2016年06月15日

堀裕子「こんなことなら……サイキックに憧れるんじゃなかった……」

※シリアス



※一部作者による独自解釈有り



※微キャラ崩壊







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8年前





私は給食で出てきたスープンを見て、前日に見たバラエティ番組のサイキックショーを思い出しました。

その番組に出てきた男性はスプーンに力を入れると、そのスプーンが簡単に曲がってしまったんです。

その時の私は子供心を擽られ、スプーンを握り手に力を込めてバラエティ番組の真似事をしました。





裕子「……えっ」





私は思わず目を大きく見開きました。なんとスプーンはいとも容易く曲がってしまったのです。

私は突然世界が変わったような感覚を覚え、急いでそのスプーンをランドセルの中にしまいました。

これが私がサイキックに憧れるようになったキッカケでした。



それ以来、私は毎日学校から帰ると家でサイキックトレーニングをするようになりました。

スプーンを曲げれたのはその時だけでトレーニングを積み重ねてもイマイチいい結果を見出せなかったが、それでもいつかさいきっくぱわーが目覚めることを信じてトレーニングを続けました。



現在





裕子「むむむーん……」



P「ここを、こうして……と」



ガチャ



みく「Pチャン裕子ちゃん、おはようにゃー」



裕子「あ、おはようございますみくちゃん!」



P「おう、おはようみく」



裕子「曲がれー……」



P「そういえば菜々は?」



みく「菜々チャンは今日遅れるって連絡がきたにゃ」



裕子「曲がれー……曲がれー……」



P「オイオイ……今日はみくとの仕事が入ってるだろ……」



みく「遅刻はしないって言ってたから多分大丈夫にゃ」



裕子「曲がれーー!!」



みく「でも何故遅れるのか聞いてもはぐらかされるだけで教えてくれなかったワン」



P「多分それは……ってあれ?」



みく「うにゃああー!裕子ちゃんが曲がれ曲がれ言ってるから思わず関西人の血が騒いで自分を曲げちゃったにゃ!」



裕子「え!?なんかすいません!」

P「そんな簡単に自分曲げてしまうなんて……失望しました、みくにゃんのファ……んぐっ!」



みく「おおっと!それ以上は言わせないにゃ!」



てっきりさいきっくぱわーが目覚めたのかと思ってビックリしました……



みく「もう……みくは自分を曲げないよ!」



P「はいはい分かった分かった。さてと、裕子、もうそろそろ仕事行くぞ」



裕子「はい!わかりました!それでは私のテレポートで……」



P「残念ながら事務所のテレポート(車)を使うぞー」



裕子「そんなー!」



カラ-ン……



P「おいおい裕子、またお守りを落としてるぞ」



裕子「あ、すみません!よいしょっと……」



P「それはお前の大切な宝物なんだろ?ちゃんと気をつけろよ」



裕子「むむむ、ごもっともです……」



裕子「それではみなさん!サイキックバイバーイ!!」



芸人「だから裕子ちゃん!サイキックバイバイってなんやねん!」



アハハハハハ!!!



