幸子「コントですよね。あれただのコントですよね!?」

P「おぉぅ…うぉぉう…」ドシャッ



幸子(膝から崩れたぁ!!)



P「何故だ…何故こんな事に…」



芳乃「ほー?」



幸子(いやコッチに視線向けられてもっ!「これでよろしいのでー?」って顔してますけどやりすぎです!オーバーキルです!)



P「何で…何でだ…何で…」シクシク



芳乃「そなたー、そなたー」ポンポン



P「何でや…何でディアベルはん見殺しにしたんや…」シクシク



芳乃「そなたー」ムギュッ



P「わぷっ」



芳乃「ご安心をー。全て嘘なのですー、よしのんじょーく、ですー」



P「…嘘?」クスン



芳乃「はいー」ナデナデ



P「…録画は?」



芳乃「残っておりますー」



P「セーブデータは?」



芳乃「ありますー」



P「ハーゲンも塩麹も猫画像もジャンプも?」



芳乃「塩麹も猫画像もジャンプもー、皆ちゃんとありましてー」ヨシヨシ



P「うぐっ…ぐすっ……よかった、本当によかった…」スンスン



P「…」グスッ



P「……ハーゲンは?」



芳乃「よしよしでしてー」ナデナデ



P「芳乃、撫で撫でめっちゃ癒されるんだけど、ハーゲンは?」



芳乃「そなたの涙は見とうありませんー、皆様に笑顔で居てほしいのでー」



芳乃「だからー見ていてくださいー。わたくしのー」



P「芳乃さん?」



芳乃「ほー?」



P「なぁ、目ぇ合わせようや」

P「はぁ…まぁ食っちまったものは仕方ない」



芳乃「そなたー」クイクイッ



P「あん?」



芳乃「お許しをー」



P「上目遣いにそういうセリフはやめなさい。埼玉県民じゃ無かったら同人展開ですわ」



P「仕事終わったらアイス買って録画観ながら食べような」



芳乃「わーい」



P「んじゃ、もうちょい待っててくれなー」



芳乃「はいなー」



芳乃「そなたー、お膝の上はー、よろしいですかー?」ヨジヨジ



P「乗りながら言いなさんな」









幸子「…ブラックコーヒー飲みたくなってきましたね…プロデューサーさんのギャフンも聞けましたしボクも帰りましょうか…」







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ヒョウ君「次の日です」



アッキー「喋った、だと…?」







幸子「…と、いうわけで結局プロデューサーさんをギャフンと言わせる事は出来ませんでした」



小梅「そ、そうみたいだね…」



輝子「フヒ…か、賭けは無効試合だったな」



あの子「助かったわー」



幸子「でもボクは諦めた訳ではありません!いつか必ずボクの手でプロデューサーさんにギャフンと言わせてみせます!」フンス



P「ぎゃふん」



幸子「だからそういう事じゃなくてですね!」

P「人のデスクの隣で142's揃って何をワイワイガヤガヤと。まあ大方騒いでるのは幸子だけだけど」



P「で、何さ。幸子は俺に何の恨みがあるんだよ」



幸子「恨み辛みが溜りに溜まってますよ!人のことを日常生活の一部かの如く毎度毎度おちょくったりからかったりしてるじゃないですか!」



P「何言ってんだ!みくや橘さんのことだって同じぐらいからかってるじゃないかよ!」



幸子「尚更重罪ですよっ!」



輝子「フヒッ…し、親友の罪を…」



小梅「か、数えろ…だね」



P「今更数え切れるかぁ!」



幸子「開き直らないでください!とにかくっ、そういう訳でこの宇宙一心が広いボクもいい加減堪忍袋の緒がパーンしたってワケですよ!」プンスカ



小梅「あ、荒ぶってるね…」



輝子「さっちー、い、椅子の上で立ち上がるのは、危ないと思うぞ…?」



幸子「足持ってて下さい!」



輝子「あ、はい」ガシッ



小梅「て、手伝う…ね」ガシッ



あの子「せわしねぇや」ガシッ



幸子「いつもいつもっ!プロデューサーさんは何なんですかっ!」



P「プロデューサーですがな」



幸子「だからそうじゃなくって!」



幸子「ああっ、足掴んで貰ってるから地団太踏めない!」



P「まぁ落ち着け幸子。プリッツ食べるか?」



幸子「貰いますけども!」



小梅「あ、いいなぁ…」



輝子「わ、私にも…」



P「はいはい」



幸子「あむあむ……大体ですねぇ!曲がりなりにも自分の担当アイドルを毎日のように弄り倒して、一体どういう了見なんですかっ!」



P(両手で持って食べる幸子カワイイ)



