2016年07月01日

大槻唯「ねーねー、プロデューサーちゃん」


事務所にゆいとプロデューサーちゃんは二人っきり。



ゆいはもう上がってもいいんだけど、あの人が日報とか色々やんなきゃいけないらしーから待ってるってワケ♪





ゆいってば健気ー?



でも、プロデューサーちゃんはそんなゆいには目もくれずパソコンとばっかり仲良しってさー。



ちょっとヒドくないかなぁ。



あ!そうだ、構ってくれないプロデューサーちゃんにはイタズラしちゃお☆





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そうと決めたら、即じっこー!



こっそりこっそり後ろから近付いて...どーん!



「うわっ!」



「だーれだ!」



「誰だ、って今は俺と唯しかいないだろ?」



「当たりー!正解したプロデューサーちゃんにはご褒美あげちゃう☆」



「ご褒美...って?」



「それはね、じゃーん!ゆいを膝に乗せながらお仕事ができる権利♪」



「罰ゲームじゃないか...?」



「あー、そういうこと言うんだ。じゃあもう口利いたげないっ!」



「はいはい、もうすぐ終わるからじっとしてろよ?」



プロデューサーちゃんはゆいにそう言うと、またキーボードをかたかた鳴らし出す。



んー、ゆいのことなんとも思ってないのかなぁ。



もうちょっとくらい動揺してくれたっていいのにな。





「ねーねー、お腹空いたー」



「口利いてくれないんじゃなかったのか?」



「あっ、忘れてた!今のなし!」



「お腹空いてないか?」



「もー!そういうのズルくない?」



「ごめんごめん、って。はい、終わり」



「お仕事終わったの?」



「うん。終わり、家まで送るよ」



「えー、ご飯行こーよー」



「今日は遅いからまた今度な」



「ちぇー、プロデューサーちゃんのけち」



「ケチってお前なぁ、遅くまで18歳未満を連れまわしちゃまずいんだってば」



「そーやってまたコドモ扱いするー」



「子供扱いじゃなくて子供だろ?」





言い返せない。



確かにゆいは子供だし、プロデューサーちゃんの言ってることは正しいんだけどさー。



むー...なーんか釈然としない。



「ほら、機嫌直してくれよ。今度おいしいとこ連れてくからさ」



「しょーがないなー、プロデューサーちゃんのオゴリね♪」



「もちろん、任せて」



「いっぱい食べちゃうから覚悟しといてよ☆」



「はいはい、お手柔らかに頼むよ。じゃあ鍵閉めたら俺も行くから、先に車乗ってて」



そう言って手渡された鍵をポッケに突っ込んで、事務所を出る。



もちろん、先に車に行ってなんかあげないし!



出たとこで待ち伏せてびっくりさせちゃう☆



あっ、事務所の電気が消えた。そろそろかな?



そぉ思ったゆいは室外機の陰に隠れる。



少しして、ドアがゆっくり開いてプロデューサーちゃんが出てきて鍵を閉めた。



きちんと施錠してあることをもういっかい確認するとプロデューサーちゃんは足早に駐車場の方へ向かってしまう。



あ、ヤバ。おどかすの忘れてたー!





ゆいがダッシュで駐車場に行くとあの人は、大きい声で「唯ー!」なんて叫んでる。



ってかプロデューサーちゃん足、速過ぎ。



「...はぁ...はぁ...ごめ、プロデュー...えっ」



肩で息をしながら、ゆいがなんとか声をかけるとプロデューサーちゃんすっごく怖い顔しててさ。



思わず言葉が詰まっちゃったんだよね。



「本当に心配したんだぞ!こういうイタズラは金輪際なしにしてくれ」



あーあ。



こんなつもりじゃなかったんだけどなー。



「ごめんなさい。ほんとにほんとにごめんなさい」



こればっかりはゆいが悪い、だから思いっきり頭を下げて謝った。



「俺の方こそキツい言い方してごめん。なんともなくて良かった...」



そんなさっきの怖い顔からは想像もつかないような見たことない顔のプロデューサーちゃんになって



ゆいの頭をくしゃくしゃーってやるもんだから、なんだか泣けてきて、泣き顔なんて見せたくないし俯いちゃったんだよね。



そんなゆいを知ってか知らずかプロデューサーちゃんは



「さぁ乗って、送るよ」って言って助手席のドアを開けると運転席の方へ行ってしまった。





ゆいがシートベルトをしたのを確認すると、彼はアクセルを踏み車は走り出す。



しばらくして、彼は沈黙に耐えきれなくなったのか口を開いた。



「唯、ごめんな。さっきは」



「ううん、ゆいこそごめん。もうしない」



「...うん。本当に心配なんだ」



「それって、ゆいがプロデューサーちゃんの担当だから?」



「そんなわけないだろ?担当でも担当じゃなくても唯が大切だからだよ」



「もー、真顔でそーゆーこと言うのなしっしょー」



顔があっつい。だめだ。ニヤける。



「だから、ああいうのはなしにしてくれ」



「うん。ゆいもプロデューサーちゃんが大切だからもうしない♪」



「お前はまたすぐそうやって大人をからかう...」



「あはは、でもでも。からかってないよ☆」



「はいはい」



いっつもこんな感じで適当にあしらわれちゃうのが悔しいけれど、



ゆいと彼はただのプロデューサーと担当アイドルなワケで、この壁はおっきかった。



「はぁ」



「どうした?」



「んーとね、ゆいがもうちょっとだけ大人だったらなーって」



「何でまた急に?」



「だってそしたらプロデューサーちゃんをメロメロにしてあげられるもん」



「バカだなぁ」



「バカはないっしょー!」



「ゆいは今のままで十分素敵だよ」



「出た出た♪プロデューサーちゃんのそれ」



「あのなぁ」



「早くプロデューサーちゃんにウェンディングドレス着せてもらいたいなー☆」



「......」



「なんで黙るかなー」



「...いや、だって」



「ま。ゆいはウェディングドレスの前に欲しいものがあるからまだいらないんだけどね」



「欲しいものって?」



「ガラスの靴!」



「それは約束するよ。必ず履かせてみせる」



「おー!かっこいーね。じゃあゆいもプロデューサーちゃんのために今まで以上に頑張っちゃう!」



「そりゃ頼もしい」



「あれ。ふざけてたらもう着いちゃったねー」



「ふざけてないけどな」



「今日はありがとー!それとごめんね」



「ああ、また明日」





助手席を降りてプロデューサーちゃんの車に手を振るゆいに彼は「おやすみ」とだけ言って窓を閉めようとする。



そんな彼に、ゆいは自分の唇に手を当ててキスを投げた。



もちろん彼は投げ返してはくれなくて、手をひらひらさせて走り去ってしまう。



今はこれでいーの。



いつか、ぜったいぜーったい投げ返させるし!



それまではゆいとあの人はこんな感じでいーのかなー、なんて。



照れるプロデューサーちゃんカワイイし。









おわり





20:30│大槻唯 
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