女優「……」







P「お疲れ、裕子」



裕子「あ、プロデューサー!お疲れ様です!今日のエスパーユッコはどうでしたか!?」

P「バッチリだ。他の人にも受けてたしやはり俺の自慢のアイドルだ」ナデナデ



裕子「フフフ……」





やっぱり、プロデューサーに頭を撫でられるのは若干子供扱いされてる気もしますが嬉しいです。

でもそんな簡単に女の子の頭を撫でるなんて女性の扱いを分かってないんでしょうね。この先少し不安です。





P「さてと、俺はディレクターに挨拶に行ってくるからここで待ってくれるか。すぐに終わるから」



裕子「はい!サイキック待機しています!」



P「サイキック待機ってなんだよ」ハハハ



スタスタ……



裕子「むむむーん……」



女優「あんたが堀裕子ね」



裕子「あ、お疲れ様です!」



女優「フン、いかにも馬鹿そうな顔をしてるわね」



裕子「えっ」



女優「スプーンなんか持ち歩いてサイキックアイドルなんて馬鹿馬鹿しい」



裕子「えっと……その……」



女優「私はね、あんたみたいな……」



タッタッタッ……



P「裕子!今日のもう一件の仕事、時間が早まったらしい!急ぐぞ!!」



裕子「えぇっ!?わ、わかりました!」タッタッタッ







女優「……フン」



裕子「あの、プロデューサー。今日はもう仕事は無いはずじゃ」



P「ないよ。裕子、大丈夫だったか?」



裕子「あ、大丈夫です……ありがとうございます」



P「あの人は口が悪いことで有名だからな。次からは気をつけた方がいいな……」



P「今日はこのまま帰るのか?送っていこうか?」



裕子「いえ!歩いて帰れる距離なのでこのまま直帰します!それではまた明日!」



P「また明日なー」



裕子「はぁ……」





まさかああいうことを言われるとは思いませんでした。

この業界ではそういう人もいることは知っているつもりでしたが、初めて言われたのでとてもショックです。





裕子「確かこっちが近道でしたよね……少し暗いところだけど……」



スタスタ……



男1「おっ、可愛い子はっけ〜ん!」



男2「君どこから来たの?何歳?こんな所に一人で来るなんて不用心だね〜」



裕子「え……えっと……」



しまった、ここはそういう場所でしたか。この状況を切り抜けるには……私の頭では走り抜けるしか思いつきません





男1「ねえねえ、とりあえずまずは俺達とお茶でもしようよ。それから……」



裕子「し、失礼します!」スタスタ



男2「あ、ちょっと待ってよ!」ガシッ



裕子「っ!?は、離してください!!」





キイイイィン





男2「うおっ!」ドンッ



男1「な、なんだ!?突然後ろに吹っ飛ばされて……」



裕子「はぁはぁ……」タッタッタッ

頭が真っ白になって思わず私は無我夢中で走ってしまいました。

さっきのは一体何だったのでしょうか。肩を掴まれて「怖い」と思った瞬間男の人が後ろに飛んで壁にぶつかっていました。

今日は1日色んなことが起こりすぎたので、私の頭はパンクしてしまい家に帰ってすぐに寝てしまいました。



翌朝、私はシャワーを浴びながら頭を整理して、昨日の出来事はどういう事なのかようやく理解できました。







私は超能力者に目覚めたのです



裕子「むむむーん!」



P「おいおい裕子、真のサイキックパワーが目覚めたってのは本当なのか?」



裕子「はい!間違いありません!確実に真のさいきっくぱわーが目覚めました!」



P「でもさ、お前が幾ら念じてもなかなか俺が後ろに吹っ飛ばないぞ。わざわざクッションまで用意してるのに」



裕子「うーん……確かに昨日ブワァ!って感じで後ろに飛んで行った筈なんですが……」





おかしいですね。昨日は間違いなくさいきっくぱわーが発動したって感じがしたんですが。

やっぱりあの男性二人は私のファンで、ワザとそういうリアクションを取った、とかなのでしょうか。

P「そんなことより裕子。暗い所を一人で帰るのは危険すぎる。ファンの可能性があるとはいえ、実際に男に絡まれたんだからな」



裕子「うっ……すいません……」



P「今度からは俺一緒に帰ること。仕事が終わったら一旦事務所戻るか、仕事先から直帰する場合は俺が迎えに行く。いいな?」



裕子「でもそれだとプロデューサーは」



P「い・い・な?」



裕子「わ、わかりました……」



P「それと裕子。今日は俺は外回りがあるから一緒についていけないんだが、どうやらあの女優がいるらしい……大丈夫か?」



裕子「……大丈夫です!エスパーユッコに不可能はありません!」



P「よしよし、いい子だ」ナデナデ



裕子「も、もう……」



裕子「むむむーん……てやああああ!!」



芸人「うわ!なんか急に椅子がガクンってなった!」



アハハハハハハ パチパチパチ



女優「……」







裕子「ふぅ……早く事務所に帰らなくては。プロデューサーも待ってるだろうし」



スタスタ……



女優「……」



裕子「あ、お、お疲れ様です」



女優「この業界の厳しさも知らずにこうもヌケヌケと」



裕子「……」

女優「私はね、あんたみたいなこの業界の黒い部分を知らずにのうのうとしている人間が大嫌いなのよ。私は今まで苦しい思いをしてこの業界を生きてきたというのにあんたは……」