小梅(カワイイ)サクサク



輝子(カワイイ)サクサク



あの子「あの、1本貰ってもいい?」



P「はいよ、どうぞどうぞ」

幸子「大体何なんですかっ!ボクのこと嫌いなんですか?気に入らないんですかっ!?それならそうとハッキリ言ってくれれば…」



P「んな訳あるか」



幸子「いいじゃないですか……って、…え?」



P「そりゃ最初の頃は「生意気な奴だなー」とか「自信過剰だなーナルシスト?」とか「何で毎日髪の毛横だけ跳ねてんだろ、寝癖?」とか週に7日ぐらい思ってた時期もあったけどさ」



幸子「…っ!」ウルッ



小梅(…あ、涙目になっちゃった…)



P「でも幸子が陰で誰よりも熱心に努力してるのも、仕事が終わった後でも毎回反省点をメモして復習してるのも全部知ってるし、幸子が努力家で真面目な娘だってのは理解してるつもりだぞ?」



幸子「…っ!……っ!?」



輝子(おおぅ…めっちゃ照れてる…カワイイ)



P「最初の頃は随分頑固で扱いにくかったけど、今では随分丸くなったというか素直になったというか。意固地な所があるから苦労したけど、今ではちゃんと頼ってくれるようになったしなぁ」



幸子「べ、別にボクは完璧ですからプロデューサーさんに頼ったりなんて事は…」



P「じゃあ、明日から収録一緒にいかなくていいよな?」



幸子「………え?」



小梅(わっ、あっという間にこの世の終わりみたいな顔になっちゃった…)



P「幸子は頑張り屋な上に優秀だから、こっちもつい多少無茶な仕事させちゃうんだよな…」



P「ごめんな?俺も最近幸子に甘えてたのかもな」



幸子「…そ、そうですよっ。プロデューサーさんはいっつもいっつも、変な仕事ばっかりもってきて…!」



幸子「カワイイボクだからこなせるものを、いつも大変なんですからねっ!?」



P「うん、ごめんな」



P「あと、いつもありがとうな」ポンッ



幸子「あっ…」



P「いつも無茶な仕事にも一生懸命頑張ってくれて」ナデナデ



幸子「あっ、あっ…」



P「幸子には凄く助けられてるよ。感謝してる。ありがとうな幸子」ナデナデ



幸子「あっ…ふぁ…っ」グスッ



輝子(あ…もう泣きそう…。て、ていうか親友……口説いてないか…?)





P「幸子はリアクションが良いからついついちょっかい出したくなるんだよ。悪かったな」ヨシヨシ



P「でも、ちゃんと幸子が頑張ってるのは分かってるから。嫌う訳無いだろ?」



幸子「…うぅ〜…」



幸子「…すいません、一旦足離して貰えます?」



小梅「う、うん」パッ



輝子「お、おぅ」パッ



あの子「はいよ」パッ



幸子「…」



P「幸子?」



幸子「てりゃっ!」ガバッ



P「ごふぇっ」



幸子「〜〜っ!」ギュゥゥ



P「ぐぇっ…さ、幸子締まってる締まってる…!」パンパンッ



小梅「わわっ、だ、大胆…」



輝子「じ、情熱的…ロック、だぜ」



あの子「若いっていいね」



幸子「まったくもぅ…何ですか、何なんですか…」ギュゥゥゥ



幸子「プロデューサーさんはボクを怒らせたいんですか?喜ばせたいんですか?何がしたいんですか、もう…」ギュゥゥゥ



P「うん、幸子ごめん悪かったってば。だから一旦離して酸素が入ってこない」ギチギチ



幸子「もう、こんなどうしようもないプロデューサーに付き合えるのはボクみたいに心の広いカワイイ天使しかいませんよね!」



幸子「しょうがないから、どうしようもないですから、仕方なくですけどこのどうしようもないプロデューサーさんに付いていってあげますよ!末代まで感謝して下さいね!」ギュゥゥゥ



P「う、ん……とり、あえず…離してくれたら…感謝シマス…」ピクピク



輝子「さ、さっちーストップ…そろそろ、マジでヤバいぞ…」



小梅「プロデューサーさん、どんどん生気が消えていってる…」ワクワク



あの子「バッチリミナー」

P「げほっ、ごほっ、おぇっ…ぴにゃっ…」ケホケホ



P「危うくあの子と同じ世界にレッツゴー覚悟するところだったよ…」



小梅「…」シュン



P「お願い、残念がらないで」



あの子「仲間が増えるかと」



P「期待しないで」



幸子「大丈夫ですか?もう、軟なプロデューサーさんですねぇ」



P「俺も一応は人間だから」



P「んで、幸子さんや」



幸子「はい?」



P「いつまでこのままなん?」



幸子「…は?」ギュゥッ







輝子「フヒッ…」Rec



小梅「ば、ばっちり…」Rec



幸子「…」





幸子「……」









幸子「ぎゃふん!」











アッキー「終わり」



あの子「なの」



芳乃「でしてー」



23:30│輿水幸子 
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