裕子「失礼します……!」タッタッタッ



女優「ちょっと待ちなさいよ!」



カラ-ン……



女優「ん?なにこの小さくて曲がったスプーン。あんたはいつも持ってるスプーンは先割れでもっと大きかったわよね。あんたいつも二つ持ち歩いてるの?」



裕子「あ……!それは私のお守り……!」



女優「こんなのがお守り?笑わされるわね!こんなもの……!」



バキッ



裕子「っ!?」





キイイイイィン





女優「きゃあああああ!」ドンッ



ドサッ



裕子「はぁ……はぁ……」タッタッタッ



女優「うぅ……ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」





あの時と同じです。人に対して嫌気が差すとその人が後ろに吹っ飛ばされるのでしょうか。

考えがまとまらないまま、事務所に向かって私はまた無我夢中で走りました。

みく「あ、裕子チャンおかえりにゃ〜」



P「裕子おかえり〜」



裕子「た、ただいま……」ハァハァ



P「どうした?そんなに息を切らして」



裕子「いえ、ちょっと茜ちゃんみたいに走りたくなって……」



P「?そうか」



みく「見て見て裕子チャン!みくたち宛のファンレターがこんなにいっぱい!裕子チャンのもあるよ!」



裕子「ありがとうございます……」ペラッ







『死ね、テレビから消えろ』





裕子「っ!!?」



P「ん?どうした裕子」



みく「どしたの裕子チャン」





キイイイイィン





P「うおおおおお!」ドンッ



みく「うにゃああああ!!」ドンッ



裕子「え……」





どういうことでしょうか。超能力が発動するのは人に嫌気が差した時じゃなかったのでしょうか。私は大切な仲間達に嫌気なんて差したことがないし今も嫌気なんて差さなかった。











もしかして、負の感情を抱くと無差別に力が発動するのではないでしょうか

P「うぅ……くっ……」



みく「痛っ……」





二人とも凄く痛がっています。

私のせいで、私のせいで二人が傷ついてしまいました。私が二人を傷つけてしまいました。私のせいで……







私がここに居てはみんなが傷ついてしまう……?







裕子「うっ……」ポロポロ



タッタッタッ



P「ま、待て!裕子!」







みく「行っちゃったにゃ……」



P「みく、大丈夫か?」



みく「なんとか……さっきのは一体何だったのにゃ」



P「わからない。だけどこれを見る限り俺の検閲ミスのせいで裕子が酷く動揺していたのは確かだ」



みく「とりあえず急いで裕子チャンを探しに行くにゃ!」



P「そうだな、二手に分かれよう!」

みく「駄目、全然見つからないにゃ……」



P「クソッ……どこに行っちまったんだ……」



みく「どこか心当たりはないの?」



P「心当たり……か……」



P「……!一つだけ、ある」



1年前





裕子「むむむーん……」



P「君、こんな所でなにしてるの?」



裕子「何ですかあなた!サイキックナンパですか!?」



P「サ、サイキックナンパ?あははは!面白いことを言うなぁ!怪しいものじゃないよ」



裕子「そ、そうなんですか」



P「それで、ここでなにしてるの?」



裕子「こういう孤立した大きな木ってなんかパワーがありそうじゃないですか!だからここで訓練をしたらさいきっくぱわーが目覚めるんじゃないかと思って!」



P「さいきっくぱわー?」

裕子「はい!私は真のサイキッカーを目指して毎日猛特訓です!むむむーん!」



P「サイキック……か……。ティンときた!君アイドルにならない?俺はこういうものなんだけど」



裕子「……」ポカ-ン



P「やっぱり駄目かな?」



裕子「予知夢……」



P「え?」



裕子「予知夢ですよ!昨日私は大きなステージでマイクを持って歌う夢を見たんです!あれはこういうことだったんですね!」



裕子「いいでしょう!私アイドルになります!サイキックアイドル堀裕子として!よろしくお願いします、プロデューサー!!」



P「ああ!こちらこそよろしく!」







これが私とプロデューサーの出逢いでした。私はこれは運命だと思い込み、アイドルになってプロデューサーについて行くと決めました。





現在







裕子「……」





ここにいると、プロデューサーと出逢った時のことを思い出します。それからはアイドルになり、最初はなかなか人気が出ずに苦労したけど、初LIVEが成功して知名度もいっきに上昇しました。

それからは色んなアイドル達と出逢い、仲良くなり一緒にお仕事をしたり遊びに行ったりもしました。

楽しかったなぁ。





P「裕子!」



みく「裕子チャン!」



裕子「!?プロデューサー!みくちゃん!」



しまった。もっと遠くに行けばよかったです。



P「みく、お前はここで待機してろ」



みく「でも……」



P「いいから!」



みく「……わかったにゃ」



P「裕子!心配したんだぞ!帰ろう!」



裕子「い……嫌です!」



P「しっかり検閲できてなかった俺が悪かってた!今度からは気をつけるから、な?」



裕子「そういうことじゃないんです!」



P「ど、どういうことだ?」



裕子「プロデューサーも気付いているんでしょう……私に本物の超能力が宿ったことを」



裕子「宿っただけならまだよかったんです……この力は私が怒ったり、怖くなったり、悲しくなった時に無差別で発動してしまうんです……」



裕子「だから……みんなを傷つけてしまうから……私は……」



P「それなら何故お前はここにいるんだ?」



裕子「え……?」



P「ここは俺とお前が初めて出逢った場所だ。お前は俺に見つけ出して欲しくてここにいるんじゃないのか?」



裕子「違います!ただ逃げるのが遅かっただけです!」



裕子「もうやめてください……誰にも会いたくないんです……誰も傷付けたくないんです……」



裕子「こんなことなら……サイキックに憧れるんじゃなかった……」

みく「なんでそんなこと言っちゃうの!?」





P「みく……」



裕子「みくちゃん……」



みく「裕子チャンは子供の頃からサイキックが好きなんでしょ!?」



裕子「確かにそうでしたが……もう私はサイキックには関わりたくないんです!」



みく「本当にそれで良いの!?裕子チャンにとってサイキックは……エスパーユッコは自分自身なんでしょ!?」



みく「そんな簡単に自分を曲げて良いの!?」



裕子「……続けたいです」



裕子「私だってエスパーユッコとしてアイドルを続けたいです!」



裕子「でも力が制御出来ないんですからしょうがないじゃないですか!!」



P「できる!強いお前ならそんなこと簡単だ!!」



裕子「無理ですよ!出来るわけありません!」



P「いいや、お前ならできる!俺が証明してやる!」



スタスタ……



裕子「!?近づいてはダメです!そんなに近づいてきたら……」



キイイイイィン



P「うおおおおお!!」ブワァ



みく「Pチャン!」



裕子「プロデューサー!」



ドサッ



P「つぅ……」



駄目です。力の制御なんて無理に決まってるじゃないですか。やっぱり私なんか……







P「ふぅ……寝不足だからいい眠気覚ましになったぞ」



裕子「プロデューサー……」



P「俺はこの通り全然平気だ!だから戻ろう!」スタスタ



裕子「近づいちゃ駄目です!さっきので分かったでしょう、力の制御なんて無理に決まってるんです!」



P「確か怒ったり、怖がったり、悲しんだりした時に力が発動すると言ってたな」



裕子「そうです!だから」



P「それなら簡単じゃないか。みんなの笑顔を思い出すんだよ」



裕子「みんなの……笑顔……?」

P「そうだ。俺はな、嫌なことがあったらみんなの裕子やみく、他のみんなの笑顔を思い出して『頑張ろう』と思えるんだよ」



P「お前は強い!何故ならお前に笑顔を向けてくれる人はいっぱいいるからだ!俺や他の娘達、更には沢山の裕子のファン……」



P「みんなの笑顔を思い出せば、力の制御なんか簡単だ!」



裕子「みんなの笑顔を……思い出す……」







みんなの笑顔……私に向けてくれるみんなの優しい笑顔……

それを思い出すと、なんだか心が暖かくなってきました。



P「ほら、すぐ側まで近づけた。だから簡単だって言ったろ?」ニコッ



裕子「あ……」



P「裕子……」ギュッ





暖かい……プロデューサーが強く抱きしめてくれました。

もう近づくことができないと思っていたプロデューサーの暖かさを感じていると涙が……





裕子「うぅ……プロデューサー……」ポロポロ



P「どうした裕子」



裕子「プロデューサアアアアアア!!うわああああああああああんん!!!」ポロポロ



P「よしよし。辛かったな、大変だったな。もう大丈夫だからな」ナデナデ







みく「一件落着にゃ……」



こうしてこの事件は幕を降ろしました。



女優さんには、私とプロデューサーが『私が手で突き飛ばした』ということで謝りました。とりあえず相手側もそれで許してくれたようです。



そして……







スタスタ……



女優「……」



裕子「あ、こんにちは!この間はすいませんでした!」



女優「フン、『エスパーユッコのサイキックLIVE』なんて懲りずに馬鹿なことをやってるようね」



裕子「……」



女優「サイキックアイドルなんてほんと馬鹿馬鹿しいわね。そんなんだとあんたは……」



裕子「むむむーん!」



女優「……は?」

裕子「さあさあエスパーユッコのサイキックショーの開幕です!このなんの変哲もない帽子にこの布を被せて念じると……てやっ!」



バサバサ!



女優「きゃあ!?は、鳩?」



裕子「如何でしたか!?エスパーユッコのサイキックは!」



女優「こんなのサイキックじゃなくてただの手品じゃない」



裕子「そうです、今のはただの手品。でもこれがサイキックアイドル堀裕子でもあるんです」







裕子「何があろうと、私は自分を曲げません!」







この台詞はみくちゃんの受け売りですけどね。



女優「……あーあ。私ったら何やってるのかしら。ちょっかいかけるのがアホらしくなってきたわ」



女優「ほんと、あんたを見てると昔の自分を思い出してイライラするからちょっかいかけてたんだけどなぁ」



裕子「昔の自分……?」



女優「私も昔はあんたのように馬鹿みたいにまっすぐ突き進んでいたのよ。ほんといつからこうなったんでしょうね」



女優「疲れたし私はもう帰るわ。ま、せいぜい頑張りなさいよ」スタスタ



裕子「あ……ありがとうございます!」







あの人は何しに来たんでしょうか。本当に私に悪口を言う為だけにこんな所まで来たのでしょうか。

P「……裕子、大丈夫か?」



裕子「プロデューサー!ユッコは全然平気ですよ!」



P「よかった、元気そうだな。もうすぐ始まるから舞台裏に行くぞ」



裕子「はい!」



P「緊張しているか?」



裕子「していない、訳ではありません。ですが、エスパーユッコにはこのくらいへっちゃらです!」



P「そうかそうか。やはり俺の自慢のアイドルだな」ナデナデ



裕子「あ……」





また頭を撫でられてしまいました。頭を撫でられるとどうしても心臓がうるさいくらいバクバク鳴ってしまいます。もうこの気持ちを打ち明けてしまいましょうか。

裕子「あ、あの!プロデューサー!」



P「ん?」



裕子「そ、その……私はプロデューサーのことが……//」



P「裕子」



裕子「ひゃい!?」



P「その話はLIVEが終わってからにしよう。今はLIVEに集中するんだ」



裕子「はい……」



P「そう落ち込むなって。LIVEが終わったら幾らでも聞いてやるからさ」ナデナデ



裕子「……はい!エスパーユッコ、行ってきます!」



P「行ってこい!」



あれから少し変わったことがあります。







裕子「みんなー!げんきですかー!!」



ワアアアアアア



裕子「私は大大大元気です!それではまずは私のさいきっく……サイキックパワーでこの大量の紙吹雪を空中で自在に操りましょう!!」



裕子「むむむーん……とりゃあああ!!」フワアアア



オオオオオッ!!!







それは力が自在に扱えるようになったことです。このように大衆の面前で使って大丈夫か?と思う人がいるかもしれませんが、観客もトリックがあると思うだろうから大丈夫でしょう、多分。

ただ変わったことはそれくらいで、私は今もみんなと仲良く仕事をしています。真のサイキックアイドルを目指して。







P「裕子……お前はもう、立派なサイキックアイドルだな……」



裕子「それではいきましょう!1曲目、『ミラクルテレパシー』!」

おしまい







08:30│堀裕子 
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